♡ ＡＴＴ♡コミュのＡＴＴバトルロワイアル　第十五話【対人戦最強の武器】

ＡＴＴバトルロワイアル　第十五話【対人戦最強の武器】

じゅん「・・・これ以上近づいたら死ぬって言っただろ？」

寝転がりながら頬杖をついてじゅんちゃんは口を開いた。

手に持った武器から煙が立ち上っている。

周辺には火薬の匂いが充満していた。

じゅん「・・・起こしやがって。俺に寄ってくるんじゃねーよ。」

そう言うとゴロリと寝返りをうって反対を向いてしまった。

彼の周りには数人の死体が無残に転がっている。

全員がおそらくじゅんちゃんをターゲットにしたのだろうが返り討ちに遭ってしまった様だった。

そんな彼の右手の銃火器が鈍い光を放っている。

【じゅんちゃん　武器・モスバーグM590ショットガン（通称散弾銃）】

散弾銃は、古くから軍や警察は接近戦用武器として採用している。散弾銃は機構が簡単であるため安価で機械的な信頼性が高い。塹壕戦やジャングル戦、あるいは室内戦と行った極至近距離の戦闘に用いられた。特に出会い頭の戦闘に強く隊の先頭を勤めるポイントマンに愛用された。ただ軍や特殊部隊では短機関銃や突撃銃の普及により本格的な対人戦闘に使われることはあまりなくなった。そういう部隊では扉の鍵を壊すなどが主な仕事となっていてマスターキーなどと称される。しかしそういうものがない警察官にとっては今も頼れる武器である。

では何故短機関銃や突撃銃が主流となった現代に置いて未だに最前線の武器として使用されているのだろうか。

それは名の如く【散弾銃】だからである。
突然敵に襲われた咄嗟の場合でも敵の方向に向けて発射すれば必ず当たるのだ。
敵の隣の何も無い所に向けて撃とうが絶対にかわす事が出来ない。
更に充填が容易だという事もこの銃のいい所だ。
これがショットガンが対人戦で最強の武器だと言われる所以である。

じゅん「・・・・だりぃ。はよ終わらんかな、この大会。」

寝ながらポケットから取り出したタバコに火を点けるじゅんちゃん。

（寝タバコは危険だ、良い子は真似しない）

煙を眺めながら、徐々にウトウトしだす。

じゅん「・・・昼間は眠たい・・・・。」

タバコを吸い終わったじゅんちゃんは火を消すと、ゆっくりと瞼を閉じていった。

彼は近くに死体が転がっていようが寝ることに関しては関係ない様だ。

しばらくして、辺りに静けさが蔓延する。

聞こえる音はじゅんちゃんの寝息だけであった。

じゅんちゃんが目を閉じてから数時間は経っただろうか。

もう辺りは薄暗くなっている。

日が沈む夕焼けで山が紅く照らされていた。

山に戻ってくるカラスの鳴き声があちこちで響いている。

そんな時だった。

じゅんちゃんは目を閉じたまま寝ていたそのままの体勢で、左手でショットガンを持つと自分の左側に向け銃口を向けた。

じゅん「・・・・誰だ、そこ。」

ショットガンの引き金に指を掛けるじゅんちゃん。

その様子を見て、銃口の先の木の後ろから人影がゆっくりと姿を現した。

黒部「あら？起きてたの？」

不気味に光る自分の身長以上の大鎌を肩に担いだ女が近寄ってきた。

だが、じゅんちゃんは微動だにしていない。

ショットガンの銃口を向け続けている。

じゅん「・・・俺は一度起きると寝れなくなるんだよ」

だるそうにただ一言呟く。

黒部「ふ～ん・・・、でもいい加減、目開けたら？」

その一言に対し、黒部は挑発的に話しかけた。

じゅんちゃん「・・・・めんどくせぇ」

しかし更にだるそうに口を開くじゅんちゃん。

その態度を見て、地面の落ち葉を踏み鳴らしながら、ズカズカと近づいてくる黒部。

じゅんちゃんとの距離が３メートルを越えようとした時。

じゅんちゃんは体勢を起こし閉じていた目を開いた。

じゅんちゃん「・・・それ以上近づいたら、お前は俺の餌食１０人目確定だぞ。」

銃口を黒部の顔面に向けるじゅんちゃん。

だが黒部は特に臆することなく近寄って来ると、片手で向けられていたショットガンの銃口を握り、更に自分の顔に近づけるとそこに軽くキスをした。

そしてニヤリと微笑むと黒部はじゅんちゃんの顔を覗きこみ口を開いた。

黒部「私が１０人目？ウフフ・・・悪いわね。・・・貴方が私の５０人目よ♪」

対人戦最強と対人戦最凶のバトルがここに勃発してしまった。

じゅんちゃんにより　　　　　　　　　　　　９名　脱落

黒部により　　　　計４９名（ヤマゲ以降＋２９名）脱落

【残り　８１名】

続く