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プロジェクトファイナンスコミュのプロジェクトを成功させるには何が必要か

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まずは自己紹介から。私は、発電所関連の受注活動を担当する1エンジニアになります。プロファイは素人ですので、ここのコミュで議論されている内容についていくのに正直苦労してます。でも、プロジェクト全体を把握したいという好奇心から興味深く拝見させて頂いてました。管理人さんからトピックを立てるお許し?が有りましたので新たに立てさせて頂きました(何分、素人なので恐縮です)。

プロジェクトに関わる各プレイヤーがどのようなリスクを重点管理しているのか? また、リスクに関連するよくあるトラブルについて話し合い、どうすれば皆さんとWINWINの関係を気付けるかを議論したいと思います。
その根底には、以前ひろ☆(^o^)/~さんがおっしゃっていたように、リスクはリスクをコントロールすることの出来るプレーヤーがリスクをハンドルするという意見に賛成しつつも、リスクは適材適所に分配されるのか?そのリスクをハンドルしている各プレーヤーがリスクに応じた対価を得ているのか?という疑問があるからです。

コメント(9)

メーカー側の立場から。
発電所を例に挙げますと我々の主要リスクは「国」「自然」「事業者」でしょうか。
・「国」 ローカルルール(各種パーミット、技術基準、税金等)、住民の反対運動、国民性(宗教、技術力、仕事に対する誠実さ)
・「自然」 悪天候による工事遅延(フォースマジュールが適用されるのは極端な悪天候の場合のみ)
・「事業主」 不十分なfeasibility study、仕様書では縛りきれない部分に対する過度な要求(殆どこれが問題)
・「工程」 上記リスクをクリアしてなお工程を守らなければ罰金となる。

残念ながらメーカーは銀行のようにリスクを数値化するノウハウがないのが現状ですね。実績から判断する程度でしょうか。
メーカーも契約に際しては膨大な仕様書を用意しますが、全てをカバーしきれないというのが、私の考えです。プロファイではどこまで契約書でカバーしきれるのでしょうか?
メーカーのプロフィットはざっくり-20%〜+20%程度だと思います(極端な例もあります)。自己資本が大きいから乗り越えられているという感じです。
管理人はトピック立てについての許認可権限はありませんので自由に立てていただいて結構です(笑)

ところで実は銀行のリスク管理ノウハウはかなり限られています。

銀行が数値化して管理できるのはファイナンス関連のリスクのみ。契約関係者のデフォルトリスク(あるいは倒産リスク)は金が貸せる相手かどうかという判断(融資判断)そのものです。他は為替リスク・金利リスクについてヘッジ契約という形でリスクを負担することぐらいでしょう。

銀行のリスク管理では、
A)プロジェクトがうまく行くようにする管理、と
B)プロジェクトが失敗した場合に資金を回収できるようにする管理、
の両方を必要とします。メーカーにとってもこの点は同様だと思いますが、B)の方はあまり厳密にはやっていないのではないかと思います。

ひ@ひさんの分類に従って銀行がプロジェクトファイナンスを組成する際のリスク管理方法を概説します。参考まで上記のA)B)の分類を付記します。

・「国」
法律・許認可制度については、現地法律事務所を使って法制度のDue Diligence(内容の精査)を行います。(A)
技術基準については、同種プロジェクトについてどの程度の実績があるかを見て判断するしかありません。つまり過去の実績です。(A)
政治の安定性(クーデターや戦争などで、法制度が転覆してしまうリスク)は国際機関(世界銀行やADB)や保険・保証機関(NEXIやJBIC)など政府とある程度対等に話ができる機関の信用保証を得ます。(B)

・「自然」
遅延損害保険(A)、火災保険、第三者損害賠償保険、地震保険(A,B)
類似の自然環境下での施工者の建設実績(A)

・「事業主」
プロファイの場合は特別目的会社を設立してこれを事業主としますので、スポンサー(出資者)の実績(含、メーカーとの折衝能力)と信用力を判断(A,B)
スポンサーサポート(勝手に事業会社を解散させない等)(A,B)

・「工程」
遅延損害保険(A)、リキダメ(A)、スポンサーサポート(A,B)

銀行の場合、きちんとできる会社かどうかを実績で判断し、きちんとやるとやるという約束を契約書で取り付けることがリスクへの対応の基本になります。

事業主(発注者)とメーカー(コントラクター)の間で問題が生ずることは日常茶飯事ですが、銀行には直接影響しないことがほとんどです。これは、事業主が銀行との契約書で、この種の問題に自分で責任を持って対処する義務を負っているためです。

銀行のプロフィットはざっくり+0.1〜2.5%ぐらい。金額に対する利益の上限は限られているのに、ちょっとの失敗で損を出す可能性が高いというリスク構造のため、がんじがらめのリスク管理が必要になります。
>銀行のリスク管理ノウハウはかなり限られています。 銀行が数値化して管理できるのはファイナンス関連のリスクのみ。

なるほど、勉強になります。ということは、銀行はリスクを負えないので、数値化出来ないようなリスクは負わないと考えたほうが良いのでしょうか?

>銀行のリスク管理では、
>A)プロジェクトがうまく行くようにする管理、と
>B)プロジェクトが失敗した場合に資金を回収できるようにする管理、
>の両方を必要とします。メーカーにとってもこの点は同様だと思いますが、B)の方はあまり厳密にはやっていないのではないかと思います。

おっしゃるとおりです。B)の失敗した場合の管理については、何もしてませんね。B)に相当する保険もあると聞いたことがありますが、経験が有りませんので何とも言えません。失敗した場合、リカバリーの手段を検討するためA)の管理になってしまいます。因みに、メーカーによってはB)の対処法として採算が合わないと見るや、プロジェクトを撤退するというパターンもあるようです。つまり、採算ラインを見極めてどう対処するかは、メーカーの上層部の方針次第といったところでしょうか。

>・「国」
>政治の安定性(クーデターや戦争などで、法制度が転覆してしまうリスク)は国際機関(世界銀行やADB)や保険・保証機関(NEXIやJBIC)など政府とある程度対等に話ができる機関の信用保証を得ます。(B)

機関の信用保証を得るということは、もう少し具体的に言うとどういう信用保証を得るということでしょうか?保険のようなものであれば、やはり、契約を結ぶ(対価を支払う)ということなのでしょうか? スミマセン、素人な質問で(汗)

>・「自然」
>遅延損害保険(A)、火災保険、第三者損害賠償保険、地震保険(A,B)

地震保険については、耐震促進法として日本で制度化されていますが、海外で類似の保険は、、、、私は未経験です。
火災保険については、有名なのはNFPAやFMですね。船であればロイズでしょうか? 火災保険については仕様が複雑怪奇なこともあり、事業主自身がグレードを自覚されていない、事業主と保険会社と上手く連携を取れていない、保険屋のエンジニアはプロジェクト工程が頭に入っていない、仕様がグレーであるということが多々あり、我々メーカーが最も頭を痛める問題(リスク)のひとつです。

>類似の自然環境下での施工者の建設実績(A)

建設実績を見る場合、受注金額で判断するということでしょうか? その他の要素は見られますか?

>・「事業主」
>プロファイの場合は特別目的会社を設立してこれを事業主としますので、スポンサー(出資者)の実績(含、メーカーとの折衝能力)と信用力を判断(A,B)

事業主にコンサルタントがつく場合とつかない場合がありますが、これは銀行団の要求で決まることなのでしょうか?
また、スポンサー(出資者)は複数であることの方が多いのですが、実績の伴わないスポンサーが含まれていた場合、銀行はどのような手段に出るのでしょうか?

>スポンサーサポート(勝手に事業会社を解散させない等)(A,B)

どのように縛るのでしょうか? 20年という長い年月があれば、スポンサー自身の財政的体力が無くなることも大いに有り得るし、M&Aで無くなることも有り得ますが。
>銀行の場合、きちんとできる会社かどうかを実績で判断し、きちんとやるとやるという約束を契約書で取り付けることがリスクへの対応の基本になります。

実績で判断される場合、銀行はデータベースを持っているということなのでしょうか?
私の会社でも契約する相手の実績を見ますが、相手から頂いた資料は、本来の実力を数段超える立派な資料を頂けるのですが、蓋を開けてみたらガッカリということが殆どです(つまり、そのような資料は当てにしない)。 客観的な判断資料としては、遅延損害保険の掛け率でしょうか?しかし、その場合は大きな契約に限られますしねぇ。
実績として残る仕事はしている会社だけれど、実はクレーマーだったりするし。本当に良い相手と契約すると言うのは、結婚と同じで相性も有りますし、本当に難しいというのが本音ですね。

>事業主が銀行との契約書で、この種の問題に自分で責任を持って対処する義務を負っているためです。

なるほど、勉強になります。確かに銀行団と直接話をすることは殆ど有りません。

>銀行のプロフィットはざっくり+0.1〜2.5%ぐらい。金額に対する利益の上限は限られているのに、ちょっとの失敗で損を出す可能性が高いというリスク構造のため、がんじがらめのリスク管理が必要になります。

つまり、銀行はリスクを負わない代わりにプロフィットも少ないということでしょうか?ということなら、スポンサーが良いプレーヤーなのかもしれません。確かにリスクは高いと思われますが、リスクに対する専門分野に特化していれば、リスクをハンドルできますし。 その証拠に、最近の商社は自分の持っているチャンネルを使ってIPPを立ち上げ、それで業績を伸ばしているらしいし。そうであれば、メーカーもスポンサーとして参加する余地は有りそうですが、、、、どうなんでしょうか?
ポイントが多岐にわたっていますので、取りこぼしがあったらすみません。一度に全部お答できないですが、順々に…

>ということは、銀行はリスクを負えないので、数値化出来ないようなリスクは負わないと考えたほうが良いのでしょうか?

Yesです。商業銀行は財務力や業務履歴を見て融資を返済することが可能かの判断をするのが本業ですので、この枠組みで判断できるリスクしか負いません。例えば、プロジェクトを完成させる「権利」を得ることはあっても、完成させる「義務」は負えません。

>メーカーによってはB)の対処法として採算が合わないと見るや、プロジェクトを撤退するというパターンもあるようです。

プロジェクトファイナンスの場合は採算が悪化したからと言って勝手に撤退されては困りますので、コントラクター(請負人)には契約で完遂義務を負担してもらうのが通常です。コストの積算は銀行にはできません。事業者ないしコントラクターがコスト管理には向いているはずですので、そのリスクは負担してもらうことになります。

>機関の信用保証を得るということは、もう少し具体的に言うとどういう信用保証を得るということでしょうか?

融資に対する保証や納入契約への保険です。具体的には戦争や政変などで事業がすすめられなくなったら融資金や納入代金を肩代わりしてもらうということになります。説明のスペースが限られますので、詳細は下記などご参照ください。
http://www.jbic.go.jp/japanese/base/about/finance/index.php
http://nexi.go.jp/insurance/ins/index_boueki_frame.html
銀行は最悪の場合でも融資元利金が返ってくるようにこれらの制度を活用することになります。

>火災保険については仕様が複雑怪奇なこともあり、

そうですね。保険特有の慣行や用語もあるので、大きなプロジェクトの場合は保険アドバイザーを雇用して保険の設計を行います。保険でカバーされない部分は契約を通して他の当事者にリスクを負担してもらう場合があります。

>建設実績を見る場合、受注金額で判断するということでしょうか? その他の要素は見られますか?

金額よりも、類似のプラントやプロジェクトでどれだけ完成させてきた実績があるか、ということがポイントになります。コストオーバーランや遅延の実績が多いようならアウト。

>事業主にコンサルタントがつく場合とつかない場合がありますが、これは銀行団の要求で決まることなのでしょうか?

銀行団の方から要求することはほとんど無いと思いますが、コンサルタントを雇用した方が、事業主側で意見をまとめる等の際にメリットがありますので、要はコストとの兼ね合いです。

>実績の伴わないスポンサーが含まれていた場合、銀行はどのような手段に出るのでしょうか?

スポンサー=事業会社の出資者の責任は、勝手に株を処分しないこと、事業会社維持に必要な諸手続きを行うこと、契約に応じた追加出資を行うことなどですし、株は銀行が担保に取りますので、実績はあまり関係ないでしょう。
スポンサーがコントラクター(建設業者・納入業者)としてかかわる場合、十分な実力が無ければお引き取りいただき、能力のある会社と交代していただくことになります。

>20年という長い年月があれば、スポンサー自身の財政的体力が無くなることも大いに有り得るし、M&Aで無くなることも有り得ますが。

まず、事業会社株式は銀行が担保権を設定するので、スポンサーが消えたら担保権を行使した上で適切な引き取り先を探します。20年消えない会社かどうかの判断⇒20年返済の融資してもいい会社かの判断、と考えれば商業銀行の業務そのものですから、銀行が取れるリスクです。

続きは後ほど。
仕事中ですが、勢いで書いてしまいます(笑)。

>実績で判断される場合、銀行はデータベースを持っているということなのでしょうか?

持っていませんが「調査」も銀行の本業みたいなものですので、あらゆる方法で情報を入手し分析します。業界紙や同業他社に聞くというのも一つです。大手の銀行なら取引先に同業他社があるのは普通ですから。また、技術専門のコンサルタントを雇用して詳細を確認することも行います。技術的な面で無理しているところ、冒険しているところははないか等をチェックする意味もあります。

>銀行はリスクを負わない代わりにプロフィットも少ないということでしょうか?

というより逆にプロフィットが少ないのでリスクを負えない、というのが正しいと思います。たとえば、融資金額の1%がプロフィットであれば、100件の同種案件で一つがダメになっただけでれば(=元利金が焦げ付けば)銀行は全体の利益がゼロ。それ以上ダメならロス発生ということになります。実際には予測できないことも多いので、万に一つも失敗が無いぐらいのリスク管理が必要になります。

>スポンサーが良いプレーヤーなのかもしれません。

結局はこの点に尽きると言えなくもありません。

>メーカーもスポンサーとして参加する余地は有りそうですが

ありますよ。実際にも多くの例があります。しかし、実際はメーカーがスポンサーとして参加するのはしぶしぶ出資しているといった感じではないでしょうか。
機器の売り切りであれば、利益の実現は長くても2〜3年後、スポンサーになって投資負担を行えば、配当で回収できるのは10〜20年後はザラですから。
ずっとROMさせて頂いておりましたが、私も質問させて下さい。

いま自社でプロファイ案件を組成中なのですが、銀行が慎重すぎて資金が揃いません。
総事業費10億くらいの案件ですが、一番慎重な邦銀などは

 PJTに投入する資金とは別に、事業費の25%位のバックアップを用意しろ

などと無茶を言います。ここで何度も議論されている通り、リスクを負えないから、審査能力がないから、というのがその理由です。

審査能力がありリスクを負ってくださる(融資してくださる)銀行は政府系なのですが、政府系は「民業圧迫をしてはいけない」という建前上、総事業費の50%までしか融資してくれません。 小額(1億未満)なら他行の審査に相乗りで融資するという銀行もありますが、必要額には足りておりません。

プラントもののPFに積極的な金融機関をどこかご存じないでしょうか? 外資でも結構です。 情報お持ちの方がいらっしゃれば是非教えて下さい。
事業の種類にもよりますが、総事業費10億円ぐらいだと都銀はあんまり真剣に対応してくれないのではないでしょうか。
事業リスクの内容にもよりますが、感覚的には25%程度のバックアップは標準的だと思います。
ご回答ありがとうございます。

某都銀は20億円以上の案件のみ扱うそうです。
更に、シローンの組成手数料が数千万だそうです。人件費を考えればそんなものかもしれません。

また、「判断のつかないリスクは負わない」も銀行として正解でしょう。

小額分散した協調融資を自事業主自ら仕切るしかなさそうです。
(勿論、メイン行を中心に金融機関の間で審査情報の交換をしてくれます)

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