意味不明小説(ショートショート)コミュの奇病

　十二月二十一日

頭が混乱する伝染病が流行ってるそうだ。
同級生のA君が学校を休んでいるのはその病気になったせいらしい。
先生は風邪だと言ってるけど、
生徒を心配させないための嘘だってクラスのみんなは噂してる。

頭が混乱する病気ってどんな病気なんだろう？
伝染るとどうなっちゃうんだろう？
怖いものが見えたり死んじゃったりしちゃうんだろうか？
伝染病ならA君が学校に来てた時に僕にも伝染ったかもしれない。

すごく怖い・・・。

お母さんに話すと日記をつけて日々の自分を確認してみなさいって言われた。
そうすれば安心出来るからって。

さっそく今日から日記をつけることにした。
今日は特に異常は感じなかった。

　十二月二十二日

特に異常は感じなかった。

　十二月二十三日

特に常異は感じなかった。

　十二月二十四日

に特は常異感じなかった。

　十二月二十五日

っじ。感な常かに特た異は

　十二月二十六日

特にじは感異常なかった。

　十二月二十七日

特に異常はじ感なかった。

　十二月二十八日

特に異常は感じなかった。

昼にA君が家に遊びに来た。
病気のことを聞くと、そんな噂ウソだよ、
学校を休んでたのはただの風邪だよと言っていた。

僕とA君は本当は頭が混乱する病気なんてないんだ、
きっとトイレの花子さんと同じいい加減な噂だよと話し合った。
そして二人で変な噂を流した連中の文句をずっと言い合ってた。

心配することなんてなかったんだ。
日記をつけるのは今日でやめよう。