聖書研究入門　コミュのルシファーの堕落・「生き残る人々」より　1

ご参考のために。

●ルシファーの堕落　その1

　天のルシファーは、反逆する前は、神の愛し子キリストにつぐ栄光と
高い位をあたえられていたとうとい天使だった。彼は、他の天使たちと
同じように、幸福にかがやく温和な顔つきをしていた。彼の広く秀でた
ひたいは、すぐれた知能をあらわしていた。その体格は申し分がなく、
態度にはけだかい威厳が備わっていた。彼の顔には特別な光がさし、そ
れは他の天使たちよりも一段と美しく輝かしくまわりを照していた。し
かし神の愛し子キリストは、万軍の天使の中のだれよりもはるかにすぐ
れたお方だった。キリストは、天使たちがつくられる前から、父なる神
と１つでいましたもうた。ルシファーは、そのキリストをねたみ、キリ
ストだけにまかされている統治権をだんだん横取りしてしまった。

　創造主なる神は、全天使のいる前で、特別な光栄をみ子キリストにお
さずけになるために、天の万軍をお集めになった。み子が天父と一緒に
みくらにおつきになると、そのまわりに聖天使たちが集まった。そこで
神は、み子キリストを神と同等のお方として定めたのは神ご自身だとい
うこと、したがって、み子のいましたもうところは、神ご自身のいまし
たもうところと同じだということをお示しになった。天使たちは、天父
のみ言葉に従うのと同じように、み子のみ言葉にも、すぐ従わなければ
ならなかった。神はみ子に天の万軍を指揮する権威をおさずけになって
いた。ことに、地とそこに生存するすべての生物が創造されることにな
っていたが、み子はその創造に天父と一体となって働きたもうことにな
っていた。み子は神の意志と目的を遂行し、ご自分だけでは何もなさら
ないことになっていた。神の意志はみ子を通して実現されるはずだった。

　ルシファーは、イエス・キリストをうらやみ、ねたんだ。しかし全天
使が、キリストの前に頭をたれて、キリストの主権と高い権威と正しい
統治を承認した時に、ルシファーもまたみんなと同じように頭をたれた。
しかし彼の心は、ねたみと憎しみに満たされていた。神は、ご自分の計
画について、キリストを特別な相談相手となさっていたが、ルシファー
はそれが何の計画であるかを知らなかった。ルシファーには、神の御目
的がわからず、また知らされなかった。

　しかし、キリストは天の主権者として承認され、神ご自身と同じ権力
と権威をもっておられた。ルシファーは、天使たちの中で特に自分は神
のお気に入りだと思っていた。彼は、高い位をあたえられていたが、そ
の口からは感謝と賛美の声がきかれなかった。彼はまた、自分が神ご自
身のみくらいにまでのぼりたいという大望をもっていた。彼は、自分が
高い位にあることを誇っていた。また、自分が天使たちからあがめられ
ていることも知っていた。彼には果さねばならない特別な任務があった。
永遠の神をつつんで絶えず輝いている栄光の光は、大いなる創造主のお
そば近くにいるルシファーの上に、特にかがやいていた。彼は、天使た
ちがこれまで自分の命令に喜んで、きびきびと従ってきたことを思った。
自分の衣は光かがやく美しい衣ではないか、それなのにこの自分の前で、
なぜキリストがこうまであがめられなければならないのだと、彼は思った。

　ルシファーは、不満な気持と、キリストに対するねたみを心に抱いて
神の御前からさがり、自分の本心をかくして、天使たちを集めた。彼は
そこで問題を持ち出したが、それは自分自身のことだった。神が、自分
を無視して、イエスに優先権をあたえたもうたことは権利の侵害だと、
彼は述べたてた。彼は、天使たちがこれまで持っていた楽しい自由はも
う全部おしまいだと告げた。その証拠にお前たちの上には支配者がたて
られたではないか、そしてお前たちはこれからその支配者に卑屈な敬意
をささげなくてはならないではないか。もうこれ以上わたしは、自分や
天使たちの権利の侵害について黙ってはいられない、２度とキリストの
前に頭をさげようとは思わない、この自分に当然さずけられるべき栄誉
をわたしが受け、わたしに服従しわたしの声に従う者たちの指揮はわた
しが取るのだ、そのことをみんなにはっきり言いわたすために集まって
もらったのだと、彼は述べた。

　
その2へ続く。