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テニプリファンタジー小説コミュの(第43章)(後篇)(テニプリファンタジー)「研究所の秘密とらティエルの過去

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部屋に戻ると、ラティエルは、苦しみ疲れたのか、ほとんど気絶に近い感じで眠っていた。
菊丸は彼女としっかり手を握り、いやな夢が来ないようにしていた。
「菊丸先輩」
「あ、おチビ。どうだった?」
「やっぱ、この子の夢から、場所を特定するしかムリみたいです」
「研究所の夢を見ている今なら、こいつの中に入り、場所を特定できる。お前は、外から彼女に呼びかけてやってくれ。あのジジイが、取り返しに来るかもしれねえからな」
「わかった」
「リース。お願いします」
「はい!」
「リースは、ラティエルの中に入り、夢の現状を調べると、やはり、研究所時代の頃の夢を見ていた。
「今なら行けます!」
と、リースは素早く陣を形成した。
「よし、行くぞ!」
皆が中に入ると、ラティエルは苦しむ。
「ラティエル!」
「あ、あう・・・うわ・・・あ、ああ・・・あああはああ・・・ああ」
「大丈夫だよ。今皆が君を助けに行ったから、ほんのちょっと苦しいけど、我慢してて。大丈夫だよ。俺が付いてるから」
「ハア、ハア、ハア、ハア、ハア〜」
「俺は、君を外からしか助けてあげられない。ごめんね」
菊丸は申し訳なさそうに言いながら、ラティエルを毛布ごと抱いた。

その頃ログアーとルシアヌは、次の策を考えていた。

なんとそこは、廃止になっているはずの、セラー生物研究所から目と鼻の先にある墓地の一室を使い、人工精霊の研究を継続していた。
「フフフフフ。あれでラティエルを奪ったつもりか。きゃつらは分かっておらぬ。人工精霊は、ワシのしもべだという事ががな。
「ずいぶんと、あの小さな人工精霊に入れ込んでいるようだが、そんなに奴が欲しいのか?」
「あたりまえじゃ、奴の進化は想像以上に凄いんじゃぞ〜」
「だが、あなたの実験は失敗し、あそこもあの様になってしまったのではないのか?」
「ふん。強度がちと小さかっただけじゃ。ワシは奴を進化してやろうと思うとる」
「しかし彼女の体には、既に地の精霊の力が宿っている。あれがある限り、彼女を思うように操る事は不可能だぞ」
「地の精霊か。そんなもんは関係ないわい。問題は、どうやって奴を「取り戻すかじゃが・・・」

ログアーがそのような事を言っている頃、跡部達は、セラー生物研究所が稼働している時代に付いた。もっとも、そこはラティエルの夢の世界なのだが、かなりの人数がいて、ログアーも白衣をまとい、他にもさまざまな研究者達がいた。
彼らはまず、ラティエルを捜そうとしたが、意外と簡単に見つかった。
この頃の彼女は好奇心がいっぱいで、裸のまんまで走り回っている。
「こいつ、こん時から素っ裸やったんかいな」
と侑士が呆れ、鳳も赤くなってあっちを向いている。
「そ、そろそろ行きましょうか。ろ、ログアーを、探さないと・・・」
「せやな。てか鳳。大丈夫か?」
「な、なんとか」
「ほな、ぼちぼち行くで・・・」
「ちょ、ちょっと。このままの格好で行ったらさすがに不自然ですよ」
「せやな。ほな、これをつこてみるか」
「え?カードで?」
「我らを汝と同じ姿に変えよ。エルフ!」
侑士の呪文で、彼らはエルフに変身し、白衣を探す事にした
「白衣白衣っと・・・」
「ん?予備実験室。ここか」
侑士が中に入ってみると、中に白衣が何着か有った。
「これで自由に動けるC〜」
「こら慈郎、遊びに来たんとちゃうんやで」
「あ、そうだった。まずは、どこから調べる?丸井君」
「俺としては、爆発の元になった、実験室を調べたい。けど、今はそれより、ラティエルを優先した方がよさそうだな」
「でも、ここにいるラティエルちゃん。すっごく楽しそうだC〜」
「きっと。まだ実験が行われる前やったんやろうな」
「なのに、その実験が元で、彼女は今、死にかかってる。早く彼女の苦しみを取ってあげないと」
「というより、興味をそそられる物ばかりだな。教授」
「そうだな。エルフがこんなにいたとは、正直思わなかった。しかもごく身近に」
「我々の知らない所で、彼らは生きていたのだな・・・ん?実験室?」
乾がそのノブを少し押すと、簡単に開いた。
「不用心な。鍵をかけていないとは・・・」
と、そっと中をのぞく乾と柳が、見てみると、火、水、風、雷、土など、さまざまな物が置かれ、その真ん中には、今正に成長段階である、1人の人工精霊がいたが、形が菊丸に似ていた。
「これは、菊丸?」
「なるほど。やっこさんが夢に見たっていうんはこれの事かいな」
「そして、あのケースにある、雷の力を入れられ、人工精霊にされそうになったというわけか」
「菊丸のあの力は、ここが原因だったのか」
ひとまず、その実験室から離れると、ログアーが誰かと揉めているのが聞こえた。
「無茶です。あの子はまだ子供。そんなに急がなくても、私の方の精霊体は、成長を続けています。なのに、あの子を無理やり使うなんて」
「いや、ワシはあの子を最高傑作だと思うておる。何しろあの子にあるパワーは尋常ではないからの〜」
「私達のやっている研究は、人工精霊を作る事であり、それが目的だったはずです!今からでも、取り消してください。あの子には、心があります。ですが、まだ幼くて、どうなるか分からないんですよ!今からでも所長に進言して・・・」
「もう遅い。許可は下りておる」
「そんな。だったら、私の子を使って下さい。あの子は既に中学生くらいまで成長しています。あの子なら、実験に耐えられるだけの力があります!」
「あの雷の力を宿らせたという奴か? 果たして、ワシの思い通りに動くかどうかじゃがの」
その言いあいを聞いていた、跡部達も、なんだか腹が立ってきた。
「あのやろう。全ての人工精霊体を、自分の物だけにしようとしてやがったのか」
「跡部、どうする?」
「もう少し、待つしかないだろう?」
「あのラティエルの苦しみ方は尋常じゃなかったんだろ? 鳳」
「ええ。夢にしては変でした。だから、ここに来たのですが、いささか変ですね」
「たしかにな。おいリース。どうなっている」
「恐らく、彼女が実験を行われる前に出てしまったのでしょう。ですが、実験は、今日行われます」
「え?じゃあ、もう彼女は?」
「ええ。スタンバイ状態にあるはずです」
「止めないと!」
「マティーヌ。位置確認を」
「はい」
そして、位置が特定でき、皆がそこへ 向かう頃、館内放送が流れた。
「これより、N−4948の実験を開始する。総員直ちに持ち場に付け、繰り返す」
「どうやらおうてたみたいやな」
「急ごう、彼女の実験室は、この先だ」

そこには、椅子がセットされ、ラティエルがそこに足と手を繋がれ、逃げられないようにしていた。
そして、その近くには、心配そうに見つめる、2人の人工精霊。
「あれが、あの子の言っていた、お姉さん達か」
「それを実験で亡くしてしもうたんやな」

そして、実験がスタートした。
「うわ〜〜〜〜あ。ああ・・・・ううう・・・・いや〜!」
「レベルを上げい」
「で、ですが、人工精霊の能力が急激に上がっています。これ以上は」
「やかましい。未知の領域にたどり付こうとしているんじゃ、これくらいな数値、なんてことないわ!」
と、ログアーは全てのスイッチを、最大限にまで上げた。
「あああああああああ」
彼女の悲鳴に、イリーヌが動き、全ての機械を停止させようとした、まさにその時だった。
彼女の体が光り輝き、大爆発が起きた。その爆発は、他の場所にまでおよび、とうとう研究所の半分を破損させた。

衝撃で、椅子から投げ出されたラティエルは、気を失っていた。
「ラティエル!」
皆がラティエルの元に駆け寄ると、彼女は頭部から出血していた。
「血が出てるよ」
「恐らく爆発のショックでだろい。待ってな。今治してやっから」
「しっかりしてください。大丈夫ですか?」
鳳が、そばに倒れている人工精霊を抱き起こすと、もう虫の息だった。
「う・・・あ、あんた・・・は・・・」
「ラティエルさんの味方です」
「そう・・・・う、うう・・・」
「大丈夫ですか?」
「わ、私はもう、ダメ・・・だけど・・・一つだけ・・・・お願いが・・・ゲホ、ゲホ」
「もうしゃべらないでください」
「ラ、ティエル・・・あの子を、まも・・・って・・・・」
彼女はそれだけ言うと力尽きてしまった。

すると、彼女の内部から、何かが出てきた。白い、宝石な様な物だが、もう輝きはない。
「これが、この人のコア・・・約束します。あの子は、俺達が護ります!」
彼はそう彼女に誓い、開いていた穴に埋めてやり、そこに十字架を建てた。
「どうか、今度生まれて来る時は、人工的でなく、自然の中で生まれて下さい」
鳳はそう言うと、もう一人の倒れている人工精霊に向かうと、こちらは既に亡くなっていた。
しかも、もう、コアすら、ボロボロになり、手足が変な形で曲がっていた。
「この人も・・・一体どれだけ・・・」
鳳の心に、初めて怒りの感情が生まれた。
「ログアー!」
「な、何じゃお主は!」
と言うよりか先に、越前のツイストサーブが決まった。
「アタ!な、何をする?」
「何をするって、あんたを倒しにきたに決まってんじゃん。周りを見てみなよ!皆、あんたが強行した実験で、皆死んで、研究所もめちゃくちゃだよ。そんな奴、赦される思う?」
「だまれだまれ。ワシの研究は・・・」
「人工的に精霊を作りだす事。そのために、エルフを作り、無理やりその中に精霊を入れて、それで完成したと、本気で思ってんの?」
「フン。研究など、ここが無くてもできるわ。むしろワシの好き勝手出来る方が、よっぽど都合がよい・・・」
「わ!」
と、今度はクールドライブが飛んできた。
「越前。俺にもやらせろ」
「ふん。こざかしい。来いラティエル。さっきの力を、もう一度ワシに見せてみろ」
「い、イヤ・・・・もう、誰も・・・・ヒック・・・・失いたくない・・・・」
「フム。少々心が入りすぎたようじゃな。な〜に心配はいらんよ。お前の仲間等、このワシの手にかかれあすぐに・・・」
「ギャ!」
「早き事風のごとし」
「おんのれ貴様等、一体何者じゃ!ワシの研究をめちゃくちゃにしよって!!」
ログアーはジタバタしながら怒鳴りまくる。

だが、皆の頭には、彼への怒りしかなかった。

そして、跡部が打とうとしたその時、いきなり周りが白い空間に包まれた。
「え?何これ?」
「いけない!どうやら現実世界に異変が起こっています」
「なんだって?」
「ほな。この白いのは」
「恐らく、ラティエルさんの心に何か問題が起こったのでしょう!皆さんを地上に戻します」

そして、地上に帰ってみると、ラティエルがおらず、菊丸がその場で、血まみれで倒れていた。
「菊丸さん。どうしたんですか?この怪我」
「う・・・ラ、ラティエルが・・・ロ、グアーに・・・・」
「なんやて!?」
「取られちゃったって事・・・」
ブン太が治療をしてやると、幸い命には別条はなかったが、もう少し遅ければ、危ない所だった。
「さあ、話してくれい。一体何があったんだ?」
「皆が出かけて、暫くした後、また発作を起こして、薬を呑ませようとしたら、急に窓から光が入ってきて、ラティエルに当たるのを止めようとしたら、俺に突き刺さって。俺、ラティエルを守るのに必死でがんばったんだ、けど・・・ログアーが俺を殺されたくなかったら、ワシと一緒に来いって。俺は止めようとしたんだけど、ラティエルは、あなたに死んでほしくないって言って・・・俺、その後、気を失った。ホントにごめん」
菊丸が謝ると、跡部がある物を見つけた。
「ん? ラティエル、ただ、捕まったわけじゃなさそうだぜ」
「え?」
皆が跡部が見せた紙を見ると、そこには、研究所の所在地と、ログアーの居場所が書かれていた。
「フン。もったいぶりやがって、あの野郎。行くぞ!」
「オウ!」
「おい!って、また俺だけおいてけぼりかよ〜たく〜激ダサだぜ」

一方ログアー達は、大規模な実験の用意を進めていた。
「フフフ。よく帰ってきてくれたの〜ラティエル。お主は、人間ではなく人工精霊じゃ。従って、人間と共に暮らす事も、夢のまた夢!お主に合う生き方があるんじゃ!」
「誰かを傷つけたりせずに?」
「お主、相当人間に感化されとるの〜あれだけ大規模な力を持っておきながら、何を言うとる」
「私の力は・・・」
「人を傷つける為にあるんじゃない。でしょ?」
「何?」
「皆・・・」
「よくここだとわかったな」
「ログアー今度こそ、この子は返してもらうぜ!」
跡部がそういうと、ログアーは地団太を踏んだ。
「キイイイイイいつもいつも邪魔しよって!!やれ人形どもが」
「と、ログアーの声と共に、数十種類の人工精霊が飛び出してきた。
「もう、やめようよ。こんな闘い、意味がない」
鳳が呼びかけても、彼女達は攻撃してくる」
「鳳、今は奴らを止める方が先決や」
「・・・・・はい」
「本気で行くよ」
水の精霊の宿った人工精霊がリョーマを攻撃すると、菊丸が放電で応戦し、
逆に炎の精霊は、同じ炎同士の弦一郎に敗れた。
「侵略する事火のごとく」

そして、雷を飛ばしてきた精霊には、鳳が立ち向かい、彼女達の動きを止めた。
「誰も傷つけない。君たちは、ログアーに利用されてるだけなんだ。この子だって、もう、俺達の立派な仲間だ」
「鳳」
「お前」
そして、鳳の起こした風は、人工精霊達を、竜巻でどこかへ吹き飛ばした。
「これで、もう戦う必要はありません。ラティエルさんのコアを外して下さい。今のままでは、彼女は一生苦しみ続ける事になりかねない」
「鳳さん」
「イリーヌさんとの約束です。必ず、あなたを守ると。そう言って彼女はコアを出して死にました」
「コア?」
「フン。お前も結局金が目当てか?人工精霊のコアは高値で・・・」
「F・A・S」
「いっきなりなにをするかこの若造が」
「で、どうなんだ? 自由にするのかしないのか?」
「何を言うか、ラティエルは元々わが孫娘の生き写しなんじゃぞ」
「なんだと」
「ワシにもいたんじゃよ。かわいい孫娘が今のラティエルの様に。じゃが、難病を患い、わずか数年でこの世を去ってしまった。ワシが人工精霊に没頭したのは、もう一度孫娘に会いたかったからなんじゃ!」
「だったら!だったらどうすればいいかぐらい、あなたにだってわかっているはずだ。それを、あなだは未知の領域に達するとして、彼女を実験台にかけて、改造までした。今のあなたにそんな事を言う資格はない!」
「だ〜〜〜〜〜黙れ黙れ黙れ〜だま・・・」
なんと、ログアーの胸に剣が突き刺さった。
やったのは、ルシアヌだった。
「ログアー殿。お主は分かっていない。人工精霊の本当の使い道を。だから、私が、この子に教えてやる」
「やめろ!ラティエルちゃんに近づくな!」
菊丸が立ちはだかると、ルシアヌはこう言った。
「私は、人工精霊を、人間から作りだしたい。無から作る事も可能だか、人間から作るのと、どちらが簡単かな?」
その時、鳳が持っていた、イリーヌのコアが月明かりで光りを放ち、ラティエルの元にやって来た。
「イリーヌ姉様・・・私、人間になりたい。そして、この貰った大地の精霊の力で、たくさんの人を助けたい!お願い。力を貸して!」
すると、彼女のコアが輝き、ラティエルは、そのコアを呑みこんだ。すると、二つのコアが混ざりあい、一つの個となった。
「不思議・・・とても温かい。あの時、初めて抱かれた時と、同じ感じがする。イリーヌ姉さまに会えて、私、幸せだった。でも、もう私は人工精霊じゃなくて、本当の人間として、この大地の力を正しい事に使いたい。今の私には、菊丸や、鳳さん。それに、仲間がいる。もう一人じゃないよ。今まで、本当にありがとう」
その感謝の気持ちが合図となったのか、人工精霊だったラティエルの体は、徐々に、人間に戻っていく。そして、完全な人間になると、意識を失った。
「ラティエル!」
皆がラティエルの周りに集まり、彼女の様子を確認すると、彼女の脈はしっかりしていた。
「気絶してもうたみたいやな。さあ、帰ろう。もうここには、用はあらへん。あのルシアヌも、もう悪さはせえへんやろう。今の所は」
「でも、最後に言ってた、人間から作るのと、無から作るのとどちらが早いかっていう言葉、気にならない?」
「うんうんなるなる。あれって、誰かさらって精霊にしちゃうとか?」
「一応警戒しつつちゅう事やな」
「おら、帰るぞラティエルにはこいつを着せておけ」
「え?」
「俺様のバスローブだ。そのままだと風邪をひく」

そして、皆は研究所を後にした。

だが、彼等は気付いていなかった。地下でうごめく何かに・・・

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