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Raymond Rousselコミュのルーセルの「手法」と作品について

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は、このトピックに随時更新していく予定です。

ルーセルの手法について:ルーセルの代表作、『アフリカの印象』、『ロクス・ソルス』などは、同音異義に基づいて構想されている。ルーセルはこの執筆の手法を秘密にしておいたが、死後出版された『私はいかにして或る種の本を書いたか』によると、billard(玉突き)と pillard(盗賊)のような、ほとんど同じ二つの単語を選び、それに対して、綴りは同じだが、意味の違ういくつかの単語を付け加える。こうして短編『黒人の中で』の冒頭の Les lettres du blanc sur les bandes du vieux billard(古き玉突き台のクッションに書かれたチョークの文字)と、最後の Les lettres du blanc sur les bandes du vieux pillard(老いた盗賊の一味について書かれた白人の手紙)という綴りはほとんど同じだが、意味がまったく異なる二文を発見する。このような手法で書かれた短編として、『黒人の中で』『つまはじき』「ナノン」「ブルゴーニュの民話の一ページ」などがある。

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次に、(ほぼ)同音異義語を前置詞a`で連結し、全く意味の異なる語句を産出する手法へと移行する。ルーセルは『アフリカの印象』に関してこの手法で作った語句の例を多数挙げている。例えば、baleine(鯨) a` i^ot(小島)/baleine(鯨骨) a` i^ote(スパルタの奴隷)、duel(決闘) a` accolade(決闘のあと仲直りし、抱擁しあう二人の敵手)/duel(両数人称変化) a` accolade(大括弧)、mou(無気力な人) a` raille(嘲笑)/mou(料理に使う牛などの肺臓) a` rail(レール)。これらから、『アフリカの印象』に現れる、台座にギリシャ語の動詞の時制に関する記銘が入っていて、仔牛の肺臓製のレールの上を走る、コルセット用の鯨骨で作られたスパルタの奴隷の彫像というオブジェが生み出された。
最終的には、センテンスないしフレーズを丸ごと、洒落のように別の意味に読み替える手法へと至る。例えば、ルーセルの靴屋の名前と住所「Hellstern《エルステルン》, 5《サンク》, place《プラス》 Vando^me《ヴァンドーム》」(エルステルン、ヴァンドーム広場5番地)を、「he`lice《エリス》 tourne《トゥルヌ》 zinc《ザンク》 plat《プラ》 se《ス》 rend《ラン》 do^me《ドーム》」(スクリューが回転し、亜鉛版が円蓋になる)というセンテンスに変換し、『アフリカの印象』における、亜鉛版のような不思議な海洋生物がスクリューの回転で空気が当ると円蓋に変身するという場面のアイディアを得た。
また、『ロクス・ソルス』について明らかにされている例は少ないが、第二の手法と第三のそれを組み合わせて、demoiselle(若い女性) a` pre'tendent(求婚者)/demoiselle(撞槌) a` rei^tre en dents(歯でできた傭兵)から、「独身者の機械」の挿絵で名高い「撞槌」に似た飛行船が歯で傭兵のモザイクを作るという挿話を思い付いたようである。
日本語で読めるルーセル作品:
『アフリカの印象』岡谷公二訳、白水社、2001年
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4560047340/503-3369342-1340720
『ロクス・ソルス』岡谷公二訳、平凡社、2004年
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4582765114/503-3369342-1340720
『額の星・無数の太陽』新島進・國分俊宏訳、人文書院、2001年
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4409130250/503-3369342-1340720
以下は絶版ないし品切れ
「続・アフリカの印象」粟津則雄訳、『世界名詩集大成5 フランス4』平凡社、1959年[Nouvelles Impressions d'Afriqueの第三および第四の歌]
「爪はじき」岡谷公二訳、『澁澤龍彦文学館9独身者の箱』筑摩書房、1990年
「綱渡りの恋」岡谷公二訳、『澁澤龍彦文学館9独身者の箱』筑摩書房、1990年
「黒人たちの間で」塚原史訳、『早稲田文学』1986年8月号
「第二の資料」谷昌親訳、『夜想』27、ペヨトル工房、1990年
「私はいかにして或る種の本を書いたか」岡谷公二訳、『レーモン・ルーセル――無垢な人』ミシェル・レリス、岡谷公二訳、ペヨトル工房、1991年
『アフリカの印象』岡谷公二訳、平凡社ライブラリー、2007年
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/browse.cgi?code=76_613

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