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三船敏郎コミュの黒澤明監督の「白痴」を見る。

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鎌倉の川喜多映画記念館で、黒澤明監督の『白痴』を見た。1951年公開、ドストエフスキー原作、原節子、三船敏郎、森雅之、久我美子主演。4時間25分の長尺だが、松竹の興行上の理由から2時間45分に縮められた。
黒澤にとっては不本意な公開となってしまったが、黒澤は何度も「この作品が一番好きである」と明言している。
原節子が異様に美しく、失神するなど激しい演技を見せている。

これはいま書き下ろし中の『鎌倉物語』の一節から。

これは東宝の文芸部長だった堀江史朗の書いた『ぼくの女優交遊録』(主婦の友社)の一節。黒澤明の『白痴』(一九五一年公開)で北海道ロケに行ったときのこと。原節子は共演した三船敏郎に好意を持った。

 三船さんて素敵だなアって、ふと思ったことがあったわ。男の人を好きになるって、こういうことんなアって思ったんだけど……。

 それで、その顛末はどうなったかというと、堀江が記している。

 その夜おそく大雷雨があり、酔っぱらった三船敏郎が、「節ちゃん、こわいよう」と、ふとんをひっかぶって彼女の寝ている部屋へ飛び込んで来たというのである。
「それですっかりいやになっちゃった……まあ、それくらいのとこかしら、ふふふ……」と、冗談ともまじめともつかぬ恬淡とした笑顔の答えであった。

 百年の恋も興ざめした「世界のミフネ」の惰弱な姿。まあ、微笑ましいエピソードではあるが。


三船敏郎と原節子の隠された秘話。『白痴』には黒澤映画の常連である、千秋実と志村喬も出演。いまから30数年以上前の話だが、千秋実と志村喬にお目にかかったことを思い出した。千秋さんはかなりの長身で、志村さんは仕立てのいい着物を着ていた。志村さんの最晩年にかろうしで間に合った。
写真は原節子と久我美子。

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