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ねぐろコミュのみんなの思いが詰まったねぐろ(その2)

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だが、引き受けることを決意した一番の要因は、店長・高木の真剣さだった。店で初めて会ったときも口数少なく、殿村と神尾の会話に耳を傾けているだけだったのが、話が落ち着くと、おもむろに「よろしくお願いします」と深々と頭を下げ、神尾の手を握った姿に、本気さを感じ取ったという。
 「建築の成功は、設計や工務店などの要素も重要だけど、もっとも大切なのはクライアントの真剣さ」(神尾氏)
 神尾が引き受けることが決まってからは、急ピッチで計画が練られ、デザインと工事の問題点があぶり出されていった。
 工期は二十三日から4日間。問題は、一日あたり一〇人と見積もって、のべ四〇人の作業者が本当に集まるかだったが、それは杞憂だった。工事のために人員が必要という話をすると、常連客や友人たちは嫌な顔ひとつせず、二つ返事で快諾してくれた。
 そこは高木の普段からの人徳だったのだろう。料理の腕もさることながら、気配りを欠かさず、笑いを絶やさない高木に会うのが楽しみで、店に通う客も少なくないからだ。
 工事が始まると、神尾は素人たちの仕事の出来栄えに驚かされた。素人がやる以上、細部に粗がでることは覚悟していたが、それも心配なかった。なぜなら、調理場では焼き鳥を担当する柳田道男の壁の穴を埋めるコテ裁きは、その道何十年のプロはだしの手つきだと感心していた。実篤公園通り商店街の仲間、焼き肉・gyugyuのヒトちゃんとまっつんの仕事の速さ、正確さは玄人と見間違うほどの手際だっただったという。
 さらに、稲葉勇樹には助けられたという。塗装会社を営む稲葉は、高木とは無二の親友。六本木ミッドタウンにあるイタリアンレストランの内装などを手がけたプロ中のプロが、材料費だけで手伝ってくれたのだ。
稲葉とその従業員たちは、日中に現場を終えて夕食を済ますと、ねぐろにやってきて何一つ文句を言わず作業した。白く塗りつぶした明るいイメージの店内とレンガ作りの外壁は稲葉たちの仕事だった。

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