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MAYDAY メーデー!ナショジオコミュのDEADLY DIRECTIVE Ethiopia航空302便 墜落事故

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2019年3月10日、エチオピアのAddis Ababa空港からケニアのNairobi空港へ向かうエチオピア航空302便(Boeing 737 Max8型機)は、4か月前にBoeing社から受領されたばかりの新造機で、Yaron Getachew機長29歳とAhamed Mohammed副操縦士25歳ら乗員8名と乗客149名が搭乗していた。Getahew機長は同社最年少のキャプテンだが、総飛行時間8,231時間を有すベテランで、Hohammed副操縦士は同社のFlight Academyを修了したばかりであった。Addis Ababaアフリカ統一機構本部があり、Nairobiには国連環境計画事務局があるので、乗客には国連職員が多く含まれていた。
同便は8時半過ぎにRwy 07Rを離陸した。離陸動作に異常はなかったが、gear upするとstick shakerがブルブルと震え始めて失速警報が作動した。機長は直ちに機種下げ操作を行ったが、副操縦士はMaster Caution, anti-ice ONの表示が出たのを確認した。同機は8,400ftMSL(海抜2,550m)からFL340への上昇中であったが、Addis Ababaが高地のため750ftAGL(地上高230m)に過ぎなかった。機長はFlaps clearを操作すると、同機は突然機首が下がり、操縦桿のTrim switchを使うも、機首はどんどんダイブ状態に陥った。機長はMininimum Sector Altitudeの6,500ftを維持しようとするも困難で、副操縦士はATCに”Flight control problems, we'll call you”と異常事態を伝えた。機速はますます増大し、pitch upしようとしても引き上げられないため、”Request vector back to the airport”と通報した。ATCは”Right turn, heading 260°”を指示したが、機首が再びダイブ状態に陥った。操縦士らは”Mayday!”を叫びながら機首上げを試みたが果たせず、同便は空港から30NM東南東のオロミア州の平原に墜落した。墜落の衝撃は凄まじく、墜落地点には深さ30ftの穴が出来、乗員乗客157人全員が死亡した。
この事故の半年近く前の2018年10月29日にはインドネシアのLion航空610便が同様な状態でJakarta空港離陸後に操縦不能となって墜落しており、Max8の飛行信頼性について大きな疑問が膨らんだ。事故の翌日、米国FAAは同型機の耐空性能に問題はないと表明したが、後日Trump大統領は同型機の飛行差し止めを命じた。エチオピア事故調査委員会は回収されたFDRとCVRを米国NTSBでなくフランスBEAへ送付して、分析を依頼した。
同時に墜落現場の実地検分を行い、事故機のjack sckrewをほぼ無傷で回収した。水平安定板はほぼfull nose-down positionにあり、FDR解析では33,000fpmで急降下しながら地上に激突したことが判明した。
Boeing社は事故の4か月前に、FAAなどと合同でMAX8運航上のBulletinを発行しており、このような事態に遭遇したら、1)自動操縦装置を解除、2)Stab Trimスイッチをcut-off、3)Trim wheelを手動で機首上げするよう周知していた。事故調の調査官はエチオピア航空の運航安全管理者と面談したところ、乗員へは周知していたと回答した。
CVRの解析結果と機体の挙動を統合すると、機長がnose up、flaps clear、auto pilot offと続けたことで、MCAS (Maneuvering Characteristics Augmentation System)が作動していた。機長は直ちに”Come on! Trim up!”と副操縦士へ指示し、副操縦士は”Stab Trim cut-out?”と確認し、機長は”Do it!”と応じていた。ところが副操縦士がTrim wheelを手動で機首下げ方向へ修正しようとしても、wheelは動かなかった。そこでTrim wheelを再度ONにしたところ、機体は一気にnose diveへ再び陥って、墜落していた。この結果を受けてDagmawit Moges運輸相は、「乗員はBoeing社の推奨手順に従って緊急事態に対処していた」と表明した。
FDRの解析結果から、離陸10秒後から左席のAngle-of-Attack計が異常値を示しており、それでstick shakerが作動したことが判明した。またエンジン推力レバーが離陸時推力にセットされたままで、上昇中にclimbモードへ減弱されていなかった。そのため対気速度は340ktまで加速され、その風圧の強さでTrim wheelは人力ではとても回せない状態であったことが判明した。AoA計を製造したCollins社で事故機のデータを解析したところ、機首にある迎角計がバードストライクを受けると、同様な数値を示すと回答した。実際Addis Ababa空港周辺にはタカなど大型の鳥類が生息しており、その可能性はあった。しかし運輸大臣はその可能性を否定している。
本事故を受けて、Boeing社へはMCASのセンサーからの情報を左右双方から受信し、誤作動の発生を減らすこと、操縦士の手動操作へ抵抗しないシステム設計とすることが勧告され、同社は直ちに設計変更した。

コメント(3)

Boeing 737 MAX8型機は、New Generation型機の派生型とは云っても、短い着陸脚に強大なエンジンを装着しようとしたため、パイロンを主翼前方へ大きく張り出す形で大型エンジンナセル下面と設置面との間にクリアランスを作ろうと設計されました。その結果、機体重心が前方へ移動して機首が下がりやすい構造となったのです。それによる不安定な挙動をコンピュータで防止するため、MCASが装備されました。この発想は否定しないものの、センサーが誤作動した場合の対処法についての考察は不充分でした。Lion Air 610便の墜落事故を受けて、Boeing社とFAAが発表したBulletinも不充分であったと云わざるを得ません。若い機長がエンジン推力を離陸モードから下げなかったのは問題だったものの、離陸直後からMaster Cautionが作動している最中にthrottle位置を確認できなかったのは、必ずしも重大な過失ではなかったと思います。
米国とそこに済む人々は、重大な過失を問われた時に誠実に”Sorry”を云えないことは、皆さま御存知の通りです。事故当時、Boeing社は世界中に400機近いMAX8を納品しており、千機を超える受注契約を持っていました。”Sorry,...”などと口にしたら、けた外れの違約金と訴訟を起こされることとなります。ですからエチオピア事故調はblackboxの解析を第3国のフランスBEAに依頼したのです。もちろん世界中の航空会社は、この事故対応を機にBoeing社の不誠実な企業体質に目が覚めたようです。同社々員の内部不正告発もあり、同社の世界シェアは急速に低下しています。
Yaron Getachew機長(Samuel Zuliani)とAhamed Mohammed副操縦士(Orville Cummings)は、MAX8に懸念されていた操縦不能状態に陥ったパニック状態を好演していた。CVRの状況から考えると、副操縦士も離陸直後からもっと混乱していただろう。番組では随分と冷静に機長の操縦を見守っていた。

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