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FEBIAN REZA PANEコミュのパネさんと飛鳥さん「魂の邂逅」

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パネさんと飛鳥さん「魂の邂逅」

この興奮をなんと伝えればいいのだろう。
10月16日(土)午後7:30より、横浜桜木町そばのJAZZスポット「ドルフィー」にて、フェビアン・レザ・パネさんと金子飛鳥さんとのデュオライヴがあった。東京、京橋のレストランで二人の競演を聞いたのは2008年春だったから、2年半ぶりのDUOライヴになる。

二人は、旧友だ。同志と言った方がいいかもしれない。共に芸大出身だが、クラシックを離れて音楽活動をしている。パネさんは、中村善郎さん、小野リサさんと活動することがあるから、ボサノバ系統の音楽家と捉える方もいるかも知れないがボサノバに軸足を置いてはいない。川井郁子さんとも行動し、また自他共に認めるパットメセニーファンだからといって、JAZZに軸足を置いているわけでもない。
一方、飛鳥さんの守備範囲も広い。ガイアクワトロのメンバーとして、強引に表現をすればアルゼンチン音楽を西洋風に味付けをしたバンド、で自由闊達な音楽を作って好調だ。また、JAZZの山下洋輔さんとの仕事も多い。また2度ほど見に行ったことがある祐天寺のFJsでは毎回いろいろなジャンルのゲストを招いてのセッションを好奇心旺盛にとても楽しんでいる。

つまり、二人はいい意味で、根無し草なのだ。芸大でクラシックを学べば、普通はそれで食べて行こうと思うだろう。JAZZもしかり。ボサノバもしかり。ブルース、レゲエとて同じなのだが、若いときに学んだ分野で生活を切り開いていくのが普通なのだ。でも二人はどのジャンルにも属さず、試行錯誤を繰り返しながら、常に未知の音楽を作ってきたように見える。確かに、大貫妙子さんのアコースティックバンドにはなくてはならない二人だ。だからと言って、ロックを志向しているわけではない。

横浜での二人は、何を目指していたのだろう。西洋の12音階が日本に入ってきたのは、明治になってからだから、たった150年ほどの歴史しかない。JAZZ、ブルース、R&B,ロックはアメリカからだが、その歴史は戦前または戦後からでクラシックに比べればごく最近と言っても良い。サンバ、ボサノバはブラジルまたはブラジル+アメリカから、これらは1950−60年代。レゲエはジャマイカから、サルサはNYC経由でプエルトリコ、キューバなどからで、ごく最近1970年代から日本でやっと聞かれるようになったと言ってよい。つまり、いま僕たちが聞いている音楽のほとんどは、最近輸入された音楽だ。

確かに、三味線、琴を使った江戸期からの音楽は今もある。東京神楽坂、京都の見番ではお座敷向きに演奏がなされているし、落語の合間には、新内なども披露されている。でも、これらは特殊な世界、マイナーの存在でしかなく、今は一般大衆に支持されているものではない。では、12音階をつかった日本独自の日本音楽ジャンルはあるのか。いかに武満徹が偉大でもそれは、クラシックと言うスタイルに寄りかかった日本音楽のように、僕には見える。そのように考えてしまうと、上記の音楽ジャンルの全てにおいて同じことが言える、つまりJAZZという20世紀のアメリカが作り出したスタイルに寄りかかり、その恩恵をたくさんに受けているにも関わらず、日本JAZZ、ロックは日本独自の音楽だ、と理解している音楽家が多いのではないだろうか。つまりは、12音階をつかった日本独自の音楽は皆無に近いのだ。(注:細野晴臣を除く)

12音階をつかった日本独自の音楽というジャンルなどはないのだ。そう確かに、今まではなかった。でも、生まれるかもしれない。と、この日の二人演奏を聴いて思い直した。明治維新から150年が経って、12音階も日本で多くの時間を過ごし、成熟してきた。機が熟し、才能も経験も豊かな二人が、その殻を今破ろうとしている。
この日演奏された曲は、二人の創作だ。新しい日本の音楽を試行錯誤するように、インドネシアから、インドから、日本の立ち位置を確かめるような曲もあれば、青梅の山間を歩きながら、曲想を深めた曲もある。そのいずれもが、日本の新しいジャンルの音楽のように、僕には聞こえる。

音楽は情熱だ。いかに優れたアイデア、卓越した技量があろうとも、そこにパッションがなければ、音楽は譜面から抜け出て、生き生きとした花を咲かせる事はできない。
飛鳥さんはいつもながらの情熱的な演奏をする。パネさんは中村善郎さんとのDUOでは、いつも余裕しゃくしゃくの表情をみせるのだが、ソロ曲では一転緊張を見せるたりする。この日のパネさんは素手でピアノ弦をはじき、ピアノ上部をパーカッションのように叩いて、情熱的な演奏をして見せた。緊張の中にも相互信頼に基づくのだろうゆったりとした心地よい演奏をみせた。

演奏が終わって、二人はがっちりと握手をした。
それは、新しい日本の音楽を求めて孤軍奮闘を繰り返してきた二人にとっては、得ることのできないかけがえのない同志であることを、改めて認め合った証だ。ああ、二人は魂の友なのだ、と感じた。
飛鳥さんは、現在ガイアクワトロという素晴らしいバンドを得て、どのジャンルにも寄りかかることのない自由な音楽を作り出している。ただ、個人的な感想を言わせてもらえれば、良く出来た洋食のようであり、たまに食べるのにはこってりとして美味しいのだが、毎食食べるとなると厳しいかな、とも思う。
この二人の演奏は、いわば日本食のように薄味だ。でも中までしっかりと味が染みている、味で引けはとってはいない。そう淡白な味と言えるかもしれないが、だから何度でも繰り返し聞きたくなる、僕たちに身近な日本の音楽と言える。

来年には、この二人で新しいアルバムを出したい、というコメントがあった。大賛成だ。
過去にもこの二人は、飛鳥さんの「BETWEENNESS」でDUO録音をしている。また、この二人にベースの吉野弘志さん、パーカッションのヤヒロトモヒロさんを加えた飛鳥さんの「MOTHER」での名演もある。吉野さん、ヤヒロさんは、パネさんの名盤「ガンネーシャの夢」でも競演をしている。
DUOで、そして何曲は4人で(ちなみにこの四人を僕は、ジャパンクワトロと密かに呼んでいる)演奏できたなら、新しい日本の音楽と言うジャンルを確立する名盤が出来るに違いない。
ただ新しいジャンルゆえ、大手レコード会社が発売してくれるか、一般大衆にどれだけ浸透するかが、問題だろう。それは、音楽であれ、絵画であれ、新しい道を切り開く芸術家の宿命かもしれない。芸術家には一般大衆の後押しが必要だ。

心ある音楽ファンの方へ。どうかこの二人の素晴らしい音楽が世に出るように、耳を傾けていただきたい。そして、お力添えを願いたい。
10月26日、六本木STB139にて、二人のDUOライヴがあります。


コメント(2)

B太さんの素晴らしい感想をもって、10/26の私のライヴの告知とさせていただきます。詳しくは以下のSTB139のホームページをご覧下さい。

http://stb139.co.jp/index_f.html

最初にピアノ・ソロを数曲演奏した後にデュオを行います。

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