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テニプリファンタジー小説コミュの(第50章)(前篇)(テニプリファンタジー)「異世界への扉」

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テニプリファンタジー

「異世界への扉」

それは、ある朝の事だった。

跡部と鬼が1軍に行ってしまった現在の3番コートは、実質、白石がまとめていた。

トレーニングが終わり、選手はフラフラしながら戻ってくる。

かなりハードな練習で、朝食は、選手にとっては、ちょっとした息抜きの場になっていた。
「ハア〜・・・つ〜か〜れ〜た〜」
慈郎は相変わらずで、練習の後、朝ご飯を前に、ぐったりとしてしまうが、これもいつもの事で、誰も気にしない。
「つうか、この人いっつもこんななのか?」
相席していた切原が呆れていると、一緒にいたクラウザーも
「This person always sleeps and.(この人いつも寝てばかりですね)」
と呆れながら言う。
そんな慈郎を見た菊丸は、ちょっとしたいたずらを思いついた。
「だったら、俺が起こしてあげる。こうして触れると〜」
と、電気を流した。
「うわあ!って菊丸、電撃はそういう事に使う物じゃないC〜」
「朝ご飯、食べないで寝ようとするからだよ。ほら、早く食べちゃいなよ」
「ム〜」
っと慈郎は怒りながらも、目の前の食事をたいらげた。

そして、昼の試合形式の練習時、異変が起きた。

クラウザーの目に、一瞬何かが光るのが見えたが、そこで、彼の意識は途絶えようとしていた。
「You know, what is ...(な、なにが・・・)」」
彼はそのまま倒れ、動かなくなった。
「クラウザー!」
「ウザウザー!」
皆が彼に駆け寄ると、彼の眼から光が消え、かなり危ない状態だとすぐにわかった。
「な、なんなんだ?一体、なにがどうしちまったんだ?おい、しっかりしろウザウザー!起きろよ!」
「とにかく、医務室に運ばんと!」
白石の指示で、皆がクラウザーを医務室に運びこむと、何故か跡部達もやってきた。
「あれ?なんで跡部君まで」
「慈郎の呼び出しでな。」
「急に狙撃されたから、何かの事件かと思って呼んだんだC〜」

クラウザーをベッドに横たえると、跡部は彼をインサイトしてみた。
「ん?こいつの服をめくってみろ」
「え?」
千歳が彼の服をめくると、黒い粒に紫色の輪をした、まるで星のような穴が開いていたのだ。
「な、なんだ?これは」
橘が触ろうとすると、慈郎が止めた。
「触らない方がいいよ。おそらく、クラウザーは撃たれたんだ」
という慈郎の言葉に、跡部が続く。
「慈郎。その時の事、覚えているか?」
「うん。俺隣のコートを使ってたんだ。そしたら、クラウザーの体を、何かが貫いたんだ。
「フム。要するに、こいつを狙って、誰かがこんな風にしちまったって事だな」
「跡部、どうするの・・・」
「ウ・・・ウア・・・・・アアア・・・・・ウグ・・・・」
「ウザウザー!」
切原が彼に近づくと、彼は口をパクパクさせながら、何かを言おうとしていた。
「何?どうした?」
「 is embarrassing … You know, something drags it; ...(苦しい・・・な、なにかが、ひきずり・・・)」
「何かが引きずり?」
跡部が翻訳すると、それは起きた。
クラウザーの体から、何かが引っ張られるように黒い球体に消えていく。
「あ、入っちゃった」
「ちゃったとちゃうやろ越前!跡部、恐らく今のは」
「ああ、こいつの魂だ」
「ええ〜!!じゃ、じゃあ、ウザウザーは・・・」
「いや、まだ死んじゃいねえ。とにかく、お前らは、なんとかして、こいつの体をもたせるんだ!丸井、ここを頼む!」
「了解!」
「俺達は、こいつの中に、直接突入する!」
「それっきゃないね」
「行こう!菊丸!」
「ああ!俺達で、クラウザーを助けよう!」
「行くぞ!!」
跡部を先頭に、皆球体に触れて、中に入った。

これが、異界人との接触で有る事に、彼等はまだ気づいていなかった。

一方クラウザーの魂は、半分透けた状態で、有る場所に倒れていた。
まだ、意識ははっきりせず、うすぼんやりとではあるが、自分がどこかにいるという事は解る。
「 here?(ここは?)」
彼は、そこから動こうとしても、まったく力が入らず、一歩も動けない。
「 cannot move(動けない)」
クラウザーが、再び気を失いそうになっていると、誰かが入って来た。
しかも、明らかに、人間ではない。

彼等は何かをしゃべり、光る棒の様な物をクラウザーに押しあてた。
「ウワアアアアアア!!!」
凄まじい悲鳴は現実世界でも起き、皆はクラウザーを抑えた。
「クラウザー君!どないしたんや!」
胸をかきむしるようにしながら暴れる彼を皆は必死で抑える。
魂は抜かれているというのに、この苦しみようは尋常ではなかった。
やがて、ブン太の治癒が効いたのか、ようやく彼は静かになるが、顔色がどんどん悪くなり始めた。
「お、おい、ウザウザーの顔、なんか、青くなってねえか?」
「クラウザー君も心配やけど、俺等は、外から出来る事をやるしかあらへん」
「白石さん・・・そんな〜」
すると、ブン太が答える。
「恐らく、クラウザーの魂本体に、何かされたんだろ・・・・跡部、急いでくれよ」
彼は祈りながら、彼に回復魔法をかけ続けていた。

一方。何かを押し当てていた彼等は、クラウザーの中から何かを取り出すと、何かをしゃべりながら、どこかへ行ってしまった。
クラウザーの命はまさに風前の灯状態で、いつ消えてもおかしくない状態だった。
彼の目は、もう閉じようとしていたその時、爆音と、銃声がかすかに聞こえたが、彼は動けず、どうしようもない状態だった。

跡部達が出た場所には、宇宙人がいて、その真上に出てしまった。
「ここは?」
「どこ?ここ」
「どこかの中みたいですが・・・って・・・降りてくださいよ〜」
「「あ」」
皆は、宇宙人の上にいて、更にその上に鳳が乗り、その上に跡部、侑士、ラティエル、菊丸、慈郎。弦一郎、リョーマと乗っかってしまっていた。

皆が順にどくと、鳳は背中をトントンと叩いた。
「イテテテ」
「どうやら、どっかの宇宙船の中・・・ん?慈郎伏せてろ!」
「え?」
慈郎が慌てて伏せると、いきなり氷を発射し、宇宙人2名は氷漬けとなり、指を鳴らすと、ボロボロと崩れた。
「フア〜びっくりした〜。跡部よくわかったね」
「気配を感じるのは、俺様の得意分野だからな」
と、跡部が言った次の瞬間、けたたましい警報が鳴り響く。

だが、何を言っているのかまではわからなかった。
「どうやら、やっこさんは、俺達の事を敵だと思ったようだぜ」
「え〜?じゃあどうするの?」
「奴の魂がここに飛ばされたのだとしたら、必ず近くにいるはずだ」
「クラウザーをさがそ。話しはそれからや」
と、侑士が言った次の瞬間。一斉に宇宙人が現れ、彼らを攻撃し始める。
「ワワワワワ。いきなり何するC〜!」
と慈郎は逃げ回るが、それでも宇宙人は撃って来る。
慈郎以外は、冷静に相手を攻撃し、ほぼ、その部屋を制圧してしまった。
「さて、これで全部か?」
「増援が来るかもしれん。はよクラウザーを見つけたらんと」
「リース、どうですか?」
鳳が扇子の形をしたペンダントに語りかけると、リースはすぐに答えをくれた。
「いた!クラウザーさん!」
「ヤバイで! クラウザーの魂の反応が薄なってもとる」
「それにこんな壁ごしじゃ、クラウザーに近づけないよ〜」
慈郎が情けない声で言うと、跡部がその牢に、宇宙人が持っていたガンを撃ってみた。

しかし、牢はまったく破れなかった。
「こいつでもダメとなりゃ、どっかに操作パネルが有るはずだが・・・あれか」
彼はそのパネルを操作しようとするが、何が何やらちんぷんかんぷんだった。

その時、
「ドーン!」
という爆発音と共に、誰かが現れた。
顔はヘルメットで見えず、どう見ても、人間に近いが、跡部はすぐに分かった。
「お前は・・・」
すると、人造人間らしき男が銃を向けようとしたが、別の女性の声が聞こえた。
「待ってチーフ。彼らは、私達と同じ人間よ・・・どうやら、彼等は敵じゃないみたいね。艦長もこの牢にいるわ」
と、その人造人間は、跡部の隣に立つと、パネルを操作し、牢を開けた。
「クラウザーさん!」
鳳が急いで彼に駆け寄ると、彼はもう半透明で、いつ消えてもおかしくない状態だった。
「消えちゃだめだ! 風よ。この物の魂をわが魂に繋げ!」
彼は、自分の魂に、クラウザーの魂を繋ぐが、それでも目覚めない。
「お願いです。目を開けてください!クラウザーさん!!」
その必死の様子を見て、跡部と侑士も、自分の魂の一部をクラウザーに与えた。
3つの魂が一つになって、彼の元に集まり、それが光り輝くと、ようやくクラウザーは目を開けた。
「クラウザー聞こえるか?」
「Atobe」
「立てるか?」
「No. The center of the soul was taken(いいえ。魂の中枢を、持って行かれました)」
「中枢をやられたのか」
「それでまだクラウザーでおれるのが奇跡に近いで」
そんな話をしている所へ、彼等がやって来た。
「やはり、奴らは魂の中枢から、何かを作りだそうとしているのか、果ては、何かをしようとしていたのかはさだかではないが、私もここにただ囚われていたわけではない。奴ら、このリング状の星を、イリガルアと呼んでいた」
「イリガルア?」
「あの、あなた方は一体?」
「どうやら、彼らの仲間というわけではなさそうだな」
その艦長の質問に、先ほどの人造人間が口を開いた。
「はい。どうやら、我々とは違う目的で、ここに来たようです」
「自己紹介が遅れたな。私は、地球連合の第365部隊の艦長。エルスソン・ラビーニャだ」
「同じく、ラスプタン。お前達の世界で言う人造人間のチーフだ。」
「そして、私は、AIのカルタスよ。よろしくね。もっとも今は姿を見せる事ができなくて、残念だけど」
「跡部景吾だ」
「忍足侑士や」
「鳳長太郎です」
「芥川慈郎だC〜」
「真田弦一郎だ。こいつは、相棒のクオー」
「クオー!」
「私はラティエル」
「菊丸英二だよ」
「越前リョーマ」
「そんで、そこにおるんは、リリアデント・クラウザーや」
「なるほど。今回は、君たちの仲間狙われたわけだな」
「仲間っつうか、ちょっと前までは、同じコートだった」
「コート?」
「ああ、俺ら、こっちが本業でな」
と、侑士がテニスラケットを取り出した。
「皆、テニスプレーヤーなのか」
「ちゅうても、中学生やけどな」
「みんな、この世界の人じゃないのね」
「ああ。誰かが俺らの世界と、この世界をくっつけてまいよったんや。それで、魂が抜かれるのを見て、あわてて後追ったらここについてしもたゆうわけや」
「なるほど。つまりは、我々とは、別の目的で、ここに来たのだな」
「そういうこっちゃ」

一通り話が済むと、カルタスが話を進める。
「ちなみに、彼らクランデアは、この場所を、何か宗教的意味を持っているみたいで、調べているわ」
「まずいな。もし、この星が奴等の手に渡れば、彼らは間違いなく、人類滅亡に使うだろう。チーフ、カルタス。新しいミッションを与える。何としてもクランデアより先にイリガルアの謎を暴け。そしてもう1つ。彼の魂を持って行ったという事は、何かよからぬ事を企んでいるに違いない」
「そっちのミッションは俺等でやらせてもらうぜ。俺達は、こいつの魂を追ってここへ来た。今は俺と忍足、鳳の3人の魂で支えちゃいるが、どこまで持つかわからねえ状態だ。一刻も早く、こいつの本当の魂を戻してやらねえと、現実世界のこいつが本当に死んじまう」
「ならば、こちらから兵を貸そう。いくら君たちが不思議な力を持っているとは言っても、まだ幼い君たちの手を血で汚させるわけにはいかない。全員武器を取れ!まずはここから脱出する」
「ハッ!」
「フッ。俺達の力見て、腰抜かすんじゃねえぜ」
「ちょちょっと、跡部さん」
「スマンな。うちの部長、こんな性格で」
「ど〜いう意味だ?忍足」
「さあな。とにかく行くで」

こうして、皆はまず、この宇宙船からの脱出する事になった。

だが、迷路のようなこの宇宙船を、よく把握してない跡部達ではあったが、彼らの持つパワーは、十分チーフ達の助けになった。
ラティエルの床を突起させて盾にしたり、逆にへこませて、落とし穴にしたり。
そして、菊丸の直線状の電撃攻撃。
跡部の氷、忍足の水やカードを使った攻撃。
鳳の風を使った兵士の拘束。
等々。
考えもつかないような攻撃に、皆は茫然とするしかなかった。

だが、戦略は向こうのほうが上だった。
前から来ると見せかけて、後ろから急に襲ってきた時は、チーフ達が援護してくれなければ、危ないところだった。
「戦略は向こうが上か」
「そりゃあなたたちより、修羅場をくぐってるからね。私達は」
「それはどうも!」
と、跡部が投げたグレネードは、見事扉が開いた瞬間の敵を一掃した。

そして、広い場所に出たところで、ちょうど宇宙船がこちらにきた。
「あれを奪うぞ!」
中から出てきたのは、ハンターと呼ばれるグランデアで、青く背中の突起が目立ち、かなり凶暴で、手ごわそうな相手だった。
「相当凶暴そうだな。カルタス。ありゃなんだ?」
「あれはハンターよ。グランデア族の中では、かなり凶暴ね」
その発言に、鳳が口をはさんだ。
「族という事は、グランデアは一つじゃないという事ですか?」
「そうね。現在確認されている固体だけでも、5種類がいるわ」
「5種類もですか?」
「ええ。けど、1つ1つに名称つけるのが面倒になって、みんな、グランデアと呼ぶようになったの。一番わかりやすい奴が、あの
大柄なハンターってところね」
「なるほど〜」
「俺達を御所望のようだな」
「またあれやるんかいな」
「一回やっとかなきゃ、気が済まねえんだよ」
と、彼はハンターの前に飛び出し、2体がそちらを向くと、パチンと音を出し、その隙に鳳達は、走って宇宙船の中に入った。
「跡部!」
「んじゃいくぜ〜!」
ハンターが何事かとひるんだ。その跡部の周りの温度が急激に下がり始めたのだ。

そして、
「アブソリュート!」
と、最大パワーで放たれた技は、見事ハンターを真っ白な結晶に変え、その隙に跡部も宇宙船に乗りこんだ。

こうして、跡部達は、宇宙船から、外に出る事に成功した。

一方、クラウザーの魂を奪ったグランデア、エリート族は、その魂をある場所へ運んでいた。

その場所では、奇妙な台座に座ったグランデアがおり、巨大生物の標本のような物が用意され、クラウザーの魂をそこにセットする。

すると、先ほどまで白い標本だった生物が動き出した。

グランデア達は、魂の制御をし、見事それに成功した。
台座に座っていたグランデアは、制御などを行っていたグラント族をほめたたえ、成功した事を喜んだ。

だが、それを感知したかの様に、突然クラウザーの体がブルブル震え始め、それが止まらない。
「クラウザーさん。どうしたんですか?」
先に見ていて菊丸も首をかしげる。
「分からない。突然ブルブル震えだして・・・魂だけのはずなのに、なんで?」
「こりゃグランデアのやろうどもが、こいつの魂を何かに使いやがったな」
「それがクラウザーにきとるっちゅうわけか」
「そういう事だ」
「しゃべっているところ申し訳ないが、そろそろ着くぞ」

地球軍の船に乗り換えた跡部達は、ある場所に向かっていた。

それは、ある南の島のようだった。
「まるで南の島のようですね〜」
「暴れがいがあるで」
「まず、この島での目的は、グランデアの探している、コントロールセンターを見つけ、あなた達は、クラウザーさんの魂が保管されているであろう場所を特定する事ね」
「そんな事できるの?」
「大丈夫。この島のどこかに、マップルームという場所があるの。そこに行けば、このイリガルアの全てが分かるわ」
「既にこちらに気付いたグランデア達が砲撃してきた。
「行け!行け!」
「タッチダウン!機動部隊前進せよ」
跡部達も船を降り、後に続く。
「風よ。邪なる者を吹き飛ばせ!」
鳳の言葉だけで、風はまるで竜巻の様になり、グランデア族を吹き飛ばす。
「次は私よ。大地よ。邪なる者を飲み込め!」
ラティエルの一言で、大地に穴が開き、そこに敵が吸い込まれて行く。
「次は俺やな。海よ、わが声に答えよ。我が行く手を阻みし物を、汝が力で押し流せ!」
この強烈な力には、地球軍ですら、唖然となるが、行く手を阻まない物は、ほとんど無事だった。
「す、すげえ!俺達の力、要らないんじゃないのか?」
「そんなわけないでしょ?彼等の目的は、友達を助ける事、その為に力を使ってくれている事を忘れないで」
「へいへい。分かってますよ。ってあれ?誰か車呼んだか?」
船から降ろされたのは、一台の軍用車両だった。運転席にチーフが座り、助手席に1人、そして、銃座に1人立ち、鳳達は歩を進めると、マップルームがあるらしい建物が見えて来た。
「ここよ。この地下にマップルームがあるわ」
ところが、そこへ行こうとした矢先、グランデアに先回りされて、扉をロックされてしまった。

しかも、これにはどの技も通用しなかった。
「チイ! どうする?」
「待って。グランデアがロックできたということは、解除する手立てがあるはずよ」
「上からなら、俺に任せて!」
と、慈郎は翼を広げて空を飛び、そこを狙おうとする奴らを、鳳達が押さえた。

そして、クラウザーを背負っていた弦一郎が、彼をリョーマに任せて、ついにクオーを出した。
「真田さん。何する気ッスか?」
「侵略する事火のごとく!」
「クオー!」
突然クオーから発せられた巨大な炎によって、さすがのグランデア達も逃げ出した。
「あ、ねえ、あっちの崖の所に、なんか建物があるよ。もしかして、あれじゃない?」
「具体的な位置を知りたいわ。悪いけど、そこまで案内できる?」
カルタスの言葉に、慈郎はうなづいた。
「こっちこっち」
軍用車両では入れず、残りの兵士も、慈郎が狙われないように、敵を潰していく。

そして、山の中腹に、明らかに人工的な場所があった。
「ここね」
「たぶんそうじゃないかと思うだけど」
「いや、慈郎の勘は、はずれちゃいないようだぜ。中にグランデアがごろごろいやがる」
「行くぞ」
チーフが中に入ると、弦一郎はクオーを片づけると、再びクラウザーを背負った。
中は暗く、ほとんど何も見えない。

チーフが自分に搭載されているライトを点けると、リョーマは手元から、火の玉を出した。
「スマンナ」
「ほんとはこれ、ランプに入れてた方が、楽なんだけどね。ま、今は敵だらけで、投げちゃえば、十分武器になるけど・・・」
と、言い終わらないうちに、ハンターが2匹出てきた。
「こいつらって、2匹で行動するの?」
「さあな。奴らに関しては、まだ俺達もよく知らないんだ」
「ヘエ〜」
ハンターはこちらに気づいて、攻撃してきた。
「隠れて!」
みんなが柱の陰に隠れるが、既にハンターにはお見通しで、こちらへ向かってくる。
「きたきた。んじゃ、遠慮なく!」
と、リョーマは炎を最大パワーで打った。
2球打ちなど、簡単な彼にとっては、こんなの朝飯前だ。
火だるまになりながらも、なおも近づいてくるそいつらに、
「2球ばかりじゃ、簡単には終わらないね!」
と、今度は一気に10球打ちを当て、見事ハンターを倒した。
「10球も一気に打つなんて、あなた相当やるわね」
「ここまで来るのに、ちょっと時間が掛かっちゃったけどね」
「あ〜俺だけまだ技だせねえC〜」
「あら?あなただけ技を使えないの?」
「いや、そうじゃないんだけど、ここは、ある意味クラウザーの中だから、あまり派手な技は使えないんだ」
「そういう割には、さっきの火炎放射も、かなり派手だったぜ」
「いや、真田や越前の場合は、自分自身で技出せるからいいけれど、俺のは、天の力なんだ」
「天ということは、大気中の全てを操れるのね」
「うん。だから、そんな大技しか出せないないから、今、小さな技を出す練習中なんだよ」
そんな話をしている間に、制御盤の前に来ていた。

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