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テニプリファンタジー小説コミュの(第48章)(後篇)(テニプリファンタジー)「ナイトメア」

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それを見て、皆は意味がわかり、ズッコケタ
「ちょ、チョタ君?・・・それってひょっとしなくても〜」
「ニャ〜」
と、巫女は鳳にすり寄る。
「お前、俺様に協力しなくても鳳ならOKってのか?あ〜ん!?」
「ニャ!」
「ちょ、ちょっと、喧嘩は止めてくださいよ!今は一刻も早く、あの魔女を捕まえないといけないんでしょ?」
「・・・・・・・・」
喧嘩を止め、再び巫女は目を光らせ、魔女の魔力を探った。
魔女が術をまだ発しているならば、痕跡が見えるはずだと考えた彼女は、僅かな力でも、それを察知できる能力だけは残っていた。
「見つけた!」
「よし、案内しろ」
「こっち」

彼等がそちらへ行ってみると、そこには、集まった皆の生気で、何かをしようとしている少女がいた。
「気付かれたみたいですよ。」
「私だって、魔女の後継者!ちゃんとやるもん!まずは、取ってきた皆の生気を使って、これを!」
と、少女が出したのは、ドラゴンだった。

だが、少し小さく、クオーの半分くらいしかない。
「あんなので対抗できるんですか?」
「私だって魔法は使える。行け!」

ドラゴンは飛び立つと、跡部達の前に降り立ち、炎を吐いてきた。
「うわっと!」
「フン。敵さんの挨拶ってわけか」
「それなら俺が相手になろう。クオー!」
「クオー!」
「奴にお前の力を見せてやれ!」
「ク〜オ〜」
凄まじい火炎放射で、ドラゴンはひとたまりもなく、一撃でやられてしまった。
「いいぞクオー」
「クオー!」
「あら、知らない間にこんなにおっきくなってたのね。この子」
「真田さんが、育てたドラゴンですからね〜」
と、鳳がいうと、クオーがすり寄ってきた。
「ハハ、くすぐったいよ」
「おしゃべりはその辺にしな。もうひとつきたぜ!」
皆がそちらを見ると、今度は蝙蝠の大群が襲いかかってきた。
「・・・俺だって、昔の俺じゃない。今、皆を守れる力を持ってる。お前たちなんて、怖くない!」
菊丸はそういうと、体全体を放電させ、蝙蝠を一匹残らず痺れさせ、これで終わったかのように見えたが、今度はその、倍の量が襲って

くる。
「うわ、また出た!」
「フン!馬鹿の一つ覚えみたいに。アブソリュート!」
跡部の放った技は蝙蝠を一匹残らず凍らせ、地面に落ちると、皆はその凍った蝙蝠を踏みつけた。
バリバリと割れた蝙蝠は、もう動かなくなり、だたの煙となって、どこかへと消えていった。
「さて、ここまで歩いてきたんだ。今度はこっちから行くぞ」
「こっちから、攻撃するって事ですね」
「その通りだ」
と、皆は空を飛び、直接魔女の気配のする方へ飛んだ

一方魔女の方は、大きな魔法陣を作り、そこを跡部達が来るのを待っていた。
「これが私の今ある高等魔術よ!」
「というか、ほとんどまやかしに近いですが、まあ。彼らを捕まえるのには、確かに一番いい技でもありますね」
「でしょでしょ?さあ、早く来なさい!」
その少女は、跡部達が空から来ると予測して、今か今かと待ち続けた。

すると、途中で跡部がインサイトで、この先に何かいるのを察知し、攻める向きを変えた。
「あの、どうして、遠回りを?」
「あの先にいってりゃ、奴の思惑通りになっちまう。それだけは避けたいからな」
「ほな、なにかおったっちゅうわけか」
「ああ。しかもかなりでかいのがな」
「スッゲー!ねえねえ、どこで気付いたの?」
「仕掛けた奴のあ棚が、わずかに見えていた」
「え?ああ、そういえば、なんかペシャンコの三角形の様な物が見えていたような・・・」
「クオーも警戒していた。少々大回りになるが、まさか後ろから来るとは、考えてなさそうだぜ」
「そういえば、巫女さん言ってましたよね。この先に魔女がいるって」
「ええ。でも、それほど強くはないわ。まだまだ修行中の未熟な魔女ね」
「チョイ待ち! ひょっとして、俺を襲ったのも」
「ええ。あの魔女が召喚した物みたいね。あの時は、キャットタワーにいて、流されずにすんだけど」
「・・・・こりゃ、ちーとおしおきしとかなあかんみたいやな」
跡部はインサイトで、魔女の出方をうかがっていた。
「う〜んなかなか来ないな〜」
「おおかた、出方を先読みされたんじゃないんですか?」
「じゃ、じゃあ。他の場所から・・・」
「フォレスト!」
「スパイダー!」
「キャア!」
いきなり襲ってきたフォレストとスパイダーに、彼女はなすすべもなく捕まってしまった。
「ちょ、ちょっと何よこれ〜!」
「やっぱりいやがったったか〜」
「君だったんですね」
「普通、こういう時に召喚するんわ、低いもんちゅうのがセオリーやろ。あんなクラーケンなんか出したって、水もないのに意味なさへん

やないかい」
「な、なによ。いきなり!私蜘蛛が大嫌いなのに、いきなりそんなので攻撃してくるなんて!」
「そらこっちのセリフや、いきなり俺にスライム植え付けよって、大変やったんやで!」
「わ、私は、ただ、精霊の力が、どんなのか試したくて・・・」
「それで忍足にスライムを植え付け、それがかなわなくなって回収したっちゅう事か」
「で、どうする?俺達と一戦交えるか?精霊の力が見たいんだろう?」
「それか、どうせなら、テニスで決着付ける?アンタもできんだろ?」
「ま、まあちょっとだけなら」
「あ、そういえば、あなたの名前、私達聞いてない」
「あ、あの、私、魔女で、魔導師見習いのデシエル。こっちは黒猫のチルハル」
「魔導師見習いって事は、将来は魔導師か?あ〜ん?」
「な、なによ。いいでしょ!?別に!」
「悪くはないかもしれへんけど、人を襲うんはちょっとな〜」
「う・・・そ、それは・・・」
「ハア〜だから言ったでしょ?貴方は魔女の後継者だと」
「そ、そうよね。こんなところで負けていられないわ。私は、魔女の後継者よ魔法なら負けない!」
デシエルはそう言うと、魔法でフォレストとスパイダーを外した。
「ほ〜。俺とやろうというわけか?あ〜ん?」
「そうよ。私は魔女の後継者。皆私を怖がるけど、私が一人前の魔導師になれば、皆戻ってきてくれる。その為なら、私はなんだって

できる!」
「なら、テニスで勝負しない?」
「か、構わないわよ」
「じゃーさ。俺とやってよ」
「え?俺じゃなくて、芥川さんと?」
「当然でしょ?今回の事件の発端、元を正せば、俺の眠り癖のせいなんだから」
「・・・・いいだろう?慈郎も俺達と同じコートだ。その腕は認めてやろう」
「跡部」
「無様な試合は許されねえ」
「うん!」

こうして、「デシエルVS慈郎」の試合が始まった。
だが、彼女も強い、一発のサーブがかなり重かった。

それでも、慈郎もその様子を見て、ワクワクしてきた。
「すっげ〜見た見た?今の。かーやっぱりデシエルちゃんスッゲー!俺もうワックワクだ〜!」
「へ、変な事言わないで、よ!」
デシエルは必死に戦うが、ワクワクが止まらず、なおかつ眠りが来ない慈郎にとってはもっともうれしい戦いだった。

これを見た跡部達は、改めて、慈郎の力を見た。

ムラっ気がある慈郎だが、一度ワクワクすると、その力は最大限に引き出される。
「たしか、シャッフルマッチの時、慈郎、ほとんど相手にかすらせもせえへんかったんやろ?」
「ああ。まさか、ここまで登ってくるとは思わなくてな。同じコートにいるのが不思議なくらいだったぜ」
「せやな。実力は認めたるわ」
「やっぱり、芥川先輩が楽しいと、こっちまで、楽しい気分になりますね」
「あいつほんとに強くなったな〜」
「だが、我々2番コートまで上がって来られるかな?」
「ま、それはあいつ次第だろう」
「ま、俺には及ばないけど・・・ね」
「いちいち突っ込むな」
と、リョーマの頭に、跡部の肘鉄が落ちた。
「痛って〜なにも肘鉄する事ないじゃん」
「てめえがいきがってるからだよ」
「・・・・・」

そうこうしているうちに、デシエルと慈郎の試合は、6−1で終わってしまった。
「嘘! なんで?」
「なんでって、俺達テニスしに合宿してたんだよ。なんで、生気吸い取った選手の技使わなかったの?」
「そ、それは・・・」
「それはつまり、彼女が未熟で使えないからです」
「ち、チルハル、何言い出すのよ!」
「事実です」
「こうなったら、魔法で勝負よ。えい!」
彼女が強烈な火竜を呼び出すと、あたり一面が真っ赤に染まり、森に火が燃え広がりだした。
「アカン。このままやったら、森が燃えてまう」
「どう?これが私の魔法よ!いっけー!!」
「グオオオオオ!!」
火竜は吠え、こちらに向かってくるが、発せられた熱エネルギーは、森を燃やしていく。
「忍足!お前は消火に専念しろ、こいつらは俺が相手をする!」
「わかった!」
侑士が離れようとすると、火竜はそちらに、凄まじい火球をぶつけた。
「うわ!」
「忍足!」
跡部が呼ぶと、ペンダントが反応し、バリアが張られて助かっていた。
「まさか、こないな力まであったとはな」
「ンも〜何よ何よ!こうなったら、皆燃えちゃえ〜!!」
と、彼女の怒りというより、ヒステリーは火竜に力を与え、どんどん進撃してくる。
そして、そのたびに、森の燃え方も勢いを増し、燃え上がる。

流石の侑士も息を切らしながら、消火活動に当たるが、火は一向に勢いを衰えない。
「こうなったら!」
と、慈郎が突然急上昇し、かなりの高度で止まると、ある呪文を唱えた。
「空より、水の子を降らせし雲よ。今こそ汝の力を我に与えよ。我れ、今こそ汝の力を必要とするものなり、水の子を下ろし、森の火を消

せ!」
彼の呪文で、魔法陣が出来上がり、雨雲がすごい数になると、森に凄まじい量の水を降らせ、あっという間に火を消し去った。
「これが、天の力」
「まさか、ここまでやるとは。少々、甘く見ていたようですね」
「どうするの? いくらなんでも、火竜をここまで弱められたら、私、戦えないよ!」
と、そこへ、破界の巫女が近付いてきた。
「貴方の命を、彼等は欲しないわ。彼等はただ、皆から奪った生気を返してほしいだけ。だから、生気を元に戻せば、貴方は助かるわ


「ホント?」
「本当だよ。俺達、別にアンタには、用ないもん」
「貴様が悪事をこれ以上侵さぬというならば、我々は手を引こう。ただし、今後そのつもりなら、我々は全力でお前を潰す事になる」
「・・・・」
困っているデシエルに、皆がジリジリと詰め寄る。
「やれやれ」
と、チルハルは、デシエルの前に出て、煙幕を張った。
「何!?」
「今です」
「う、うん。チルハル」
彼女はその隙に、ホウキに乗って逃げだした。
煙幕が晴れると、彼女達の姿はなく、代わりに残った物は、彼女が落としたらしいペンダントだった。よく見ると、それは落としたはずみ

で開き、中には、デシエルとチルハルと、男の子が一人写っていた。
「妙なもん落として行きおったな〜」
「それ、返してあげた方がよくない?」
菊丸がそういうと、跡部は、
「だが、俺達の前に、今後姿を現すかどうかわからねえぜ。今回の事で、向こうは完全に警戒しちまったしな」
と言い、彼女が残して行ったビンを見た。
そこには、白い煙の様な物が、たくさん詰まっている。
「こいつが、奪われた生気達か」
と、跡部はその蓋をあけると、生気は一斉に飛び出し、元の体に戻っていく。
「慈郎。天気を元に戻せ」
「あ、うん」
慈郎が杖を振ると、さっきまでふっていた雨が嘘のように静まり、雲も徐々になくなり、完全に晴れた。
「これで、もう・・・あ、あれ・・・・」
と、彼はフラフラとなり、体に力が入らない。
「お、おい、芥川、芥川!」
ブン太の必死の呼びかけもむなしく、慈郎はその場で倒れてしまった。
「・・・大丈夫だ。ただ、寝ちまっただけだ」
「たく、脅かしやがって!こっちは本気で心配したんだぞ」
「あれだけ大規模な技を使ったんだ。こうなるのも無理はない。クオー。悪いが、こいつを連れて飛んでくれないか?」
「クー!」
クオーがすこししゃがむと、弦一郎は、慈郎を乗せ、それを確認したクオーは、ゆっくりと飛び、彼を合宿所まで運んだ。
「さて、俺達も、戻るとするか」
「ですね。あれ?越前君、何怒ってるの?」
「別に怒ってないッス!」
「フッ今回出番がなかったから、ふてくされてるんだろう?」
「ふてくされてないし、アンタだって、出番なかったじゃん」
「もっと言うと、俺とラティエルもだけどね」
「ま〜今回は、しゃーないやろ。慈郎の睡魔が起こした事件やからな・・・」
と、少々しんどそうな表情の侑士が森から出てきた。
「忍足先輩。大丈夫ですか?」
「ちょっと・・・しんどい・・・わ・・・」
と、彼はそのまま倒れて動かなくなった。
「丸井!」
「へいへいっと」
ブン太の回復魔法で、侑士はみるみる元気になっていく。
それがはっきりとわかると、鳳も嬉しそうにその表情を見ていた。
「ハ〜。やっぱり、丸井のその回復は効くな〜」
「そりゃどうも」
「おら、俺達も帰るぞ」
「ほーい」

こうして、皆の生気は元に戻り、皆が動けるようになると、ようやく練習が再開されたが、今日は、練習が半分で終わってしまった。

なお、この時慈郎は、医務室のベッドでぐっすりと眠っていた。

一方その頃、デシエルは、ようやくペンダントがない事に気付いたが、時既に遅く、落した場所を調べたが見つからず、彼女は困って

いた。
「どうしよ〜あれ、私の唯一の思い出なのに・・・」
「なら、私が、あの合宿所とやらに、もぐりこんで、探してきてあげましょうか?」
「ホント?」
「ええ。ただ、彼らが持っていない事を願えばですがね。おそらく、あのペンダントは彼等の手の中。一応攻撃しなければ、何もしない

と言っていましたからね。
「・・・・・」
「どうします?」
「お願い」
「解りました」
と、チルハルは、合宿所の中へ入って行った。

果たして、彼女の残したペンダントはあるのだろうか?

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