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女の子のためのピンク映画講座コミュの主催者です

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このコミューンの主催者です。

久々のカキコミなのでちょっと諸注意を。

このコラムの主な対象はピンク映画館の常連やマニアックなヒト、というよりもむしろ、一般作(通常の映画館で掛かる映画)しか見た事がない方向けとなってます。
いわば『ヤングパーソンズガイド』である事をお断りしておきます。
健全な彼ら青少年少女の皆さんにこのジャンルに興味を持ってもらい、一般作同様に親しんでもらいたい、という主眼に基づいております。
故に、その道の達人の皆様には、『言わずもがなの分かりきった事を…』と、じれったい部分もあるかもしれませんが、何卒ご理解くださいませ。
もしよければ、どなた様でも、お気軽にご指摘、ご意見、ご質問などカキコミ下されば幸いです。
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さて、皆さんはピンク映画についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

男女のカラミを延々垂れ流す『だけ』の凡百のアダルトビデオをそのまんまブロウアップ(拡大)したようなシロモノも、多くある。
数多い駄作の中から『アタリ』を見つけるのは難しい。なかなか出会えない。だが難しいけれど、確かにあるのだ。
それは廃墟から宝物を掘り出す行為に似ているとも言える。

約300万の予算、平均3日撮り、35ミリフィルムという過酷な状況下にもかかわらず、

純粋に映画として感動し、

また映画、演劇製作に関わる者としても、多くの刺激を受ける作品群が確かにあるのだ。

心から思う、ピンク映画っていいもんだなあ。
映画百年史の中で観客が享受した最も重要なプレゼントが性表現だと思うからだ。

表記すると、きわどいタイトルばかりで大変恐縮なんですけど、内容とは必ずしも一致しないのは、知ってますよね!

基本的にボクがこのコラムで取り上げる作品群は

真摯に人生や恋愛をテーマにした内容で、一般の人にも見てもらいたいものばかりである、と言っておきたい。
単なるエロ目的だけではないのだ。ホントにホントに。

………………………………………
長過ぎる前置きになってしまった。本題。

的場有楽座は広島でアダルト・ピンク映画を上映している映画館です。

4月26日土曜からの一週間上映は必見ですよ。

三本立て。
そのうちの一本は上記したような、AVまがいのビデオ作品なのでノーコメントにする、として

「人が人を愛することのどうしようもなさ」

厳密に言うと本作はピンクでなく一般作のカテゴリーとして製作、公開された。今回は再上映である。

『世界のイシイ』こと石井隆監督(『キルビル』にイシイなるキャラクターが出るが、これは石井作品へのタランティーノからのリスペクトによるものである事は有名な話)。

石井がフィルモグラフィーを通し一貫して描いてきた主人公「名美」。
狂気の世界に深く身を投じていく女優・喜多嶋舞の出現によってそれは歴代の「名美」の中でも最も凄絶なものとなった。

実はなかなか凝った構成である。ある種、一昔前の小劇場演劇のような手法で、精神世界の多重構造と時間軸の揺らぎを表現している。
とは言え、別に複雑でも難解でも無く、「花と蛇」あたりから石井を知ったフツーのピンク好きな男性客にとっても、女優の露出の多さも楽しめるものになっている。

タイトル通り、愛という軛(くびき)から逃れられない女なるものの悲哀を描いていて女性客にも受け入れやすい内容であるようにも思う。

喜多嶋自身が映画女優そのものの可能性を己の痛みをさらけ出しながら切り開いている。まるで帝王切開による生みの苦しみの如きである。最後に待っているのは浄化か、はたまた虚無か。徹頭徹尾、石井ワールドである。

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『裸の三姉妹 淫交』

監督 田中康文
主演 麻田真夕 薫桜子 淡島小鞠 吉行由美  ほか

ポスト『ピンク七福神』の一人であり、最後の大物助監督であった田中康文。監督デビュー作品。

ピンク映画専門誌PG主催による

2006年度ピンク映画ベストテン入賞作&新人監督賞受賞(100作品近い新作上映作品の中からなので素晴らしい結果う)。

受賞も納得の秀逸な出来。幸福な作品といえよう。

両親を亡くし、二人きりで暮らす姉妹。妻子ある男との不倫に溺れるキャバクラ嬢の美月、引きこもりのイラストレーターの美夜。

二人のところに、養女に行っていた長女の星美がある日突然現れる。
星美の養父は高名な画家で星美も新人画家としてデビューしている。
星美は男をかわるがわる家に連れ込み姉妹を困惑させるのだが…



デビュー作といふこともあってか、スタッフ的には超豪華なピンク連合軍の感がある。

(因みに、昨今は監督がどんどん増えて、助監督よりも監督の方が多いというピンク業界特有の状況が生まれてきている。それ故に加藤義一や城定秀夫といった一本立ちした監督までがいつまでも新田栄の助監督をしていたりするのだ)

また、キャスティング面でも、ご祝儀相場でもあるまいが、佐々木麻由子、里見瑤子、池島ゆたか、しのざきさとみ、水原香菜恵、さとう樹菜子、華沢レモン、風間今日子…他主演級がエキストラ出演で花を添えている。


余談だが、プログラムピクチャーとしてのピンク映画には
『出演女優三人以上、10分に一回カラミ映像、上映時間60分』という不文律がある。

以下は私見だが。
いわゆるベテラン監督になるとこのフレームだけはキッチリ死守するが、悪い意味での職人ルーティンワークとしか思えず、フツーに映画として楽しめないものになってしまっている事が往々にしてある気がするのだ。

それに比して、監督デビュウ作品には良質なものが多い気がしている。
その者が永年温めてきた人生観、膨大なアイデアの蓄積、そして映画愛が全て注ぎ込まれるからだろうと思う。


話を戻す。
本作の魅力は一言で言えば、フツーに娯楽映画として優れている。
よく練れた台本、個性的な演出とみずみずしい演技が素晴らしい。
ガーリームービーと言えなくも無い。

引きこもり、キャバクラ嬢、不倫、クリエーターの苦悩、近親者の性的暴力、と現代的事象が盛り込まれているが、その表現も通り一辺倒でなく、取材に基づいたと思われる丁寧さがある。

そしてアメリカンニューシネマの香り漂うクライマックス。

特に薫桜子は心身ともにブリリアントな魅力に満ちている、

桜子演じる美月は尽くしたあげくに、愛人に裏切られた事を悟り、いらつき、姉妹に怒りをぶつけ合う。
『お絵かき仲間はいいわよねえ。あたしヒトに誉められるようなもの何も持ってないのよ。恋愛するしかないじゃない!誰か好きになって一生懸命になるしかないじゃない!』
この場面には少しグッと来た。なかなか出ない台詞である。

チェーホフではないが。三人姉妹は生きていく、幸福のようなものを目指して。そういう事だ。


的場有楽座
 営業時間:月曜日〜金曜日・日曜日→10:30〜21:00(上映映画によって若干変更あり)

土曜日ナイト営業→10:30〜2:00(上映映画によって若干変更あり)
入場料金:一般1700円 
      
お問合せ:広島県広島市南区的場町二丁目1番15号清水観光ビル 清水劇場の1F 電話:082-263-7095

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