2008年3月16日（日）ミラクルボディー 第２回 マイケル・フェルプス 世界最強のスイマー
マイケルフェルプス。無敵の２００ｍバタフライ王者。２００ｍ自由形でもイアンソープの世界記録を6年ぶりに塗り替える。
背泳ぎでも歴代3位の記録。
なぜこれほど多くの種目で強いのか。特殊カメラで泳ぎの全貌を捕まえる。
鞭のようなフォーム。水の抵抗をおしのけるパワー。誰よりも長く潜るターン。やすみない猛練習。
フェルプス「自分でも信じられないほど毎日練習した・・・」
去年の世界選手権。７つの金メダルを獲得したフェルプス。
圧倒的な強さを見せた２００ｍバタフライ。赤いラインはミスから作った世界記録。2位以下を3秒以上引き離す。
２００ｍ自由形。スタートから１０ｍで他の選手は頭をだす。フェルプスが１３ｍで浮上したときには体半分リードしている。
５０ｍでのターンでもフェルプスだけ浮かばない。水面に表れたときは再びリード。１５０ｍでのターン。他の選手は５ｍで浮かぶが１１ｍまで潜り続け2位以下を引き離す。イアンソープの記録を上回る記録。バタフライの選手が頂点に立つ。
アメリカ水泳連盟の委員「あんなレース運びは彼以外誰もしない」
強さを探る特撮プロジェクトを始める。
ミシガン大学。5ヶ月の交渉の末、撮影の許可を得る。
クレーンカメラ。水上と水中を同時撮影。2つの映像を合成する。
水中ハイスピードカメラで時間を１０倍に引き伸ばす。防衛大の伊藤慎一郎。撮影は1日1時間を3日かけて行う。
まずは自由形。4台の特撮カメラでとらえる。
水中レールカメラの映像。腕の動きが分かる。
クレーンカメラ。ゆったりとしたストロークで水面をすべるように動く。
力強いドルフィンキック。腕の周辺でほとんど泡がたたず、ターンはドルフィンキックで深く長く潜る。
ピーター・バンダーゲイと比べる。スタート直後バンダーゲイは5回蹴って浮上。フェイプスは10回。
もぐっている時間も倍以上。ターンでは潜る時間と深さが全く違う。バンダーゲイは８ｍで浮上。フェイプスはターン直後体を45度傾け潜る。１３ｍで浮上するフェイプス。
スタートでもターンでもなぜ長く深く潜るのか。伊藤さんは水中映像に目をみはる。
伊藤「深く潜ろうとしてますね これが見たことのないターンなんですよ
波の抵抗を避けるためではないかと分析する伊藤。水面に浮かんだ瞬間、波が生じる。スイマーはこの波と戦わなければならない。体の横に波が広がり抵抗となる。
伊藤さんの計算では波の抵抗を受けるのとそうでないのでは１．４倍速度が違う。
水面より５０ｃｍ以上深くないと波の抵抗を受ける。バンダーゲイは40センチしか潜らない。１ｍまで潜るフェイプス。深く潜ることは浮かび上がった後のスピードにも影響する。
世界選手権２００ｍ自由形で計４６ｍを潜って泳ぐ。
フェイプス「スタート台に乗るときはいつもわくわくする・・・自分は競争心があるようだ・・・勝つのは大好き・・・世界最強と呼ばれたい・・・」
なぜフェイプスだけ深く長く泳げるのか。肉体に秘密があるはず。他のトップスイマーも１ｍ９０センチの身長はある。２ｍ１センチの長い手足。大きな足。靴のサイズは35センチ。日本の北島は27センチ。
フェイプスのコーチのボブ・ボーマン。出会ったときその肉体の可能性を見出す。
ボーマンコーチ「水泳選手にうってつけの体つき・・・背が高く・・・長い手足・・・運動神経も発達している・・・肩やひじ、関節の柔らかさもある・・・
コーチはバタフライを勧める。7年間無敵をほこるバタフライの選手になったフェイプス。長い腕とやわらかい関節。そしてドルフィンキック。足のサイズが５センチ小さな選手より１．２倍推進力が違う。ドルフィンキックはバタ足より推進力が強いとされる。
鵜の足の動かし方。鮎をみつけたとたん両足を同時に動かす鵜。このスピードで獲物を捕らえる。
フェイプスのドルフィンキック。腰からではなく胸からうねるキック。日本の選手と比べると体全体がおおきくしなるフェイプス。
トンプソンとの比較。キックが5センチ深い。これは１０％の推進力の違い。手の動きに中島は注目。
中島求（東工大）「頭と手がほとんど水平を保っている・・・」
飛び込んだ直後、ほとんど手は動いていない。トンプソンはうねりが小さい分手先が不安定という中島求。
強靭な筋肉と体幹。２００ｍ世界記録まであと０．３秒のフェイプス。個人メドレーでも圧倒的な強さをほこる。
フェイプス「どんな泳ぎ方にせよ足を一番使う・・・足が真っ先に疲れる・・・足の力をつけた分だけ大きな大会で最大の力を発揮できるようになる・・・」
さらに続ける特訓。腰に八キロの重りを巻く。
首だけ出して浮かぶフェイプス。イルカのような立ち泳ぎをする。手はほとんど使わない。足の力だけで４０秒間浮かぶ。一番つらいというこの練習。10秒休んだだけで次へ。１０回繰り返す。
重りをつけた練習は続く。
今度は水中ジャンプ。プールの底から１ｍ飛び上がる。この練習は１０回が１セット。合わせて１００回のジャンプは体の負担が大きいため3日に一度。
こうして生み出した持久力。
ボーマンコーチ「驚くべき持久力とパワー・・・こんなスイマーは他にいない・・・持久力かスピードのどちらかだけの選手ばかり・・・」
日本自由形のエース、佐藤。佐藤もドルフィンキックが得意。
・・・「佐藤さんこれをみられてどうですか（といってフェイプスの重りをつけての水中ジャンプを見せる）・・・」
佐藤「いや無理です・・・」
佐藤も重りをつけて立ち泳ぎをする。
佐藤「自分が思うより長くできた・・・10秒ももたないと思っていた・・」
フェイプスは午前2時間、午後3時間の練習。昼休みは大学近くのカフェで。食事は1日5回。８０００キロカロリー摂るフェイプス。日本の成人男性の3倍のカロリー。旺盛な食欲が支える。
フェイプス「休みの日はソファーに座ったまま・・・動くのは食事を取るときだけ・・・」
水泳を始めたきっかけは7歳のとき。プールで疲れさせようと2人の姉が画策。コーチに12歳から徹底的にしごかれる。
フェイプス「あの頃僕は1日も休まずに365日練習した・・・その間、僕は病気だから怪我だからできないとか一切言い訳しなかった・・・」
ボーマンコーチ「持久力を上げることにした・・・成長期の子供は持久力を上げることができる・・・心肺機能・・・」
アテネで６つの金メダル。ヒーローになるフェイプス。厳しさを増すコーチとの練習。
水泳付けの22歳の日々。マンションで待つのは友人から送られた1匹の猫。
フェイプス「泳ぐことは僕の全てです・・・今の僕は好きなものが見つかり、それが他の人より優れているだけ・・・とても恵まれていると思っています」
他の選手と差が見られない腕のストローク。ストロークでもチャレンジを続けるフェイプス。カメラは繊細なテクニックを発見した。
手を水中に入れたときの泡の出方。泡はほとんどでていない。
シドニーの銅メダリスト、トンプソンと比較。フェイプスは泡が極端に少ない。フェルプスは泡の量が少なく、しかも泡がすぐに消える。超ハイスピードカメラでの映像。ひじから先全てが同時に水面に接するトンプソン。一方指先を水に滑り込ませるフェルプス。水に接する面積が小さいので泡が少なく抵抗が小さい。
ボーマンコーチ「フェイプスは手を水に入れるのが上手・・・」
世界の水泳界はフェイプスと全く違う水のかき方に注目している。日本の平泳ぎの佐藤。新しいフォームをとりいれた。
空中で腕をまっすぐのばす、ストロークアーム。空中で腕を振り回す。その勢いで水中でも腕を早くかける。
このストロークで佐藤はアジア初の46秒台を出す。さらに手の向きを変えて水面に接する面積を小さくする。
佐藤「対格差はどうしようもないですし・・・技術面とかそういうところで外国選手を上回っていけばしっかり戦っていけるんじゃないかと思います」
必要な条件はやわらかい関節を持つ選手であること。
フェルプスは水中でのかき方を改良しようとする。これまではＳ字型ストローク。アメリカでは1960年代からストロークの研究。
これまで最善のかき方とされていたＳ字方。
かきはじめがまっすぐのI字型ストロークをフェイプスは取り入れる。
ボーマンコーチ「手を蛇行するよりもまっすぐかくことで大きな力を伝えられる・・・」
ピッチを落とすことなく両腕でかけるようにする
フェイプス「これまでも小さなステップが積み重なり・・・パズルが合うような感じ・・・」
アメリカ。標高1600ｍのコロラド州コロラドスプリング。ここで1月にトレーニングを続ける。
1日6キロ10時間泳ぐ。
水の怪物はさらなる進化を遂げようとする。
フェイプス「疲れすぎて今日が何日目か分かりません・・・この練習が僕を助けてくれるんです・・・本当は早く帰りたいですけどね・・・」
以上見ながらのメモと見終わってから40分ほどの記憶より
マイケルフェルプス。無敵の２００ｍバタフライ王者。２００ｍ自由形でもイアンソープの世界記録を6年ぶりに塗り替える。
背泳ぎでも歴代3位の記録。
なぜこれほど多くの種目で強いのか。特殊カメラで泳ぎの全貌を捕まえる。
鞭のようなフォーム。水の抵抗をおしのけるパワー。誰よりも長く潜るターン。やすみない猛練習。
フェルプス「自分でも信じられないほど毎日練習した・・・」
去年の世界選手権。７つの金メダルを獲得したフェルプス。
圧倒的な強さを見せた２００ｍバタフライ。赤いラインはミスから作った世界記録。2位以下を3秒以上引き離す。
２００ｍ自由形。スタートから１０ｍで他の選手は頭をだす。フェルプスが１３ｍで浮上したときには体半分リードしている。
５０ｍでのターンでもフェルプスだけ浮かばない。水面に表れたときは再びリード。１５０ｍでのターン。他の選手は５ｍで浮かぶが１１ｍまで潜り続け2位以下を引き離す。イアンソープの記録を上回る記録。バタフライの選手が頂点に立つ。
アメリカ水泳連盟の委員「あんなレース運びは彼以外誰もしない」
強さを探る特撮プロジェクトを始める。
ミシガン大学。5ヶ月の交渉の末、撮影の許可を得る。
クレーンカメラ。水上と水中を同時撮影。2つの映像を合成する。
水中ハイスピードカメラで時間を１０倍に引き伸ばす。防衛大の伊藤慎一郎。撮影は1日1時間を3日かけて行う。
まずは自由形。4台の特撮カメラでとらえる。
水中レールカメラの映像。腕の動きが分かる。
クレーンカメラ。ゆったりとしたストロークで水面をすべるように動く。
力強いドルフィンキック。腕の周辺でほとんど泡がたたず、ターンはドルフィンキックで深く長く潜る。
ピーター・バンダーゲイと比べる。スタート直後バンダーゲイは5回蹴って浮上。フェイプスは10回。
もぐっている時間も倍以上。ターンでは潜る時間と深さが全く違う。バンダーゲイは８ｍで浮上。フェイプスはターン直後体を45度傾け潜る。１３ｍで浮上するフェイプス。
スタートでもターンでもなぜ長く深く潜るのか。伊藤さんは水中映像に目をみはる。
伊藤「深く潜ろうとしてますね これが見たことのないターンなんですよ
波の抵抗を避けるためではないかと分析する伊藤。水面に浮かんだ瞬間、波が生じる。スイマーはこの波と戦わなければならない。体の横に波が広がり抵抗となる。
伊藤さんの計算では波の抵抗を受けるのとそうでないのでは１．４倍速度が違う。
水面より５０ｃｍ以上深くないと波の抵抗を受ける。バンダーゲイは40センチしか潜らない。１ｍまで潜るフェイプス。深く潜ることは浮かび上がった後のスピードにも影響する。
世界選手権２００ｍ自由形で計４６ｍを潜って泳ぐ。
フェイプス「スタート台に乗るときはいつもわくわくする・・・自分は競争心があるようだ・・・勝つのは大好き・・・世界最強と呼ばれたい・・・」
なぜフェイプスだけ深く長く泳げるのか。肉体に秘密があるはず。他のトップスイマーも１ｍ９０センチの身長はある。２ｍ１センチの長い手足。大きな足。靴のサイズは35センチ。日本の北島は27センチ。
フェイプスのコーチのボブ・ボーマン。出会ったときその肉体の可能性を見出す。
ボーマンコーチ「水泳選手にうってつけの体つき・・・背が高く・・・長い手足・・・運動神経も発達している・・・肩やひじ、関節の柔らかさもある・・・
コーチはバタフライを勧める。7年間無敵をほこるバタフライの選手になったフェイプス。長い腕とやわらかい関節。そしてドルフィンキック。足のサイズが５センチ小さな選手より１．２倍推進力が違う。ドルフィンキックはバタ足より推進力が強いとされる。
鵜の足の動かし方。鮎をみつけたとたん両足を同時に動かす鵜。このスピードで獲物を捕らえる。
フェイプスのドルフィンキック。腰からではなく胸からうねるキック。日本の選手と比べると体全体がおおきくしなるフェイプス。
トンプソンとの比較。キックが5センチ深い。これは１０％の推進力の違い。手の動きに中島は注目。
中島求（東工大）「頭と手がほとんど水平を保っている・・・」
飛び込んだ直後、ほとんど手は動いていない。トンプソンはうねりが小さい分手先が不安定という中島求。
強靭な筋肉と体幹。２００ｍ世界記録まであと０．３秒のフェイプス。個人メドレーでも圧倒的な強さをほこる。
フェイプス「どんな泳ぎ方にせよ足を一番使う・・・足が真っ先に疲れる・・・足の力をつけた分だけ大きな大会で最大の力を発揮できるようになる・・・」
さらに続ける特訓。腰に八キロの重りを巻く。
首だけ出して浮かぶフェイプス。イルカのような立ち泳ぎをする。手はほとんど使わない。足の力だけで４０秒間浮かぶ。一番つらいというこの練習。10秒休んだだけで次へ。１０回繰り返す。
重りをつけた練習は続く。
今度は水中ジャンプ。プールの底から１ｍ飛び上がる。この練習は１０回が１セット。合わせて１００回のジャンプは体の負担が大きいため3日に一度。
こうして生み出した持久力。
ボーマンコーチ「驚くべき持久力とパワー・・・こんなスイマーは他にいない・・・持久力かスピードのどちらかだけの選手ばかり・・・」
日本自由形のエース、佐藤。佐藤もドルフィンキックが得意。
・・・「佐藤さんこれをみられてどうですか（といってフェイプスの重りをつけての水中ジャンプを見せる）・・・」
佐藤「いや無理です・・・」
佐藤も重りをつけて立ち泳ぎをする。
佐藤「自分が思うより長くできた・・・10秒ももたないと思っていた・・」
フェイプスは午前2時間、午後3時間の練習。昼休みは大学近くのカフェで。食事は1日5回。８０００キロカロリー摂るフェイプス。日本の成人男性の3倍のカロリー。旺盛な食欲が支える。
フェイプス「休みの日はソファーに座ったまま・・・動くのは食事を取るときだけ・・・」
水泳を始めたきっかけは7歳のとき。プールで疲れさせようと2人の姉が画策。コーチに12歳から徹底的にしごかれる。
フェイプス「あの頃僕は1日も休まずに365日練習した・・・その間、僕は病気だから怪我だからできないとか一切言い訳しなかった・・・」
ボーマンコーチ「持久力を上げることにした・・・成長期の子供は持久力を上げることができる・・・心肺機能・・・」
アテネで６つの金メダル。ヒーローになるフェイプス。厳しさを増すコーチとの練習。
水泳付けの22歳の日々。マンションで待つのは友人から送られた1匹の猫。
フェイプス「泳ぐことは僕の全てです・・・今の僕は好きなものが見つかり、それが他の人より優れているだけ・・・とても恵まれていると思っています」
他の選手と差が見られない腕のストローク。ストロークでもチャレンジを続けるフェイプス。カメラは繊細なテクニックを発見した。
手を水中に入れたときの泡の出方。泡はほとんどでていない。
シドニーの銅メダリスト、トンプソンと比較。フェイプスは泡が極端に少ない。フェルプスは泡の量が少なく、しかも泡がすぐに消える。超ハイスピードカメラでの映像。ひじから先全てが同時に水面に接するトンプソン。一方指先を水に滑り込ませるフェルプス。水に接する面積が小さいので泡が少なく抵抗が小さい。
ボーマンコーチ「フェイプスは手を水に入れるのが上手・・・」
世界の水泳界はフェイプスと全く違う水のかき方に注目している。日本の平泳ぎの佐藤。新しいフォームをとりいれた。
空中で腕をまっすぐのばす、ストロークアーム。空中で腕を振り回す。その勢いで水中でも腕を早くかける。
このストロークで佐藤はアジア初の46秒台を出す。さらに手の向きを変えて水面に接する面積を小さくする。
佐藤「対格差はどうしようもないですし・・・技術面とかそういうところで外国選手を上回っていけばしっかり戦っていけるんじゃないかと思います」
必要な条件はやわらかい関節を持つ選手であること。
フェルプスは水中でのかき方を改良しようとする。これまではＳ字型ストローク。アメリカでは1960年代からストロークの研究。
これまで最善のかき方とされていたＳ字方。
かきはじめがまっすぐのI字型ストロークをフェイプスは取り入れる。
ボーマンコーチ「手を蛇行するよりもまっすぐかくことで大きな力を伝えられる・・・」
ピッチを落とすことなく両腕でかけるようにする
フェイプス「これまでも小さなステップが積み重なり・・・パズルが合うような感じ・・・」
アメリカ。標高1600ｍのコロラド州コロラドスプリング。ここで1月にトレーニングを続ける。
1日6キロ10時間泳ぐ。
水の怪物はさらなる進化を遂げようとする。
フェイプス「疲れすぎて今日が何日目か分かりません・・・この練習が僕を助けてくれるんです・・・本当は早く帰りたいですけどね・・・」
以上見ながらのメモと見終わってから40分ほどの記憶より
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