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半蔵門かきもの倶楽部コミュの第十七回 かとう作 「二月の桜(四)」

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連作作品です。前回までの話は、こちらご参照お願いいたします。→http://nietzsche2012.blogspot.jp/?m=1

 あくびをすると、右の口角の傷がパックリと開き、ひどく痛む。触ってみると皮膚がガサガサと乾燥しながら、めくれた角質が体液に湿ってグズグズになっているのがわかる。ひどく不潔な感じがする。多分またカンジダに感染したのだろう。仕事が忙しかったりしてストレスを感じると、自覚する前にすぐに口角炎を再発する。「僕はストレスなんか感じていない」といくら思おうとしても、僕の口角は愚直にSOSを発していた。そして、さっきから不快なあくびが止まらないのは、きっと最近眠れていないせいだけではない。
 僕は梢を待ちながら、花と植木に彩られた遊歩道のベンチに座っていた。週末の自由が丘に、カップルや家族連れの楽しそうな声が響いていた。
 梢があと10分足らずでここにやってくる。
 その事実が、この一週間僕を不眠にし、カンジダ性口唇炎を再発させた。そして待っている今は、まだ朝晩は十分冷える時節だというのに手と脇から不快な汗が止まらない。心臓がドキドキと高鳴っていた。だけどこの動悸が、不安のためか期待のためか、わからなかった。きっとその両方だ。
 僕と梢の間にできた子供。恐ろしいことに、今の今までその事実を僕はすっかり忘れてしまっていた。自分の愚かさが怖くなる。

 あれは大学四年生の夏だ。梢のマンションでセックスをした後、僕はほとんど裸でベランダに立って景色を眺めていた。高層階の彼女の部屋は眺めが良かったし、夏でも風通しが良く涼しかった。僕はよく、彼女の部屋で情事のあとにベランダで東京の風景を眺めていた。
 高いところが嫌いだから、親が買い与えたこの部屋が嫌だ。梢はそう愚痴って決してベランダには出ようとしなかったが、その日は珍しく、梢自ら窓を開けた。驚いて振り向くと、梢は決してサッシを踏み越えることなく、ただそこに佇んでいた。そして言った。
「妊娠したかもしれない」
 その時の僕は一体どんな顔をしていたのだろう。一瞬夏の強い日差しに目がくらみ、梢の美しい顔が少し歪んだのを、僕は今でも忘れられない。梢が顔をしかめたわけではない、きっと僕の目が無意識に涙ぐみ、立ちくらみを起こしそうになったからだ。でももう10年も前のことだし、ただ僕の記憶が変容しただけかもしれない。とにかく、梢の一言は僕の世界の見え方を変えるのに充分だった。
 僕はその場に座り込んでしまいたくなったが、なんとかベランダの手すりを掴んで耐えた。その時強いビル風がびゅうと吹いた。僕は怖くなって、足が震えた。
「そうか」
 それしか言えなかった。梢はさらに僕の次の言葉を待った、その時間が、まるで永遠のように感じた。その間にたくさんのことを考えたように思うけれど、何一つ思考は建設的な結論を導き出すことはなかった。そして結局梢にかけるべき言葉は見つからなかった。
 そして、梢は言った。
「大丈夫よ、産まないから。お金のことも気にしないで。もう卒業するんだし、こういう関係は終わりにしましょう。ここには来ないでね」
 西日がまぶしくてよくわからなかったが、梢はその時笑ったように見えた。
「今日は久しぶりに外でディナーをしない?」
 そのようにして僕たちの長く短い関係は終わった。

 そうだ、僕は梢が卒業と同時に姿を消したものと思い込んでいたが、あの関係を終わらせたのは僕だった。結果的に梢に別れを告げさせてしまったが、実質逃げたのは僕だったのだ。あの頃、罪の意識は感じていたけれども、たとえ僕が「関係を終わらせたくない」と言ったところで、どうなったと言うのだろう? 僕たちは恋人同士なんかじゃなかった。梢が寝ていた複数のうちの一人だと思っていた。終わりも始まりもなかったはずだ。「きっと僕の子供なんかじゃない」そう思い込もうとした。誰の子かなんて、聞くまでもなく、あの時の梢の目を見れば明らかだったはずなのに。
 結局僕は、何もかもが恐ろしかったのだ。子供にまつわる記憶を忘れたところで、僕の臆病さと愚かしさが消えるわけではなく、逆に十年分の澱として今僕を苦しめていた。僕はどうしてこんなに馬鹿なんだろう。
「りっちゃん、お待たせ」
 頭上から梢の声がした。僕は顔を上げた。梢の隣に立っていたのは、僕たちの子供なんかじゃなく、見知らぬ男だった。きっと彼は梢の夫だろう。だから、彼からしたら僕は家庭を壊した敵のはずだ。罵声を浴びせられるだろうか? と身構えたが、彼はまるで旧知の友人にかけるような気楽な声を上げた。
「鴨志田、久しぶり」
 立ち上がって眼鏡の奥の目を見つめる。色が白く、背が高い男だと思った。細身だが弱々しい感じはなく、いかにも育ちの良い雰囲気をにじませている。どこか梢に似た空気だ。そうして男を観察するうちに、やっと思い出した。
「大学のゼミで同じだった……?」
「なんだよ、忘れちゃったのか。意外と薄情だな。元気だったか?」
 思った通り、梢は大学の内部進学生の男と結婚したのだ。「思い出してみればこんな男がいたな」と思う程度で、記憶を手繰り寄せるのに随分と時間がかかった。
「とりあえずどっか入って話そう」
 そう言って男が選んだのは駅前のTWGだった。

「なんかこの三人で会うのって変な感じよね」
 向かいに座った梢がカップを片手に、なぜか幸福そうに微笑んだ。隣で梢の夫が「確かにね」と同意する。僕は何を言ったらいいのか全くわからない。
「それで」
 その一言を言うのが随分と重たく感じた。口を開いた途端に口角が痛む。言葉を続けようと思ったが、それだけで僕が何を言いたいのか察した梢の夫が、相変わらず軽やかな口調で言う。
「梢から聞いてるだろ? 鴨志田と梢の子どものことだよ。会ってやってほしいんだ」
「いや、あの……」
「あ、父親は間違いなくお前だよ。DNA判定してもいいぜ」
「……」
「ああ、法の元では間違いなく僕の子供になってるし、何も鴨志田に要求するつもりはないから安心してくれよ。ちゃんと僕ら夫婦で育てていくつもりだから」
 梢の夫は本当に僕を安心させようとしているような笑顔を浮かべた。それがどう見ても嘘偽りなく、心から笑っているように見えたから、僕は余計に不気味になった。その隣で梢は窓の外の景色をぼんやりと眺めている。僕は何もかもが異質に感じた。何秒ほどか沈黙が続き、梢の夫が相変わらずの調子で口を開く。
「えーと、何から話せばいいのか、わかんねぇな。何でも聞けよ」
「何でも聞けって言われても……」
「え? なんの疑問もないの? 僕が鴨志田の立場だったら、疑問が溢れて止まらなくなると思うけど」
 僕の意識は少しずつ、この状況に慣れて現実に焦点が合ってきたように感じる。それで、その頼りない現実感覚をなんとか手繰り寄せて、僕は一つ一つ糸をほどいていくことにした。
「あの、君たち夫婦は、いつ結婚したの?」
「大学卒業してすぐだよ。僕はそのままロースクールに行ったけど」
「子供はいつ生まれたんだ?」
「大学卒業する直前よ。二月にね」
 これには梢が答えた。僕は問い続ける。
「結婚する前に、子供が生まれてたわけだよね?」
「そうだよ」
「自分の子供だと思ったから結婚したんじゃないのか?」
「まさか。僕と梢はあの頃は全然セックスしてなかったもの。初めから鴨志田の子供だってわかってたよ」
「それなら、なんで結婚したんだ?」
 その言葉に、男の顔から笑顔がすうっと消えた。気分を害したのか、考え込んでいるのかよくわからなかった。しかし、また飄々と言ってのける。
「それ話すと話が長くなるな。やっぱり過去のことを掘り返すのはやめよう。時間がもったいない。とにかく、僕たちの子供にたまに会ってやってほしいんだ」
 彼らの要求は非常にシンプルだった。それ以上、扶養の義務も養育費も求めない。だけど、僕は何も合点がいかなかった。
「そんなこと言われても、よくわからないよ」
「まぁ、気持ちはわかるよ。鴨志田は今まで知らなかったんだろ? 梢が産んでたって。でも、鴨志田があの子に会ってくれないと、うちは家庭の危機なんだよ。ちょっと会うだけでいいからさ」
「家庭の危機?」
「もう小学校高学年になったら、いろいろわかってくるだろ? そしたら本当の父親に会いたいって、僕とは口も聞いてくれないんだ。へこむよね、反抗期とか」
 小学校高学年。そうだ、大学卒業時に産んだのだったら、もうそのくらいの年でもおかしくない。僕にそんなに大きな子供がいるなんて、不思議な感じだ。僕は素直に疑問に思ったことを聞いてみた。
「どっちなんだ?」
「ん?」
「男の子か? 女の子?」
「それは会ってからのお楽しみだ」
 梢の夫はニヤッと笑う。こんな話を茶化されるのは不快だったが、彼としてはそうやって僕の好奇心をくすぐって会わせようとしているのかもしれない。梢の夫は紅茶を一口飲んで、「ふう」とわざとらしくつぶやき、続ける。
「いろいろ疑問があると思うから言うけど、僕はゲイなんだ。正確に言うとゲイよりのバイだね。まぁ、こんなお洒落なティーサロンで告白したいことじゃないけど」
 僕は慌てて周りを見渡す。しかし、休日の昼下がりの喫茶店で、誰もがそれぞれの話に熱中していた。
「私たちはいわゆる偽装結婚なのよ。彼は自分の性的嗜好を曲げることなく両親を安心させられるし、私は子供を育てることができるし。でも私たちの両親は全部知ってるんだけどね。そのあたりはもう問題ないの」
 俄かには飲み込みづらい事情だったが、梢と彼女の夫やその親族たちは、きっと延々に議論し尽くした話題なのだろう。梢はそれをなめらかに説明した。
「とりあえず、差し当たっての問題は、息子が本当の父親に会いたいってグレてきたことなんだ」
 頬杖をついて窓の外を眺めながら梢の夫は言った。そして、小さく「あ、言っちゃった」とおどけた。そうか、僕と梢の子供は男の子だったのか。さらに疑問が浮かぶ。
「その……子供は」
 僕と梢の子供と言うべきか、お子さんはと言うべきか、僕は迷った。
「子供は知ってる? 父親が、違うっていうことを」
「うん、特に隠してもいないからね。でも特別”僕はお前のお父さんじゃない!”なんて言った記憶もないんだけど。どうしてわかったんだろう?」
「さあ、私もよくわからないけど、この間実家に行った時にうちの母が何か言ったかもね。泣きながら”僕のお父さんはお父さんじゃないの?”って言うから、とっさに嘘がつけなくて”そうよ”なんて答えちゃったのよ」
「なんだよ、梢かよ」
 梢の夫はなんでもないことのように軽く笑った。僕は彼らについていけない。そして彼は僕の方を向いて言った。
「そうだ、もう一つお願いがあって。お願いって言うべきことかわからないけど」
 もうこれ以上、何があると言うのだろう。
「よかったら梢と寝てくれ、って言うか、寝ても構わないって言うか、まぁ鴨志田に不都合がなければ、僕はそうしてくれると助かる」
 一瞬何を言っているのかよくわからなかった。唖然とした気持ちが顔に現れたのだろう、梢の夫がかみ砕くように説明する。
「さっき言ったように、僕はバイだろ。自由な性を謳歌したいから、僕らは結婚したんだけど、梢の両親がそういうのよく思ってなくて。僕たちのまわりは所詮狭いコミュニティだし、誰かと妙な関係になるとすぐに話があちこちへ行く。どこで誰が何を聞いてるかわからないんだ。だからと言ってどこの馬の骨かわからないやつと致しても、どうなるかわからないし」
 思わず梢を見たが、ただ梢は手元のティーカップを眺めているだけだった。相変わらず白い肌に、長い睫毛の影が落ちている。
「だからね、鴨志田に梢の相手をしてほしいんだ」
 梢の夫は感じのいい笑顔で微笑んだ。しかし、僕は自分の心が急速に冷えていくのを感じた。その気持ちを口に出さずには言われなかった。
「そんなの、不潔だよ、僕は嫌だ。君たちの企みに僕を巻き込まないでほしい。子供にも会えない」
 今度こそ、男の顔から笑顔がひゅうっと消えて無くなった。また「ふう」とわざとらしく言って、背中を椅子に預ける。天井を見上げて、何かを考えている顔だ。そしてそのままの姿勢で僕を見て言った。
「不潔かな? なぜ? それに僕たちは何かを企んでいるわけじゃない。ただ誘っただけだ。鴨志田が嫌なら断ればいいだけの話だ。だけど自分の子供に会う義務を、そんなに簡単に放棄していいとは思えない。いいか、子供は間違いなく君の子供だ」
 そう言われて、僕は何も返せなかった。
「不潔だと言われても、僕たちはこういう嗜好なんだから、そしてお互い同意して結婚してるんだから、何も批判される筋合いはないよ。どう思われたとしてもね。でも鴨志田は、結局逃げただけじゃないのか」
 そうだ、僕は怖くて逃げた。
「今度もまた逃げるのか」
 梢の夫がそう言ったきり、僕たちにはもう何も話すことがなかった。

コメント(23)

自由課題で、連作の続きを出させていただきます。初めて読まれる方は、分量が多くなってしまって恐縮です…。何卒よろしくお願いいたします!
二作目「青い光」 ※テーマ「恋愛小説」「タブー」

 半年ぶりに見た叔父の背中は、テレビの中だった。報道陣のカメラのフラッシュが照らす中、叔父は大勢の看護師に囲まれるようにしてその大きな建物の中に入っていった。画面のわきには東京のT大学病院より中継というテロップが表示されていた。アナウンサーは「株式会社Xの30代の男性社員」としか言わなかったが、間違いない、あれは叔父の背中だ。
 私は急いでリビングから廊下に出るドアを開け、階段を駆け上がった。そして母の寝室をノックした。そして母を呼んだ。きっとベッドの脇の小さな書斎で読書していると思ったのだ。
 母が携帯電話を片手にドアを開けた。背後からテレビの音が漏れている。母は誰かと通話しながら私を見て、何かを制止するように掌をこちらに向けたが、何を意図しているのかはいまいちわからなかった。白粉が粉っぽく浮いて乾燥した、だが極めて色白な母の肌。眉間に寄った皺で母の緊張が見てとれた。
「ええ、だから今テレビで見たわ。どうなってるの?」
 母は私をすり抜けて階段を降りていく。電話の相手は父のようだ。叔父は、父の歳の離れた弟だった。

 私から見て、父と叔父は似ていない。歳が離れているせいだけではない。顔も性格も真逆だ。「2人きりの兄弟なのにな」と笑う父が、本当は何を考えているのかよくわからなかった。
 大学卒業以来故郷の北関東を離れた父を、叔父は「兄ちゃんはインテリのエリートだからな。俺とは違うよ」と言って屈託のない顔で笑う。私に対しては、
「父ちゃんと俺、全然似てないだろ? 方や東京でネクタイ締めてバリッと働いてるお役人と、方や田舎で作業服で汗水たらして働いてるおじさんだもんな。かなわねぇや」
 と若干の北関東訛りで、お酒が入るたびにいつも同じことを言った。それでも小さい頃の私には、スーツでいつも難しい顔をしている父よりも、叔父の作業服姿のほうが好ましく見えた。

「お父さん、仕事でこっちにはしばらく戻ってこられないみたい」
 電話を切った母が疲れた顔で言った。
「そう」
 私はキッチンで紅茶を淹れながら、ダイニングテーブルで頭を抱える母に答える。なるべくなんでもないように響くよう、気をつけながら。紅茶の入ったマグカップを母に手渡し、向かいに座る。
「ありがとう」
 母は明るい顔を作って見せたが、動揺しているのが見てとれた。私はまだ熱い紅茶を慎重にすすりながら率直に聞いた。
「叔父ちゃん、どうなっちゃうの?」
「わからないわ」
 私は立ち上がり、リモコンで再びテレビをつける。夕方のニュースの時間帯で、どの局も叔父及び叔父が勤めている会社についてのニュースを報道している。
『今回の事故で、自治体は近隣住民に緊急避難を呼びかけたわけですが、今後どのような影響が出るのでしょうか?』
 アナウンサーがスタジオで、緊迫した顔出専門家に質問している。チャンネルを変えると、記者がマイクを持ってT大病院の前から中継していた。
『先ほどT大学病院に搬送された男性社員ですが、自らの脚で歩き、意識もあり会話ができるということです。ですが、今回の事故によって……』
 いつのまにか隣に立っていた母が、いつのまにか私の横に立ち、チャンネルを奪ってテレビを消した。
「どうして消すの?」
「真理子、叔父ちゃんのお見舞いに行きたい?」
 しかし母は、私の質問には答えなかった。そして私も母の質問になんと答えたらいいのかわからなかった。
無言でしばらく見つめ合った時、母の目から涙がこぼれた。濡れた頬を、夏の西日が照らしていた。
(続く)
 東京に家を買った今でも、父は単身赴任をしている。父の仕事の都合で、私たちは引越しの多い家族だった。だから、私には故郷というものがない。年末年始とお盆には家族で父の故郷に帰ったが、父は生家でどことなく居心地が悪そうにしていた。祖父母や叔父と話すときだけ、父は北関東訛りだった。
 父の生家には私の祖父母に当たる人と、叔父家族が住んでいた。私の従兄弟にあたる三人兄弟と、犬と猫と、そして毎朝卵を産む鶏も飼っていて、いつ行っても賑やかに私たちを迎えてくれた。みんなとても気さくで明るい人たちで、この家で育った父がどうしてあんなに生真面目で大人しいんだろうと不思議になったほどだ。
 父の実家は昔からの農家だったが、叔父は地元の会社に勤めて週末は祖父母の農業を手伝っていた。叔父の妻である私の叔母は、嫁として毎日農業を手伝っていたようだったが、特に屈折しているところもなく、いつ会っても朗らかに笑っていた。
 生まれてからずっと田舎で暮らしていた叔父が、その故郷で事故に遭い、ヘリコプターに乗って私たちの住んでいる東京の病院にやってくるなんて、なんだか変な話だと私は思った。

 一週間ほど叔父のニュースはテレビを騒がせていたが、そのあとは不自然なほどに続報がなかった。母に聞いいても要領を得ない答えで、父もなかなか帰ってこなった。仕事が忙しいのだという。そんなふうにしていつの間にか秋になった。
 大学の講義の後、食堂に行くため教科書を鞄にしまっている時だった。同じゼミの学生が近づいてきて唐突に私の腕を掴んだ。驚いて反射的に振りほどいたが、また彼女は私の腕を掴み、
「ねえ、あなたの叔父さん、株式会社XのOさんでしょ? あの事故の……」
「どうして知ってるの?」
 私は再び彼女の体を押して、彼女の腕から逃れた。今度は彼女は触ってこなかった。思っていたほど大きな声が出たようで、講義室にいた学生たちが私に視線を注ぎ、彼女は少したじろいだように見えた。だけどそんなことに構う余裕はなかった。
「ねえ、どうして知ってるの!? 誰から聞いたの?」
「どうしてって……学内の同じデモの仲間が言ってたのよ、それで……」
「デモって何? 仲間って誰?」
「いいじゃない、そんなこと。ねぇ、それより、あなた、私たちの集会に来てくれない?」
 彼女は媚びるように笑った。笑うと歯茎と黄色く染まった歯が露出する。ニキビだらけの頬が盛り上がって、小さな目が余計に顔にめり込んでいるように見えた。その目を見て私はひどく不快になった。
「遠慮しておくわ」
 彼女を押しのけて立ち去ろうとしたが、彼女はまだ私の腕を掴んで、何かの資料のような紙束を私に押し付けてきた。
「ねぇ、これあなたの叔父さんなんでしょ? 叔父さんがこんな目に遭ってもあなた、黙っているの? 叔父さんの仇を取るために、私たちと一緒に立ち上がりましょうよ!」
 資料には「これが国が株式会社XのOさんにした仕打ちだ」と汚い毛筆の文字が印字されていて、その下にカラーの写真が添付されていた。それは、腕だった。肘から下の腕、ひどい火傷を負ったような、表皮がすっかり剥げて、その下の肉やら筋肉やら血やらが露出し、体液がにじみ出た、赤く、黄色い、ひどく痛々しい、むき出しの。腕の脇には少しだけ胴体が写っていて、全身同じように表皮が失われているのだとわかった。
 その時私は、私の心臓に何かが叩きつけられたのだと感じた。驚いた私の赤い心臓が、背中の方に少し飛び上がり、私はそのせいで少し後ろによろけ、その心臓は反動でものすごい量の血液を全身に送り出した。そのせいで、脳が沸騰したように飛び上がり、耳は均衡感覚を失い、脚はその場に立っているための力を失った。私は床に崩れ落ちそうになり、かろうじて地面に手をついて堪えた。目の下の床に落ちた叔父の腕がまた目に入り、私は勢いよくそこに吐瀉物をぶちまけた。
「おい、吐いたぞ!」
「ぎゃー!くせえ!」
「大丈夫!?」
 講義室が騒然となり、逃げる人と私に駆け寄る人と、その周りを囲んで遠巻きに見ている人と、ごちゃごちゃになる。その中を割るように逃げようとした彼女の腕を私は掴んだ。吐瀉物にまみれた写真を握りながら。
「あなたは、ねえ、なんなのよ? どうして? どうしてそっとしておいてくれないの? どうして私の叔父さんを……」
 私の意識はそこで途絶えた。
(続く)



「青い光を見た」
 そう言いながら、叔父は暗闇の中に、青い光とともに現れた。
「ねえ、叔父さん、体が青く光ってるよ」
 青く発光する叔父に近づく、私はなぜか裸だった。叔父も何も身に纏っていなかった。
「真里ちゃん、久しぶり。綺麗になったね。元気だった?」
「叔父さん、会いたかったわ。叔父さんは元気なの?」
 叔父は悲しそうに笑う。叔父は元気だったか? そうだ、あのニュースの中で確かに叔父は、元気そうに歩いていたのだった。それなのに、どうして? いつもの作業服姿で、腕もあんな風になってなかったじゃない。
「叔父さん、なんでなの?」
「わからんよ、俺も。どうしてこうなっちまったんだろう」
「ねえ、叔父さん……」
 叔父は何も言わず、私の唇をふさいだ。私は目を閉じた。真っ暗な草むらに寝転んだ。叔父が私の足を開く。そして勃起した性器を私の膣に押し込んだ。初めて感じる男の重さだ。想像していたような痛みはなかった。膣の中が熱く、全身もう溶けてしまいそうな錯覚を覚える。
「なんで俺、こんなことになっちまったんだろう」
 叔父が繰り返した。叔父を見ると、とても悲しそうな目をしていた。叔父が膣の中で静かに射精したのがわかった。熱い熱い精液が膣に満ちて、叔父の性器を溶かす。溶けた股間からだんだん崩壊が始まり、皮膚がどろりと溶けて、表皮が失われていく。叔父の血が、肉が、溶けて私の白い体にぼとぼとと落ちた。

 目が醒めると私は自室のベッドの上に寝ていた。私はどうやって家に帰ってきたのだろう? 記憶が飛んでいた。ゆっくりと体を起こすと、母が部屋に駆け込んできた。
「真理子、起きたの? 大丈夫? うなされてたわよ」
 母が私を抱き寄せ、私の汗をタオルで拭ってくれる。母は泣いていた。泣きながら私の涙もタオルで拭った。
「お母さん、私叔父さんに会いたい」
 母は何も言わなかった。
「どうして? ねえ、どうしてお見舞いに行かせてくれないの? お父さんも帰ってこないし」
「真理ちゃん、ごめんね。でも無理なのよ。ごめんね」
「どうして謝るの? 私明日一人で行ってくるわ」
「駄目よ、真理ちゃん。会えないのよ」
「私、叔父さんのこと……」
「お母さん、知ってたわよ、ずっと」
 私は母の顔を見た。母は続ける。
「真理子の気持ち、お母さんわかるよ。お母さんだって、お父さんと結婚する前、恋をしてたことがあるもの。でもね、叔父さんは今、家族で最後の時間を過ごしているのよ」
 母はそっと私を抱きしめた。私は母の腕の中で、声を上げて泣いた。そしてあの日の叔父にはもう二度と会えないのだと悟った。

 翌日叔父は亡くなった。テレビのニュース速報でそれを見たとき、なぜだか涙は流れなかった。
二作目アップさせていただきました。一作目の「二月の桜」が連作ものなので、「読むのがしんどい!」という方はこちらを読んでいただけますと幸いです。
すみません、今読み返してみたら、表現が繰り返しになってくどいところや、誤字を発見してしまいました…
勢いで書いてしまったので敢えてこのまま提出します。またしばらくしてから推敲して、部会の後にもう少しボリュームアップしていこうと思います

タブーをいくつか盛り込んだので、不快な表現があったかもしれません。恐れ入りますがよろしくお願いいたします
「青い光」、先に読ませていただきました。
昨日と今日で読みましたが、表現の繰り返しや誤字(?)、私は気づきませんでした。
緊張感を絶やすことなく読むことができましたよー

ゼミの学生の描写、なかなか強烈でしたが、そのあとの叔父さんの写真の描写にスッと入っていけるための役割を果たしているのかなーと思いました。
再読したら、母親の描写も冒頭にあって、こういう、観察力の要る描写は、私には絶対にできないので、すごいな〜と読みました。
あと、叔父さんの写真(これ自体がすごいのは言うまでもないのでスルーしますが)を見たときの私の身体表現、がどこからが比喩でどこまでが現実の身体に起こったことなのか……考えると面白いですね。

「二月の桜」も拝読したら感想を書きますね。
当日はよろしくお願いします♪
>>[7]
ご感想どうもありがとうございます!誤字と直したいところだらけで申し訳ないですが(汗)、そう言っていただけて嬉しいです。

頭の中で想像して、それを描写するのは難しいですね!なかなか歯がゆい作業です。特に叔父さんの写真を見た主人公の反応は、「とても動揺している人」をどう表現したらいいのか。よくわからなかったので、実験的?な感じでこういう表現にしてみました。
皆様にどう伝わったのかが不安ですが、注目していただけてとても嬉しいです!

二月の桜も是非よろしくお願いいたします(^ω^)当日お会いできるのを楽しみにしております!
>>[9]
ご感想ありがとうございます。二月の桜、三人の「やだなー」感が伝わって嬉しく思います!私も、こんな人たちがまわりにいたら嫌だなぁと思いながら書いています笑
夏のベランダでのシーンは、なんとなく、記憶の中で思い出が美化されている感を表現したかったのでした。伝わった自信はないですが、きれいに感じたとご感想いただけて嬉しいです。


青い光はちょっと不快なシーンもあったかもしれないですね。でもその中から母性や犠牲という感じも読み取っていただけたことが嬉しいです!
母親は叔父のことは相当好きだったんだと思います。恋愛としてなのかわからないのですが…。それでも、恋愛小説らしくしたくてこんなセリフを入れてみました

面白いとのご感想、大変励みになります。書いて読み直したり、みなさんの作品見ると、「私はこんなに薄っぺらいものしか書けないのか〜!」とへこんでしまう日もあります…
それでも、もっともっと良い作品が書けるよう精進してまいりたいと思います!
貴重なご意見ありがとうございました。

当日いろいろお話できるのを楽しみにしております(^ω^)
今回は中編製作中なので、作品を上げないために偉そうに感想だけ書かせていただきます。

とりあえずお願いとしては、別作品なので四月の桜と青い光は分けていアップしていただけると助かります。(これだと青い光の存在に気が付かない人もいますし、後ほど部会のページにアップする際にやりづらいので)

繰り返しの表現に関しては気になる部分もありましたが、文章にそこまで大きな違和感はありませんでした。
読みやすくて良かったですよ。

やっぱり唐突に入れ替わる夢描写というか、オジさんとの逢瀬が出てくるあたりで少しひいてしまいた。特にそんな予兆もなかったし、ちょうどトピックの切れ目だったので余計に効果ありでしたね笑
でも本来タブーって人によっては引いてしまうものでないと意味がないですし。
(個人的にきょうだい間の似たような話を書きながらなんですが笑)
>>[11]
ご感想ありがとうございます!アップの件、承知しました〜。
叔父さんとの逢瀬は引いてしまいましたか笑。一応テーマが恋愛&タブーなので、グロテスク(精神的な意味で)に書きつつ恋心をほろっと書きたかったんですが…むずかしー!予兆なく描きたかったのは主人公の恋心なんですよ。なかなか意図した通りに表現できないのが歯がゆいです。
でも、テーマ的に引いてもらうためのものを書いたのかもしれません笑。お目汚し失礼しました!
「二月の桜(四)」についてコメントさせていただきます!

今回これまでの「二月の桜」も読んで、そのときは書き手目線で「展開がうまいな〜」と思っていましたが、(四)を再度読んでいて気づきました。
作者・かとうさんの主人公に対する意地の悪さ(無情な展開、内面含む描写などに表れる――もちろんほめています)は、桐野夏生の『ハピネス』に近いのではないかと。

「梢が顔をしかめたわけではない、きっと僕の目が無意識に涙ぐみ、立ちくらみを起こしそうになったからだ。でももう10年も前のことだし、ただ僕の記憶が変容しただけかもしれない。とにかく、梢の一言は僕の世界の見え方を変えるのに充分だった。
 僕はその場に座り込んでしまいたくなったが、なんとかベランダの手すりを掴んで耐えた。その時強いビル風がびゅうと吹いた。僕は怖くなって、足が震えた。 」

長く引用させていただきましたが、かとうさんの作品の長所が満載の箇所なのではないかと思いました。
最初の文で、一行空き以前の段落で語られている鴨志田のストレスの弱さを再認識させ、次でその言い訳をさせ、その次で驚いたという自覚を語らせ、鴨志田に対するマイナスイメージを徐々に読者に植え付けている。次の段落では、これも鴨志田の言い訳なんじゃないか、本当に風は吹いたのだろうか、と推測させる書き方がされていて……。
うまく書けませんが、鴨志田に対する視線がとにかく冷徹で、展開だけじゃなくて一文一文の書き方がうまいな〜と思います。
「「思い出してみればこんな男がいたな」と思う程度で、記憶を手繰り寄せるのに随分と時間がかかった。」
という箇所も、鴨志田の虚栄心が感じられて好きでした。

あと、梢の夫の会話も、引用してたらキリがなくなりそうなのでしませんが、「こういう人いそう!」という感じでよかったです。
たとえれば、「会話っぽい会話をしようとする人」でしょうか。

一つ質問させてください。
梢の夫はバイということですが、女性も好きだが梢とは性的関係がないという理解でよろしいでしょうか?
「僕と梢はあの頃は全然セックスしてなかったもの。」という表現があるから、今は関係がないから偽装結婚? でも関係していたときもあった?
物語の理解をする上で重要な箇所だと思うので、よろしければお教えください♪
(次第に明かされる箇所でしたら待ちます!)

最後に、『ハピネス』に近いというのは私の少ない読書経験から引き出された感覚で、物語自体は全然異なります。
『ハピネス』というのは『VERY』というファッションがメインの雑誌で連載されていた作品で、今もその続編の『ロンリネス』が連載されています。
私も毎号読んでいますが、「二月の桜」は、こういった普段あまり読書をしない層の女性にも、連載として訴えかけるものが大きいのではないかな〜と勝手ながら思いました。

長々と失礼しました。明日お話しできるのを楽しみにしております★
>>[13]
感想ありがとうございます!丁寧に読んでいただけて、嬉しいです(^ω^)
ちゃんと意図が伝わって嬉しいです!それとともに、自分でも思わぬ効果?を生んでいる描写もあったようで、新鮮な驚きとともに、やはり嬉しいです笑。引用いただいた箇所も、自分の中でまた再発見がありました。ほんとにありがとうございます。

そうそう、ハピネス!私は普段あまり小説は読まないのですが、久々にハピネスを買ってからまさに今桐野夏生にどハマりしてます。学歴とか金持ちの世界などはもろに桐野夏生の「グロテスク」からまんま影響うけてます( ;´Д`)ヴァンサンさんにバレてしまって、なんだか嬉し恥ずかしです\(//∇//)\
続編が連載されているのは知りませんでした。文庫版でるのが楽しみです(^ω^)


質問の答えを書いたのですが、なんだか長くなってしまいました↓さらっと読んでいただけると幸いです(^ω^)下記の部分は設定としては存在するけど、敢えて説明する必要もないから、今後作品中で明かされることはないと思います。たぶん!

↓↓↓
夫と梢の関係に関してですが、この2人は大学の内部進学生の仲間で、親同士も仲良く小さい頃からお互いを知っている仲です。その中で、恋愛ではなく友情のような兄弟のような…。そんなふうに育ってきて、お互いの性的な体験も共有して。10代の頃は遊びの延長線上で、たびたび関係を持っていたのだと思います。でもそれを経験する中で梢は自分の性的に奔放なところに気づき、夫は女とも寝てみたけど、実はどちらかというと男の方が好きだと気がつき。きっと梢も女性と寝たことはあるのだと思います。思春期から20代にかけて、ホルモンバランスがゆらゆら不安的になる中で、いろんな体験をしてたんでしょうね。
幼なじみだから何もかもお互い知ってたんでしょうね。だから結婚できたのではないかなと。
こうして書いてみると、ほんとに桐野夏生の影響受けまくりで恥ずかしい〜!
※※※


励みになる感想をいただけて、嬉しいです(^ω^)ありがとうございました。明日お会いするのが楽しみです〜!
青い光の感想を書かせていただきます。
面白かったです。一人一人の人物描写がうまかったと思います。デモに参加する人って実際人の気持ちを何も考えていないよなあ、と納得してしまいました。

ただその後、「え、そこでヤるの?」と思ってしまいました。
失礼かもしれないんですが(ごめんなさい)、そこでそういう展開になった事に対してちょっと、笑ってしまいました。このシチュエーションでセックスというのがあり得なさすぎて、タブーというより逆にコメディーみたいに私には思えました。

他の人はどう捉えるのか、とても気になります。
>>[15]
ご感想ありがとうございます!
「二月の桜」に関して。冒頭の主人公の口角炎ですが、ちょうど書いた頃に私が口角炎が治らずイライラしていたので、安直に入れてみました笑。マンションの部屋の描写も、なんとなく入れた部分が多いので、読んで感想いただいて「確かにそういう効果もある!」と色々発見があります。ありがとうございます!

「青い光」に関して、そうですね、せっかくだからタブーてんこ盛りにしてみたくて書いてみたんですけど、皆様の感想を読んで、載せてよかったのか後悔し始めています……笑。
人物観察力なんて、とんでもない!でもきっと、あえて言えば、意地悪な目線で見ることが人間観察の秘訣かもしれませんね( ;´Д`)程よく伸ばして今後も作品に生かそうと思います。。
ありがとうございました(^ω^)
>>[17]
ご感想ありがとうございます!
問題のシーン、「引いた」って感想と「ギャグか?」って感想と……!どっちも正直胸に刺さるものがありますが笑、でも確かに読み返すとちょっと私も笑ってしまいました。「唐突だな、おい!」と……。
なんだろう、色々このシーンにも意図はあったんですが、逆効果になってしまった感があって反省です。表現したいものが表現できていないので、ちょっとこのシーン含め、全体的に直したいなと思います!
ああ、恥ずかしい。夢のシーンでどう差し替えるか?案があるので、また直接お会いした時に、時間があればご意見いただけると幸いです……(´Д` )
「青い光」の感想

ここにきてまさかの近親相姦描写は、まさにタブーですね。

夢描写だけかと思いきや、実は・・・と思わせるあたり、かとうさんの筆力を感じさせました。

叔父がどのような研究をしていたのかとても気になりますが、そこもタブーが含まれているのでしょうか?

ここ最近の大学の「デモ」というと、シールズとかそのあたりなのかなぁと思ったのですが、そのあたり差し支えなければコッソリでも教えていただける助かります。
>>[20]
ご感想ありがとうございます。
いやー、夢ならいいかな?と思ったんですが…ちょっとこの描写あとで修正します( ;´Д`)
叔父については研究者ではないのですが、そうですね、タブーなのかなぁ、と思います。でもこの小説に政治的な意見は入っていません!

デモに関してはシールズではないんですが、うーん、どう説明したらいいものか。特にコッソリ教えるようなものでもないんですが、最近のデモとかそういう団体を見ての、全体的な印象ですね。
カンジダ→ヘルペス
事実→経過
自分と梢のやりとりが重くのしかかる感じが必要
含みのある妊娠の言い方もあり 暗示する 迷いの期間
そうか以降のやりとりを書く 女性の新しい生き方を提示する→夫との会話の展開も変わる
自分の子供じゃない子を育てる覚悟
価値観が古いまま 新しい価値観を提示する

新しい人間観を提示する
↑上記自分用のメモ。ゆーじん先生とのやりとり

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