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ブライアン&エディ ★ 宇宙兄弟コミュの2013年2月3日 『ブライアン』 #43

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#43

2013年2月3日
『ブライアン』

酸素残量が8分を切った日々人。

ダミアンを直射日光があたらない安全な場所へ移すと、日々人はひとり月面を歩きだしたていた。どうせ死ぬなら満天の星空を見て死にたいと思い、よく星が見えた谷底に落ちようと思ったのだ。
だが、崖から飛び降りようとしたその時、日々人の視界の端にピカッと光るモノが見えた。
それは、月面着陸直後に見た謎の光のよう。
『どうせ死ぬなら、謎の光の正体を知ってからがいい……』
そう思い、日々人はゆっくりと光の方へと近づいた。
そこにはなんと、胸にBRIANと手書きされた、宇宙飛行士のフィギュアが立っていた。

『ブライ……アン……』
ブライアン・Jは、日々人にとって親父のような、兄貴のような、あるいは友人のような大先輩だった。
新人だった日々人を自分の控えに推薦し、宇宙飛行士に必要なことを教えたのもブライアンだったのだ。
彼の口癖は――『来てやったぞ、ヒビト。助けてやろうか? 大先輩ブライアン・Jが』――。
日々人が手にしたフィギュアの背中には、それぞれフィギュアを持って並んでいる少年時代のブライアンとエディの写真が貼られていた。
『そうか、ブライアンがこれをここに……』
このフィギュアは、ブライアンがいつか兄弟で月面に立つことを願って置いたものだったのだ。

思わぬ所でブライアンの大切な物を見ることができた日々人だったが、酸素は残り1分にまで減っていた。
酸素不足で息苦しさが増し、目もうつろになり、その脳裏には幻聴ともいえる声が聞こえてくるほど。
やがて幻影まで見えてきた。
『来てやったぞ、ヒビト、助けてやろうか? 大先輩ブライアン・Jが――』
すぐに幻影は消えたが、日々人は息を切らしながら、月面に両手を突いてしまった。
「へへ……今こそ……助けてほしいね」
日々人の酸素残量は、ほぼなくなっていたのだ。
『悪い……ムッちゃん――』

そしてついに、日々人は完全に倒れ込む。
その瞳は、もう完全に閉じてしまい――……?

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