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台湾独立と日台両国安全保障問題コミュの【論説】政治家は誠実になれるか

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著者:アンディ チャン【メルマガ「台湾の声」より転送】

台湾に限らずどの国でも社会、経済、文化のすべてが良くならないのは政治家が悪いからである。良い国を創るには国民の一致した愛国心と、立派な政治家が必要である。国民はリーダーに何を求めるのか?リーダーの条件とはリンカーンの言った「of the people, bythe people, for the people」を実践する人間と言うことだ。

台湾のノーベル化学賞受賞者、李遠哲博士が最近、台湾の経済雑誌[財訊]8月号で泛藍記者のあからさまな泛緑攻撃に答えて、「台湾人民が国民党政権を選ばず、民進党を選ぶことが出来たのは民主主義の進歩である。泛緑執政の7年間、社会や経済が不安定なのは政党闘争、殊に反対政党(泛藍、国民党)の嫌がらせのためであり、悪質な利権やヤクザ政治家と、彼ら(馬英九、顔清標)のような男を選んだ人民、未成熟な民主主義、などである。台湾はこんな選挙制度を改革しなければ進歩しない。醜い政争に明け暮れる台北を離れてみると、台湾は実に美しい国で、この7年で大きな進歩をしたと言える」と喝破した。

悪意に満ちた質問に答えて蒋介石時代からこれまでの悪政を批判する、国民党や馬英九の名前を出さずに彼らのことがわかるように切り返す。ノーベル賞学者、正に「名刀正宗」の切れ味である。

●民主主義ではよいリーダーは生まれない

人生の目的は「名利」の二字に尽きると言う、平たく言えば有名になるか、金儲けに励むかということだろう。ところが政治家になれば有名になれるし、権力を持つことで金持ちにもなれる。政治家になりたがるのは私個人のためで国のためではない。これが民主主義の選挙制度だから、民主主義の下では政治家が個人の利益を追求し、個人を援助してくれる政党のために政治活動をやるようになり、国益は無視される。政治は政党の闘争に明け暮れるようになる。これでは国はよくならないし、国民が望むリーダーは誕生しない。

どの国を見てもわかるとおり、民主主義の制度で選挙が重要視されると、国益を論じるより政党闘争ばかりで、ブッシュ降ろし、安倍降ろし、陳水扁降ろし、と騒ぎたてる。毎日の新聞を見れば政党闘争のニュースがはるかに多く、国に関するニュースは少ない。イラク戦争でさえ政党問題にすり替えてしまう。

今のアメリカの政治闘争では民主党が過去8年の恨みを晴らすため、ブッシュ政権をこき下ろしてイラク撤退を主張し、まるでテロを支持しているようだ。民主党支持のメディアは共和党攻撃で反戦、敗戦を宣伝している。イラクから撤退すればアメリカは経済的にも戦略的にも大打撃を蒙るが、民主党メディアはアメリカの敗退を喜んでいるだけである。

台湾も同じ状況で、過去8年の政権を奪われた国民党が社会、経済の妨害に精出し軍備予算も通さない。国は政治闘争で疲弊しきっているのに国民党は統一を主張する。公金横領で起訴されたにも拘らず馬英九支持に躍起になっている。馬英九が当選すれば公金横領の罪人がリーダーとなり、総統を始め誰も横領罪に問われない、「盗っ人の国」となる。

民進党の候補者謝長廷も国益を優先すると言わず、選挙のためと称して和解共生、一中憲法を唱える。つまり中間路線で泛藍の支持を得るつもりだが、アメリカ訪問では一度も台湾の国益、自決権の主張をしなかった。つまり謝長廷は自分の選挙のために政治をしていて台湾のためではない。情けない限りである。

●哲人政治は一種の独裁政治である

堯舜の治世に遡って、世間では聖賢の政治をよしとする考えがある。帝王に限らず行政官僚もおなじである。正直で賢い官吏を求める声、たとえば聖徳太子とか大岡越前(遠山の金さん)、中国の「包青天」の治世を讃えるストーリーがたくさんある。 しかし哲人政治とは国民が尊敬する人をリーダーにして、「正しい政治」を期待することだが実現は難しい。人は万能ではない。賢い人が政治に携わって行政能力を発揮できるかも疑問である。ノーベル賞学者の李遠哲博士は中央研究院の院長に任命されて、かなり成功を収めた。彼を行政院長にしろとメディアが書きたてたが実現しなかった。

聖人政治とは民衆がリーダーを信じ、その人の判断や命令を受け入れることだが、本当に正しい政治を行えば悪い部下の官吏は身の危険を感じて反対する。リーダーが理想の政治をやろうとすれば独裁政治となる。哲人も行政上すこし独裁にならざるを得ない。

一人だけが正直でもうまく行くとは限らない。陳水扁が台北市長に当選した時、市政府は驚異的な能率を上げ、市民は彼を歓迎した。ところが市政府の官僚は陳水扁を毛嫌いしてボイコットし、第二期目の選挙で落選したのである。当選した馬英九は無能で役員の汚職を放任したので、台北市はまたもとの賄賂行政がはびこって、馬英九自身も公金横領の罪で起訴される身となったのである。

●政治家は民意と正義を代表すべき

民主政治は独裁よりもよいが限度がある。選挙で選出される政治家は民衆の期待に応えなければならないが、民衆よりも利益団体や、ロビーイストなどから金銭で動かされるようになる。選挙に金がかかるから政治家は買収されやすくなる。だから政治を長くやっていると民衆が求めているものよりも企業やロビーの言いなりになってしまう。これでは民意、正義は通らない。

正義と言えば、政治家が選挙公約を果たす可能性はおそらく絶無だろう。アメリカは民主国家のリーダーだが、台湾問題では「アイマイ政策」を続けている。ヒラリー・クリントンは先日の候補者討論会で、「アメリカは台湾問題でアイマイ政策を取るべき」と述べた。これは正義ではない、破廉恥にも中国に屈服しているのである。 アメリカの大統領で「台湾人の自決権」を唱えた候補はジミー・カーターだけだった。ところがカーターが当選すると公約を無視して中国との国交回復で台湾を切り捨てたのである。また、クリントンは大統領任期の最後の一日に140人の特赦を「金で売った」のである。これが民主国家の大統領である。この二つがあるので私は民主党候補には絶対に投票しない。

政治家は誠実で、正義感を持って公約を守る人間であって欲しい。国民が政治家に求めるものは一に信義、二に誠実であろう。個人のために政治をやるのでなく、国家社会をのために政治をやる公約を守るべき、これがリーダーの条件である。

パンとサーカスは愚民政策である。政治家は簡単に社会福祉を唱えて小さな恩恵を与える、または平和な時代に人民の興味をそらすためスポーツの奨励をするが、愚民政策よりもっと大きな課題、教育、健康保険、年金、社会福祉などに取り組むべきである。

●[国のため]の重さ

戦争がなくなって平和が続くと政治家は「国のため」と言わなくなった。政治家は国益を優先して考えるべきなのに、国のためという言葉が聞こえない、選挙公約にもない。 安倍首相は「美しい国」を掲げた。安倍の提示する国家像や政治姿勢を批判する者もいる。格差が拡大し、自殺者も3万人を超す状態、閣僚の相次ぐ失態、年金問題への対応の失敗等々、安倍政権の政治現実を批判する結果となっている。しかし安倍首相が国づくりを掲げるのが悪いのではない。悪いのは安倍首相の「国のため」を批判する態度であろう。公約をどのように実現させるかは政治家の実績だが、国益の公約を掲げる態度は悪くないはずだ。

台湾の政治家で最も国民を失望させたのは現職の陳水扁総統だろう。就任式に「四不一没有」を公言して元来の独立願望を簡単に破棄した、次にラファイエット事件の追及を[国が根本から動揺しても追及する]と公言して、やがて追及を避けるようになった。政治家として「やる」と約束をするのはわかるが「やらない」と公約する政治家は例を見ない。彼は[国のため]の責任の重さを感じていない。

●謝長廷は誠実でない

謝長廷が泛緑を代表する総統候補者となって以来、台湾では謝長廷の批判を避けるようになったが、嘆かわしいことである。謝長廷は人民の代表だから人民の声を聞くべきで、支持者の批判を抑えるのは愚劣である。

謝長廷は「選挙で負けられない、負けたら大変」と言う。しかし、謝長廷の主張する中間路線、憲法一中、和解共生では負ける。謝長廷は台湾人の自決権を優先し、台湾アイデンティティをスローガンにすべきである。

ところが謝長廷は相変わらず中間路線を固持し、しかも「言い逃れ説明」をあれこれやって、かえって不信感を強めている。民進党が主催した弁論会で彼の主張は他の三人の候補者に散々批判され、謝長廷も路線を変えると約束したのに又もとの憲法一中を唱えるようになった。ウソ吐きのレッテルを貼られたら政治家はおしまいである。謝長廷は国会議員に「私は信頼できる人間になりたい」と述べたが、今回の訪米で彼が信頼できないことが明らかになった。

アメリカの国会議員が住民自決を巡って反対の意見を述べたところ、謝長廷はすぐに「総統に当選したら独立問題を住民自決で決めることはしない」と約束したのである。陳水扁の「やらない公約」と同じである。人民の意見を無視した候補者は降ろすべきである。今回の訪米旅行で謝長廷の後援会は数千人の参加者を呼んで気勢をあげた。しかしその後の見聞では謝長廷批判の声が高く、逆に数千人の支持者を失ったという。人民に背いて選挙はできない。

呆れたことに今回のアメリカ訪問で謝長廷は「藍色の旗」を掲げたのである。如何なる理由があっても泛緑の候補者が藍色旗を掲げるのは許されない。謝長廷は泛藍の候補か?それとも泛藍のスパイか? 謝長廷を支持したいが彼は明白に人民に背いている。間違った路線だけでなく、おおやけに藍色旗を掲げる泛緑の候補は台湾人民の代表ではない。早急に謝長廷の改心を求めるか、別の泛緑候補を出すべきである。

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