聖書研究入門　コミュのC-3　洪水の物語　４　報復の水

※C-3　洪水の物語　7：1～8：14

■創世記7：17-24

17 洪水は四十日のあいだ地上にあった。水が増して箱舟を浮べたので、箱舟は地から高く上がった。
18 また水がみなぎり、地に増したので、箱舟は水のおもてに漂った。
19 水はまた、ますます地にみなぎり、天の下の高い山々は皆おおわれた。
20 水はその上、さらに十五キュビトみなぎって、山々は全くおおわれた。
21 地の上に動くすべて肉なるものは、鳥も家畜も獣も、地に群がるすべての這うものも、すべての人もみな滅びた。
22 すなわち鼻に命の息のあるすべてのもの、陸にいたすべてのものは死んだ。
23 地のおもてにいたすべての生き物は、人も家畜も、這うものも、空の鳥もみな地からぬぐい去られて、ただノアと、彼と共に箱舟にいたものだけが残った。
24 水は百五十日のあいだ地上にみなぎった。

19節で、１５キュビトという数字がありますが、これは、換算すると約6.7メートルほどあります。

高い山の上より更に6.7メートル上まで水が覆ったということです。

動植物、鳥類、人間、すべての命あるものは、水に沈みました。ただノアとその家族と箱舟の中にいる動物たちだけが生き残りました。

5．報復の水

洪水の滅びは、究極には、何を意味しているでしょうか。

愛情深い神が、命あるものを滅ぼされる、あるいは罰せられるということは、異なったわざであると聖書は語っています。

＊イザヤ28：21

「21 主はペラジム山で立たれたように立ちあがり、ギベオンの谷で憤られたように憤られて、その行いをなされる。その行いは類のないものである。またそのわざをなされる。そのわざは異なったものである。」

また、次のように書かれています。

＊エゼキエル33：11

「11 あなたは彼らに言え、主なる神は言われる、わたしは生きている。わたしは悪人の死を喜ばない。むしろ悪人が、その道を離れて生きるのを喜ぶ。あなたがたは心を翻せ、心を翻してその悪しき道を離れよ。イスラエルの家よ、あなたはどうして死んでよかろうか。」

主は

＊出エジプト34：6,7

「あわれみあり、恵みあり、怒ることおそく、いつくしみと、まこととの豊かなる神、・・・・・
悪と、とがと、罪とをゆるす者」

であられます。

しかし、主は、

＊出エジプト34：7

「しかし、罰すべき者をば決してゆるさず」

「主は怒ることおそく、力強き者、主は罰すべき者を決してゆるされない者」

と書かれており、罪を犯し続け、決して悔い改めない者たちに対しては、決して許すことはされません。

　『主は踏みにじられたご自分の律法の権威を、義の恐るべきわざによって擁護される。罪人を待ち受けている報復がどんなに厳しいものであるかは、主が刑罰の執行に気が進まれないことから判断することができる。主が長く忍ばれ、神の御目にその罪悪の升目が満たされるまではお打ちにならない国民も、ついには憐れみの混じらない怒りの杯を飲むのである。』（各時代の大争闘下巻p.403）

5．報復の水

19 水はまた、ますます地にみなぎり、天の下の高い山々は皆おおわれた。
20 水はその上、さらに十五キュビトみなぎって、山々は全くおおわれた。
21 地の上に動くすべて肉なるものは、鳥も家畜も獣も、地に群がるすべての這うものも、すべての人もみな滅びた。
22 すなわち鼻に命の息のあるすべてのもの、陸にいたすべてのものは死んだ。
23 地のおもてにいたすべての生き物は、人も家畜も、這うものも、空の鳥もみな地からぬぐい去られ・・・・

　『暴風雨が激しくなるにつれて、樹木、建物、岩石、土などが四方八方に飛び散った。人間と動物の恐怖のさまは、表現することができなかった。暴風雨のとどろきを超えて、神の権威を軽視した人々の嘆きの声が聞こえた。荒れ狂う暴風雨のなかにとどまっていなければならなかったサタンでさえ、身の危険を感じたほどであった。彼は、力強い人類を思うままにしたことを喜んでいた。そして、彼らに憎むべき罪を行わせて、天の支配者への反逆を続けさせようとしていた。ところが彼は今、神は不正で残酷だと言って神をのろった。サタンと同様に神を冒瀆する者が多かった。彼らは、できることであれば、権威の座から神を引きおろそうとしたことであろう。他の者は恐怖のため、狂気のようになって箱舟に手をのばしながら、入れてくれと頼んだ。しかし、彼らの願いは入れられなかった。ついに良心が目覚め、天を支配しておられる神の存在を彼らは知ったのである。彼らは必至になって神を呼び求めたが、彼らの叫びに神の耳は開かれなかった。この恐怖の時に、彼らは神の律法に違反したことが自分たちの滅亡の原因であることを悟った。しかし、彼らは刑罰を恐れて罪を認めたとはいえ、真に悔い改め、悪を嫌ったのではなかった。もし、刑罰が取り除かれたならば、彼らはまたもや神に反逆したことであろう。同様に、この世界が火で滅ぼされる前に地に下る刑罰の時に、悔い改めない者は自分たちの罪の正体を知り、それが、神の清い律法を軽視した罪であることを知るのである。しかしながら、古代の罪人と同様に、彼らは真に悔い改めるのではないのである。』（人類のあけぼの上巻97-99）

一回目は水で滅びましたが、二回目は火で滅ぼされることになっています。

それは、もうまもなく訪れることになっています。

現代の人類も古代の罪人と同様、神の権威を軽んじ、律法を破棄し、自称クリスチャンと呼ばれる人々は平気で律法を破っています。偶像を礼拝し、見せびらかすことや、お金を追求しています。この洪水の物語は、現代に生きる私たちへの警告となっています。

　『暴風雨にあった獣たちは、人間の援助を期待するかのように寄ってきた。ある者たちは、たくましい力を持った強い動物の背に、子供たちや自分たちの体を結びつけて、一番高いところにのがれ、増して来る水を避けようとした。高い山の頂上にある大きな木にからだを結びつけた者もあったが、木は根こぎにされて、人間もろともあわ立つ波のなかに沈んでいった。安全だと思われた場所がつぎつぎとだめになった。水かさが増すにつれて、人々は、最高の山に避難した。人間と動物が足場の奪い合いをして争うこともあったが、ついには両方とも流されてしまうのであった。

命運尽きた罪人たちは、なおざりにしてしまった機会がもう一度与えられることをどんなに臨んだことであろう。あと一時間の猶予、もう一度だけの憐れみの機会、ノアの唇からもれるもう一度だけの招声を、彼らはどんなに切望したことであろう。しかし彼らは憐れみに満ちた優しい声を再び聞くことはできなかった。正義とともに愛もまた、神の刑罰が下って、罪にとどめをさすことを要求したのである。報復の水は、最後ののがれ場を流し去って、神を侮った者は暗黒の淵に滅びさった。』（同上～100

＊Ⅱペテロ3：6,7

「6 その時の世界は、御言により水でおおわれて滅んでしまった。
7 しかし、今の天と地とは、同じ御言によって保存され、不信仰な人々がさばかれ、滅ぼさるべき日に火で焼かれる時まで、そのまま保たれているのである。」

『別のあらしが近づいている。地は、再び神の怒りによって荒廃に帰して一掃され、罪と罪人は滅ぼされる。』（同上）

アーメン