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好き勝手 創作・文章技術の部屋コミュの短編以前 起承転結に挑戦する

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起: 私は詐欺師のサン・ジューンだ。

承: 先日もある年寄りの全財産をだまし取ってやった。

転: 道を歩いていたら、中年女にいきなり腹を刺されてしまった。

結: 気がついたら、角の生えた大男が目の前にいて、やっとこで私の舌を引き抜こうとしていた。空はどんよりと曇っていて、あちこちから悲鳴が聞こえてき、何か肉を焼いたような臭いが漂っていた。

https://matome.naver.jp/odai/2141024486093322801


コメント(10)

『 井戸を掘るモノ 』 2010.5.8

特に渇いた乾季だった。その象は数日振りに嗅ぎつけた水脈を古傷で痛む前足で掘った。

喉を潤すと少し離れた所に身を沈める。そして、様々な動物たちが泉に群がるのを眺めた。

そこに若い象が走りこんで水を独占した。老象は近寄ったが、前足を蹴られて地に伏した。

翌日、別の若い象が現れて泉を大きく、深く掘った。牙の曲がり具合が老象と同じであった。

http://chikyu-no-iki.net/G1/mammalia/LoxodontaAfricana.html
『 理科の実験 』 2010.5.29

チューブから絞り出された水がゆらぎながら球形に収束していく様を生徒たちが注視していた。

「なぜ水は広がらないのでしょうか? わかる人!」 「万有引力で引き合っているからでーす」

「あの青い星の引力はどんなだろう」 円筒型コロニーのガラス壁一杯に地球が広がっている。

「あそこは霊長疫ウィルスでいっぱいでね・・・いえ、それはすごい引力よ」 教師は目を伏せた。
『 竹器時代 』 2010.07.12

地面に伏せて動かなくなったコロを見、父は「来るぞ」と呟いた。腰を落として身構える。

6メートルの竹槍を雑草だらけの路面と平行に保って待つその背中に僕はしがみつく。

不意に大音響とともに体が浮き、一瞬、アスファルトが真っ二つに割れるのが見えた。

2メートル幅の裂け目の両側に槍が渡され宙ぶらりんになるが、二人と一匹は無事だ。

「大地が意思を持ち人間を飲み込み始めたのは、お前が生まれてすぐの頃だったかな」

かつての都市で野宿をした。倒れているか折れたコンクリートの塊が、悲しく怖かった。

「これからどこに行くの?」 と聞くと、父は短く答えた。「神の怒りが届かないところへ」

地震を操作する実験が、地の底におわす神、あるいは悪魔たちを怒らせたのだそうだ。
『 フェニックス海岸 』 2010.07.22

強風に苦労しているウィンドサーファーたちの間を突っ切ると、その先は入道雲群だけだ。

「いつもながら速すぎっす。何キロくらい出てんですか?」「80キロくらいかな」「神っすよ!」

仲間に褒められて悪い気はしないが、将来普通に勤める自信が無く、胸を張れなかった。

ある日の打ち上げ。サーフボードは何も生まないと呟くと、みな彼を遠ざけるようになった。

超マイナーな海岸でバイトに励む夏休み、毎日レッスンを見学している少女に気がついた。

聞けば最近中学校に行くのが嫌になったらしい。なりゆきで翌早朝から特訓をすることに。

8月末日。化粧っ気が抜けて陽焼けした少女は、やっぱり学校に行くよと白い歯を見せた。

華やかな専門誌の裏表紙に世界大会予選の日程があった。それを握りしめ、立ち上がる。
『 ある学者、稲荷神社にて狐に化かされる 』 2010.07.30

技術的問題がクリアでき、あとは決断するだけだったが、どうしても踏み切れなかった。

使用済み燃料のやり場と、将来施設が老朽化した時の処理がどうにもならないからだ。

そこで三十数年ぶりに郷里の岩手県に帰り、墓参りした上で決めることにしたのである。

遊び場だった神社に寄ると、白狐像の台座に本物の狐が座っていて、問いかけられた。

「例えばお前はわが本殿に無断で入れるかね?」「できません」 戸惑いつつそう答える。

「今やろうとしていることはそういうことなのじゃ」狐は台座から降りると裏の森に消えた。

計画中止の責任を取り辞職し、資料も盗難にあったが、後年それが英断と評価された。

NEWS2050年 【K国輸出の核融合炉、またも炉心爆発。半径50kmが非居住地帯に】
【5】 は、皮肉にもわが国内で現実になってしまった・・・・
『 月と向日葵 』 8.18

眠れないので庭に出て、ヒマワリの花びらを一枚ずつ抜いてみた。満月の南中している深夜だ。

その意味の無い行いが終わったとたん、大当たりですよ、と月が言った。思わず空を見上げる。

「景品はなんと”時間巻き戻し”です。希望される時点から人生を再度やり直すことができますよ」

自分の気がふれてしまったとしても、いったん言わなければと思った。慎重に年月日を指定する。

月がぐいっと東へ動き、体が雑巾のように絞られる感覚。気づけば掌は一回り小さくなっていた。

時は過ぎて、失うはずだった母を守り、太らないように我慢し、理想的な男にプロポーズもされた。

四人目の孫が生まれた頃、戦争が始まった。家族の数は半分になり、町には外国語が溢れた。

何度もつぶされそうになったヒマワリ畑を月が照らす。枯れてきた指先で、今夜も一輪、占おう。

『 風コレクター 』 8.21

(潮岬の南西50キロを進む台風9号は・・・) 暗雲の下、風速計とビデオを構える男女がいた。

「引き上げだ」 機材とラジオをバッグに押し込みつつ怒鳴れば、雨塊が波状攻撃をかけてくる。

「──で、ずぶ濡れのまま特急に乗って帰ったら39度。もう最悪」 「ついて行くからよ、ばか」

「イケメンな人なら私が行く!」 「びみょー」 「だけど、なんかわからんけど、いいのよ。奴は」

その後も彼らの旅は続いた。与那国島から宗谷岬の流氷上まで、あらゆる風を捕まえまくる。

立山では、ガスに包まれ危機に陥った。しかし、”奴”は動じず、下山ルートを正確に選択した。

ディスプレイに秒速10mmで流れる霧が映っている。 「君のおかげで完成した。ありがとう」

”風コレクション” は某美術館の目玉であるが、その撮影者夫妻の人生もまた語り草となった。


『 宇宙戦艦紫式部 』 2010.8.28

「敵艦識別、倭人の改造客船です」「戦艦李鵬以下七隻の我々に単騎か? 不快だ、消せ」

新参の参謀が立つ。「あの船の加わった会戦は、味方の五連敗です」「そいつを叩き出せ」

エネルギー及び物理攻撃を ”十二ヒトエ” シールドが遮断する。しかし反撃の気配は無い。

「ははは! 情報通り、奴にはまともな火器がないぞ」 張提督は全艦接近強打を命じる。

ところが相手は、集中砲火を浴びながら突然に加速。密集した艦隊の中央を突っ切った。

運よく生き残った兵によれば、間近で見たその姿は確かに客船らしい優美さだったという。

追撃すべく艦を反転させる間、牽引してきたらしい意味不明の岩塊が続いて通り過ぎる。

直後に反物質弾炸裂。岩塊は衝撃波から自艦を守る ”盾” だったのだ。勝敗は決した。
『 2100年、時速15kmの通勤列車がゆく 』 9.04

「ただ今参ります列車は快速京都行きです」 白んできた東の空を背に、駅員が歩きまわる。

そこに三十頭立て二両編成の無蓋馬車が入ってくる。蹄の音と、ドゥ、ドゥ という御者の声。

「おはようございます、部長」 「おはよう。今週は ”二番早出” か」 「はい、でも満員ですね」

「馬力社会の到来で人類皆早起きになりぬ、か。それで、淀川の水車百基を受注したの?」

「部長が進められてきた木工職人養成事業あっての結果ですよ」「君の実力さ、おめでとう」

多くのサラリーマンは新聞か本に目を通し、OLは情報交換ツールである日記を書いている。

”日本製軌道エレベーターは世界を救うか?” 某週刊誌の吊り広告が風になぶられている。

「今の時代は不便だけど、僕はわりと気に入ってるんですよ」 「私もだ」 朝日が昇ってきた。

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