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高齢者情報コミュの食事の宅配―おいしく食べて介護予防

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 茶葉のてんぷら、ナスとオクラの煮物、新タマネギのサラダ、サクランボ。

 70歳の女性の家に届いた昼食を、ホームヘルパーが器に移して温める。ごはんは女性が自分で炊く。認知症で要介護1だが、食事の宅配サービスがあるので自宅で一人暮らしができる。安否の確認を兼ねたヘルパーの滞在は10分だ。

 次の訪問先の夫婦はともに80代。妻は要介護4で、日中も横になって過ごすことが多い。ヘルパーは妻を起こして、入れ歯と口の中を洗った。食事をおいしく味わってもらうためだ。届いた食事を温め、ひと口ひと口、介助する。

 要介護2の夫は1人で食べられる。夫婦の食べた量や体調を観察し、記録をつけて家を出る。30分の滞在だった。

 岐阜県瑞穂市が、ダイニングサポートと呼ぶ独自の高齢者向け配食サービスを始めて4年目になる。介護予防には栄養豊かな食事が何より大切と考えてのことだ。いま50人ほどが利用している。1食600円。食べやすいとろみ食もある。

 食事のサービスは、介護保険と別枠で行われている。いまの介護保険は訪問先で1軒ごとに調理する家事援助だけを対象にしているからだ。

 ヘルパーは利用者宅で食事作りをする代わりに食べる準備や口腔(こうくう)ケア、食事の介助に専門性を発揮する。定期的に体調や体力を調べ、効果を確認している。

 市からこの事業を任されている介護事業所「新生メディカル」は、サービスを始める前に、ヘルパーが利用者の自宅で作っている食事の内容を2週間にわたって調査し、驚いた。

 ある男性の家では毎日どんぶり物だった。うどんと、おもちが1日おき。そんな家もあった。食事は利用者の希望を優先する。しかし、変化に富んだ献立を思いつく高齢者は多くない。いまの仕組みでは栄養の偏りは避けられない。

 高齢期を元気に過ごすには、免疫力や筋力を高める質の高い食事が欠かせない。浜松大学健康プロデュース学部の金谷節子准教授が、ある民間病院で1000人あまりの入院患者を対象に調査したところ、栄養状態が悪い高齢者は、いい高齢者より入院日数が1.6倍長く、医療費も34%多くかかった。

 栄養士がいる施設とちがって、在宅の高齢者は十分な栄養をとれているのだろうか。とても心配だ。

 介護保険の利用者は年々増えて05年度の介護給付費は5兆8000億円に達している。そのうち52%が在宅サービスだ。在宅の利用者がどんな食事をしているのか、全国的な調査をする必要がある。

 栄養をそこなわない真空低温調理など、宅配に向いた調理法も開発されている。おいしくて栄養のある食事の宅配サービスを地域ごとに充実させて、介護保険に組み込むことはできないものか。

 一からの食事作りはヘルパーにとっても大変だ。介護保険の効果的な利用という点からも検討の価値がある。
   2007年06月05日(火曜日)付 朝日新聞 社説
http://www.asahi.com/paper/editorial.html

コメント(8)

様々な負担増によって生活を圧迫される高齢者が最初に削るものは食費です。
お惣菜やお弁当・菓子パンなどを2食に分けて食べたりしています。
この状態で、栄養のバランスが取れる訳がありません。

今年度から私が働く市では、財政難を理由に宅配弁当が廃止されました。
配食サービス産業にもっと民間の会社が参入してくれればいいのに!とずっと思ってました。
前職は外食産業に居たんですけど、良い技術を持ってますよ。本社の中には管理栄養士さんも居るし、そういう方が高齢者用のメニューを考えていたたければ、かなり、良い商売になるのではexclamation & questionと思ってます。ファミレス等も宅配事業をしているので、そういう会社なら薄利多売で行けるのではないでしょうかexclamation & question

私が知っているケースでも奥さんがリウマチで旦那さんが家事全てこなしていたんですが、胃の半分を摘出する手術を受け家事ができなくなった時に食べてたのはスナック菓子や菓子パンでした。
それから。旦那さんと奥さんのケアとして、ヘルパーが入るようになり、栄養状態も良くなりましたが、、、
お昼がうどん等でも野菜やお肉が入ってたりすれば問題はないけど、あくまで朝夕は家族が栄養を考えた食事を作っているという前提ですよね。

施設を縮小し入院期間も短くなるので、あれば在宅で独居でも安心して、人間らしい生活を送れるようにして欲しいものです。
市町村で大きな差はありますが、行政(厚労省)の食事に関する家事援助の考え方って基本的には「食べられれば良い」というもので栄養的な配慮などは感じられません。

特に、日中独居の老人に対して冷たく感じます。

食事に対して、生活の質を求めるならば、自費でどうぞ、というニュアンスを感じますが、利用者としても、その部分の経済的な負担は一番削りやすいのです。

そして、体調を崩すまで(時には体調を崩しても)食事の重要性が理解されません。

ジレンマです。


tomoさんがおっしゃるように、外食産業が宅配弁当に乗り出してくれると、選択肢の幅が拡がるかもしれませんね。

赤字事業になる可能性もありますが、企業のイメージアップに繋がりますし、莫大な広告費用をそちらに充当してくだされば、社会貢献にもなって一石二鳥なように思います。
ンチャさん
記憶にとどめます。

介護給付費は5兆8000億円。
内52%が在宅サービスであること。

ナース岩下さんの「元気にする介護」
http://www.caretomo.com/column_my_top/blog_id=12
にも欲強調されていますが「免疫力や筋力を高める質の高い食事が欠かせない」のです。社説にありますように「栄養状態が悪い高齢者は、いい高齢者より入院日数が1.6倍長く、医療費も34%多くかかった」これは実感としてよく理解できます。
tomoさん
もりちゃん

書き込みありがとうございます。
高齢者の経済的な生活環境などさまざまな問題点をここに書いていただければ幸いです。

              管理人
 
tomoさん
もりちゃん

経済的に厳しい高齢者には、発芽玄米ご飯を食べるように薦めています。なんと言っても栄養のバランスです。
発芽玄米ご飯を食べると副食費を大幅に削減することが可能です。
以下は 発芽玄米ご飯関連の記述です。
http://www.enpitu.ne.jp/tool/edit.cgi
http://www.enpitu.ne.jp/tool/edit.cgi

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