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【大蟻食様】佐藤亜紀コミュの詐欺師の楽園

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 吉川英治新人文学賞受賞記念に、新しくトピを立ててみました。
 ただ、既存の佐藤作品だけでは皆様食傷気味かと思われますので、ちょっと切り口を変えてみることにしました。
 皆様、ヴォルフガング・ヒルデスハイマーの『詐欺師の楽園』(新潮社)という本をご存知ですか?

 佐藤亜紀氏のサイト「これが大蟻食の20世紀ベストだ! 文学編」にて、以下のような紹介がなされている「隠れた名編」です。

          *    *    *     *

ヒルデスハイマー
詐欺師の楽園

知らないでしょ。でもこれは別格の小説。何故これを書いたのは私ではないのか、考えはじめると口惜しくて夜も眠れない一冊でございます。

          *    *    *     *

 これ、佐藤作品にしては「ほんの3ミリほど」物足りない気がしないでもないですが、佐藤作品の文脈で手を伸ばして損をしないほどの、かなりの名作です。

 もともと、著者のヒルデスハイマーは「グルッペ47」という、『ブリキの太鼓』で知られる作家のギュンター・グラスらが属していたことで有名な文学サークルの出身で、邦訳も『テュンセット』というミシェル・ビュトールを思わせる小説と、モーツァルトの伝記があるようですが、不思議と「息抜きに」書いたような『詐欺師の楽園』は、今読み返すと(特に佐藤作品になじんだ身には)信じられないほど面白いです。そこで、ドイツ文学的な文脈は独文に任せていったん棚上げにし、ここは佐藤文学(?)的に、『詐欺師の楽園』について語れればと思います。読まれた方、感想などをお寄せいただければ幸いに存じます。

 なお、『詐欺師の楽園』の入手は非常に難しいですが、(地方を含め)図書館にはかなりの所蔵があるようです。私の近くの大学図書館には、なんと3冊の所蔵がありました。
 ともあれ、足を棒にしても損はない絶品です。この本が絶版な出版業界に怨嗟の声を投げかけるとともに、現代社会における小説美学のあり方について、考察を深めてまいりましょう。

……あ、いま思いつきましたが、「佐藤亜紀20世紀ベストを読む/観る」という企画も面白いかもしれません。まあ、いずれにせよとっかかりは『詐欺師の楽園』ということで。


※管理人様、コミュの趣旨からして不適切のようならば削除願います。

コメント(10)

はい、管理人でございます。
いつも放置プレイで、申し訳ございません。

不適切どころか、とってもおもしろい企画だと思います。
佐藤亜紀さんの作品から派生して、あれこれ読み進めていけば、さらに佐藤作品への愛情も深まろうというものです。

今後とも、ぜひよろしくお願いします。
>よんひゃんさま

許可をいただきまして、ありがとうございます。
ざっくばらんに話していければいいかな、と思ってます。
『詐欺師の楽園』に限らずとも問題ないのではないかと。

ただ、ちょっと引越しの関係から3/19まで私の方はログイン頻度が落ちます。
その間は、私は突っ込みに回れませんので、ご自由にお話をしていて下さいまし。
>konsoさま

お返事が遅れて、失礼いたしました。
優雅な感想、ありがとうございます。
こういう本は、あくせく読むものでもありませんしねぇ。
しかし、国会図書館まで行っていただきましたか。
でも、損はしなかったでしょう?

サービス満点といえば、まさにその通りで、独文でこんな軽やかな作品、私は読んだことありません(しかも独文なのに)。同じ作家の『テュンセット』は、もうちょっとねっとり系で、印象は全然違いますね。
「絶好調」の部分の闊達さは、ちょっと類を見ません。
あら、私もけっこう忘れてます。再読してみなければ。


 絶版本ばかり挙げるのもアレな気がするので、自腹を切りましょう。
 イリヤ・エレンブルクの『トラストDE』という小説があります。

 大蟻食閣下のサイトには、以下のような短評が収められています。
 『S-Fマガジン』の「私の一冊」や、『検察側の論告』には、もう少し詳しい書評があがっていたように記憶しています。

     *    *    *     *

イリヤ・エレンブルク
トラストD.E.

センチメンタリズムもここまで行くといっそ美しいというものでしょう。

     *     *    *    *     

 エレンブルクは、スターリン批判を題材とした「雪どけ」という言葉を、同名の小説を介して生み出したことで知られる作家です。日本も戦後、昭和20年代後半から40年代くらいまではよく読まれたようですが、その作風は同時代性が強すぎ、露文界隈を除けば、いまではあまり読まれることもなくなってしまったようです。

 しかしこの『トラストDE』は、エレンブルクが若かりし頃ヨーロッパを遍歴した、そのときの経験がもととなっている作品であり、びっくりするほど衝撃的な手法が使われています。
 (アグレッシヴなカート・ヴォネガットとでも言いましょうか?)

 いま読んでも、いや、世界情勢が混迷を極めている現代だからこそ、読まれるべき書物です。
 何せヨーロッパを一国一国、完膚なきまでに破壊していくのですから……。

・読書家の方の書評
http://d.hatena.ne.jp/sl-st/20070723

・ギャラリー
http://www.ne.jp/asahi/h-kurozumi/cdr/gallery/other/other001.htm

 さて、この『トラストDE』、なんどか復刊されていますが、いまのところ絶版、入手困難になっている模様です。アマゾンマーケットプレイスでは2600円。安い方ではあるでしょうが、手は出しづらいですね。

 しかし偶然、私は2冊目を手に入れてしまいました。そこで、未読の方のために、その2冊目を先着1名の方に謹呈したいと考えております。
 私がコレクター的に死蔵するより、読み手をひとりでも増やしたほうが、ためになると考えたからです。ちょっと古い本ですが、それでもOKな方、よろしくお願いいたします。

 本のデータは以下の通り。 

・イリヤ・エレンブルグ『トラストDE ヨーロッパ滅亡物語』
 昇 曙夢訳/修道社/昭和32年/状態:それなりの経年劣化あり。

※活字に、旧仮名遣いが含まれています。岩波文庫の旧作復刊に堪えられるくらいの方ではないと、厳しいかもしれません(訳文そのものは、そこまで古臭いものではありません)。

※先着1名様に差し上げます。読みたい方、このトピックにレスをつけて下さい(私にメッセージは出さないで下さい)。
 近日中に、私が折り返しメッセージを差し上げますので、受け渡し方法を決めましょう。個人情報の悪用は、いたしません。

※読まれましたら、このトピックに感想を書くか、もしくはご自分の日記かブログ等への感想リンクを貼っていただけるとありがたいです。
トピックが盛り上がりますので。批判的でもOKです。
『トラストDE』ですが、オフで会った際に読みたいと言われた方がいたので、特に問題がなければ、そちらに謹呈しようかと思ってます。

良い本だと思うので、図書館に行かれた際にでも、未読の方は、チェックしてみて下さるとよいかもしれません。
ああ、遅かったか!
今このトピに気付きました…。
口惜しや。
亀レスすみません。
6/14の講義に持参しようと思います。
itoさまは、そちらのときに、もうお一方とお話になってみてください。
>Thornさん
いえいえ。

その方と是非お話させていただきたいです。
近所のとても綺麗なデザインで、しかも蔵書が豊富な図書館(個別勉強室も沢山あり!)
は怖くて入れないので、ぱらぱら見させて頂ければ幸いです。
読後の感想伺うだけでも嬉しいです。

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