おれの十三階は月光、 雲に突き刺さるように伸びたビルディングの最終階では、いつも雨が降っていて、まるで全世界の光景を抱きとるように優しくて、同時にそれとは無関係に冷たかった。 その日、二十八階の結婚相談所から出てきたカップルが、四十五階の家庭裁判所に駆け込むまではそれほど時間もかからなかった。 monkey business time is money この国じゃ自殺者数がうなぎのぼりだってよく聞くけど、こんなに武器が売れない国ってのも珍しいもんだよ。真鍮と鷹の目をくり抜いて作ったカラシニコフを撫でながら、誰もいないフロアで武器商人が愚痴をこぼす五十九階。 誰もが天国に憧れて、リンゴを買い求めに来る地下八階。 どんなことがあってもくじけない。七十五階のラジオ局はそんな言葉であふれているけど、おれはそんなふうには思わない。 確かに真実は勝利者が作るものだが、敗北のなかで輝く高貴な言葉は嘘をつかない。