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N-STARの会コミュの井上克良さんの思い出です。

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N-STARa/bの思い出

 N-STARに係わったのは、ドコモがNTT本体から分社後、最初は設備計画担当(局舎)として、小夜戸・揚枝方の局舎の建設からであった。当時、竹村課長のもと、どんな建物にするかの検討の中で、若干の係わらせてもらいました。その前後、N-STARa/bの移動ミッション分の費用負担として、“マイルストーンペイメント”にのっとって総額210億円の支払いを設備企画担当が行っていたのであるが、船舶通信の後継システムとして衛星方式に移行する計画であったため、船舶担当として支払いを継続することとなった。
 
 地球局設備の建設は、深畑主査が担当していましたが、船舶サービスの移行ということで、N-STARの打ち上げに係わるようになり、打ち上げ保険の交渉でパロアルトへ出張しました。昼間は保険交渉、夜は昼間の議事録を作成し、東京の森永部長へ進捗報告とその後の対処方針の指示を受け、翌日の交渉に臨むという状態で、1週間ほどおりましたが、最後にスタンフォードショッピングセンターへ買い物へ出掛けただけで、観光もせずに帰京しました。
 
 a号機の打ち上げは、日比谷のNTT本社ビルの1階会議室で、ギアナからの中継映像をモニターしておりました。現地から鮫島さんが説明されていたのを感慨深く見ておりました。打ち上げ後の静止化は、中野の衛星センター(当時山後所長)へ土曜日にもかかわらず出掛け、静止化の報告を成田到着直後の萩原担当部長経由で森永部長へ連絡をお願いしたものでした。(当時上司の栗原課長は横須賀住まいで、たまたま私は、中野富士見町の社宅に住んでおりました)
 
 そんなこともあり、b号機の打ち上げでは、ギアナまで行かせてもらいました。しかし、出張が決まったのが12月の下旬で、ギアナ領への入国には「黄熱病」の予防接種が必須で、年末のギリギリになってやっとこさ予防接種ができました。予防接種では、菌を無理やり身体に入れ培養する訳ですから、年末年始は“頭が重いような、微熱があるような”で臥せっていた記憶が残っています。

 パリ経由でギアナに出発する段(1月下旬)になって、打ち上げが2日間延びたことから、パリで“ルーブル美術館”や“ベルサイユ宮殿”を見学する時間が持てました。ちなみにパリ滞在中に誕生日(??歳)を迎えました。また、パリではホテルリッツに宿泊するなど、思い出深いのものになりました。打上げ2日前にギアナのクールーへ入り、打上げを向かえました。

 打上げの射場は、見学コースになっていて、「ブロックハウス」:打上げを至近距離で制御する(発射台から5km離れております)や1000トンもの巨体が打ち上げられる発射台、コントロールセンター並びに見学席のある「ジュピター」:発射台から10km離れている、それと衛星を搭載したロケットならびに打上げの概要説明がありました。(いずれも英語またはフランス語のため、同時通訳での説明がありました)

 b号機の打上げは、夜中の予定で真夜中にバスに乗り込み、ジュピターでその時を迎えました。この時もハリケーンが近づいているとの事で、ウインドウの開いている早い時間に打ち上げる予定でしたが、カウントダウンが始まってシンクロナイズドシーケンスと言って“2台のコンピュータによる自動制御”:打上げ6分前、に入る前にも22分間の中断がありました。

 打上げ時は、発射台から10km離れているにも拘らず、轟音と共に閃光きらめくロケットが夜空に吸い込まれて行くのを眺めていました。打上げ後も、ロケットは大気圏を脱出する(第一宇宙速度:7.5km/s)ために、大気圏内で地球の引力方向に落下させるのに驚きました。約9.5km/sに達した所で、方向転換し大気圏を突っ切ってはるか上空へと飛び立っていきました。

 その後、静止化をパロアルトで確認するために、カリブ海経由(フォードフランス、マルチニーク経由)でマイアミへ入りましたが、マイアミ空港で厳重な荷物検査に引っ掛かったメンバーもおりました。(後で聞いたら、メキシコ経由で密輸が絶えないそうです)
 
 この頃は、時差を追いかけて移動していたため、時差に身体が慣れない状態が慢性的に続いており、パーティの最中に“船を漕ぐ”など数々の失礼をし通しでした。
                       <続く>
(現 ドコモ・モバイル 山梨テクノセンター 井上克良)

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