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経済学史コミュのパレートの基本要素

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ヴィルフレド・パレートという経済学者をご存知でしょうか。その生涯は、ウィキペディアによると、次のようにまとめられています。

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・パレートは、1848年にパリで生まれた。パレートがイタリア国外で生まれた理由は、彼の父が、自由主義革命家マッツィーニの指導する青年イタリア党の革命運動に参加して官憲の追及を受けたため、パリに亡命して、その地でフランス人女性と結婚したためである。

・パレートは当初、理数系の道を進み、トリノ工科大学で数学、物理学、建築学を修めた。卒業後は鉄道会社に技師として就職するが、父親の影響からか政治の世界への関心を強め、自由主義の立場から政府批判を展開し、積極的な政治活動を行った。その結果、社会的地位が脅かされるようになり、会社を退職して一時的にスイスで隠遁生活を送るようになる。

・その後、ある自由主義経済学者の紹介によって純粋経済学の大家レオン・ワルラスと知り合い、ワルラスの影響から経済学の研究に分け入っていくことになった。やがて、その研究実績が認められ、1893年にワルラスの後任としてローザンヌ大学で経済学講座の教授に任命された。彼はそこで、経済学における一般均衡理論(ローザンヌ学派)の発展に貢献し、さらに厚生経済学という新たな経済学の分野を開拓した。

・20世紀に至って、パレートの学問的な関心は経済学から社会学へと移って行き、それと同時に自由主義的・民主主義的な思想・運動への批判を強めていった。これは、彼の政治活動の失敗や自由主義・民主主義への幻滅によるものだとも考えられる。

・第一次世界大戦後には、ジョルジュ・ソレルに招かれたこともある。ソレルの信奉者だったパレートはベニート・ムッソリーニを評価したため、彼の社会学理論はファシスト体制御用達の反動理論との批判を受けるようになった。フィリッポ・トゥラーティの主宰する雑誌に寄稿する[1]など社会主義者とも交流しており、ムッソリーニは社会主義者時代にパレートの講義を聴講したことがあった。

・晩年において、病に冒されながらも精力的に社会学の体系化を試みるが、その途上、1923年に75歳でその生涯を閉じた。
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パレートは本能や感動ないし感情が人間の非論理的行動を決定うる有力な要素であると考え、それらを「基本要素」と呼んでいました。この「基本要素」は具体的には次の6項目です。

(1)組み合わせ(あるいは結合)への本能

(2)グループを持続させる本能

(3)強い感動を外部的な行動で表すという傾向

(4)社交性という基本要素

(5)個人とその付属物の保全に関する基本要素

(6)性(セックス)という基本要素

(以上 森嶋通夫著『思想としての近代経済学』(岩波新書)P175から)

私は、パレートの言う(2)の「グループを持続させる本能」という項目に非常に興味を持ちました。この森嶋通夫著『思想としての近代経済学』によれば、「奉仕の精神」が中核となっていると分析されているようです。ところが、日本人の場合は、この「グループを持続させる本能」は、「派閥意識」や職場社会における「メンバーシップ幻想」に姿を変えているのではないでしょうか。日本の職場社会では、とにかく「メンバーシップ幻想」が強すぎる。なぜ日本ではこんなにもメンバーシップ幻想が個々の日本人に強く影響を与えてしまうのでしょうか。

私の考えでは、日本では「メンバーシップ幻想」の対抗原理となる思想や価値観が弱すぎるためではないかと思うのです。つまり、日本人は、「他人がどう考えどう感じているかはともかく、自分はどう考え、どう感じるのか」という問題に真正面から取り組もうとしなさすぎる。このため、「他人の意見を尊重する」というマインドも形成されにくくなっている。

もし、日本人に、「他人がどう考えどう感じているかはともかく、自分はどう考え、どう感じるのか」という問題に真正面から取り組むマインドがしっかり形成されていると、「人はそれぞれ、固有の考え方をしているはずだ」ということに気が付くはずです。そしてそこから「他人はどう考えているのか意見を聞いてみたい」という興味が自然と湧いてくるはずです。ここから、「他人の意見を尊重する」というマインドも自然と形成されることになるはずです。

ところで、「奉仕の精神」と「社会主義」とは関係があるのでしょうか。もし両者の間に関係があるとしたら、私はこれまで、「社会主義」という言葉に間違った先入観を持っていたかもしれないと考えたりしています。

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