魔術師エリファス・レヴィの肖像コミュの１８番目のヘブライ文字「TS(ツァダイ。タロットカード１７「星」)」

　呪詛　(泉、眼、稲妻

)

　執拗に欲する事柄は、実現化する。現実の意志は全て行いによって裏付けられる。全ての行動は判断力に従い、そしてこの判断力は永久に変化しないものである。ーこれこそが教義であり、原理である(魔法の、)。

　行為は意志と合致したものでなければならない。痛めつけたいと願う場合も、また愛されたいと願う場合も、結果にする為には、憎悪か愛情の行為によって裏付けられねばならない。

　隣人に対するあらゆる敵対行為も、殺害の始まりと道徳的神学に於いては見なされる。呪詛は一種の殺害行為、それも犠牲者の防衛権利と法による復讐をかいくぐるだけに益々卑劣な、”殺害行為”である。呪詛は可能である。それ故に、無自覚な呪詛は最も恐ろしい人生の危険の一つである。

　不倫によって感染した性病も、自然に備わったこれとよく似た原理を暴露する。不倫、不道徳なセックスによって生じる道徳的退廃はこれよりも更に上回る悪しき結果を生じる。

　嫉妬による呪詛も、呪わしい結果を招く。

　悪党の改心を願って祈っても、悪党にとっては迷惑なだけだ。

　他人の意志を断ち切ろうとする行為は、甚だ危険である。

　力は力を引き寄せ、生命は生命を引き寄せ、健康は健康を引き寄せる。これが自然の法則の一つである。

流れのかたちでの呪詛はごくありふれたことで、肉体的にも精神的にも、人は集団に引きずられる。

　意志は、およそあらゆる事象に影響を及ぼす。

欲望に基づく呪詛は、「呪詛返し」を生じ、念じたもの自身を害する。

　呪詛とは、要するに、対象者の自由を奪い、手足が出せなくする行為である。

　呪詛の道具は、容易に、”悪霊”に変化する。

　作業が困難な程、或いは恐ろしい程、その効果は高まる。何故なら、抵抗に比例して益々想像力が掻き立てられ、努力が固まるからである。

　詰まり、呪術に於ける、悪霊祈願、血生臭い流説儀式、生け贄、黒ミサ等々もこれにより説明がつく。

　黒魔術とは人間の意志を堕落させて、生きた人間の中に悪魔

の醜い幻影を実現化する為に、聖なるものを冒涜し、小刻みな殺人行為を組み合わせたものである。

　言い換えれば、暗闇の信仰、絶頂に達した善への憎しみである。死神の擬人化、地獄の永続的創造である。
　ある魔法使いは、「カバラ」が悪用された場合の危険性を想像してゾッとした。

　善人の純粋な善意は、悪党にとって、常なる悩みの種であり、故に悪党は、黒魔術による、「悪の自己武装」を行う。

　反感とは呪詛の予感以外の何物でもない。

　「アストラル・ライト中毒」は、見境ない恋慕、心の高ぶり、発狂などの現象を全て解き明かす。

　あなた方が真理を知れば、真理はあなた方を自由にするだろう。

　しかし、私たちは、己れの傾向とりわけ己れの欠点と重なるものを介して他人の意志に服従させられることが多いのである。

　ある者の欠点は、その者を押さえ付ける為の、効果的な、”臍”である。

　悪党がその手段を知れば、諸君は滅ぼされる。この場合、諸君は、”精神錯乱者”に陥る。

　精神に、逆療法的な働きかけを行うことによって、多くの肉体的な病を癒すことができるであろう。というのも、「上なるものは下なるものに似る。」という魔術の公理に則り、精神は肉体に作用するからである。

　病は常に欠陥や過剰から生じるのであり、肉体的病の根源には、常に精神の混乱が見出だせる筈である。これが自然の不変の法則である。