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♡ ATT♡コミュのATTバトルロワイアル 第七十八話【暗黒面堕落、覚醒、ダース・ミキティ】

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硝煙の鼻を突く臭いが辺りに充満している。

その煙の中に青白い光を放つ武器を持った女のシルエットがぼんやりと浮かんでいた。





ミキティ「・・・・・・。」





無言で睨みつける彼女の視線は真っ直ぐに敵を捉え続けていた。

その視線の先にいるのは勿論、死神黒部。

彼女もその視線に負けじと威圧感たっぷりの眼で睨み返す。

そして黒部は睨みつける彼女から一時も眼を離す事無く、持っていたスナイパーライフルを地面へ投げ捨てた。





黒部「・・・飛び道具が効かないんなら仕様が無いわね、選択肢はこれしかないか」





そう呟いた黒部が交錯していた視線を切って軽く溜息を吐いた。

何気ない動作を見せた次の瞬間。






ギュンッ!!!






突如黒部の姿がミキティの目の前に現われた。

その左手には数々の同胞を血祭りに上げたあの大鎌が握られている。

黒部はスナイパーライフルで狙撃した距離と同じだけの距離を跳躍のみで一瞬で移動していた。

異常な運動能力である。






ミキティ「・・・・・ッ!?」






突然の動作に一瞬反応の対処が遅れたミキティ。

その反応に黒部が気付かないわけが無い。

満面の勝ち誇った笑みを浮かべ大きく横薙ぎに大鎌を切り払う。






黒部「飛び道具使えないなら接近戦しかないわよねぇぇぇぇッ!!!!」









パシューーーンッ!!!!!









黒部の声と武器がぶつかる音がこだました。







二人の影が凍りついたようにその場で静止する。








そして、数秒遅れるように時間を置いて何かが地面に落ちる音が聞こえた。











カランッ・・・・













黒部「・・・・・・本当に厄介ね」








黒部がその音を耳で捉え、特にその音を発した物体の方向に向くこともなく呟いた。

彼女の見つめる先には逆手にライトセーバーを持ち替え、横薙ぎに対して垂直に武器を構えたミキティの姿が映っていた。








ミキティ「・・・・残念だけど、お前、打ち合いも出来ないぞ」









暗くドスの利いた声でそう言い放ったミキティの背後には黒部が持っている大鎌の切っ先が転がっている。

黒部が担いでいる鎌の先がケーキを切ったかのように斜めに削げ落ちていた。

ライトセーバーは核融合のエネルギーを片手に持っているようなもの。

金属製の武器と接触した場合であっても打ち負けることは絶対にありえない。

100%相手方の武器が折れる。

いや熔けるという表現が最も正しいのかもしれない。

ライトセーバーと打ち合える武器はライトセーバーしかないのである。









ミキティ「・・・・反撃開始」








そして上目遣いでそう呟くと彼女は黒部の懐に入り込み思いっきり腹に蹴りを入れた。

ドゴォッという大きな音と共に黒部が後方へ吹っ飛ばされる。







黒部「・・・・グッ!!」







突然鳩尾(みぞおち)に感じた痛みに堪えながら黒部は苦痛の表情を浮かべた。

浮いた体を立て直すためにその両足を伸ばし地面に突き立てる。









ズシャァァァァァ・・・・











2本の線を描きながら彼女の両足が何とかその動作を止めた。

しかし追撃の第二波が来るまでに攻撃をかわす体勢を整えなければならない。

黒部は必死にミキティに対して構えを取った。

だが、その時黒部の眼に映ったミキティの姿は追撃をする様子もなく両腕を組んで立っている余裕を持ったものであった。







黒部(・・・・?)







黒部がその姿に疑問を持った瞬間だった。

自信の体からガクンと力が抜けると同時に突然全身から鮮血が飛び散った。









ブシャァァァァッ!!!!








黒部「・・・・何・・・コレ?」








自分の身体中から噴き出す血液に戸惑う黒部。

何よりも彼女を困惑させたのは、ミキティから受けた攻撃はただの前蹴りだったという事実。

何故自分はこんなに出血をしているのか。

血を吹いている傷を見ると体の節という節に刃物でくり貫かれたような痕が見て取れる。

絶対に蹴りだけで出来る傷ではない。







黒部は顔を上げた。

そしてミキティの方を見た時、彼女は自分の身に起こった事の正体に気がついた。








黒部「・・・・ああ・・そういう事・・・・」








黒部の視線の先はミキティの背後に向けられていた。

その場所から何やら不気味な音が聞こえる。








くちゃくちゃくちゃ・・・・









肉片を噛む音が響き渡る。

そして低く地鳴りを上げるような唸り声。

その物体はミキティに寄り添うようにその姿を現した。








モグ「グルルルルル・・・・」








黒部を睨みつける猛獣の姿。

元猟犬の誇りがモグの中で覚醒していた。








黒部「・・・フフ、蹴りと交差するように背後から私の肉を噛み千切っていったって事ね。・・・全く見えなかったわ。・・・獣の動きって恐ろしいわね。」








そう言うと彼女は顔を伏せ軽く微笑んだ。

そして次に顔を上げた時には笑顔が消えていた。

これは誰と戦う時も常に相手を鼻で笑っていた感のある黒部が初めてこの大会で本気になった瞬間でもあった。

本気になった彼女がミキティと真っ向から初めて視線を合わした。







黒部「・・・・・もう逃がさない。ここでアナタを殺さないと面倒な事になりそうだから。」







今までとは明らかに異質の殺気を放っている。

ピリピリと皮膚を劈いていくような圧迫感がミキティを襲った。

周りの木々達もこの異常な殺気に反応するかのようにざわざわと揺れ始めている。



この変化は勿論ミキティ本人も気付いていた。

目の前の死神が遂に本気になったことを。

ただ彼女はこの状況を恐れることも無く口を開いた。







ミキティ「・・・・お前はここで死ぬっていってるだろうが、聞いてなかったのか?」








そう言うと彼女の両目がカッと見開かれた。

黒部が放った殺気に負けない程の威圧感が彼女から放出されている。

そしてその両目の色が普段の黒から真っ赤に染まっていくのが見えた。

彼女を中心に空気が渦を巻き始める。









黒部「・・・・・アナタも本気かしら?」








相手が巻き起こしている空気の流れに髪の毛を靡かせながら黒部はそう呟いた。

彼女の見つめる先に変化が生じる。







ブワァァ・・・ン







ミキティが持っていたライトセーバーの刃の色が青白かった光からピンク掛かった濃い紅色に変わっていく。

そして大きく息を吐き出したミキティが血の様に真っ赤に変色した眼と武器を黒部にかざすといつでも戦えるように構えを取ってみせながら呟いた。










ミキティ「・・・お前を殺せるのなら、自ら進んで暗黒面に堕ちる」









ダース・ミキティがここに誕生した。








【残り 31名】


続く

コメント(14)

波王
いつもながらお早いお気づきで・・・。
緋の目?

つかモグのクチャクチャが地味〜にゾクっとした。怖い。((゚Д゚ll))
さぶ
スターウォーズ エピソード3を見てみなさい。
トイプードルは元猟犬です。
モグは強いよ!
波王
人の名前ぐらいちゃんと口にせんか、このチャラ男タマキン。
確かになってました。
富樫がパクったのかはたまた逆か。

そーなの?
あのガタイで猟犬か…無茶しとるなー。
さぶ
正確には猟犬をペット化させたものがトイプードル。
元のプードルはハスキーよりデカイ!
ライトセーバーちょー強いexclamation ×2
モグの肉噛み怖い冷や汗
女が本気になると怖いなぁげっそり
あぁ怖い怖いふらふら
ナッシー
次は両方本気です。
さてどーしよーかな。
私も同じく、モグのクチャクチャ…がリアルに怖い泣き顔
ミキティ
くちゃくちゃ大人気!

ごー
おお、新たな読者が現われた!
最近バタバタで発見が遅れたげっそり
でも連載が開始されるの待ってましたよ先生exclamation ×2

てかミキティまだ暗黒面に堕ちてなかったのかむふっ
俺はてっきり堕ちてるものだとあっかんべーワラ

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