ピンク・フロイド (Pink Floyd) は、イギリス出身のロック・バンド。サイケやブルース、フォークなどを織り交ぜたオーソドックスなロックにけだるい叙情と幻想的なサウンドを醸し出させた音楽性、大掛かりな仕掛けとスペクタクルに富んだライブ、現代社会における人間疎外や政治問題をテーマにした文学的、哲学的な歌詞で世界的に人気を博した。プログレッシヴ・ロックとしての芸術的な側面で評価を得る一方で、『狂気』は4,500万枚、『ザ・ウォール』は3,000万枚のメガ・セールスを記録し、レコード・CD総売り上げは2億1,000万枚(2005年時点)におよぶ商業的成功を収めたグループである。 日本ではいわゆるプログレッシヴ・ロックの代表格として扱われることが多いが、クラシック音楽やジャズをバックグラウンドに卓抜したテクニックを披露する技巧派の類とは異なり、ブルースやサイケデリック・ロック、アシッド・フォークなどをバックボーンに持つ。彼らの演奏は一般的なプログレッシブ・ロックに見られるテクニック志向とは無縁であるが、その音楽のもつ代替の利かない浮遊感・倦怠感のない交ぜになった幻想的なサウンドは、ロックのアグレッションから離れつつ独自の緊張感と高揚に結びついている革新的なものであった。彼らの音楽性はジ・オーブやKLFなどのいわゆるエレクトロニカ関連のアーティストにも大きな影響を与えている。1973年3月、コンセプト・アルバム『狂気』を発表。本作はウォーターズが歌詞を全面的に担当した初めて作品となった。また、フロイドのアルバムに歌詞が掲載されたのはこの『狂気』が初めてだった。発売と同時に、シングル・ヒットした「マネー」とともに初の全米1位を記録するなど全世界で大ヒットを記録、音楽的にも商業的にも大成功を収める。こうして、ピンク・フロイドは一躍スターダムにのし上がった。 これ以後、フロイドを取り巻く環境は一変する。コンサートの観客数は大幅に増え、客層も変わっていった。このことはバンドのメンバー、特にウォーターズを大いに苛立たせることになり、後のウォーターズの創作活動にも影響を与えることになる。1973年にコンサートツアーを終えると、バンドは長期休暇に入った。 1974年に入り、バンドは『狂気』に続くアルバムのレコーディングを開始する。当初は、楽器を一切使わずにワイングラスや輪ゴムなどの日用品を使って演奏する組曲「Household Objects」の制作を試みたが結局は断念した。 その後、6月にフランス、11月にイギリスでコンサートツアーを行った。新曲「Shine on you crazy diamond」「You've gotta be crazy」「Raving and drooling」などが披露され、次のアルバムではこの3曲を収録することが決まりかけていたが、これらの新曲を披露したコンサートを収録した海賊盤『British Winter tour』なるアルバムが大いに売れてしまったため「You've gotta be crazy」と「Raving and drooling」の収録は見送られた。 新たなアルバム作りは困難を極めた。『狂気』の成功で注目を集めたことによる重圧、『狂気』でやりたいことをやりつくしたという満足感、メンバーの個人的問題(ウォーターズ、メイスンがそれぞれ離婚の危機を抱えていた)などが原因であった。 1975年、難産の末2年ぶりの新作となる『炎〜あなたがここにいてほしい』を発表。大ヒットアルバム『狂気』に続く作品ということで注目されたが、内容が地味との評価を受け、セールス面では伸び悩んだ。しかし、最終的には全米・全英ともに1位を記録。これ以後、フロイドが発表するスタジオ・アルバムはいずれも大がかりなコンセプト・アルバムの体裁をとるようになる。(Wikipediaより抜粋)