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プロジェクトファイナンスコミュの公的輸出信用

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プロファイに関しては公的ECA(Export Credit Agencies)の役割も重要ですので、トピを立てました。

対象となる政府系機関は、
JBIC、NEXI(日)
USEXIM(米)
Coface(仏)
Hermes(独)
SACH(伊)
ECGD(英・蘭)
OeKB(白)、など

但し、広い意味では以下の国際機関も含まれます。
世銀、MIGA、IFC、
EBRD、
EIB、
ADB、
AfDB、など

コメント(15)

OECD加盟国の輸出信用機関には紳士協定があります。

OECD貿易委員会輸出信用部会において策定されたArrangement on Officially Supported Export Credits、通称OECD輸出信用アレンジメントです。日本では「OECDガイドライン」といわれることがありますが、ガイドラインではなく紳士協定であり、強制力はありませんが、OECD加盟国を事実上拘束しています。

http://www.oecd.org/department/0,2688,en_2649_34171_1_1_1_1_1,00.html

この中では、公的輸出信用機関がCIRR以下の金利でサポートしてはならないこと、半年賦10年以上の信用を出してはいけないこと、援助の名を借りた輸出信用を出してはならないこと等が規定されています。

しかし、このようなガチガチの条件では、プロジェクトファイナンスのように、プロジェクトキャッシュフローの実態に合わせた不定額の返済計画などには対応することができません。

そのためにプロファイに関しては、OECD加盟国に事前通報することで12年以内の返済期間であればやってよいといった例外規定がプロジェクトファイナンスセクター了解という形で規定されていました。2005年のアレンジメント改訂によって、アレンジメントの中に取り込まれ、信用期間も14年以内ならば許容される等大幅な拡充が図られました。

OECD各国の輸出信用機関がプロジェクトファイナンス案件として融資、保証、保険付保等を行う場合、この協定に沿った対応が必要となるため、融資条件の設定に際して考慮しておくことが必要です。
Hermesは国家機関ではない、との指摘を受けました。確かにHermes自体は国家機関ではありません。後出しじゃんけんみたいですが、トピックのトップの説明を「国家機関」→「政府系機関」に修正しました。

OECD輸出信用アレンジメントはOECD加盟国政府から公的信用補完(Official Support)により貿易をサポートする機関(国際機関を除く)を規制するものです。

Hermes自身は民営機関ですが、ドイツ政府による信用補完を得て、間接的に国の信用補完を行う組織です。そのため公的機関扱いで、OECD輸出信用部会(ECG)のメンバーになっています。背景にはこのような組織も対象となるか否かについて、長らくOECDで議論されてきた経緯があります。

ECGの現メンバーは下記ご参照。
http://www.oecd.org/countrylist/0,2578,en_2649_34169_1783635_1_1_1_1,00.html
JBICもドル建ての場合は変動金利(LIBORベース)で融資してくれます。金利リスクへの機動的対応のしやすさを考えると、民間企業にとって円では借り入れしにくく、ドルでの方が借り入れしやすくなっています。私自身がこれまでに関ったJBIC融資は全てドル建ての借り入れでした。

財務省は「円の国際化」の旗を振っていますが、財投の使用を強制する形で実行部隊であるJBICの制度を縛り、結果的に円を使いにくくしています。他方で、JBICは財投金利で借りた円を市場でドル転して民間企業に貸し付けているため、ヘッジもできない巨額のゆがんだ為替リスクにさらされています。

各国政府の外貨準備高で日本円は米ドル・ユーロに次ぐ3位通貨だったはずですが、次第に地位が低下し、最近では英ポンドに抜かれたようです。このように政策が不徹底なことも一因ではないでしょうか。

JBIC(旧輸銀)は、当初日本企業の輸出振興の目的で設立されたわけですが、WTO規制で以前のような輸出振興に比重を置いた制度は維持できなくなっています。そのような趨勢のため、各国は役割を終えた政策金融機関の業務を縮小したり、民営化したりしているわけです。他方で欧米は国際金融機関に影響力を及ぼして自国の政策機関のように使うことで、抜け穴的に輸出振興を行っています。日本は巨額の資金を出しても口は出せずで国際機関のコントロール力はほとんどありません。日本人としては嘆かわしいことだと思います。
>11: noel さん

 昔は金のない先進国以外の国がプロジェクトをやるには、先進国に頭を下げてお金を貸してもらわなければならなかったのですが、最近は金持ちになってきたため、うるさい先進国からはお金を借りなくなってきています。

 中国の東気西輸プロジェクトなど、中国政府がいろいろと難癖をつけてくるので、欧米企業はへそを曲げて撤退してしまいました。中国は自国の資金と技術でさっさと建設してしまいましたが、最後は中国が困って泣きついてくると見ていた欧米企業は完全に肩透かしをくらいました。

 中東のIWPPやケミカルプロジェクトでも同じようなことが起きており、ありがたがってお金を借りる国(かつ貸せる国)はなくなってきています。

>12: かずき枩本 さん

 円の国際化が進まない主因は、日本国債のクーポンにかかる税金のしくみが外国政府の都合を無視したものだからです。日本の経済力がピークを越えた今になって改革したとしても手遅れだろうと思います。

 正直なところ、ABMIについてはJBICが十分にプレゼンスを発揮できいるようには思えません。ASEAN諸国は経済成長で信用力が増してきているに対し、JBICは民営化の流れで日本政府の保証が外れる方向にあるので信用力格差は急速に縮まっています。

 ABMIの目的は東南アジアに中国の勢力が伸びる前に日本の勢力を浸透させようということだと思いますが、他国もそんなことは重々承知ですから一筋縄ではいかないと思います。
私も文系出身なので技術については一般的なことしかわかりませんが(笑)

日本と中国の比較で言えば、技術格差はまだかなり大きいと思いますが、ことはそう単純ではありません。

イメージ的に言えば技術の高度化は山を高くするようなもので、高くなればなるほど広い裾野を必要とします。以下、非常に大雑把ですが、このイメージで説明します。

平らな場所に土で1mの高さの円錐形の山を作る場合と、10mの高さの山を更に1m高くして11mにしようとする場合を比べると、必要な土の量はぜんぜん違いますよね。つまり山が高くなればなるほど、あと少し高くするために必要となる技術は膨大なものとなるのです。

ところが、日本の技術力が11mの山、中国の技術が10mの山だとすると、10mでは足りず11mの水準が必要なプロジェクトというのは実はそう多く無いのです。高度な技術を運用するには高度に訓練された技術者や社会システムが必要ですが、それらが整わない国では、低い技術の方がいい場合があります。

例えば、技術そのものではありませんが、高度なシステムとしてトヨタのジャストインタイム方式が有名です。このシステムが成り立つためには、物流が正確に運用される必要があります。道が悪くて途中で輸送トラックのパンクが頻発し、予定通りに部品が届かないと工場がきちんと動かなくなってしまいます。このようなケースでは、ある程度在庫を抱えた上で、人海戦術で処理する中国式の方が効率的な場合も多いのです。

日本人は高度なものほど良いという信念を持っていますが、世界的には特殊な考え方です。機械で言えば、高価で壊れにくいものより、安くても壊れたら都度直しやすい方が好まれます。トヨタの自動車などのように、高価でも壊れにくいために評価が高い、というものはあまり多くありません。

分単位以下の正確性で運行管理する日本の鉄道システムなど、外国ではきちがいじみたことのように思われるくらいです。

日本の優位をうまく活かせる分野や相手を丁寧に拾い上げていくことが必要なのかもしれません。

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