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是か?否か?原子力発電コミュの原発を建設現場から捉える

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工事現場の方からの情報です。

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以下元1級プラント配管技能士平井憲夫さんの著書より


私は原発反対運動家ではありません。二十年間、原子力発電所の
現場で働いていた者です。原発については賛成だとか、危険だとか、安全だとかいろんな論争がありますが、私は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話をします。そして、最後まで読んでいただくと、原発がみなさんが思っていらっしゃるようなものではなく、毎日、被曝者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることがよく分かると思います。

 はじめて聞かれる話も多いと思います。どうか、最後まで読んで、それから、原発をどうしたらいいか、みなさんで考えられたらいいと思います。原発について、設計の話をする人はたくさんいますが、私のように施工、造る話をする人がいないのです。しかし、現場を知らないと、原発の本当のことは分かりません。

 私はプラント、大きな化学製造工場などの配管が専門です。二○代の終わりごろに、日本に原発を造るというのでスカウトされて、原発に行きました。一作業負だったら、何十年いても分かりませんが、現場監督として長く働きましたから、原発の中のことはほとんど知っています。

・「安全」は机上の話


 去年(一九九五年)の一月一七日に阪神大震災が起きて、国民の中から「地震で原発が壊れたりしないか」という不安の声が高くなりました。原発は地震で本当に大丈夫か、と。しかし、決して大丈夫ではありません。国や電力会社は、耐震設計を考え、固い岩盤の上に建設されているので安全だと強調していますが、これは机上の話です。

 この地震の次の日、私は神戸に行ってみて、余りにも原発との共通点の多さに、改めて考えさせられました。まさか、新幹線の線路が落下したり、高速道路が横倒しになるとは、それまで国民のだれ1人考えてもみなかったと思います。

 世間一般に、原発や新幹線、高速道路などは官庁検査によって、きびしい検査が行われていると思われています。しかし、新幹線の橋脚部のコンクリートの中には型枠の木片が入っていたし、高速道路の支柱の鉄骨の溶接は溶け込み不良でした。一見、溶接がされているように見えていても、溶接そのものがなされていなくて、溶接部が全部はずれてしまっていました。

 なぜ、このような事が起きてしまったのでしょうか。その根本は、余りにも机上の設計ばかりに重点を置いていて、現場の施工、管理を怠ったためです。それが直接の原因ではなくても、このような事故が起きてしまうのです。

・素人が造る原発


 原発でも、原子炉の中に針金が入っていたり、配管の中に道具や工具を入れたまま配管をつないでしまったり、いわゆる人が間違える事故、ヒューマンエラーがあまりにも多すぎます。それは現場にブロの職人が少なく、いくら設計が立派でも、設計通りには造られていないからです。机上の設計の議論は、最高の技量を持った職人が施工することが絶対条件です。しかし、原発を造る人がどんな技量を持った人であるのか、現場がどうなっているのかという議論は1度もされたことがありません。

 原発にしろ、建設現場にしろ、作業者から検査官まで総素人によって造られているのが現実ですから、原発や新幹線、高速道路がいつ大事故を起こしても、不思議ではないのです。

 日本の原発の設計も優秀で、二重、三重に多重防護されていて、どこかで故障が起きるとちゃんと止まるようになっています。しかし、これは設計の段階までです。施工、造る段階でおかしくなってしまっているのです。

 仮に、自分の家を建てる時に、立派な一級建築士に設計をしてもらっても、大工や左官屋の腕が悪かったら、雨漏りはする、建具は合わなくなったりしますが、残念ながら、これが日本の原発なのです。

 ひとむかし前までは、現場作業には、棒心(ぼうしん)と呼ばれる職人、現場の若い監督以上の経験を積んだ職人が班長として必ずいました。職人は自分の仕事にプライドを持っていて、事故や手抜きは恥だと考えていましたし、事故の恐ろしさもよく知っていました。それが十年くらい前から、現場に職人がいなくなりました。全くの素人を経験不問という形で募集しています。素人の人は事故の怖さを知らない、なにが不正工事やら手抜きかも、全く知らないで作業しています。それが今の原発の実情です。

 例えば、東京電力の福島原発では、針金を原子炉の中に落としたまま運転していて、1歩間違えば、世界中を巻き込むような大事故になっていたところでした。本人は針金を落としたことは知っていたのに、それがどれだけの大事故につながるかの認識は全然なかったのです。そういう意味では老朽化した原発も危ないのですが、新しい原発も素人が造るという意味で危ないのは同じです。

 現場に職人が少なくなってから、素人でも造れるように、工事がマニュアル化されるようになりました。マニュアル化というのは図面を見て作るのではなく、工場である程度組み立てた物を持ってきて、現場で1番と1番、2番と2番というように、ただ積木を積み重ねるようにして合わせていくんです。そうすると、今、自分が何をしているのか、どれほど重要なことをしているのか、全く分からないままに造っていくことになるのです。こういうことも、事故や故障がひんぱんに起こるようになった原因のひとつです。

 また、原発には放射能の被曝の問題があって後継者を育てることが出来ない職場なのです。原発の作業現場は暗くて暑いし、防護マスクも付けていて、互いに話をすることも出来ないような所ですから、身振り手振りなんです。これではちゃんとした技術を教えることができません。それに、いわゆる腕のいい人ほど、年間の許容線量を先に使ってしまって、中に入れなくなります。だから、よけいに素人でもいいということになってしまうんです。

 また、例えば、溶接の職人ですと、目がやられます。30歳すぎたらもうだめで、細かい仕事が出来なくなります。そうすると、細かい仕事が多い石油プラントなどでは使いものになりませんから、だったら、まあ、日当が安くても、原発の方にでも行こうかなあということになります。

 皆さんは何か勘違いしていて、原発というのはとても技術的に高度なものだと思い込んでいるかも知れないけれど、そんな高級なものではないのです。

 ですから、素人が造る原発ということで、原発はこれから先、本当にどうしようもなくなってきます。

・名ばかりの検査・検査官


 原発を造る職人がいなくなっても、検査をきっちりやればいいという人がいます。しかし、その検査体制が問題なのです。出来上がったものを見るのが日本の検査ですから、それではダメなのです。検査は施工の過程を見ることが重要なのです。

 検査官が溶接なら溶接を、「そうではない。よく見ていなさい。このようにするんだ」と自分でやって見せる技量がないと本当の検査にはなりません。そういう技量の無い検査官にまともな検査が出来るわけがないのです。メーカーや施主の説明を聞き、書類さえ整っていれば合格とする、これが今の官庁検査の実態です。

 原発の事故があまりにもひんぱんに起き出したころに、運転管理専門官を各原発に置くことが閣議で決まりました。原発の新設や定検(定期検査)のあとの運転の許可を出す役人です。私もその役人が素人だとは知っていましたが、ここまでひどいとは知らなかったです。

 というのは、水戸で講演をしていた時、会場から「実は恥ずかしいんですが、まるっきり素人です」と、科技庁(科学技術庁)の者だとはっきり名乗って発言した人がいました。その人は「自分たちの職場の職員は、被曝するから絶対に現場に出さなかった。折から行政改革で農水省の役人が余っているというので、昨日まで養蚕の指導をしていた人やハマチ養殖の指導をしていた人を、次の日には専門検査官として赴任させた。そういう何にも知らない人が原発の専門検査官として運転許可を出した。美浜原発にいた専門官は三か月前までは、お米の検査をしていた人だった」と、その人たちの実名を挙げて話してくれました。このようにまったくの素人が出す原発の運転許可を信用できますか。

 東京電力の福島原発で、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動した大事故が起きたとき、読売新聞が「現地専門官カヤの外」と報道していましたが、その人は、自分の担当している原発で大事故が起きたことを、次の日の新聞で知ったのです。なぜ、専門官が何も知らなかったのか。それは、電力会社の人は専門官がまったくの素人であることを知っていますから、火事場のような騒ぎの中で、子どもに教えるように、いちいち説明する時間がなかったので、その人を現場にも入れないで放って置いたのです。だから何も知らなかったのです。

 そんないい加減な人の下に原子力検査協会の人がいます。この人がどんな人かというと、この協会は通産省を定年退職した人の天下り先ですから、全然畑違いの人です。この人が原発の工事のあらゆる検査の権限を持っていて、この人の0Kが出ないと仕事が進まないのですが、検査のことはなにも知りません。ですから、検査と言ってもただ見に行くだけです。けれども大変な権限を持っています。この協会の下に電力会社があり、その下に原子炉メーカーの日立・東芝・三菱の三社があります。私は日立にいましたが、このメーカーの下に工事会社があるんです。つまり、メーカーから上も素人、その下の工事会社もほとんど素人ということになります。だから、原発の事故のことも電力会社ではなく、メー力−でないと、詳しいことは分からないのです。

 私は現役のころも、辞めてからも、ずっと言っていますが、天下りや特殊法人ではなく、本当の第三者的な機関、通産省は原発を推進しているところですから、そういう所と全く関係のない機関を作って、その機関が検査をする。そして、検査官は配管のことなど経験を積んだ人、現場のたたき上げの職人が検査と指導を行えば、溶接の不具合や手抜き工事も見抜けるからと、一生懸命に言ってきましたが、いまだに何も変わっていません。このように、日本の原発行政は、余りにも無責任でお粗末なものなんです。

・いいかげんな原発の耐震設計


 阪神大震災後に、慌ただしく日本中の原発の耐震設計を見直して、その結果を九月に発表しましたが、「どの原発も、どんな地震が起きても大丈夫」というあきれたものでした。私が関わった限り、初めのころの原発では、地震のことなど真面目に考えていなかったのです。それを新しいのも古いのも一緒くたにして、大丈夫だなんて、とんでもないことです。1993年に、女川原発の一号機が震度4くらいの地震で出力が急上昇して、自動停止したことがありましたが、この事故は大変な事故でした。なぜ大変だったかというと、この原発では、1984年に震度5で止まるような工事をしているのですが、それが震度5ではないのに止まったんです。わかりやすく言うと、高速道路を運転中、ブレーキを踏まないのに、突然、急ブレーキがかかって止まったと同じことなんです。これは、東北電力が言うように、止まったからよかった、というような簡単なことではありません。5で止まるように設計されているものが4で止まったということは、5では止まらない可能性もあるということなんです。つまり、いろんなことが設計通りにいかないということの現れなんです。

 こういう地震で異常な止まり方をした原発は、1987年に福島原発でも起きていますが、同じ型の原発が全国で10もあります。これは地震と原発のことを考えるとき、非常に恐ろしいことではないでしょうか。

・定期点検工事も素人が


 原発は1年くらい運転すると、必ず止めて検査をすることになっていて、定期検査、定検といっています。原子炉には70気圧とか、150気圧とかいうものすごい圧力がかけられていて、配管の中には水が、水といっても300℃もある熱湯ですが、水や水蒸気がすごい勢いで通っていますから、配管の厚さが半分くらいに薄くなってしまう所もあるのです。そういう配管とかバルブとかを、定検でどうしても取り替えなくてはならないのですが、この作業に必ず被曝が伴うわけです。

 原発は一回動かすと、中は放射能、放射線でいっぱいになりますから、その中で人間が放射線を浴びながら働いているのです。そういう現場へ行くのには、自分の服を全部脱いで、防護服に着替えて入ります。防護服というと、放射能から体を守る服のように聞こえますが、そうではないんですよ。放射線の量を計るアラームメーターは防護服の中のチョッキに付けているんですから。つまり、防護服は放射能を外に持ち出さないための単なる作業着です。作業している人を放射能から守るものではないのです。だから、作業が終わって外に出る時には、パンツー枚になって、被曝していないかどうか検査をするんです。体の表面に放射能がついている、いわゆる外部被曝ですと、シャワーで洗うと大体流せますから、放射能がゼロになるまで徹底的に洗ってから、やっと出られます。

 また、安全靴といって、備付けの靴に履き替えますが、この靴もサイズが自分の足にきちっと合うものはありませんから、大事な働く足元がちゃんと定まりません。それに放射能を吸わないように全面マスクを付けたりします。そういうかっこうで現場に入り、放射能の心配をしながら働くわけですから、実際、原発の中ではいい仕事は絶対に出来ません。普通の職場とはまったく違うのです。

 そういう仕事をする人が95%以上まるっきりの素人です。お百姓や漁師の人が自分の仕事が暇な冬場などにやります。言葉は悪いのですが、いわゆる出稼ぎの人です。そういう経験のない人が、怖さを全く知らないで作業をするわけです。

 例えば、ボルトをネジで締める作業をするとき、「対角線に締めなさい、締めないと漏れるよ」と教えますが、作業する現場は放射線管理区域ですから、放射能がいっぱいあって最悪な所です。作業現場に入る時はアラームメーターをつけて入りますが、現場は場所によって放射線の量が違いますから、作業の出来る時間が違います。分刻みです。

 現場に入る前にその日の作業と時間、時間というのは、その日に浴びてよい放射能の量で時間が決まるわけですが、その現場が20分間作業ができる所だとすると、20分経つとアラ−ムメーターが鳴るようにしてある。だから、「アラームメーターが鳴ったら現場から出なさいよ」と指示します。でも現場には時計がありません。時計を持って入ると、時計が放射能で汚染されますから腹時計です。そうやって、現場に行きます。

 そこでは、ボルトをネジで締めながら、もう10分は過ぎたかな、15分は過ぎたかなと、頭はそっちの方にばかり行きます。アラームメーターが鳴るのが怖いですから。アラームメーターというのはビーッととんでもない音がしますので、初めての人はその音が鳴ると、顔から血の気が引くくらい怖いものです。これは経験した者でないと分かりません。ビーッと鳴ると、レントゲンなら何十枚もいっぺんに写したくらいの放射線の量に当たります。ですからネジを対角線に締めなさいと言っても、言われた通りには出来なくて、ただ締めればいいと、どうしてもいい加滅になってしまうのです。すると、どうなりますか。

・放射能垂れ流しの海


 冬に定検工事をすることが多いのですが、定検が終わると、海に放射能を含んだ水が何十トンも流れてしまうのです。はっきり言って、今、日本列島で取れる魚で、安心して食べられる魚はほとんどありません。日本の海が放射能で汚染されてしまっているのです。

 海に放射能で汚れた水をたれ流すのは、定検の時だけではありません。原発はすごい熱を出すので、日本では海水で冷やして、その水を海に捨てていますが、これが放射能を含んだ温排水で、一分間に何十トンにもなります。

 原発の事故があっても、県などがあわてて安全宣言を出しますし、電力会社はそれ以上に隠そうとします。それに、国民もほとんど無関心ですから、日本の海は汚れっぱなしです。

 防護服には放射性物質がいっぱいついていますから、それを最初は水洗いして、全部海に流しています。排水口で放射線の量を計ると、すごい量です。こういう所で魚の養殖をしています。安全な食べ物を求めている人たちは、こういうことも知って、原発にもっと関心をもって欲しいものです。このままでは、放射能に汚染されていないものを選べなくなると思いますよ。

 数年前の石川県の志賀原発の差止め裁判の報告会で、八十歳近い行商をしているおばあさんが、こんな話をしました。「私はいままで原発のことを知らなかった。今日、昆布とわかめをお得意さんに持っていったら、そこの若奥さんに「悪いけどもう買えないよ、今日で終わりね、志賀原発が運転に入ったから」って言われた。原発のことは何も分からないけど、初めて実感として原発のことが分かった。どうしたらいいのか」って途方にくれていました。みなさんの知らないところで、日本の海が放射能で汚染され続けています。

・内部被爆が一番怖い


 原発の建屋の中は、全部の物が放射性物質に変わってきます。物がすべて放射性物質になって、放射線を出すようになるのです。どんなに厚い鉄でも放射線が突き抜けるからです。体の外から浴びる外部被曝も怖いですが、一番怖いのは内部被曝です。

 ホコリ、どこにでもあるチリとかホコリ。原発の中ではこのホコリが放射能をあびて放射性物質となって飛んでいます。この放射能をおびたホコリが口や鼻から入ると、それが内部被曝になります。原発の作業では片付けや掃除で一番内部被曝をしますが、この体の中から放射線を浴びる内部被曝の方が外部被曝よりもずっと危険なのです。体の中から直接放射線を浴びるわけですから。

 体の中に入った放射能は、通常は、三日くらいで汗や小便と一緒に出てしまいますが、三日なら三日、放射能を体の中に置いたままになります。また、体から出るといっても、人間が勝手に決めた基準ですから、決してゼロにはなりません。これが非常に怖いのです。どんなに微量でも、体の中に蓄積されていきますから。

 原発を見学した人なら分かると思いますが、一般の人が見学できるところは、とてもきれいにしてあって、職員も「きれいでしょう」と自慢そうに言っていますが、それは当たり前なのです。きれいにしておかないと放射能のホコリが飛んで危険ですから。

 私はその内部被曝を百回以上もして、癌になってしまいました。癌の宣告を受けたとき、本当に死ぬのが怖くて怖くてどうしようかと考えました。でも、私の母が何時も言っていたのですが、「死ぬより大きいことはないよ」と。じゃ死ぬ前になにかやろうと。原発のことで、私が知っていることをすべて明るみに出そうと思ったのです。

・普通の職場環境とは全く違う


 放射能というのは蓄積します。いくら徴量でも十年なら十年分が蓄積します。これが怖いのです。日本の放射線管理というのは、年間50ミリシーベルトを守ればいい、それを越えなければいいという姿勢です。

 例えば、定検工事ですと三ケ月くらいかかりますから、それで割ると一日分が出ます。でも、放射線量が高いところですと、一日に五分から七分間しか作業が出来ないところもあります。しかし、それでは全く仕事になりませんから、三日分とか、一週間分をいっぺんに浴びせながら作業をさせるのです。これは絶対にやってはいけない方法ですが、そうやって10分間なり20分間なりの作業ができるのです。そんなことをすると白血病とかガンになると知ってくれていると、まだいいのですが……。電力会社はこういうことを一切教えません。

 稼動中の原発で、機械に付いている大きなネジが一本緩んだことがありました。動いている原発は放射能の量が物凄いですから、その一本のネジを締めるのに働く人三十人を用意しました。一列に並んで、ヨーイドンで七メートルくらい先にあるネジまで走って行きます。行って、一、二、三と数えるくらいで、もうアラームメーターがビーッと鳴る。中には走って行って、ネジを締めるスパナはどこにあるんだ?といったら、もう終わりの人もいる。ネジをたった一山、二山、三山締めるだけで百六十人分、金額で四百万円くらいかかりました。

 なぜ、原発を止めて修理しないのかと疑問に思われるかもしれませんが、原発を一日止めると、何億円もの損になりますから、電力会社は出来るだけ止めないのです。放射能というのは非常に危険なものですが、企業というものは、人の命よりもお金なのです。

・「絶対安全」だと五時間の洗脳教育


 原発など、放射能のある職場で働く人を放射線従 事者といいます。日本の放射線従事者は今までに約 二七万人ですが、そのほとんどが原発作業者です。 今も九万人くらいの人が原発で働いています。その 人たちが年一回行われる原発の定検工事などを、毎 日、毎日、被曝しながら支えているのです。

 原発で初めて働く作業者に対し、放射線管理教育 を約五時間かけて行います。この教育の最大の目的 は、不安の解消のためです。原発が危険だとは一切 教えません。国の被曝線量で管理しているので、絶 対大丈夫なので安心して働きなさい、世間で原発反 対の人たちが、放射能でガンや白血病に冒されると 言っているが、あれは“マッカナ、オオウソ”であ る、国が決めたことを守っていれば絶対に大丈夫だ と、五時間かけて洗脳します。  

 こういう「原発安全」の洗脳を、電力会社は地域 の人にも行っています。有名人を呼んで講演会を開 いたり、文化サークルで料理教室をしたり、カラー 印刷の立派なチラシを新聞折り込みしたりして。だ から、事故があって、ちょっと不安に思ったとして も、そういう安全宣伝にすぐに洗脳されてしまって 、「原発がなくなったら、電気がなくなって困る」 と思い込むようになるのです。

 私自身が二〇年近く、現場の責任者として、働く 人にオウムの麻原以上のマインド・コントロール、 「洗脳教育」をやって来ました。何人殺したかわか りません。みなさんから現場で働く人は不安に思っ ていないのかとよく聞かれますが、放射能の危険や 被曝のことは一切知らされていませんから、不安だ とは大半の人は思っていません。体の具合が悪くな っても、それが原発のせいだとは全然考えもしない のです。作業者全員が毎日被曝をする。それをいか に本人や外部に知られないように処理するかが責任 者の仕事です。本人や外部に被曝の問題が漏れるよ うでは、現場責任者は失格なのです。これが原発の 現場です。

 私はこのような仕事を長くやっていて、毎日がい たたまれない日も多く、夜は酒の力をかり、酒量が 日毎に増していきました。そうした自分自身に、問 いかけることも多くなっていました。一体なんのた めに、誰のために、このようなウソの毎日を過ごさ ねばならないのかと。気がついたら、二〇年の原発 労働で、私の体も被曝でぼろぼろになっていました。

・だれが助けるのか


 また、東京電力の福島原発で現場作業員がグライ ンダーで額(ひたい)を切って、大怪我をしたこと がありました。血が吹き出ていて、一刻を争う大怪 我でしたから、直ぐに救急車を呼んで運び出しまし た。ところが、その怪我人は放射能まみれだったの です。でも、電力会社もあわてていたので、防護服 を脱がせたり、体を洗ったりする除洗をしなかった。 救急隊員にも放射能汚染の知識が全くなかったので、 その怪我人は放射能の除洗をしないままに、病院に 運ばれてしまったんです。だから、その怪我人を触 った救急隊員が汚染される、救急車も汚染される、 医者も看護婦さんも、その看護婦さんが触った他の 患者さんも汚染される、その患者さんが外へ出て、 また汚染が広がるというふうに、町中がパニックに なるほどの大変な事態になってしまいました。みん なが大怪我をして出血のひどい人を何とか助けたい と思って必死だっただけで、放射能は全く見えませ んから、その人が放射能で汚染されていることなん か、だれも気が付かなかったんですよ。

 一人でもこんなに大変なんです。それが仮に大事 故が起きて大勢の住民が放射能で汚染された時、一 体どうなるのでしょうか。想像できますか。人ごと ではないのです。この国の人、みんなの問題です。

・びっくりした美浜原発細管破断事故!


 皆さんが知らないのか、無関心なのか、日本の原 発はびっくりするような大事故を度々起こしていま す。スリーマイル島とかチェルノブイリに匹敵する 大事故です。一九八九年に、東京電力の福島第二原 発で再循環ポンプがバラバラになった大事故も、世 界で初めての事故でした。

 そして、一九九一年二月に、関西電力の美浜原発 で細管が破断した事故は、放射能を直接に大気中や 海へ大量に放出した大事故でした。

 チェルノブイリの事故の時には、私はあまり驚か なかったんですよ。原発を造っていて、そういう事 故が必ず起こると分かっていましたから。だから、 ああ、たまたまチェルノブイリで起きたと、たまた ま日本ではなかったと思ったんです。しかし、美浜 の事故の時はもうびっくりして、足がガクガクふる えて椅子から立ち上がれない程でした。

 この事故はECCS(緊急炉心冷却装置)を手動 で動かして原発を止めたという意味で、重大な事故 だったんです。ECCSというのは、原発の安全を 守るための最後の砦に当たります。これが効かなか ったらお終りです。だから、ECCSを動かした美 浜の事故というのは、一億数千万人の人を乗せたバ スが高速道路を一〇〇キロのスピードで走っているの に、ブレーキもきかない、サイドブレーキもきかな い、崖にぶつけてやっと止めたというような大事故 だったんです。

 原子炉の中の放射能を含んだ水が海へ流れ出て、 炉が空焚きになる寸前だったのです。日本が誇る多 重防護の安全弁が次々と効かなくて、あと〇・七秒 でチェルノブイリになるところだった。それも、土 曜日だったのですが、たまたまベテランの職員が来 ていて、自動停止するはずが停止しなくて、その人 がとっさの判断で手動で止めて、世界を巻き込むよ うな大事故に至らなかったのです。日本中の人が、 いや世界中の人が本当に運がよかったのですよ。

 この事故は、二ミリくらいの細い配管についている 触れ止め金具、何千本もある細管が振動で触れ合わ ないようにしてある金具が設計通りに入っていなか ったのが原因でした。施工ミスです。そのことが二 十年近い何回もの定検でも見つからなかったんです から、定検のいい加減さがばれた事故でもあった。 入らなければ切って捨てる、合わなければ引っ張る という、設計者がまさかと思うようなことが、現場 では当たり前に行われているということが分かった 事故でもあったんです。

・もんじゅの大事故


 去年(一九九五年)の十二月八日に、福井県の敦 賀にある動燃(動力炉・核燃料開発事業団)のもん じゅでナトリウム漏れの大事故を起こしました。も んじゅの事故はこれが初めてではなく、それまでに も度々事故を起こしていて、私は建設中に六回も呼 ばれて行きました。というのは、所長とか監督とか 職人とか、元の部下だった人たちがもんじゅの担当 もしているので、何か困ったことがあると私を呼ぶ んですね。もう会社を辞めていましたが、原発だけ は事故が起きたら取り返しがつきませんから、放っ ては置けないので行くのです。

 ある時、電話がかかって、「配管がどうしても合 わないから来てくれ」という。行って見ますと、特 別に作った配管も既製品の配管もすべて図面どおり 、寸法通りになっている。でも、合わない。どうし て合わないのか、いろいろ考えましたが、なかなか 分からなかった。一晩考えてようやく分かりました 。もんじゅは、日立、東芝、三菱、富士電機などの 寄せ集めのメーカーで造ったもので、それぞれの会 社の設計基準が違っていたのです。

 図面を引くときに、私が居た日立は〇・五mm切り 捨て、東芝と三菱は〇・五mm切上げ、日本原研は〇 ・五mm切下げなんです。たった〇・五mmですが、百 カ所も集まると大変な違いになるのです。だから、 数字も線も合っているのに合わなかったのですね。

 これではダメだということで、みんな作り直させ ました。何しろ国の威信がかかっていますから、お 金は掛けるんです。

 どうしてそういうことになるかというと、それぞ れのノウ・ハウ、企業秘密ということがあって、全 体で話し合いをして、この〇・五mmについて、切り 上げるか、切り下げるか、どちらかに統一しようと いうような話し合いをしていなかったのです。今回 のもんじゅの事故の原因となった温度センサーにし ても、メーカー同士での話し合いもされていなかっ たんではないでしょうか。

 どんなプラントの配管にも、あのような温度計が ついていますが、私はあんなに長いのは見たことが ありません。おそらく施工した時に危ないと分かっ ていた人がいたはずなんですね。でも、よその会社 のことだからほっとけばいい、自分の会社の責任で はないと。

 動燃自体が電力会社からの出向で出来た寄せ集め ですが、メーカーも寄せ集めなんです。これでは事 故は起こるべくして起こる、事故が起きないほうが 不思議なんで、起こって当たり前なんです。

 しかし、こんな重大事故でも、国は「事故」と言 いません。美浜原発の大事故の時と同じように「事 象があった」と言っていました。私は事故の後、直 ぐに福井県の議会から呼ばれて行きました。あそこ には十五基も原発がありますが、誘致したのは自民 党の議員さんなんですね。だから、私はそういう人 に何時も、「事故が起きたらあなた方のせいだよ、 反対していた人には責任はないよ」と言ってきまし た。この度、その議員さんたちに呼ばれたのです。 「今回は腹を据えて動燃とケンカする、どうしたら よいか教えてほしい」と相談を受けたのです。

 それで、私がまず最初に言ったことは、「これは 事故なんです、事故。事象というような言葉に誤魔 化されちゃあだめだよ」と言いました。県議会で動 燃が「今回の事象は……」と説明を始めたら、「事 故だろ! 事故!」と議員が叫んでいたのが、テレ ビで写っていましたが、あれも、黙っていたら、軽 い「事象」ということにされていたんです。地元の 人たちだけではなく、私たちも、向こうの言う「事 象」というような軽い言葉に誤魔化されてはいけな いんです。

 普通の人にとって、「事故」というのと「事象」 というのとでは、とらえ方がまったく違います。こ の国が事故を事象などと言い換えるような姑息なこ とをしているので、日本人には原発の事故の危機感 がほとんどないのです。

・日本のプルトニウムがフランスの核兵器に?


 もんじゅに使われているプルトニウムは、日本が フランスに再処理を依頼して抽出したものです。再 処理というのは、原発で燃やしてしまったウラン燃 料の中に出来たプルトニウムを取り出すことですが、 プルトニウムはそういうふうに人工的にしか作れな いものです。

 そのプルトニウムがもんじゅには約一・四トンも使 われています。長崎の原爆は約八キロだったそうです が、一体、もんじゅのプルトニウムでどのくらいの 原爆ができますか。それに、どんなに微量でも肺ガ ンを起こす猛毒物質です。半減期が二万四千年もあ るので、永久に放射能を出し続けます。だから、そ の名前がプルートー、地獄の王という名前からつけ られたように、プルトニウムはこの世で一番危険な ものといわれるわけですよ。

 しかし、日本のプルトニウムが去年(一九九五年) 南太平洋でフランスが行った核実験に使われた可能 性が大きいことを知っている人は、余りいません。 フランスの再処理工場では、プルトニウムを作るの に核兵器用も原発用も区別がないのです。だから、 日本のプルトニウムが、この時の核実験に使われて しまったことはほとんど間違いありません。

 日本がこの核実験に反対をきっちり言えなかった のには、そういう理由があるからです。もし、日本 政府が本気でフランスの核実験を止めさせたかった ら、簡単だったのです。つまり、再処理の契約を止 めればよかったんです。でも、それをしなかった。

 日本とフランスの貿易額で二番目に多いのは、こ の再処理のお金なんですよ。国民はそんなことも知 らないで、いくら「核実験に反対、反対」といって も仕方がないんじゃないでしょうか。それに、唯一 の被爆国といいながら、日本のプルトニウムがタヒ チの人々を被爆させ、きれいな海を放射能で汚して しまったに違いありません。

 世界中が諦めたのに、日本だけはまだこんなもの で電気を作ろうとしているんです。普通の原発で、 ウランとプルトニウムを混ぜた燃料(MOX燃料) を燃やす、いわゆるプルサーマルをやろうとしてい ます。しかし、これは非常に危険です。分かりやす くいうと、石油ストーブでガソリンを燃やすような ことなんです。原発の元々の設計がプルトニウムを 燃すようになっていません。プルトニウムは核分裂 の力がウランとはケタ違いに大きいんです。だから 原爆の材料にしているわけですから。

 いくら資源がない国だからといっても、あまりに 酷すぎるんじゃないでしょうか。早く原発を止めて、 プルトニウムを使うなんてことも止めなければ、あ ちこちで被曝者が増えていくばかりです。

・日本には途中でやめる勇気がない


 世界では原発の時代は終わりです。原発の先進国 のアメリカでは、二月(一九九六年)に二〇一五年 までに原発を半分にすると発表しました。それに、 プルトニウムの研究も大統領命令で止めています。 あんなに怖い物、研究さえ止めました。

 もんじゅのようにプルトニウムを使う原発、高速 増殖炉も、アメリカはもちろんイギリスもドイツも 止めました。ドイツは出来上がったのを止めて、リ ゾートパークにしてしまいました。世界の国がプル トニウムで発電するのは不可能だと分かって止めた んです。日本政府も今度のもんじゅの事故で「失敗 した」と思っているでしょう。でも、まだ止めない 。これからもやると言っています。

 どうして日本が止めないかというと、日本にはい ったん決めたことを途中で止める勇気がないからで 、この国が途中で止める勇気がないというのは非常 に怖いです。みなさんもそんな例は山ほどご存じで しょう。

 とにかく日本の原子力政策はいい加減なのです。 日本は原発を始める時から、後のことは何にも考え ていなかった。その内に何とかなるだろうと。そん ないい加減なことでやってきたんです。そうやって 何十年もたった。でも、廃棄物一つのことさえ、ど うにもできないんです。

 もう一つ、大変なことは、いままでは大学に原子 力工学科があって、それなりに学生がいましたが、 今は若い人たちが原子力から離れてしまい、東大を はじめほとんどの大学からなくなってしまいました。 机の上で研究する大学生さえいなくなったのです。

 また、日立と東芝にある原子力部門の人も三分の 一に減って、コ・ジェネレーション(電気とお湯を 同時に作る効率のよい発電設備)のガス・タービン の方へ行きました。メーカーでさえ、原子力はもう 終わりだと思っているのです。

 原子力局長をやっていた島村武久さんという人が 退官して、『原子力談義』という本で、「日本政府 がやっているのは、ただのつじつま合わせに過ぎな い、電気が足りないのでも何でもない。あまりに無 計画にウランとかプルトニウムを持ちすぎてしまっ たことが原因です。はっきりノーといわないから持 たされてしまったのです。そして日本はそれらで核 兵器を作るんじゃないかと世界の国々から見られる、 その疑惑を否定するために核の平和利用、つまり、 原発をもっともっと造ろうということになるのです」 と書いていますが、これもこの国の姿なんです。

・廃炉も解体も出来ない原発い


 一九六六年に、日本で初めてイギリスから輸入し た十六万キロワットの営業用原子炉が茨城県の東海村で稼 動しました。その後はアメリカから輸入した原発で 、途中で自前で造るようになりましたが、今では、 この狭い日本に一三五万キロワットというような巨大な原 発を含めて五一の原発が運転されています。

 具体的な廃炉・解体や廃棄物のことなど考えない ままに動かし始めた原発ですが、厚い鉄でできた原 子炉も大量の放射能をあびるとボロボロになるんで す。だから、最初、耐用年数は十年だと言っていて、 十年で廃炉、解体する予定でいました。しかし、一 九八一年に十年たった東京電力の福島原発の一号機 で、当初考えていたような廃炉・解体が全然出来な いことが分かりました。このことは国会でも原子炉 は核反応に耐えられないと、問題になりました。

 この時、私も加わってこの原子炉の廃炉、解体に ついてどうするか、毎日のように、ああでもない、 こうでもないと検討をしたのですが、放射能だらけ の原発を無理やりに廃炉、解体しようとしても、造 るときの何倍ものお金がかかることや、どうしても 大量の被曝が避けられないことなど、どうしようも ないことが分かったのです。原子炉のすぐ下の方で は、決められた線量を守ろうとすると、たった十数 秒くらいしかいられないんですから。

 机の上では、何でもできますが、実際には人の手 でやらなければならないのですから、とんでもない 被曝を伴うわけです。ですから、放射能がゼロにな らないと、何にもできないのです。放射能がある限 り廃炉、解体は不可能なのです。人間にできなけれ ばロボットでという人もいます。でも、研究はして いますが、ロボットが放射能で狂ってしまって使え ないのです。

 結局、福島の原発では、廃炉にすることができな いというので、原発を売り込んだアメリカのメーカ ーが自分の国から作業者を送り込み、日本では到底 考えられない程の大量の被曝をさせて、原子炉の修 理をしたのです。今でもその原発は動いています。

 最初に耐用年数が十年といわれていた原発が、も う三〇年近く動いています。そんな原発が十一もあ る。くたびれてヨタヨタになっても動かし続けてい て、私は心配でたまりません。

 また、神奈川県の川崎にある武蔵工大の原子炉は たった一〇〇キロワットの研究炉ですが、これも放射能漏 れを起こして止まっています。机上の計算では、修 理に二〇億円、廃炉にするには六〇億円もかかるそ うですが、大学の年間予算に相当するお金をかけて も廃炉にはできないのです。まず停止して放射能が なくなるまで管理するしかないのです。

 それが一〇〇万キロワットというような大きな原発です と、本当にどうしようもありません。

・「閉鎖」して、監視・管理


 なぜ、原発は廃炉や解体ができないのでしょうか。 それは、原発は水と蒸気で運転されているものなの で、運転を止めてそのままに放置しておくと、すぐ サビが来てボロボロになって、穴が開いて放射能が 漏れてくるからです。原発は核燃料を入れて一回で も運転すると、放射能だらけになって、止めたまま にしておくことも、廃炉、解体することもできない ものになってしまうのです。

 先進各国で、閉鎖した原発は数多くあります。廃 炉、解体ができないので、みんな「閉鎖」なんです。 閉鎖とは発電を止めて、核燃料を取り出しておくこ とですが、ここからが大変です。

 放射能まみれになってしまった原発は、発電して いる時と同じように、水を入れて動かし続けなけれ ばなりません。水の圧力で配管が薄くなったり、部 品の具合が悪くなったりしますから、定検もしてそ ういう所の補修をし、放射能が外に漏れださないよ うにしなければなりません。放射能が無くなるまで 、発電しているときと同じように監視し、管理をし 続けなければならないのです。 

 今、運転中が五一、建設中が三、全部で五四の原 発が日本列島を取り巻いています。これ以上運転を 続けると、余りにも危険な原発もいくつかあります 。この他に大学や会社の研究用の原子炉もあります から、日本には今、小さいのは一〇〇キロワット、大きいの は一三五万キロワット、大小合わせて七六もの原子炉があ ることになります。

 しかし、日本の電力会社が、電気を作らない、金 儲けにならない閉鎖した原発を本気で監視し続ける か大変疑問です。それなのに、さらに、新規立地や 増設を行おうとしています。その中には、東海地震 のことで心配な浜岡に五機目の増設をしようとして いたり、福島ではサッカー場と引換えにした増設も あります。新設では新潟の巻町や三重の芦浜、山口 の上関、石川の珠洲、青森の大間や東通などいくつ もあります。それで、二〇一〇年には七〇〜八〇基 にしようと。実際、言葉は悪いですが、この国は狂 っているとしか思えません。

 これから先、必ずやってくる原発の閉鎖、これは 本当に大変深刻な問題です。近い将来、閉鎖された 原発が日本国中いたるところに出現する。これは不 安というより、不気味です。ゾーとするのは、私だ けでしょうか。

・どうしようもない放射性廃棄物


 それから、原発を運転すると必ず出る核のゴミ、 毎日、出ています。低レベル放射性廃棄物、名前は 低レベルですが、中にはこのドラム缶の側に五時間 もいたら、致死量の被曝をするようなものもありま す。そんなものが全国の原発で約八〇万本以上溜ま っています。

 日本が原発を始めてから一九六九年までは、どこ の原発でも核のゴミはドラム缶に詰めて、近くの海 に捨てていました。その頃はそれが当たり前だった のです。私が茨城県の東海原発にいた時、業者はド ラム缶をトラックで運んでから、船に乗せて、千葉 の沖に捨てに行っていました。

 しかし、私が原発はちょっとおかしいぞと思った のは、このことからでした。海に捨てたドラム缶は 一年も経つと腐ってしまうのに、中の放射性のゴミ はどうなるのだろうか、魚はどうなるのだろうかと 思ったのがはじめでした。

 現在は原発のゴミは、青森の六ケ所村へ持って行 っています。全部で三百万本のドラム缶をこれから 三百年間管理すると言っていますが、一体、三百年 ももつドラム缶があるのか、廃棄物業者が三百年間 も続くのかどうか。どうなりますか。

 もう一つの高レベル廃棄物、これは使用済み核燃 料を再処理してプルトニウムを取り出した後に残っ た放射性廃棄物です。日本はイギリスとフランスの 会社に再処理を頼んでいます。去年(一九九五年) フランスから、二八本の高レベル廃棄物として返っ てきました。これはどろどろの高レベル廃棄物をガ ラスと一緒に固めて、金属容器に入れたものです。 この容器の側に二分間いると死んでしまうほどの放 射線を出すそうですが、これを一時的に青森県の六 ケ所村に置いて、三〇年から五〇年間くらい冷やし 続け、その後、どこか他の場所に持って行って、地 中深く埋める予定だといっていますが、予定地は全 く決まっていません。余所の国でも計画だけはあっ ても、実際にこの高レベル廃棄物を処分した国はあ りません。みんな困っています。

 原発自体についても、国は止めてから五年か十年 間、密閉管理してから、粉々にくだいてドラム缶に 入れて、原発の敷地内に埋めるなどとのんきなこと を言っていますが、それでも一基で数万トンくらいの 放射能まみれの廃材が出るんですよ。生活のゴミで さえ、捨てる所がないのに、一体どうしようという んでしょうか。とにかく日本中が核のゴミだらけに なる事は目に見えています。早くなんとかしないと いけないんじゃないでしょうか。それには一日も早 く、原発を止めるしかなんですよ。

 私が五年程前に、北海道で話をしていた時、「放 射能のゴミを五〇年、三百年監視続ける」と言った ら、中学生の女の子が、手を挙げて、「お聞きして いいですか。今、廃棄物を五〇年、三百年監視する といいましたが、今の大人がするんですか? そう じゃないでしょう。次の私たちの世代、また、その 次の世代がするんじゃないんですか。だけど、私た ちはいやだ」と叫ぶように言いました。この子に返 事の出来る大人はいますか。

 それに、五〇年とか三百年とかいうと、それだけ 経てばいいんだというふうに聞こえますが、そうじ ゃありません。原発が動いている限り、終わりのな い永遠の五〇年であり、三百年だということです。

・住民の被曝と恐ろしい差別


 日本の原発は今までは放射能を一切出していませ んと、何十年もウソをついてきた。でもそういうウ ソがつけなくなったのです。

 原発にある高い排気塔からは、放射能が出ていま す。出ているんではなくて、出しているんですが、 二四時間放射能を出していますから、その周辺に住 んでいる人たちは、一日中、放射能をあびて被曝し ているのです。

ある女性から手紙が来ました。二三歳です。便箋 に涙の跡がにじんでいました。「東京で就職して恋 愛し、結婚が決まって、結納も交わしました。とこ ろが突然相手から婚約を解消されてしまったのです。 相手の人は、君には何にも悪い所はない、自分も一 緒になりたいと思っている。でも、親たちから、あ なたが福井県の敦賀で十数年間育っている。原発の 周辺では白血病の子どもが生まれる確率が高いとい う。白血病の孫の顔はふびんで見たくない。だから 結婚するのはやめてくれ、といわれたからと。私が 何か悪いことしましたか」と書いてありました。こ の娘さんに何の罪がありますか。こういう話が方々 で起きています。

 この話は原発現地の話ではない、東京で起きた話 なんですよ、東京で。皆さんは、原発で働いていた 男性と自分の娘とか、この女性のように、原発の近 くで育った娘さんと自分の息子とかの結婚を心から 喜べますか。若い人も、そういう人と恋愛するかも 知れないですから、まったく人ごとではないんです。  こういう差別の話は、言えば差別になる。でも言 わなければ分からないことなんです。原発に反対し ている人も、原発は事故や故障が怖いだけではない、 こういうことが起きるから原発はいやなんだと言っ て欲しいと思います。原発は事故だけではなしに、 人の心まで壊しているのですから。
私、子ども生んでも大丈夫ですか。たとえ電気がなくなってもいいから、私は原発はいやだ。


 最後に、私自身が大変ショックを受けた話ですが、 北海道の泊原発の隣の共和町で、教職員組合主催の 講演をしていた時のお話をします。どこへ行っても、 必ずこのお話はしています。あとの話は全部忘れて くださっても結構ですが、この話だけはぜひ覚えて おいてください。

その講演会は夜の集まりでしたが、父母と教職員 が半々くらいで、およそ三百人くらいの人が来てい ました。その中には中学生や高校生もいました。原 発は今の大人の問題ではない、私たち子どもの問題 だからと聞きに来ていたのです。

 話が一通り終わったので、私が質問はありません かというと、中学二年の女の子が泣きながら手を挙 げて、こういうことを言いました。 

 「今夜この会場に集まっている大人たちは、大ウ ソつきのええかっこしばっかりだ。私はその顔を見 に来たんだ。どんな顔をして来ているのかと。今の 大人たち、特にここにいる大人たちは農薬問題、ゴ ルフ場問題、原発問題、何かと言えば子どもたちの ためにと言って、運動するふりばかりしている。私 は泊原発のすぐ近くの共和町に住んで、二四時間被 曝している。原子力発電所の周辺、イギリスのセラ フィールドで白血病の子どもが生まれる確率が高い というのは、本を読んで知っている。私も女の子で す。年頃になったら結婚もするでしょう。私、子ど も生んでも大丈夫なんですか?」と、泣きながら三 百人の大人たちに聞いているのです。でも、誰も答 えてあげられない。

 「原発がそんなに大変なものなら、今頃でなくて、 なぜ最初に造るときに一生懸命反対してくれなかっ たのか。まして、ここに来ている大人たちは、二号 機も造らせたじゃないのか。たとえ電気がなくなっ てもいいから、私は原発はいやだ」と。ちょうど、 泊原発の二号機が試運転に入った時だったんです。

 「何で、今になってこういう集会しているのか分 からない。私が大人で子どもがいたら、命懸けで体 を張ってでも原発を止めている」と言う。

 「二基目が出来て、今までの倍私は放射能を浴び ている。でも私は北海道から逃げない」って、泣き ながら訴えました。

 私が「そういう悩みをお母さんや先生に話したこ とがあるの」と聞きましたら、「この会場には先生 やお母さんも来ている、でも、話したことはない」 と言います。「女の子同志ではいつもその話をして いる。結婚もできない、子どもも産めない」って。

 担任の先生たちも、今の生徒たちがそういう悩み を抱えていることを少しも知らなかったそうです。

 これは決して、原子力防災の八キロとか十キロの問題 ではない、五十キロ、一〇〇キロ圏でそういうことがい っぱい起きているのです。そういう悩みを今の中学 生、高校生が持っていることを絶えず知っていてほ しいのです。

・原発がある限り、安心できない


 みなさんには、ここまでのことから、原発がどん なものか分かってもらえたと思います。

 チェルノブイリで原発の大事故が起きて、原発は 怖いなーと思った人も多かったと思います。でも、 「原発が止まったら、電気が無くなって困る」と、 特に都会の人は原発から遠いですから、少々怖くて も仕方がないと、そう考えている人は多いんじゃな いでしょうか。

 でも、それは国や電力会社が「原発は核の平和利 用です」「日本の原発は絶対に事故を起こしません。 安全だから安心しなさい」「日本には資源がないか ら、原発は絶対に必要なんですよ」と、大金をかけ て宣伝をしている結果なんです。もんじゅの事故の ように、本当のことはずーっと隠しています。

 原発は確かに電気を作っています。しかし、私が 二〇年間働いて、この目で見たり、この体で経験し たことは、原発は働く人を絶対に被曝させなければ 動かないものだということです。それに、原発を造 るときから、地域の人達は賛成だ、反対だと割れて、 心をズタズタにされる。出来たら出来たで、被曝さ せられ、何の罪もないのに差別されて苦しんでいる んです。

 みなさんは、原発が事故を起こしたら怖いのは知 っている。だったら、事故さえ起こさなければいい のか。平和利用なのかと。そうじゃないでしょう。 私のような話、働く人が被曝して死んでいったり、 地域の人が苦しんでいる限り、原発は平和利用なん かではないんです。それに、安全なことと安心だと いうことは違うんです。原発がある限り安心できな いのですから。

 それから、今は電気を作っているように見えても、 何万年も管理しなければならない核のゴミに、膨大 な電気や石油がいるのです。それは、今作っている 以上のエネルギーになることは間違いないんですよ。 それに、その核のゴミや閉鎖した原発を管理するの は、私たちの子孫なのです。

 そんな原発が、どうして平和利用だなんて言えま すか。だから、私は何度も言いますが、原発は絶対 に核の平和利用ではありません。

 だから、私はお願いしたい。朝、必ず自分のお子 さんの顔やお孫さんの顔をしっかりと見てほしいと。 果たしてこのまま日本だけが原子力発電所をどんど ん造って大丈夫なのかどうか、事故だけでなく、地 震で壊れる心配もあって、このままでは本当に取り 返しのつかないことが起きてしまうと。これをどう しても知って欲しいのです。

 ですから、私はこれ以上原発を増やしてはいけな い、原発の増設は絶対に反対だという信念でやって います。そして稼働している原発も、着実に止めな ければならないと思っていあす。

 原発がある限り、世界に本当の平和はこないので すから。

優しい地球 残そう子どもたちに
筆者「平井憲夫さん」について:

1997年1月逝去。
1級プラント配管技能士、原発事故調査国民会議顧問、原発被曝労働者救済センター代表、北陸電力能登(現・志賀)原発差し止め裁判原告特別補佐人、東北電力女川原発差し止め裁判原告特別補佐人、福島第2原発3号機運転差し止め訴訟原告証人。
「原発被曝労働者救済センター」は後継者がなく、閉鎖されました。

以上

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読まれてどうでしたでしょうか? 僕は原発に大反対です。

(※コピペ自由、+++印内は書換え不可でお願いします)

コメント(55)

では、議論を続けましょうか・・・

その代わり突っ込みますよ!(笑)


まず手始めに・・・この方、技能士ですよね?
といったら、職人というイメージがあるんですが・・・
この方の倫理観には首をかしげたくなりますね
普通、こういうことを知っていたら改善すると思うんですが・・・
どうもトピ主です

著作件の問題ですがオリジナルのサイトの方に許可を頂きました。
転載の際にはサイトの名称とアドレスを明記してくださいと言われましたので記します。トピTOPの情報は次のサイトからの転載です。

原子力発電がなくても暮らせる社会をつくる国民連合
http://members.at.infoseek.co.jp/genpatsu_shinsai/


トピTOPが長すぎるというお話ですが別に一つ新にトピを立て、何分割かにした上記手記をTOP、コメントに分けて掲載せよとのことでしょうか?
そうだとこれまでのこのトピのやり取りは全部消えてしまいますね。。

「既存トピがあるのに重複トピを立てることは特段の新展開無しにはだめ」と仰るのはコミュの整理もありますでしょうが「既存トピの議論が重要」であるからですよね。
これまでの議論の足跡の保存は重要であると思います。

このように長いTOPを上げると携帯などから閲覧が不便であるというのは勉強になりましたので今後必要があれば分割掲載したいと思います。
>魔法使いセンちゃんさまへ


>この方の倫理観には首をかしげたくなりますね
>普通、こういうことを知っていたら改善すると思うんですが・・


そうですね。僕は平井さんと直接お会いしたことがないので答えにくいところです。
また結局のところ、真実は生前を知る方に聞くしかありません。 
そして人の倫理観を計ると言う事は親しい友人でもなければなかなか難しいものであると思います。。

しかしそんな事を言っていたら何も始まりませんね。またやや水掛け論になるかもしれません。

その上でどういった可能性があるか整理してみましょう。
まず始めに、魔法使いセンちゃんさまの倫理観への疑いでありますが、センちゃんさまは「この手記が大筋の所本当であるとの前提」ですね?(これを読んで疑ったのだから、そうでないと倫理観を疑えないだろうと思われます)

1平井さんはこの手記にあるように現場責任者という立場にも居た。
2そこで現場の状態をよく知っていた。
3現場を預かる者として現場を知らない上層部へ安全管理の問題を働きかけた
4内部告発を行った。
5裁判、説明会を通して原発反対団体の技術指導等を行った
6この手記を記した


 人は生きる為に働いてお金を稼がなくてはなりません。
職業から社会的批判を浴びる立場に否応無しに、もしくは知らぬ間に、中には会社への忠誠心から進んで立たなければならぬ時があります。
原爆を作った科学者から不二家の工場長、姉歯さんのような方もいらっしゃるでしょう。。
日々を生き抜くため、家族のため、中には命の危険にさらされながらの人もいたかもしれません。

平井さんはどうだったのでしょうか? 手記には「最初は化学製造工場から原発工事にスカウトされた」とあるので賃金も良く、受ける側として悪くない状況であったと思われます。当然勤める前なので原発がどんな状況であったかもわからない。倫理的に原発はダメだと断る理由はなかったものと思われます。


 勤めるうちに内情がわかってきます。手記のような人の犠牲無しに運転維持管理が出来ぬこと。それでも現場監督として原発建設を預かる身です。作る時は放射能の危険性はないのでまだいいです。けれど一度でも始動した原発のメンテを行うには誰かが被爆しなくてはなりません。
平井さんは工事に必要な人数を決め指示を出します。どれ程の被爆か?それがどれだけの危険性か?を熟知した上でです。


つらかったでしょう。

普通の人の感情であればやり切れない思いです。地方農家の出稼ぎに来た原発も何もわからない人々を「絶対に安全です」
と言い聞かせながら作業させるわけですから。

大企業の人事がバブル後の大リストラで、「俺は何人もの首を切ったんだから次は俺かな。。。。?」と、どこかで感情のバランスを取りたくなったかもしれません。

ここで平井さんは自分の行く末をどう見つめたのでしょうか?
何度も何度も考えたにちがいありません。

・辞めて原発からは離れる。
・このまま与えられた仕事をこなす

平井さんは仕事をこなしたのでしょう。現場を知ってから数十年の従事者ですから。でも現状への疑問や良心の呵責は常に鳴り響きます。

ここで平井さんの人生年表があればよいのですが手元にはないので、「いつ原発反対の方へ身を置かれるようになったのか?」はわかりません。

いつの時点かはわからないのですが
「ある時点で内部従事者でしかわからない隠された情報を、知る権利のある人々へ知らせ、反対派に重心を移した」
という事は手記からはっきりとしています。

と同時に現場に詳しく棒心であった平井さんは原発のメンテ維持管理には必要な人材でもありました。

手記によると原発の構造的弱点や管理の手抜りな所を再三上層部には訴えたはずです。

平井さんは「自分が居なかったら更に酷い事になる」という危機的責任感から辞めなかったのかもしれません。

再三の訴えにも拘らず改善の意志を示さない上層部への憤りもあったかもしれません。

現場を知り、原発の実情と世間の認識や知識のあまりの差に「少なくとも地域の人々は真実を知る権利がある」と思われ説明会でも詳しいお話をされたのかもしれません。

そして平井さんは手記最後にまとめてあるように被爆者へのサポートや情報開示、法廷での証言など様々な活動をされ、最期は被爆による癌で亡くなられています。


以上、手記を読んで平井さんの生き方その時の行動をまとめてみました。僕には平井さんは「
置かれた状況の中で常に自分の能力を惜しみなく使い、その時その時の最善を尽くした方」
のように思われます。


魔法使いセンちゃんさまは「平井さんの倫理観に首をかしげたなる」との事ですがどのようにお考えでそのように思われたのでしょうか?

◆◆もし魔法使いセンちゃん様が平井さんの立場ならどう行動されたでしょうか???◆◆

お教え下さい。


                           以上です。
>すばるさん
>トピTOPが長すぎるというお話ですが別に一つ新にトピを立て、何分割かにした上記手記をTOP、コメントに分けて掲載せよとのことでしょうか?

こちらものトピも平井さんの手記についてのトピですが、リンクで済んでいます。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=7942073&comm_id=829045

分割掲載というよりは、「リンクで十分」ということだと思いますが。。。
上記トピの方が論点は明確になりますよね。

あと、一つコメントです。
この方は「原発反対運動家」ではないといいながら、経歴では「北陸電力能登(現・志賀)原発差し止め裁判原告特別補佐人、東北電力女川原発差し止め裁判原告特別補佐人、福島第2原発3号機運転差し止め訴訟原告証人」であったり。。。

個人的には積極的な反対「運動家」であると思うのですが。。。

「反対派」であることと「反対運動家」は決定的に違うので。
http://user33.at.infoseek.co.jp/
まあ定番ですが「原発〜」に対する現役職員の方からの反論です。
これを読んでさらに納得できない部分をここで提起してはどうでしょう。
そうでないと、この文章についてはいつまでもいつまも同じ場所をぐるぐる回っていくことになるので。

また
http://www.faireal.net/dat/d2/d20903.xml
でも指摘されていることですが、この文章自体平井氏の書いたものではない可能性が高いです
http://www.janjan.jp/living/0501/0412292132/1.php
の最後、編集部注から少なくとも平井氏が直接書いた文書ではないのは確実です。
反対派であるとはいえ現場監督をやっていた人では考えられないような、素人でもわかる間違いをしているのはそう言うことかと思います。
一つ、彼が告発している内容を、彼自身が知っていたのですよね?

通常の倫理観の持ち主であれば、知らなかったか、是正していたかですよね?
知っていて、あとから暴露っていうのは、まともじゃないと思います
その点で、この文章が、彼の書いた文章かどうか、疑わしいと思うのです

技能士であれば、知っていたのであれば、必ず是正していると思います
こういう事があったけど、私の活躍で事故を起こさず運転されいるんだと・・・そういう話が普通だと思いますが?


もう一つ突っ込ませてもらえば、このようなことを是正できて初めて技術者です
技術者の倫理観とはそういうものなのです


そして私は、技術者です
議論を続けさせて頂きます

出だしのこの文章・・・

「私は原発反対運動家ではありません。二十年間、原子力発電所の現場で働いていた者です。原発については賛成だとか、危険だとか、安全だとかいろんな論争がありますが、私は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話をします。そして、最後まで読んでいただくと、原発がみなさんが思っていらっしゃるようなものではなく、毎日、被曝者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることがよく分かると思います。」

この部分が非常に余計な気がします↓

「そして、最後まで読んでいただくと、原発がみなさんが思っていらっしゃるようなものではなく、毎日、被曝者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることがよく分かると思います。」

なぜかというと、このあとこう続きます
これさえなければ、すっと入ってくる文章なのですが・・・

「はじめて聞かれる話も多いと思います。どうか、最後まで読んで、それから、原発をどうしたらいいか、みなさんで考えられたらいいと思います。」
はじめまして。
全くの素人なのですが、興味を持ったことなので読ませてもらいました。

上記の平井憲夫さんの話や旅人さんの紹介してくれたその反対意見を話等も読ませてもらいました。

原発には賛成ですが、これらの文章を読んで少し不安になったのは確かです。

原発のメリット・デメリットを考えた上で判断していきたいです。しかし、この内容の是非に関わらず、反対・賛成を決めるのは結局個人の意識ですよね。

不特定多数の人命・身近な命・地球環境・生活の現実と実情
等を天秤に掛けた時、どれが重いかは人次第で、その重さもケースバイケースで変化します。

その重さを考える上で良い材料をもらった感じです。
でも、ここで書かれているような被曝の実態があるのならば、
それこそ白血病や癌患者が多発していると思うんだけどね。。。

国民健康保険を使ってたとしても、
原発で働いていたことなどは、医者に話すだろうから、
そっちから話が出てきてもおかしくないんだけど。。。
(企業指定の病院に行って、口止めは万全なのかな?)
21 魔法使いセンちゃん さまへ  「倫理観」の事について

>通常の倫理観の持ち主であれば、知らなかったか、是正していたかですよね?
知っていて、あとから暴露っていうのは、まともじゃないと思います

ですが、是正しようと行動されている様子が手記には記されています。 
企業の従業員という立場で出来る是正、幾つかあると思いますが現場レベルの改善策などの事はやられていたと思います。
「上層部に現状の改善を訴えるというのも立派な是正ではないですか?」
手記には上層部へ訴状したとあります。


>その点で、この文章が、彼の書いた文章かどうか、疑わしいと思うのです

手記自体を大筋ホンモノであるとした上での倫理観への疑いですよね??

また20旅人さまの文中リンク
 http://www.janjan.jp/living/0501/0412292132/1.php
には「1995年5月に上記手記がまとめられた」とあります。
平井さんは2年後の1997年1月逝去されています。講演内容をまとめ編集したのは上記リンク中にある、PKO法『雑則』を広める会」の佐藤弓子さんたちがまとめたものであれば

「平井さんの許可を取り本人自身が目を通しているはずです」

と同時に、平井さん没後、みなさんが指摘されているように手記の頭に「私は原発に反対ではない」という文が付け加えられた可能性もアルと思います。
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22のコメントについて。

>この部分が非常に余計な気がします↓
>「そして、最後まで〜略〜よく分かると思います。」
>なぜかというと、このあとこう続きます
>これさえなければ、すっと入ってくる文章なのですが・・・

>「はじめて聞かれる話も多いと思います。どうか、最後まで読んで、それから、原発をどうしたらいいか、みなさんで考えられたらいいと思います。」

最初「余計だと思う」としながら後で「すっと入ってくる」となんだか矛盾しているような気がします。。
なによりも一番よくわからないのは

上記の平井さんの出だし、「はじめて聞かれる話も〜〜」がなぜ 感情的に(すーと入ってこない)ダメなのでしょうか??それについてもう少し客観的に説明していただけ無いでしょうか?

良い倫理観であれば平井さんの人生において「どの時点で?」「どう行動するのか?」を出来れば時系列に沿って教えて下さいませ。
上記のコメントを見るとあまり10のコメントを読まれていないようなので。。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++

この手記は原発系コミュでは何度か議論になっているのですね
教えて下さった方ありがとうございます。
他のトピを見ても手記自体の信憑性から感情的なものに至るまでの議論、終着点は23風帽子さまも指摘されている通り個人レベルの感情による各自の裁量で判断するという所に落ち着いているように思われます。

私自身の事についてなんですが私の彼女は浜松ちかくに住んでいるのです。浜岡原発の近くですね。
彼女は泣きながら
「あなたは、もし私に子供が出来なくても結婚してくれる?」
と言いました。

彼女の認識としては「私はこの手記や彼女が浜岡原発近くの住人だという事を知らない」という事になっています。
彼女がこの手記を知っているかはシビアな事で未だ確かめてはいません。

私自身このような状況なので 心から「手記内容が嘘であってほしい」 と思っています。

原発の有無と周辺住民の健康状態についての情報。
最近の200件近い情報の隠蔽、科学的なデータの改ざん、過去あった事故の事後報告などのニュースを見ると

「不安で仕方在りません」

賛成の方の中で、よく科学的なデータに基づいてコウだ!
と言われている方がいらっしゃいますが データの出所自体が作為的に科学データを偽って発表、報告していたら???

大学の教授でもデータの不正改ざんがあれば免職になります。
何か起こってから見つかるという原発側の習性を見ると、一旦事故が起きた時のリスクの大きさから考えれば上記の様な態度では反社会的団体ともなります。

こちらのコミュには原発関係者の方も多くいらっしゃるようです。だからこうして少しでもやりとり出来るのが嬉しく思っています。

魔法使いセンちゃん様は技術者でいらっしゃるのですね。
平井さんの倫理観以上の倫理観で是非一分の隙もなく安全にひつとの原発が無事耐用年数を迎え廃炉になり、放射性レベルが低くなるまで運転維持管理保管して下さい。神様に頼むような気持ちで思っています。


最近は非破壊検査でグリーンが破壊検査でレッドであったというニュースがありました。安心だと思って科学的データを拠り所に頼っていてはあまりにも危険です。

阪神大震災ではあの圧倒的な大きさの高速道路が 橋脚の根元からぶっつりとチギレ、過去のデータに基づき科学的に安全とされた耐震基準の建物が見事に破壊しています。

科学的とは何でしょうか?信じるという事において宗教と同じです。
原発はその潜在的な力が大きすぎるためにこの狭い国土の日本にはあまりにも不向きです。

北のミサイルが落ちたらどうするのでしょうか??
テロに巻き込まれたらどうするのでしょうか??

技術者の方には何かできますか? 責任ある原発団体がミサイルを防げますか? 管理者たちさえしっかりとしていれば大丈夫ですか??

ダムに落ちるよりも、火力発電所に落ちるよりも、風力発電所に落ちるよりも 原発では桁違いな被害が予想されます。

スリーマイルの様な事故が起こればどうやって静岡の100万人以上を速やかに被爆から避難させるのでしょうか??
県外にでるような、そんな訓練や指導はされていないみたいですね。
日本の中央にある静岡は第2のウクライナ(チェルノブイリ)になってほしくはありません。

無理なモノ、手にもてあますものは廃止するのが賢明です。

半減期2万年の放射性廃棄物 どうしますか?
人類は有史2千年、日本は文明開化、江戸時代から200年しか経っていません。

今がどうだ!安全だ! ではないのです。 
将来に渡る維持保管に使う電力も計算して安いと宣伝してますか?
CO2の代りに核廃棄物を出していると明示した上でクリーンなエネルギーと宣伝していますか?

大手メディアは広告を頂いている関電、中電、東電にマイナスな報道は積極的にはできません。

宣伝ではなく、事実の報告をしてください。その責任があります。

すみません 少々熱くなってしまいましたm(_ _)m
技術者倫理というものは、「さんざん警告したけど、問題が起こって、だからあれほど言ったのに!」では、失格なのです
「さんざん警告して、是正させて、何事もない」が正解なのです
そもそも、経営側が納得できる是正案を示せなかったのは、技術者としては致命的ですよ

そういう意味で、平井氏が実在の人物でこの通りだとしたら、「失格だ」と言っているのです
逆に、平井氏が技能士であるなら「ちゃんとやった」という話を別の人がやってないように脚色したのでは?という疑問です

溶接がおかしいのなら、放置せずに職を賭して直せ!です
私なら職を賭して直させます
現に幾度も直させています(本職は非破壊検査技師なので)
技術者は、日々そう自分に言い聞かせて仕事をしていますよ
中には不心得者もいるかも知れませんが・・・

で・・・これだけ一つ取っても、この文章は事実と脚色が混じっていると思うのです
普通の技術者だったら、あり得ない行動や発言は脚色だと思っています
具体的には、これから徐々に話していきます
長文は苦手なので・・・


ミサイル防衛は専門外なので言及しませんが・・・
そちらにはそちらの技術者が、日々本気出して頑張っていると思います


それから、これならすっと入ってくるという意味です↓

「私は原発反対運動家ではありません。二十年間、原子力発電所の現場で働いていた者です。原発については賛成だとか、危険だとか、安全だとかいろんな論争がありますが、私は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話をします。はじめて聞かれる話も多いと思います。どうか、最後まで読んで、それから、原発をどうしたらいいか、みなさんで考えられたらいいと思います。原発について、設計の話をする人はたくさんいますが、私のように施工、造る話をする人がいないのです。しかし、現場を知らないと、原発の本当のことは分かりません。」
同じもののjanjanの記事からの抜粋です
このトピックのTOPに掲載の文との違いに気づきますか?

オリジナルは、平井氏が話したものを佐藤弓子さんたちがまとめたんですよね?
だから、このトピックのTOPに掲載の文中では、話なのに「読んで」という言葉遣いとなっています
この部分が佐藤弓子さんたちが意見を加えたものではないかと思います

それを、janjanでは、「聞いて」に変えてます
文章がおかしいことに気づいたんでしょうか?


「私は原発反対運動家ではありません。20年間、原子力発電所の現場で働いていた者です。原発については賛成だとか、危険だとか、安全だとかいろんな論争がありますが、私は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話をします。そして、最後まで聞いていただくと、原発がみなさんが思っていらっしゃるようなものではなく、毎日被ばく者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることがよく分かると思います。」

(編集部注: 「平井憲夫さんのお話−−原発がどんなものか知ってほしい」は、原子力発電所建設の現場監督に長く携わった故・平井憲夫さんの話を「PKO法『雑則』を広める会」の佐藤弓子さんたちが1995年5月にまとめたものです。したがって文中の「私」とは平井憲夫さんのことです)

http://www.janjan.jp/living/0501/0412292126/1.php
寝ぼけたままつらつらと書いていたらとんでもなく長くなってしまったorz
でもせっかく書いたので投稿しますね。

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・原発と不妊について

>私自身の事についてなんですが私の彼女は浜松ちかくに住んでいるのです。浜岡原発の近くですね。
>彼女は泣きながら
>「あなたは、もし私に子供が出来なくても結婚してくれる?」
>と言いました。

http://www.khp.kitasato-u.ac.jp/hoshasen/iryo/index.html
中程に被曝線量と不妊ついての情報があります。
ちょっとわかりにくいので説明しますと、それによりますと慢性被曝の場合、
一時間当たり0.1Gy以上被曝している時の年通算被曝量が0.2Gy以上ある時に初めて影響が出始めるとなっています。
※影響が出始めるというだけで直ちに全員不妊になるというわけではありません
次にこちらをご覧ください。
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/rr-condition/index.html
これは浜岡原発周辺の放射線量をリアルタイムで表示するサイトです。
今書いている時点でもっとも線量が多いのは小笠原支所の84nGy/hです。
発電所からの距離と放射線量の関係を見れば予測できるように、これの数値のほとんどは原発由来のものではなく、自然界由来のものです。
測定地点名をクリックすると過去のデータも見ることが出来ます。
それによると過去にわたって雨天時以外大きな変動はありません。
またもっと過去のデータについては
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/vicinity/result/graf05.html
が参考になると思います。
n(ナノ)という単位は10のマイナス6乗(1/1000000000)を表すので、まず不妊なる可能性の前提の「0.1Gy/h」より「84nGy/h」がはるかに小さい値であることがわかると思います。
ですから浜松原発の周辺に住んでいたからと言ってそれが原因で不妊になることはまず無いと言っていいでしょう。
是非このことを教えて安心させてあげてください。
原発による不妊よりも、そのことに思い悩んで精神的な負担になる方が彼女の身体のためにならないと思います。

なお上記サイト(http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/cgi-bin/index.cgi)は静岡県によって県民の安全を守るために組織された団体です。
原発周辺の放射能について調査した物が公開されているなど、住民には特に有益な物かと思います。
これらを読んでどうしてもこの団体が信頼できない、数値も信用できないというのであれば、計測器を個人で買えばさらに安心できるかと思います。
ちなみにちょっと調べてみたら安い物は数万円からあるんですね。想像していた以上に安いようです。

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・「原発がどんなものか知ってほしい」について

>「平井さんの許可を取り本人自身が目を通しているはずです」

そう、良心と常識に従えばそうするのが当然です。

ですが「1995年5月に上記手記がまとめられた」ということ自体がそもそもおかしい。
と言うよりは、本文が事実だとするならば絶対にあり得ないことです。
なぜならば本文中に何度も出てくる「去年(一九九五年)」「二月(一九九六年)」という表現から、この文章を平井さんが執筆発表したのは少なくとも1996年4月から年末の間ということになるからです。
これだけの長文・大作です。「平井さんの話」というのはおそらく講演会か何かのようなものだったのでしょう。佐藤弓子という人がその原稿あるいは録音テープを手に入れこの「原発がどんなものか知ってほしい」という文章にしたのだと思われます。
ですがその時期が「1995年5月」ということはあり得ない。
編集部も中身をしっかり読んでいればこんな単純な矛盾に気づかないはずがないんですけどね。あるいは敢えて文書提供者の言ったとおりに掲載したのかもしれませんが。

仮に講演から平井さんの存命中(97年1月まで)の間にこの文書が完成していて、平井さんのチェックが入っていたとしましょう。
ですがこの平井さんの命をかけたはずの、そしてここまでしたからには公開するのが前提のはずの文書は、完成後なぜかずっと日の目を見ていません。
少なくとも私が知っている限りこの文書が当時、出版物に載ったとかそういうことはなかったと思います。
これだけのボリューム、内部の体験談という貴重なものであるにもかかわらずです。
そしてこの文書が注目されるようになったのはネット上で公開されるようになってからです。
その正確な日時はわかりませんが、この文書のオリジナルソースを公開している団体が、「2000年9月25日」設立なのでそれ以降のことだと思われます。
それ以上古い日時でこの文書に言及しているネット上の文書を私は見つけられませんでした。
これが平井さん一人の手で書かれたのものならばこのタイムラグはさほど不自然ではありません。
執筆したものの公開する前に亡くなり、後に遺族なり知人が発見した、などの可能性があるからです。
ですが、もともとは文章ではなく「話」であったものを、第三者が「まとめ」、病身の平井さん自身にチェックしてもらったものを、そこまでしておきながら公開せずに3年以上も放置するのは不自然です。
この疑問は「編集注〜」のほうのサイトの下の方に、反対派の方からも出されています。
さらにさんざん放置しておきながら、突然別の団体が、体験談が中心の文章であるのにも関わらず本来の著者名を伏せたまま公開する。
この文書の公開経緯については疑問が多すぎます。

さらに根本的な問題として内容に技術者では考えられないような間違いがたくさん含まれているのです。
もちろん技術者であるとはいえ、専門外のことについては知らないことはあるでしょう。
ですが素人に毛が生えたような人(例えば私のような人間)にさえ明らかにわかる間違いは普通しません。
幾つか例を挙げてみます。

「冬に定検工事をすることが多いのですが、定検が終わると、海に放射能を含んだ水が何十トンも流れてしまうのです。はっきり言って、今、日本列島で取れる魚で、安心して食べられる魚はほとんどありません。日本の海が放射能で汚染されてしまっているのです。
 海に放射能で汚れた水をたれ流すのは、定検の時だけではありません。原発はすごい熱を出すので、日本では海水で冷やして、その水を海に捨てていますが、これが放射能を含んだ温排水で、一分間に何十トンにもなります。」
もしこれが本当ならすぐばれます。
まず原子力発電所は各自治体によって24時間リアルタイムで放射線量を監視されています。
「放射線 監視」で検索するとそれぞれの核施設ごとにHPが用意されていて、リアルタイムで自由に閲覧できるようになっているのがわかると思います。
当然ですが測定された数値は原子力施設を経由せず直接自治体の組織に届くようになっています。
この監視体制で放射性物質を垂れ流したらその瞬間に大騒ぎになるでしょうね。
魚についてはもっと簡単です。各自治体を頼らずとも自分で試しに測定器を近づければ済むことです。
汚染されていればそれでわかりますから。
排水については平井さんは専門ではないはずなんですが、わざわざ専門外のことに言及して間違えています。

「原発の建屋の中は、全部の物が放射性物質に変わってきます。物がすべて放射性物質になって、放射線を出すようになるのです。」
おそらく放射化のことを言っていると思われますが、「全部の物」「全て」というのは明らかに間違いです。
放射化というのは簡単に言えば高エネルギーの放射線を照射すると安定核種の物質が放射性物質になる現象です。
原子炉がむき出しで置いてあるならともかく、放射線を何重にも封じ込めているのに原子炉付近以外で放射化が起きるほど強力な放射線があるとは考えられません。
もしその程度で放射化が起こるのであればレントゲンやCTは放射性物質の塊になっているでしょう。いえ、もっと言えば自然由来の放射線で自然界の屋外にある物全てが放射性物質になっていることになります。
大げさに言うにしても限度という物があります。

「どんなに厚い鉄でも放射線が突き抜けるからです。」
えーと、放射線の中でもどれですか?
放射線にも色々種類があって種類ごとに透過力が違います。が、原子炉から発生する放射線には、どんなに厚い鉄でも通過できる放射線はありません。(そうですよね……?)

「でも、研究はしていますが、ロボットが放射能で狂ってしまって使えないのです。」
放射線が容赦なく降り注ぐ宇宙空間で自律制御・遠隔制御で動いている無数の人工衛星を知らないんでしょうか。あれはロボットの一種といって差し支えないと思います。
少なくとも当時すでに高度な人工衛星はありましたから、放射線存在下でかなりの精度で制御する技術があったはずです。
というかそういう事実検証せずとも、放射線の影響を受けそうな部分を遮蔽すればそれで事足りそうであるのは、原因をわかっていれば技術者でなくとも工作少年あたりでも思いつきそうです。

とまあ、今ちょっと読み返しただけで私にさえツッコミどころ満載なわけです。
専門家の方から見ればもっと出てくるでしょう。


1.まとめたと主張される時期が明らかに間違いであること
2.平井さんがチェックしたにしては不自然な空白の時期があること
3.公開当初、正確な文書の成立経緯を公表していないこと
4.技術者とは考えにくい間違いが多々あること

以上の理由からこの文書は
「平井さんの死後、平井さん以外の第三者が平井さんの話を元に、誤った知識と思いこみで無断で加筆・改竄し、平井さん自身が書いた文書であるように見せかけたもの」
であると推測できます。
もちろんこれらは状況証拠による推測でしかなく、平井さんが亡くなった現在となっては事実を確かめる術はありません。
ですが、多く含まれる間違いが、文書全体の信頼度を下げているのは間違いありません。

この文書には確かに平井さん自身が書いたであろう部分があり、読んでいて真に迫るような印象を受けます。
間違いの多さにもかかわらずネット上でここまで広まっているのはそういう面があると思います。
もし仮に、第三者による改竄を受けず、内容が正確な物であったとしたら、賛成派・反対派問わず多くの人にとって、原発内部の経験に基づいた貴重な資料になったと考えられます。
それだけに非常に惜しいです。これだけのポテンシャルを持っていながら感情的反対派の人以外からはネット上の怪文書として扱われてしまっています。
安易な気持ちで改竄を行った人物の責任は重いです。


さてここまで書いていてふと気づいたことが一つ。
「放射性物質」あるいは「放射線」という語句を使うべきところで「放射能」と誤用している部分は高確率で周辺が怪しいような気がします。
一般の人向けに敢えて「放射能」と言い直したところもあるでしょうが、流石に技術者レベルの人がこの間違いを連発するのは薄ら寒い物を感じます。

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・ここで「科学」について少し思うところを

科学において「信じる」ことは本質ではありません。
むしろ「疑う」ことが本質の一つです。
ある仮説があったときに「それは本当なのか?」「論理に矛盾はないのか?」「実験で予測通りの結果になるのか?」「それを支持するデータはあるのか?」「そのデータは十分な量なのか?」「別の実験条件でも成り立つ物なのか?」……それら全ての疑いを排除できたときに「科学的に証明された」というのです。
ですが本当に全ての疑いを取り除くことは数学など一部を除いて現実的ではない場合があります。
ですから一般に「科学的に……」と言われた場合それは条件付きであることが多いです。

たとえば阪神大震災の時に倒れた橋脚は「科学的に安全とされた耐震基準」によって建てられたとされていたわけですが、その「科学的に安全」というのは「このような建て方をすればある強さ・ある揺れ方の時にほぼ破壊されないと科学的に考えられる」と言うような意味合いなんです。
件の橋脚が倒壊したのはその前提を超えるような強さ、想定してなかったような揺れ方で揺れたので倒壊したのが一つ。
またそもそも基準通りに建てられなかった手抜き工事のせいでもあったりします。倒壊した構造物の中から木片が発見されたというニュースがありましたね。
まあこれは問題外ですが。

メディアなり政治家が「科学的に安全〜」と言う場合はこの条件を省略していることがほとんどです。
でも本当は、この条件こそが大切なのかもしれません。
この手の情報は自分から探せば意外とすんなり見つかります。
そしてその条件を設定した根拠をなどを知った上で、それが十分なものであるかどうか検討する。それが人に委ねず自分で「科学的」かどうか考える第一歩なのだと思います。

その際に最低限の科学知識とデータが必要になってくるかと思います。
でもそれすらが捏造されているのではないかと「疑う」場合もあるかと思います。
そのようなときは、同じような条件で追試を行っている人はいないか? 元のデータを出したところが国と利害関係ないかどうか、あたりを検討すればそれが信頼に値するかどうか判断できると思います。

自分の感じる「安心」や「不安」を「科学」の目で検証してみませんか?

多くの人には釈迦に説法ですね。生意気言ってスミマセン><


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・最後にちまちまと

ミサイルやテロというのは私も心配しています。
原子力関係で廃棄物の次あたりに問題なんじゃないかと思っています。
しかしこれは技術じゃ対抗できないでしょうから、外交や軍事バランス、警備などでそうさせないようにするしかないでしょうね。

隠蔽やデータ改竄など私も怒りを隠せません。
国民の理解と信頼が不可欠であるのに何を考えているんでしょうか。
日夜安全性を高めるべく奮闘し、信頼を積み重ねようとしているセンちゃんさんのような人たちの努力を踏みにじっています。
二度とこのようなことが起こらないことを望みます。


長文失礼しました。
いえ、私など他の人に比べたら・・・


さて、長文書いたのに飛んでしまいました(;;)
気を取り直して・・・

「・定期点検工事も素人が」の、
「だから、作業が終わって外に出る時には、パンツー枚になって、被曝していないかどうか検査をするんです。体の表面に放射能がついている、いわゆる外部被曝ですと、シャワーで洗うと大体流せますから、放射能がゼロになるまで徹底的に洗ってから、やっと出られます。」
といい記述と、

「・内部被爆が一番怖い」の、
「原発の中ではこのホコリが放射能をあびて放射性物質となって飛んでいます。この放射能をおびたホコリが口や鼻から入ると、それが内部被曝になります。原発の作業では片付けや掃除で一番内部被曝をしますが、この体の中から放射線を浴びる内部被曝の方が外部被曝よりもずっと危険なのです。体の中から直接放射線を浴びるわけですから。」
の記述・・・

明らかに知識レベルが違いますよね?

前者は「汚染」のことを「被曝」や「外部被曝」と書いています
ど素人です(^^;
後者は「内部被曝」と「外部被曝」をちゃんと判っていますよね?

恐らく、別人の文章です

さて、どちらが平井氏本人の話でしょうか?

まあ、意外と前者が平井氏の話でしょうね・・・
「汚染」と「外部被曝」を間違えなければ、現場その物ですから・・・


ちなみに私の言葉も「工事現場の方からの情報です。」からね(笑)
「・定期点検工事も素人が」の、
「現場に入る前にその日の作業と時間、時間というのは、その日に浴びてよい放射能の量で時間が決まるわけですが、その現場が20分間作業ができる所だとすると、20分経つとアラ−ムメーターが鳴るようにしてある。」
の記述・・・

これじゃ、目覚まし時計だろう?(笑)

「アラ−ムメーター」っていうのは、被ばく線量を測る機械で、100マイクロシーベルトとかにセットすると、そこで「ピー」っと鳴るやつです
それまでに、放射線を検出すると、「ピヨ」って鳴るんですが、線量の高いところへ行くと頻繁に鳴るんで、何人もいると現場がうるさいぐらいです(笑)


この人・・・ホントに現場を知ってる人なの?
で・・・もし平井氏の言うようなでたらめな溶接箇所があるとするのなら、具体的に言ってください

例え1日1億円のコストがかかっても、事故が起きる前に是正しなければなりませんからね

すでに是正されているのであれば、それはそれでいいですが・・・
基準地震動を超えた女川で、
地震の揺れで溶接個所にトラブルが発生したと言う
報告はありませんでしたよね?
女川では、Asクラスだけではなく、Bクラス、Cクラスも被害がなかったんですか?

普通、基準地震動を超えた地震なら、B、Cクラスは壊れてもおかしくないんですけどね・・・
トピ主のすばるさん

様々な意見が出ておりますが・・・いかがでしょうか?
 同じく地震(しかもほぼ直下型)のあった、能登の志賀原発はどうだったのですか? 稼動停止中だったのですが、壁が壊れた程度だったというニュースは聞きました。
 Wikipediaを読む限りでは原子炉には何もなかったみたいですが。
 泊原発工事現場の不審火事件について何か情報ありませんか?
 なんだかすごくイヤンな事件なんですが。
柏崎刈羽より、泊の方が問題ですね・・・
柏崎刈羽は自然現象ですが、泊のほうは本当に予想不可能ですからねえ。発生頻度から考えれば、ほぼ間違いなく、何らかの意図を持った人が入り込んでいるということですが。
最後まで読んでないですが、大嘘の記事ですね。読む気がなくなりました。

>原発でも、原子炉の中に針金が入っていたり、配管の中に道具や工具を入れたまま配管をつないでしまったり、いわゆる人が間違える事故、ヒューマンエラーがあまりにも多すぎます。

定期点検の時にロボットのネジが一本落ちただけで始末書です。内部に異物が入ると必ずタービンに破損を生じさせ、流動挙動が代わり、それによりタービン翼がドミノ式に壊れて行くと考えられます。また炉心は現場では作りません。工場の中で作られ現場に出荷されます。
実際に流れている放射能量とか、人が気にする値に数値化がさえてないような気がする。

排水口を計ると凄い量といわれても、具体的な放射線レベルで言われないとそれが基準内なのか基準外なのかすらもわからんし。

それに、工具一本残ってたらまともに運転できるはず無い気がします。

と、コメント読まずに素人が書いてみる。
都市伝説なんですけどね・・・これ(笑)
よくわかりませんが・・・・

「ある女性から手紙が来ました。二三歳です。便箋 に涙の跡がにじんでいました。「東京で就職して恋愛し、結婚が決まって、結納も交わしました。ところが突然相手から婚約を解消されてしまったのです。 相手の人は、君には何にも悪い所はない、自分も一緒になりたいと思っている。でも、親たちから、あなたが福井県の敦賀で十数年間育っている。原発の周辺では白血病の子どもが生まれる確率が高いという。白血病の孫の顔はふびんで見たくない。だから結婚するのはやめてくれ、といわれたからと。私が何か悪いことしましたか」と書いてありました。この娘さんに何の罪がありますか。こういう話が方々 で起きています。

 この話は原発現地の話ではない、東京で起きた話なんですよ、東京で。皆さんは、原発で働いていた男性と自分の娘とか、この女性のように、原発の近くで育った娘さんと自分の息子とかの結婚を心から喜べますか。若い人も、そういう人と恋愛するかも知れないですから、まったく人ごとではないんです。  こういう差別の話は、言えば差別になる。でも言 わなければ分からないことなんです。原発に反対している人も、原発は事故や故障が怖いだけではない、 こういうことが起きるから原発はいやなんだと言って欲しいと思います。原発は事故だけではなしに、人の心まで壊しているのですから。
私、子ども生んでも大丈夫ですか。たとえ電気がなくなってもいいから、私は原発はいやだ。」

ふつーに疑問なんですが

このくだりは

「馬鹿な親への批判」なんですか、それとも「原発の存在はこういう弊害ももたらしているという苦言」なんですか?

直接、原子力発電の是非には関係ないように思えるんですが・・・

原発で小児白血病が増えるというなら、原発とは関係ない地域に住んでいて小児白血病の子供を持つ親に対して、この文章を書いて、宣伝目的で利用する奴こそが、真の差別者であると思わないでもないんですが・・・・
まぁそのへんはアレですよ。
41>センちゃんさんの発言が全てを物語(ry

>そして稼働している原発も、着実に止めな ければならないと思っていあす。

>(※コピペ自由、+++印内は書換え不可でお願いします)
「いあす」も書換え不可なのはちょっとなぁ…と思っていあす。
建設現場といったら北海道電力の泊発電所工事でまた不審火ですね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070809-00000122-mai-soci

一体何の目的がやっているのか・・・
本当に不気味です。
>45: |‘ o‘リノ[HITACHI] さん

この件につきましては、別トピを立てました
よろしくお願いします

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=21674181&comm_id=829045
このトピネタが事実かどうか、大元まで遡って確かめたいですね・・・

それとも・・・都市伝説として楽しんじゃう?(笑)
あ、ここだったですね、あっこさン書いたの。
コミュ消えてません、ビデオ在ります。

ただ、そんなに期待するほどのものではないので、、
と、先に、、というか、今、書いておきます。

でも、2時間近く語ってますよ。

いま、1時間分をあっこさんに音声のみ聴けるような
状況にしてあります。

コンピュータ古く、キャプチャーボード昔の業務用。
で、けっこう相性があるですよ。
そのうち復活予定、、または、あきらめて、
時期を見て新しいノートブックでいけそうなら
機能を確認してから、、、ですね。

ま、古い話ですし、、、、余分な予算もないし、、
ゆっくりいきますよ。

50: あっこさん
よろしくお願いします。
ま、あの本に該当する録音物もどこかに当然あるんでしょうが、、

とりあえずは、ご確認ください。

そういえば、この初めで平井さんの著書よりとされてますが、
多分、著書ではないですよね。
レクチャーされたものの音声録音を誰かが書き起こしたのでは
ないかと推察します。

話すほうも注意はしないといけないですが、ときには
単語を間違えるときもあるでしょうね。これは、誰にも
発生する。平井さんもこの文章を読んだことがあるのか
どうか疑問です。

ま、いずれにしましても、このトピは内容的にマッチする
ようなので、すこしずつ紹介していきますか、、

それで「平井さんそれはちょっと」とか「違いますよ」
があれば、指摘していただいて、、、、
でも、彼が起こした波紋の意味合いも考えることが
できればと個人的には思っています。
>51: YuKiZi さん

ずっと疑問に思っていたのですが・・・
その録音が、平井氏のものを録音したと証明できますか?
入手経路は?
入手経路は忘れていたのですが、内容を見ている中で
質問をしている人間が知人の澤村浩行さん
(ヒッピー「詩人」)だったので、彼からです。

彼から譲ってもらって、彼がそこにいるのでそれ自体は
本物だと思われますね。
ま、私自身は平井さんにあったことないのですが、
ある会場でそう紹介されているところから始まる
ほとんど撮りっぱなし(たぶんテープ交換時?以外は)
のビデオですから。

2002「へいわの集い」
http://homepage.mac.com/amanedo/heiwanotudoi/

をサポートした関係で企画段階でもらったのでしょう。

澤村氏とはビオトープ、ターカインの森、などの
ビデオ制作においても多少とも関連がありましたので。



☆ここでまた、誤解されるといけないので、
私の立ち位置は容認派。なすさんの制作したアンケートにも
先日書き込んでおきましたが

★「現状維持」★

を選択しています。


また、一応コミュのなかで、デジカメでとったビデオ映像を
掲載してとりあえずの確認としています。

それ以上の証明は、現状は必要ないでしょう。
基本的には、クローズのコミュ内で検討してから
動きますので。
はい、そこまで示していただければ、結構です

誰か、速記録みたいなのを起こしてくれませんか?

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