聖書研究入門　コミュのD-3.　バベルにおける言葉の混乱　その１

※D.　ノアからアブラハムまで　9：18-11：26.　　

D-1.　ノアの息子らの運命　9：18-29
D-2.　諸国の起源　10：1-32
D-3.　バベルのおける言葉の混乱　11：1-9
D-4.　セムからアブラハムまで　11：10-26

■創世記１１：１-9


1 全地は同じ発音、同じ言葉であった。
2 時に人々は東に移り、シナルの地に平野を得て、そこに住んだ。
3 彼らは互に言った、「さあ、れんがを造って、よく焼こう」。こうして彼らは石の代りに、れんがを得、しっくいの代りに、アスファルトを得た。
4 彼らはまた言った、「さあ、町と塔とを建てて、その頂を天に届かせよう。そしてわれわれは名を上げて、全地のおもてに散るのを免れよう」。
5 時に主は下って、人の子たちの建てる町と塔とを見て、
6 言われた、「民は一つで、みな同じ言葉である。彼らはすでにこの事をしはじめた。彼らがしようとする事は、もはや何事もとどめ得ないであろう。
7 さあ、われわれは下って行って、そこで彼らの言葉を乱し、互に言葉が通じないようにしよう」。
8 こうして主が彼らをそこから全地のおもてに散らされたので、彼らは町を建てるのをやめた。
9 これによってその町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を乱されたからである。主はそこから彼らを全地のおもてに散らされた。


このシナルの平野に住んで町と塔を建てたのは、ハムの子孫です。

彼らはなぜ塔を建てたのでしょうか。
なぜ、主が下られて、混乱させられたのでしょうか。


●箱舟が止まった後

　『ノアの子孫は、しばらくの阿智だ、箱舟が止まった産地に住んでいた。彼らの数が増加するにつれ、まもなく背教と分裂が生じた。創造主を忘れて、神の律法の制限から脱出しようと望んだ者らは、神を恐れる仲間の教えや模範を絶えず嫌っていた。やがて彼らは、神の礼拝者から分離することに決めた。そこで彼らは、ユフラテ川のシナルの平原に下った。彼らはこの場所が美しく、地が肥沃なのにひきつけられた。彼らは、この平原に自分たちの家を建てることにした。』（人類のあけぼの上巻p114）

本来、ノアの息子たちは、一神教でした。創造主だけを崇拝していましたが、人口の増加につれて、人間の本性である、自己中心的欲望が優先するようになりました。
神は人の心が幼い時から悪い傾向にあることをご存知です。親が子供に教育しなければ、彼らはどんどん悪い傾向へとそれていくものです。彼らの心は神から離れ、神を崇拝する者と、そうでない者が、分離していきました。

　『彼らはここに都市を建設し、世界の驚異となるような巨大な高塔を建てることにした。
この企ては、人々が離散して住むことを防ぐために考案された。
神は、人間が、広く地球上にわかれて住み、地に満ち、地を従わせるように指示されていた。しかし、バベルの建設者たちは、彼らの社会を1つの組織にし、やがて、全世界を含むに至る帝国を築こうとした。こうして、彼らの都市は、世界帝国の首都となるのであった。
その栄光は、世界の人々の賞賛と尊敬を勝ち得て、建設者の名を有名にするのであった。
空高くそびえる壮麗な塔は、建設者の能力と知恵の記念碑として建てられ、彼らの名声を永久に後世の人々に伝えるためであった。』（同上）

　建設者たちの思いというのは、「世界の人々の賞賛と尊敬を勝ち得て、建設者の名を有名にする」といものでしたが、これは、現代の人々と同様で、なんら変わったところはありません。
洪水後も、ここから、この人類歴史は二つのグループにわかれていきました。

●神と天への敵意
　『・・・地上に住民が増えると、すぐに人々は神と天への敵意を再び持ち始めた。欺く者たちの巧みな技と策略によって、人々は彼らの子孫に敵意を伝達した。』（書簡4,1896年）

●

　『シナルの平原の住民は、この地上に再び洪水を起こさないという神の契約を信じなかった。・・・他の者は、至高者を信じ、神が洪水前の世界を滅ぼしたことを信じていた。しかし彼らの心は、カインと同様に神に反抗的であった。彼らが塔を建てた目的のひとつは、もし再び洪水が起こったならば、彼らの身の安全を確保するためであった。彼らは、その建造物を、水が達したところよりもはるかに高く築き上げて、どんな危険にも耐えられるようにしようと思った。そして雲のある層にまで上れるから、洪水の原因をつきとめることもできるだろうと彼らは考えた。この企てのすべては、計画者たちの誇りをさらに高め、後世の人々の心を神から引き離し、偶像礼拝に陥れようとするものであった。』（同上p.115）

アーメン！！