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西岡の雑誌図書館コミュのマライ・メントライン「したたかなドイツに片思いする日本」(ニューズウィーク日本版・2020年11月3日号)

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 国際交流イベントで、よく年配の日本人から「ドイツと日本は第2次大戦の『戦友』ですから!」「次回はイタリア抜きで!」など、自信満々の「ドイツ愛」アピールを頂く。昭和的な好意の表れではあるが困る。なぜなら、それは彼らの「脳内ドイツ」イメージに基づく好意だからだ。
 一方、この「脳内ドイツ」には別バージョンも存在する。それは、立派な「戦争反省大国」「再生エネルギー大国」としてのドイツ。
 好意的なのはありがたい。でも実際には、欲と戦略をベースにしたウラ事情もあるんですよ・・・・・などと応対しているうち、私は気付く。
「脳内ドイツ」イメージは、端的に日本をアゲたりサゲたりするための有効な材料として極論に陥りやすく、それは例えばネット言論と極めて親和性が高い。実際、いま日本のネット空間で語られる「ドイツ」は練りに練った称賛と侮蔑の二極化がやたらに進んでおり、とても同じ国について語っているとは思えない。

(マライ・メントライン「したたかなドイツに片思いする日本」(ニューズウィーク日本版・2020年11月3日号:18〜20ページ)19ページ)
https://www.amazon.co.jp/Newsweek-%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%89%88-2020%E5%B9%B411-3%E5%8F%B7-%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E5%A6%84%E4%BF%A1%E3%81%AE%E7%BD%A0/dp/B08KMHG965/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=L1QPD1K3NZLG&keywords=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%89%88&qid=1604009692&s=books&sprefix=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF%2Cdigital-text%2C324&sr=1-3
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 いっぽう日本の世情を見ると、例えば中国や韓国との摩擦に際し、有力とされる識者のオピニオンが徹頭徹尾「感情を加速させながら理屈で正当化しただけ」だったりして愕然とする。「汚らわしい」敵手を否定し、けなしまくって終わり、なのだ。それは確かに内的な満足を生むかもしれないが、決して問題の解決にはつながらない。

(マライ・メントライン「したたかなドイツに片思いする日本」(ニューズウィーク日本版・2020年11月3日号:18〜20ページ)20ページ)
https://www.amazon.co.jp/Newsweek-%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%89%88-2020%E5%B9%B411-3%E5%8F%B7-%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E5%A6%84%E4%BF%A1%E3%81%AE%E7%BD%A0/dp/B08KMHG965/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=L1QPD1K3NZLG&keywords=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%89%88&qid=1604009692&s=books&sprefix=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF%2Cdigital-text%2C324&sr=1-3
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 時に、日本人と対話していて驚くのが、左派リベラル系有識者の多くが軍事・軍略の知識を基礎レベルで欠いており、そもそも防衛問題についての現実的な話を忌避する点。正直、それでどうやって戦争を回避するのか不思議だ。ドイツの場合、左派も(好き嫌いは別として)それなりに軍事の基本は理解している。でないと相手を有効に論破できないからだ。
 この現象は、長らく日本の政治的言論が左右両派をひっくるめてアメリカの大局的な保護下にあり、陣営を問わず基本的には自身の美学追及で満足できる環境にあったからなのぁ、と感じる。
 冷戦構造化ならそれで良かっただろうが、今、世界は多極化と仁義なきサバイバルの時代を迎えており、もはやアメリカも昔の「信頼できる兄貴」ではない。そして容赦なき中国の台頭。これからどうするか、という焦りが陣営を問わず生じている。
 ここで日本の問題としてよく議論されるのが、政治・外交・軍事にわたる自立・実戦的ノウハウの未成熟について。しかしドイツ人の視点で感じてしまうのはむしろ、長きにわたる庇護状態で培われた「無菌状態への慣れ」の問題だ。
 ドイツは地理的な条件から、また、NATOやEUの中心国家としてさまざまな面倒事の矢面に立つ宿命を背負ってきたことから、官民問わず「どんなにいけ好かない相手とも、必要に応じて積極的に付き合っていかなければ優位に立てず、そもそも生きていけない」ことを感覚的に熟知している。戦争を反省するドイツの土下座外交の背後にも、このような実践哲学的な面がある。
 また、例えばロシアやポーランドやトルコといった外交的火種を抱えている諸国とも、対話プロトコル共有しながら共依存関係を成立させているため、険悪な関係に陥ったように見えても最終的に何とかなる自信があったりする。嫌悪を踏まえた信頼もお互いさま、というところか。
 いっぽう日本の世情を見ると、例えば中国や韓国との摩擦に際し、有力とされる識者のオピニオンが徹頭徹尾「感情を加速させながら理屈で正当化しただけ」だったりして愕然とする。「汚らわしい」敵手を否定し、けなしまくって終わり、なのだ。それは確かに内的な満足を生むかもしれないが、決して問題の解決にはつながらない。
 あまり偉そうに日本や日本社会に意見するのは好みではないが、あえて言うなら、日本人はもっと「いけ好かない敵」に積極的に興味を持ち、是非並々の駆け引きの対象とするアクションに慣れ親しんだほうがいいという気がしてならない。

(マライ・メントライン「したたかなドイツに片思いする日本」(ニューズウィーク日本版・2020年11月3日号:18〜20ページ)20ページ)
https://www.amazon.co.jp/Newsweek-%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%89%88-2020%E5%B9%B411-3%E5%8F%B7-%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E5%A6%84%E4%BF%A1%E3%81%AE%E7%BD%A0/dp/B08KMHG965/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=L1QPD1K3NZLG&keywords=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%89%88&qid=1604009692&s=books&sprefix=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF%2Cdigital-text%2C324&sr=1-3
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