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テニプリファンタジー小説コミュの(第35章)(後篇)(テニプリファンタジー)「クオーVSドラクー」

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そして、彼らがたどり着いた先には、大きな町があった。
「町がある」
「恐らくクオーはあの町のどこかに」
「いや、町じゃねえだろ。見てみろ、町の外に店と何かの檻がある。おそらく、会場はあのテントだ」
「ホンマ、目のいいやっちゃな〜」
「それじゃあ、クオーちゃんはあそこに?」
「間違いないだろうな。一旦精霊モードを解いた方がいいだろう」
「え?なんで?」
「わかんねえのか慈郎・・・あの会場にいるのは、恐らく魔導師やそれ関係の奴ばかりだろう。となりゃ、下手に精霊モードで行けば、
話がややこしくなるだけだ」
「人間で行っても、さして変わり無い様な気もしますけど・・・」
「そこでだ。ルシア。テントの中を探って来い」
「え?ワイがか?それ別にかまへんで。ほな、皆はちょっとここで待っといてな」
と、ルシアはそう言って、町に行ってみた。

結果は跡部の予想通り、全て、見た目は普通の人間達だった。

ただ違うのは、魔力を持っているかいないかだけだ。
「跡部ハンのゆうてた通りやな〜」
そして、テントの方に行ってみると、そこには様々なドラゴンが閉じ込められており、やはり、中にクオーがいた。
「おった。クオー。クオー」
「ク?」
クオーがあたりを見回すと、ルシアが姿を現した。
「クオー!」
「安心し、皆で助けたるさかい、もうちょい我慢しといてや」
「ク〜?」
「真田ハンは元気や、今侑士ハンのドラゴンで動けとる。それが外れたら、すぐ戻るんやで」
「クー!」
「ほなな」
「ク〜」
クオーは心配げにルシアが去った方を見上げた。
ルシアが戻ってくると、全ての現状を伝えた。
「やっぱりな」
「クオーが・・・こうしては」
「いや、今下手に動けばこちらが不利になる。
「ではどうしろと・・・」
「オークションが始まった時、俺達もあの中に入れれば、問題はねえが、そういかない場合は、裏から行くしかねえ」

そんな話をしているさなか、オークションが始まるのか、大きなテントの中に、人が入っていく。
跡部達は、それに乗じて入るつもりだが、チケットが手に入らなかった為、外から回る事にした。

だが、これを望んでいたのは、跡部達だけではなく、2〜3人が同じ様な事を考えている者がいた。
「あれ?裏側に誰かいますよ?」
「あの様子からすると、奴らも同じ事を考えてる様だな」
「なんで分かるんや」
「よく見てみろ、あいつらが持ってる物を」
「ここからじゃ、遠くてよく見えませんよ」
「とりあえず、皆にはおねんねしてもらうしかないようだな。越前。お前スリープのカードがあったな」
「あ、はい。これでしょ?」
「その力を発動させて、ここにいる奴ら全員を寝かせろ。その間にクオーを」
「了解!スリープ!」
カードから飛びだしたその粉は一気に裏側全体に広がり、警備の物と、様子をうかがっていた物の間をかけぬけ、全員眠らせた。
「よし、行こう!」
跡部を先頭に、皆が走ると、警備を紐で縛って動けないようにし、それから服を取って着替える。

その頃、鳳は様子をうかがっていた者達が気になり、そっと起こした。
「う、う〜ん・・・」
「起きられますか?」
「う・・・うわ〜!」
「し〜! 大丈夫。味方です。あの、もしかして、今回のオークションに、ドラゴンを?」
「俺達の家族だったんだ。ところが、ある日ジャスパーって奴が来て、無理やりバトルさせて連れて行かれたんだ。もちろん抵抗もした

。そしたらあいつはドラゴンを使って、家を燃やしたんだ! それで、途方にくれている俺達の耳に、この事を聞かされて」
「それで、取り戻しにきたんですね。どんな子か、分かりますか?」
「これが写真です」
一緒にいた、小さな女の子が写真を見せてくれた。クオーとは色違いで、青色をしていた。
「クオーにそっくりだ」
「その子、私やお兄ちゃんと仲が良くて、よく畑のみずやりとか色々手伝ってくれていたの」
「そうだったですか」
「あの、お兄ちゃん・・・」
「あ、ごめん。名前言うの忘れてたね。僕は鳳長太郎だよ。で、こっちの可愛いのがルシア」
「よろしゅうな〜」
「私はアルナ」
「俺はダニアだ」
「よろしく。それじゃあ行きましょう。君たちの友達を助けに」

そして、オークション会場にまんまと乗り込む事に成功した、跡部と侑士は、その時を待った。

順番にドラゴンが売られていき、ついにクオーの出番になった。
クオーは嫌がり、抵抗すると、棘の付いた首輪の電気ショックでおとなしくさせる。
そんな姿のクオーを見て、黙ってる弦一郎ではない。
「クオー!」
「ク、クオー!」
「いでよドラゴン!」
彼の言葉とともに、侑士から預かっていた、ドラゴンが姿を見せる。そして、クオーめがけて、思いっきり炎を浴びせた。

だが、クオーには全く怪我がなく、炎で元気になり、翼をはばたかせ、彼の元へ舞い降りた。
「クオー!」
「クウ〜」
「無事か。心配かけて、すまなかったな」
「ク〜」
「待っていろ後はこいつを」
と、彼が無理やり首輪をはずそうとするが、なかなか外れない」
「くそ〜こんな物で、うおお〜!」
「やっぱり来たね。真田君。来ると思ってたよ」
「よくも僕主催のオークションを台無しにしてくれたね!つけは大きいよ!」
「貴様の様な奴に、ドラゴンを扱う資格などない!」
「真田、そいつのカギや!」
「スマン忍足!」
鍵を受け取った弦一郎は、それでクオーを晴れて自由の身にしてやった。

一方、アルナとダニアのドラゴンも、鳳達が無事に救助された。
やはり、大半のドラゴンが、野生で捕えてきた物ではなく、ほとんどが人からジャスパーが奪い取った物だった。
放たれたドラゴン達は、全て、元の持ち主の匂いを覚えており、それぞれの人の元へと帰って行った。

そして、オークションをめちゃくちゃにされたジャスパーは怒り、ふたたび、クオーとドラクーのバトルが始まった。

だが、今度のクオーは、完全に弦一郎とシンクロ状態にあり、的確な判断で攻撃する事が出来た。

しかも、彼らの絆は深く、お互いを信頼し合っての見事な連携プレイだった。

この様子を見ていた跡部達は、
「フッ真田の奴、出来るようになったじゃねえか」
「ホンマ楽しそうにしとるわ」
「クオーちゃんすごいC〜!」
「彼等は、本当に信頼し合っていたんですね」
と言いながら、バトルを見ていた。

そして、ドラクーは、ジャスパーに教えた。

跡部達の存在を。
「フフン。なるほど。そういう事か」

すると、ドラクーは口いっぱいに炎を為、こともあろうに跡部達めがけて撃った。
「うわ〜!こっち来るC〜!」
「俺等に気づきよったな!」
侑士がバリアを張ると、
「クアー!」
という鳴き声とともに、凄まじい水が飛んできた。
「!」
皆がそちらを見ると、鳳と共に、アルナとダニアがいた。
「無事ですか?」
「鳳!ん?その2人は?」
「真田さんと同じで、ドラゴンを奪われていたんですよ」
「クーちゃん。やっちゃえー!」
アルナの声援を受け、クーは吠えた。
「クー!!」
「クオー!!」
2匹の咆哮がひびき、町の人々がそちらを見る。
「くそ〜調子に乗るな〜!!」
「グオオオオオ!!」
ドラクーが吠えるが、真田が背に乗った状態のクオーは、まったく動じなかった。
「お前のその戦いに、ドラクーは、本当に満足しているのか?」
「何?」
「ドラゴン使いとは、己とドラゴンが一体化して、初めて意味のなす物ではないのか?」
「人のやりい方に・・・・いちいちいちゃもん付けるな〜!!」
「グオオオー!!」
ドラクーが突っ込んでくるが、クオーはそれを簡単にかわし、上から口に集めた炎を思いっきり放った。

これまでになかった、クオーの戦闘力が、ドラクーを上回り、ついにバランスを崩す事に成功した。

バランスを崩された事で、上に乗っていたジャスパーも落ちそうになるが、すぐに体勢を整え、反撃しようとしたが、その時には、既にク

オーは後ろに回っていた。
「クオー!!」
「バックを!」
「撃てー!」
「クオー!!」

そして、決着がついた。

ドラクーは地面に落ち、ジャスパーも落ちようとしたが、途中で弦一郎に助けられた。
「ああ」
ジャスパーが顔を青ざめて下を見る。

なんと、このドラクーは生体ロボットだったのだ。
「あ〜ん?」
「これって」
「骨はドラゴンのモンつことるけど、これ、完全にロボットやんか」
「ドラゴンじゃなC〜」
「こりゃ相当高度な作りになってるな〜」
「じゃあ、ドラゴン使いっていうのは、嘘だったんですか?」
「そう言えば、ジャスパーの顔、どこかで見たような〜」
と、アルナとダニアがジャスパーの顔を見ると、思い出した。
「あ〜! お兄ちゃんもしかして、11年前の生体実験施設の事件の時の」
「生体実験施設?」
「なにそれ?」
「なんやこいつもわけありみたいやな」
「とにかく、クオーは返してもらおう。ん?どうした?」
弦一郎が呼びかけるが、ジャスパーは動かなかった。
すぐに脈を確認しようとしたが、脈すら確認できない。

しかも、体のあちこちがバチバチと音を立てている。
「まさかこいつも」
すぐさま後ろ髪をどけてみると、やはり、その痕跡があった。
「やはり、お前とドラクーは、別の意味で繋がっていたのか」
「う・・・・ぼ・・・くは・・・ど・・・ら・・・ご・・・」
「クオー。この者をドラクーの側へ」
「クー!」
弦一郎が、ジャスパーをドラクーに近づけてやるが、ドラクーは動かなかった。
「ドラクー・・・ぼ・・・く・・・を・・・き・・・み・・・と・・・ぼ・・・くは・・・はなれ・・・ち・・・や・・・」
「もういいしゃべるな!」
彼がそういうが、ジャスパーは必死で、何かを伝えようとしていた。

だが、彼の残り時間も後わずかだった。

それを悟った慈郎は、魔法陣を作り、ドラクーとジャスパーをそこに寝かせてやった。
「2つの魂に、どうか、安らぎがあらん事を」
天の姿になった慈郎がそう願うと、二人は光の粒子となり、天に昇っていった。
その力を使った慈郎は再び、眠ってしまった。
「まさか、こないな技まで使えたとはな〜」
「でも、反動が大きすぎたんだろうな。ぐっすり寝てやがる」
「とにかく目的は果たした。俺達は帰るぞ」
「そうですね。君達は?」
「私達は故郷に帰ります。皆さん、本当にありがとうございました!」
「クー!」
2人共元気でね。クーちゃんも」
「はい!」
「クー!」
「おい、鳳」
「あ、はい。それじゃあ」
「さようなら〜」
こうして、クオーと弦一郎は絆を深め、元の世界へ帰って来た。

そして、次の日
元気に指揮を取る弦一郎の姿に、2番コートの面々はほっとした。
一時は命すら危ぶまれたが、クオーがいる事で、彼も強くなっていった。

だが、一つだけ謎が残った。

11年前の生体実験施設事件。

一体ここで、何があったのだろうか?

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