意味不明小説(ショートショート)コミュのDr.ＨＥＩＴＯと銀のクレヨン

オペオペレーター
『Dr.ＨＥＩＴＯ！急いでくれ』

回線届く雪山の小屋あと少し強く吹雪いたら、ぶっこわれるらしい
Dr.ＨＥＩＴＯは七つの心臓を持つ、有名な医者らしい
長年連れ添ったワイフ２４号に先立たれ最近はめっぽう雪山に籠もりがちになってるらしい

ソファーに深く腰掛けて暖炉に足を突っ込んで目を白くパチパチ痙攣させてしばらく何も考えたくなかったらしい

そんな時そんなときオペレーターの回線が届いたらしいのだ
『オペレイターの野田です。Dr.ＨＥＩＴＯ！応答お願いします！』

都会では、タワーリングインフェルノ(摩天楼火災)が起きたらしい
マンハッタンモンタナ・ビルディングという世界の約半分の人口を詰め込んだ空中住居これが燃えに燃えているらしい

災害によりひんしじょうたい六億にんげん
これを救えるのは Dr.ＨＥＩＴＯか最果ての医者Dr.ＩＮＵＰＩしかいないらしい
どうやら世界的にそんな雰囲気らしい

再びオペレーターの声
『Dr.ＩＮＵＰＩは不正免許がバレて深海の牢獄オグリキャプション・テクマリに幽閉されています』
そう、Dr.ＩＮＵＰＩはモグリの医者だったらしいツギハギだらけの哀れな男、不正免許がバレて水深二億メートルの暗闇で深海(゜ロ)ギョの外来を診る業務に当たってるらしい
地上ではとやかく言われることは深海ではモグリでもオケーらしい

そんなこんなで、Dr.ＨＥＩＴＯは必要な雰囲気らしい
ながくぼっとしていた彼の耳に、火災で焼け焦げた人々の苦痛の声がやっと届いた
Dr.ＨＥＩＴＯは太っちょさん
ソファーから起きあがるのも一苦労で片

をチャキと掛けてどうやらやる気になったらしい
『オペレーター、俺に頼むということはわかっているな……』

でたっ！Dr.ＨＥＩＴＯの必殺条件要求だ！
やばいぞ！オペレーター野田さん

あなたの腎臓は二個あるか

『すいません。腎臓はこの前、インディアンポーカーのあてにしてしまいました……』
おっと！これは厳しい！
Dr.ＨＥＩＴＯは臓器マニアでもある他人の臓器を自分の体内に移植するのが趣味らしいのに

『そんならいいや。その代わり、ワイフ２６号への手向けとして銀色のクレヨンを用意してくれないか』

銀色のクレヨン、通称ギンクレ。世界に二つしかない伝説のクレヨン

ギンクレで描いたものは
ふわふわ浮かびあがって舞い踊るらしい
Dr.ＨＥＩＴＯはワイフ２６号を描きたかった

ギンクレの力はすごいらしい

一つは砂漠の民、シャハラザーンという盗賊が持っているらしい
こちらは入手困難だろうな。だってシャハラザーン手投げナイフの達人で、めっちゃ強いらしい

二つ目はなんと、オペレーター野田が持ってた！こちらは入手可能（笑）
だって野田さん、めっちゃ弱いミジンコくらいやもんね

『手放すのは惜しいですが……仕方がない。Dr.ＨＥＩＴＯそれでお願いいたします』

２秒後、世界は救われた

Dr.ＨＥＩＴＯの七つの心臓がどくどく脈うち、すべての被害者に生命の神秘を与えたらしい
そういう技を彼はもっているらしい
うらやましいや

ギンクレを手にしたDr.ＨＥＩＴＯは火災で廃墟と化したエンジェル像の台座に腰掛けていたらしい

おもむろにワイフ２６号を描いてみるそうするとくねくねと踊った懐かしい女が手招きしたらしい
Dr.ＨＥＩＴＯは時間を忘れてにやけていたらしい

『さあ、ワイフ…つぎはプニョダンスを踊っておくれ』