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遺伝子・細胞医療を考える会コミュの遺伝子医療とカウンセリング

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ということで、別トピにしました^_^)

今というのは、遺伝子医療が立ち上がる、非常に重要で、かつ過渡期だと私は思っています。

今までは、遺伝子というものについての基礎教育事態がきちんとされていませんでした。しかし、ゲノムが解読され、社会的関心も高まり、教育も昔よりはされている。。。はずです。

さて。
私も遺伝カウンセリングをきちんとは経験していないのですが、知っている限り、の話です。
遺伝カウンセリングは、その名の通り、少なくとも今までは、
「遺伝についてのカウンセリング」でした。

例えば、遺伝する病気を親が持っている場合、あるいは既に先天性の疾患を持った子供を産んでいた場合に、子供を生むかどうか、妊娠した胎児をどうするか、検査するか、中絶するか。。。
そういったことについて、情報を提供し、相談に乗る。
それが今までの「遺伝カウンセリング」です。
妊娠、出産と密接に関係することになるため、産婦人科、小児科がほとんどオンリーで関わってきました。

ここで私が重要視するのは、
「遺伝」というのは、単なる「表現型」、表面的な現象だということです。ある一定の法則性(例えばメンデルの法則)は見出されていますが、それは「結果」を整理しただけです。

そこで、問題が生じます。
このコミュニティで扱う「遺伝<子>医療」との違いです。
実のところ、「遺伝子医療」については、正確な定義はされていないと思います。
が、私はひとまずこれまでの経験から、次のように仮に定義しています。

遺伝子医療=遺伝子とそれに関係する分子生物学的・細胞レベルでの生命の理解を基にして構築される医療。

遺伝カウンセリング(遺伝医療)は、遺伝現象、表面的結果を基に構築された医療。

つまり、遺伝子医療と遺伝医療は、言葉はそっくりですが、根本的に考え方が異なります。
遺伝子医療はボトムアップ・積み上げ型の体系。
遺伝医療(従来の遺伝カウンセリング)はトップダウン・掘り下げ型の体系。

そして、決定的な違いがあります。
遺伝子医療の具体的手段を遺伝子治療、再生医療、細胞医療とした場合、これは完全に「治癒を目指す治療」が主体となることです。
対して、遺伝カウンセリングは、検査、診断、そして特に胎児の中絶と、治療には結びつきません。
遺伝子医療と、従来の遺伝医療は、ベクトルの方向が全く違うのです。

治療できない、それゆえに災いを避けるか受け入れるか、という選択を助けるための行為が、遺伝カウンセリング。

さて、では、遺伝子医療ではカウンセリングはどうかというと、私は必要になると考えています。
しかし、その位置づけが、遺伝医療とはかなり変わると考えています。
なぜなら、カウンセリングの役目が、正確な情報を提供し理解を助け、そして治療するか否か、治療するならどの方法を選ぶか、という選択を助けることになるからです。
そして重要なことは、遺伝子を操作する場合、「種」や「生態系」そして「進化」という問題までも考えなければならなくなることです。

ぶっちゃけた例ですが、
「ガンダムseed」の世界では、コーディネーターという遺伝子操作された人間たちが居ます。能力や身体的には優れていますが、生殖機能が低下するという問題が生じた、と描かれています。遺伝子操作が、生命としてのあり方に影響を与えた仮想の例ですね。

簡単に言って、遺伝カウンセリングは、「子供に遺伝的な問題がある/あるかも知れない、OKそれともNO?」という二者択一の問題に帰結させることが、少なくともクライアントの
レベルではできたわけですが、
遺伝子医療についてのカウンセリングをもし考えるなら、そんな二者択一では済まなくなるということでもあると思います。


。。。と、色々書きましたが、
今、遺伝カウンセラー、遺伝医療関係者が、遺伝子治療などの遺伝子医療分野に進出しようとしているようです。
しかし、私は、今までの遺伝カウンセラーの考え方では、通用しない、問題が生じると考えています。


そして。
遺伝子うんぬん以前の問題として。
医療というのは、健康についてのサービス業です。
サービス業であれば、クライアントに何かの満足を与えないといけない。情報なり、心地良さなり。
しかし、カウンセリングというのは、そのへん、「ナニがクライアントにとっての満足か」という「商品」が非常に見えにくいと思うんですね。
そうなると、カウンセラー側の自己満足に陥りやすい。治った、という具体的結果が無いからです。

そんなこともあるので、私は、特に遺伝子関連のカウンセリングについては、それが生命の根幹に関わるということも含めて、非常にうるさく考えています^_^)

コメント(5)

遺伝子医療におけるカウンセラーだけに問わず、臨床カウンセラーについてはいうまでもなく、私は、医療にかかわる全ての人(例えば、医師や看護婦)が、クライアント(患者)に対して正確な情報を与え、理解を助け、満足な治療なり、情報なり、心地よさを与えるべきであると考えます。
なぜなら、病気は遺伝や遺伝子病にかかわらず、誰しも不安に思えることです。
それが怪我でも同じ事が言えると思います。
私は入院した事がありますが、患者に対しての対応というか、機械的な先生がいました。
やけどをおわされ、その傷が一生残るという現実と向き合ってる時に、彼女(女の先生でした)は私に「親に依存して甘えてる。現実を受け入れるべきだ。」と、言葉は違いましたがそう言いました。
先生は治療らしきことをして、ただ機械的に動いてるだけのように見えました。
医師に、精神的援助を求めるのはおかしいのかもしれませんが、「辛い」ことに対して、多少の対応をすることは可能ではないかと思います。

話がずれましたが、クライアントは個人個人考えも価値観も、そして理解能力も違います。
一人一人としっかり向き合い、そして、それぞれのクライアントの自立的決定のサポートができるような、カウンセラーが日本に存在する事を願います。
うーん、読み応え充分でした。笑
遺伝子医療と遺伝カウンセリングの定義付けで
私の頭の中もかなりスッキリしました!

私は臨床側も研究側も訪問するのですが、
(私は医療関連施設を対象にしたシステム会社のモノです。)
臨床側では「遺伝子検査室」があって、
もちろん遺伝子検査をしているのですが、
「こういう傾向があり得ますよ。」という報告まで
になっているようです。
それを聞いた臨床医は、各々の遺伝子検査に対する評価の
度合いに応じ遺伝カウンセリング的な捕え方をしているのでしょうね。

遺伝子医療の方はとなると、研究側ではかなり盛んです。
ただ、ご指摘の通り「種」や「生態系」や「進化」などを
考慮した上で遺伝子医療の行為を体系だてるための動きは、
まだ無いようなので、私の方もこの辺りの経過にも
注目をしていくようにしたいと思います。
私ごとの質問ですが・・・。
遺伝子治療ができるようになった基盤には、分子生物学的技術により研究されたことで、可能になったということですか?
たとえば、遺伝子組み換え技術や塩基配列決定技術とか、(これらは分子生物学での研究技術でいいんですよね?)そういった技術によって、可能になったということ?

実は、分子生物学と遺伝学がいっしょくたになっていしまっており、いまいちよくわからないのです。
mikiさん、

 混乱されている部分があるようですが、非常に大事なところです。

 遺伝子治療は、細胞レベルの生物学そして分子生物学の進歩により、はじめて可能になりました。お考えのように、直接的には、DNA/遺伝子の分子構造の理解と、自然の細胞内での染色体の挙動やウイルスの生活についの知見を利用した遺伝子組み換え技術の発明により、その応用として研究開発されてきています。

 遺伝子治療は、遺伝学とは直接の関係は無く、また遺伝学を利用もしていません。
 分子生物学については、遺伝学の「なぜそういう遺伝現象が起きるのか、を説明できる、より根底に近い基礎科学」と理解して良いと思います。
 生物学が、よりミクロなレベルでの理解を求めたら、分子レベルの追求になった、だから「分子生物学」とそれを呼んでいる、それくらいの関係です。

 遺伝学は、表面的現象から法則性を見出したものです。「理由、原理」は、生物学、そして分子生物学によって説明されてきています。

 私の感覚だと、「遺伝」現象を考えるとき、もはや生物学、分子生物学抜きではすまなくなっています。
 遺伝学は、原理はともあれ「実際」を分析しているわけで、無くなることは無いと思いますが、今後特に遺伝子そのものを操作しようという遺伝子医療が発展するなら、その基礎科学になる分子生物学はしっかり学ぶ必要があります、たとえカウンセリングを専門とするとしても。

 そんなわけで、もし将来遺伝医療なり遺伝子医療に関わるなら、直接治療に関わらないカウンセラー・心理職も、最低限の生物学・分子生物学については、勉強して欲しいと思います。
 患者さんや家族に、不用意に間違った情報を与えたら、カウンセリングは台無しですから。

 大学の講義に紛れ込んでも良いのですが^_^)、放送大学の授業はかなり質が高いです。授業料を払わないと単位にはなりませんが、テキストは本屋で確か買えますし講義はタダです^_^) お勧めです。

 ちなみに、17年度の「バイオテクノロジーと社会」テキストには私のwebの内容が一部使われているらしいです。。。
杏さん

有難うございます。
いつも分かりやすく書いていただいて感激です。

放送大学の講義ですか。
本屋さんでもテキストが買えるというのは嬉しい情報です。
早速調べてみます(^^)

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