半蔵門かきもの倶楽部コミュの第85回文芸部Ａ hirojk 作「踝」（テーマ選択『花火の燃えかす』）

どん

空気が震える

ドン
どんどん

まだ夕空に陽の灯りが微かに残る

シュルシュルシュルシュルシュル
バン

凪いだ水面に艶が写り込む

パララララ
バーン

ド・パーン
ばりばりばりばり

大輪の雫
バチバチッと音を立て
花火の燃えカスが降る

ドォォォォォン
ぱん
パチパチ
キラキラ

けたたましい嬌声
サンダルで踏みつけられる火の粉の灰
裾から見える踝の白さ

ドーン
ばんばん
ドカン

ドゥーーーン
バンバン
パチパチパチパチパチ

風向きが変わり鼻を突く硝煙の匂い
夜の花
絡めた小指

ひゅるひゅるひゅるひゅる
パッ
どーん

霞みも流れて潮の香りが戻ってきた

ドンドン
チリ

ひとしきりの騒ぎの後
一瞬の花が枯れた夜空に星が瞬いている

コメント(5)

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[1] mixiユーザー 07月08日 06:29

花火のオノマトペを集めて書き連ねましたが、地域性などの整合は取っ払い、文面文字並びと朗読した時の音を意識しています。
毎年のように何枚も写真を撮影していた頃が恋しい、遠目の花火も良いですが、打ち上げの現場近くの雰囲気にも風情があります。

[2] mixiユーザー 07月08日 08:28

情景が浮かび、音が聞こえてきました。

コロナの影響でこの２年ほど花火大会が中止になり、行っていなかったので夏を感じました。

[3] mixiユーザー 07月08日 09:18

誰でもそれぞれ、はっきりした美しい花火大会の情景のイメージを持っています。
たぶんそれは過去に行った花火大会の心に残ったシーンが重なってできています。
この作品を声をだして朗読したときに、それぞれのもっているそのイメージが立ち上がってくるのではないでしょうか。

[4] mixiユーザー 07月10日 06:42

>>[2]
夏の風物詩（最近は季節に関係なく打ち上げ花火を目にしますが

）遠くから聴こえる音だけで観ることなく風情を感じられるのは、伝統工芸品な日本の花火の良さですよねぇ…

情景が浮かんだとの事で、どのような光景でしたのか御伺いしたい気持ちです

[5] mixiユーザー 07月10日 06:48

>>[3]
尺玉打ち上げ以外にも、仕掛け物や抱えてのちゃっきなど地方毎で様々な大会の情景があり、開催時期も含めて時々の背景の様子までもが記憶として染み付いているのかなぁ～と思うと共に、花火の形態によっての音の差異は擬音の創造に長ける日本ならではの感性かなと思います。
思い浮かぶイメージは同じ花火を観ていた人でも、個々違うのかもしれませんね。

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