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テニプリファンタジー小説コミュの(第43章)(前篇)(テニプリファンタジー)「研究所の秘密とらティエルの過去

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テニプリファンタジー

「研究所の秘密と、ラティエルの過去」

その夜、地の精霊と契約したばかりのラティエルは、昔の夢を見ていた。

自分が人工精霊として、初めて出てきた時の事を。
「おお〜ついに目覚めおったか」
「こ・・・こ・・・は?わ・・・た・・・し・・・は・・・だ・・・れ・・・」
すると、ログアーが言った。
「お主はラティエル。そして、今日からここが、お前の家じゃ」
「ラティエル・・・私の・・・家・・・」
「さあ、行きましょうラティエル。貴方も私達と同じなのだから」
「でも、ちょっと小さいわね〜大丈夫?」
「ふん。大丈夫に決まっておるわい。何しろこのラティエルは、ワシの最高傑作にするのじゃ。皆もそれに協力してくれよ〜」
「この子が?」
「私達の誰かじゃないの〜」
「やだ〜私、チビの協力なんて〜」
と、数人が離れていく。
ラティエルには、それが、どういう事か分からなかった。
生まれたばかりで心が付いていない彼女には、理解してくれる人間・・・いや、人工精霊はいなかった。
そこで、ログアーは、急きょ、完成間近の人工精霊に、ラティエルを育てる様にプログラミングした。

そして、ようやく生まれた人工精霊は大人だが、彼女はまた拒絶されると思い、下を向くと、その人工精霊は、頭を撫でた。
「!」
始めて触れられ、彼女はびっくりして顔を上げた。

その人工精霊達は優しく微笑み、彼女を抱いた。

その体はポカポカと暖かく、思わず眠ってしまい、その人工精霊によって、部屋に運ばれた。

そして、次は怖い体験だった。

人工精霊となる彼女に、ログアーは改造を施した。

その結果、凄まじい爆発が起き、気がついた時には、いつも一緒にいてくれた、人工精霊が倒れていた。
「! 私・・・私・・・・」
「イチチチ。何たるパワーじゃ!これこそ。ワシの求めていた物じゃ、よ〜し、次はこれをサンプルにして・・・
「やめて!」
「あん!」
「マルタ姉様、イリーヌ姉さま・・・お願い。目を開けて!!」
彼女の目から涙がこぼれる。
「どうしたというじゃ、そいつら何ぞ、ワシの力を使えば、どうって事はない。また作り直すだけじゃ!」
「どうして?」
「どうして?お主、わかっとらんのか? お主の力は想像以上の物じゃ、こいつらに報いてやる為にも、お前は強くあらなければならぬのじゃ」
「強く?」
「そ。強くじゃ。ちと人の心を入れ過ぎてしまったようじゃな?」
「人の心?」
「なあに心配はいらぬ。そんな物は、わしが消してやろう」
と、ログアーはラティエルに近づき、手を押しあてた。
「う!あああああああ!!!」
「うわあ!ハア、ハア、ハア、ウグ、ウ」
「ドク、ドク、ドク」
「あ、ああ・・・うう・・・」
彼女の異様な苦しみに菊丸が気付いた。
「!ラティエル!!」
「う・・・・うぐ・・・あ・・・・あああああ」
その声に、部屋の皆が目を覚まし、ブン太と鳳で癒してやる。
「あ・・・ああ・・・・」
「もう大丈夫だよ」
「何があったんですか?精霊の力を手に入れても、ここまで苦しむなんて」
「夢を見たの?」
「夢?」
「研究所の夢。私はそこで、力を入れられて、そのせいで、2人の姉様を、亡くしてしまったの」
「それで辛くて、発作を」
「辛かったんだね。君も。丸井。なんとかしてあげられないの?」
「悪夢を消す薬か。かざりでいいなら、あるけど・・・」
「けど・・・」
「ラティエルは、菊丸と違い、元々人間だったわけじゃねえ。こりゃ研究所その物を捜した方が早いだろうな」
「せめて、こいつの悪夢を消してやってクンねえか。このままじゃ、寝るに寝られないし」
「ごめんなさい。私のせいで。う・・・ヒック。・・・スン・・・ウウ・・・」
そんな泣いてる彼女に、菊丸は自分の方を向かせ、自分の体で彼女を包む。
「いいよ。泣いても。君は、どんなに人間になっても、人工精霊時代が辛くても、君にとっては、その2人は大事な、大好きな人だったんだろ?」
「英二・・・う・・・・うう・・・・英二〜〜〜〜」
泣いた。
彼女は、菊丸に、全てを預け、泣いた。その間に鳳とブン太と宍戸は、部屋をコッソリ抜け出した。
今は、2人っきりの空間の方がいい。念の為、発作を止める薬も用意してある。

それまで、3人は1軍である跡部の部屋に行き、今後の事を考えた。
「夢を見ただけで、そないな発作を」
「やはり、元が元だからな〜こればかりは」
「人工精霊で、元が人間の菊丸さんと、元が人工精霊で、人間になっラティエルさん。どちらも違いはありますが、今は立派な人間です。このまま放置というわけにはいきません。それに、あの妙な発作も気になります。どうして今になって・・・」
「コンコン」
「ん?」
「俺だ」
「柳か?」
「ああ。貞治も一緒だ。どうしても、お前たちと、ラティエルについて、話がしたいらしい。もっとも話したいのは、マティーヌの方だが」
「入れ」
「失礼する。お、皆一緒か」
「ああ。さっき、ラティエルが妙な発作を起こしてな」
「フム。実はさっき、それでマティーヌに調査を依頼した。
「あ〜ん?彼女、その腕輪からは出られねんだろ?どうやって調べた?」
「たしかに。彼女はこの腕輪から逃れる事は出来なくても、はめている間は、俺のエネルギーを媒介にして、移動する事は出来る」
「それって、乾さんの命も危ないんじゃ?」
「心配はいらない。彼女には、ヒーリング能力がある。減った分を回復させるだけなら可能だ」
「なんちゅうもんを。てか、どこで知りおうたんや?」
「聞きたいか?忍足」
「べ、別に聞く気はあれへんけど」
「事の発端は、ラティエルの爆発だよ。あれに興味をそそられてね。調べに行こうとしたら、大きな球が浮いていた。俺は何だろうと思い、それに触れると、マティーヌのいる箱庭に出た。彼女の願いは、この箱庭から出る事。その為に探究心の強い、俺を選んだというわけだ」
その答えに、皆が呆れた。

たしかに、別の意味では、乾の探究心というか、好奇心は凄まじいからだ。
「たしかに、貞治の探究心は凄まじい物がある。まあ、俺も人の事は言えぬがな」
「そうッスよね。乾先輩ときたら、練習中だってのに、レギュラー落ちした途端、変なドリンク作って飲ませようとするし。散々でしたよ。ホント」
「ウウン!話を戻そう。して、ラティエルについてはどういった答えだ?乾」
「彼女の体には、コアが存在する。それが、彼女を作り、人工精霊としてのパワーを引き出している。だが、迂闊にこれにダメージを与えると、彼女の命も危ない」
「て事は」
「ログアー本人を」
「見つけて倒すか、研究所の何らかの方法で、彼女を真の人間としてやるかのどちらかになる」
「・・・・・」
しばしの沈黙が流れ・・・
「俺、あいつを倒すよ!」
「!」
「越前!」
「俺、あの爺さん赦さないよ。菊丸先輩に酷い事して、果てはラティエルを、あんな風にして・・・俺」
「俺も同感です。命をあんな風に弄ぶなんて、赦される事じゃない!」
「たしかにな。何にしても、ラティエルをどうにかしてやらねえとな。いくら精霊になったと言っても、人工精霊の奴が抜けてねえんじゃ、うっかり力を使う事もできねえ」
この言葉に、弦一郎と、跡部が頷いた。
話は決まった。

だが、ここからが大変だ。ラティエルには、また辛い事を思い出させてしまうが、彼女の夢を通して、奴の元へ行き、そこから、場所を特定するしかない。
「話は決まりだ。あの女には、少々酷かもしれんが、あいつを完全に解放してやるには、それしかねえ」
「ですね。ラティエルさんには悪いですが、もう、それしか、俺達では、対処できません」
「うむ。行こう。彼女の夢へ」
「はい!」
「おう!」

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