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西岡の雑誌図書館コミュの永井明:デュースバーグ教授へのインタビュー

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 カリフォルニア大学バークレー校のピーター・デュースバーグ教授(分子生物学)は、昨年3月、『キャンサー・リサーチ(ガン研究)』という医学雑誌に、ある論文を提出した。分子生物学の立場から、「エイズの原因はエイズウィルス」という定説に対し、根本的な疑問を投げかけたものである。
「これまで知られているウィルスはすべて、それが原因となって病気を起こすとき、生化学的に活性状態となる。しかし、エイズウィルスは重症のエイズ患者でさえ、不活性でしかも潜在的である。どうしてなのか?」
 つまり、たとえばインフルエンザの症状が強く現れているときには、インフルエンザ・ウィルスも活発に活動している。しかし、エイズの場合は、エイズの症状が出てもエイズウィルスが活動していない。それなのに、エイズウィルスがエイズの病因と言ってしまっていいのか?と言っているのである。
 さらに、「病原ウィルスは、免疫力の低下状態で病気を起こす。ワクチンが有効なのはそのためだ。しかるにエイズは、エイズウィルスに対する免疫が出来上がった後に発病する。これは矛盾しているのではないか」等々。
 彼はこのような疑問点を7項目に整理し、「エイズウィルス=エイズの病因」についての議論を促している。しかし、なぜか彼の論文は医学者の間でまったく無視されているのである。
 デュースバーグ教授の疑問が、学問的にまったくナンセンスなものなのか?そうとは思えない。いくつか首を捻(ひね)る点もあるが、一通りの医学教育を受けてきたわたし(永井)にも、説得力のあるものであることは言っておこう。また、『ガン研究』という医学専門誌に掲載されたということは、学問的にも議論の対象になるレベルを維持しているということでもある。
 ここに、ワシントンポスト紙(1988年2月9日)の記事がある。コラムニスト、ジャック・アンダーソンによるものである。
「デュースバーグ教授の疑問に対し、エイズ研究者からの反応はまったくない。とりわけ第一人者であるDr.ギャロの沈黙に驚いている。『バイオ・テクノロジー』という医学雑誌が、
デュースバーグ教授の主張について議論するための会議を企画し、ホワイトハウスの後援を取り付けた。ホワイトハウスの名前があれば、Dr.ギャロも出てこざるを得ないだろうという読みからである。しかし、それは直前になって中止となった。その理由について、企画編集者はNIH(米国立衛生研究所=Dr.ギャロの所属するNCIの上部組織)からの圧力をほのめかし、ホワイトハウスはノーコメントであった。
 エイズ研究のために、多大な国家予算が使われている。Dr.ギャロがエイズの病因としてエイズウィルスを特定して以来、彼が研究費の分配に大きな影響力を持ち、NIHは、彼と反対意見の学者の予算を減らしてきた。もし、エイズウィルスがエイズの原因でないなら、それはまったくの浪費ではないか。エイズの病因決定には、慎重の上にも慎重でありたい。もっと議論するべきである」
 ジャック・アンダーソンはそのように伝えている。
 またしても、Dr.ギャロである。
 われわれは、サンフランシスコ近郊のバークレーにデュースバーグ教授を訪ねた。
「あるウィルスが特定の病気の病因と決定するために、『コッホの原則』という基準がある。これは、結核菌やコレラ菌の発見者として知られるドイツの細菌学者、ロベルト・コッホが提唱したもので、病因決定の古典として、現在でも広く使われている。
 Dr.ギャロたちの主張するHIV(エイズウィルス)は、この基準を満たすことができない。
 古典的基準だけではない。最新の分子生物学の知識を使った新しい病因基準にも適合していないのだ。
 彼らの言う”エイズウィルス”は、あるいはエイズ発病のひとつの要因ではあるかもしれない。しかし、このウィルスが”原因である”とするには、無理がありすぎる」
 彼は、壁にかけられたホワイトボードを使って、自説を詳しく説明した。
 ワシントン・ポストの記事に関しては、
「ジャック・アンダーソンのコラム記事の内容は、基本的に正確だ。当時、わたしはNIHで研究していた。問題の論文も、雑誌に提出する前にDr.ギャロに見せた。わたしは議論したかったのだ。しかし、彼は何も答えなかった。Dr.ギャロは、反対意見には決して耳を貸そうとしないんだよ。
 彼は、わたしがMD(メディカル・ドクター)(医者)でないことを強調している。それがあたかも、議論の相手にはならない理由、とでも言うようにね。たしかにそうだ。わたしは医者ではない。分子生物学者だ。
 だけどね、Dr.ギャロは、彼の大好きな「賞」や「賞金」をもらうために、いつも世界中を飛び回っている。もう長い間、患者なんて診たことはないんじゃないかね。
 それでも、以前はよく話をしていたんだ。
 Dr.ギャロはかつて、ドイツの大学でわたしを紹介するとき、『独創性に富み、非凡な力を持ち、いつもわれわれの結論のずっと先を見せてくれる学者。人間的にも誠実で、ユーモアあふれる人』と最大限の賛辞を贈ってくれたんだけどね。反対意見を言ったとたんにシャットアウトだ」
 デュースバーグ教授は、そう言って苦笑した。
 この問題に対し、Dr.ギャロがわれわれに語ったコメントを伝えておこう。
「ばかげたことだ。デュースバーグは世間の注目を引きたくて雑音を撒き散らしているにすぎない。ジャック・アンダーソン?彼より、アフリカミドリザルの方がよほど良質なニュースソースだ。」
 NAVSやシーガル博士、また、デュースバーグ教授。彼ら以外にもエイズの病因に疑問を投げかけている人は多い(次ページ一覧表参照)。
 エイズに関し、何が正しくて、何が間違っているのか?じつは、まだなにもわかってはいない。

(文・永井明(DAYS JAPAN(1988年6月号)90ページ)
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