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意味不明小説(ショートショート)コミュの紳士に描かれた妖艶な花びら

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空色の花束から始まる紳士的な発想で紳士は幼虫を描く。

カイツムリに似たその絵の幼虫はやがて赤き花となり、絵にも見ぬ大きな花びらを拡げる。

赤く、黄色く、紫混じり、その花びらは妖艶な生命体のように花びらをくねり動かす。

黒いスーツを着た紳士は描いた森の入口に描いた幼虫の事を忘れ、庭園の脇にある大きく延びたひさし下にある白い椅子に腰をかける。
明るい赤の服を着たメイドがお盆にロンググラスのカクテルを運んでくる。
白いテーブルの上にロンググラスをおいて、屋敷の中に戻ってゆく。

紳士は暑い日差しを避け、優雅にシャンディガフを飲んでいる。


君が思うより僕は欲しい。
光の中に溶け込む無数の種の粉粉を吸い込む。

秋の色を思わせるやや疲れたオレンジ色の日差しが屋根の隙間から漏れてくる。

君が思うより今日は夏だ。
まだ溶け込む事も出来るだろう。

茜色の花束を作り、湖の上に浮かべよう。


紳士は花びらの乱れ狂うかのような動きに、恐れる事も、慌てる事もなく、何事もないかのように一定の時間を送る。
時の終わった世界に辿り着いたかのようだ。

過去も未来もなくグラスに注がれたシャンディガフの泡の色と口に弾けるその味わいを楽しんでいる。
斜めに差す光、つまり斜光が森と軒下のある屋敷を区分している。


僕はまだ森の中の狂おいに、リズムを刻まれている。
果てしなく、紳士には程遠い。
弄ばれ、感情を乱され、僕は分け隔てられた森の側の汚れに従い、今日を狂おしく生きていく。

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