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テニプリファンタジー小説コミュの(第35章)(前篇)(テニプリファンタジー)「クオーVSドラクー」

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テニプリファンタジー

「クオーVSドラクー」

それは、いつもの夜だった。

弦一郎は、橘達とのカードゲームに負けて、ジュースを買いに来ていた。

この時、クオーはいつも内部にいるのに、今日はなぜか外に出ていて、甘えてくる。
「クー」
「なんだ、お前も欲しいのか?」
「クー!」
クオーは物珍しそうに、自販機のジュースを見る。
そして、なにやら気になるのか、ドラゴンのイラストが入ったドリンクを欲しがる。
「なるほど。そういう事か。ま、よかろう」
と、真田はそれを買ってやり、クオーに飲ませた。
「クー!」
「満足したか?」
「クオークオー」
と、弦一郎はクオーを中に戻し、部屋に戻った。

だが、彼はこの時、気づいていなかった。

彼らを見る目の事に。
「ほら、買って来てやったぞ」
「すまんな」
「ラッキー!」
「次の勝負では、ワシに勝つ事だな」
「次こそは、俺が最初にあがってやる!」
「真田ってばすーぐ熱くなるんだから。そういう時こそ、ポーカーフェイスってのがいるんじゃないの?」
「余計なお世話だ!」
と、真田は一人布団にもぐり込んだ。
「あらら〜ふて寝しちゃった」
「俺達も寝るとするか。あ、もう9時過ぎてるな〜明日も早いから、今日はお開きにして、寝るとしよう」
「だね」

そして、皆が眠りに着いてしばらくしての事だった。
弦一郎は何かの気配に気づいて起きだした。
「なんだ? 何かがいる。この気配は・・・」
彼は気配の元をたどると、それは外に続いていた。
「外か・・・厄介だな・・・」
と困っていると、なぜかセキリュティーがオフになり、モニタールームの電源も一斉に落ちる。
「やはり・・・何かいる!」
彼が外に出ると、それはいきなり襲って来た。
「何!?」
それは、クオーと同じ色をしているが、明らかに大きく、鋭い目つきをし、こちらを見下ろすが、よくよく見ると、
月明かりに照らされ、誰かが乗っているのが分かった。
「何者だ! 先程の気配も貴様だな。降りてきたらどうだ!」
「相変わらずだな〜その口調。君ってば、全然分かってない。ドラゴン使い失格だよ?」
「何?」
「僕はね〜。君には興味がないんだよ。あるのは君の・・・いや、君の中にいるドラゴンに興味があるんだ」
「クオーを知っているのか?」
「へえ〜。クオーっていうのか。でも残念だな〜そのクオーは、僕の事警戒しているみたいだけど?」
「貴様!」
弦一郎が怒りをあらわにすると、クオーが姿を現し、明らかに警戒の姿勢を見せた。
「やれやれ、やっぱり、僕の事・・・というか、ドラクーを警戒しているみたいだね〜」
「グオ――――!!!!」
凄まじい咆哮と共に、凄まじい衝撃波が彼を襲うが、クオーは率先して前にでる。
「あらら。優しいね〜自分からご主人様を守ろうとするなんて」
「ごたくはいい。さっさと姿を見せぬか!」
「ああ、そっか。君、普通の人間だったんだ。ごめんごめん。ドラゴン持ってるから、てっきり、精霊か何かだと思ったよ」
これには弦一郎は、ぐうの音もでなかった。
なぜなら、精霊は越前の方で、クオーは試練として託された物だ。
自分はクオーを操る方法をまだ知らなかったのだ。

そして、屋根の上にいたドラゴンが下り、上にいた人物の姿があらわになる。
その姿は、肌色で、耳がとがっており、エメラルドグリーンの瞳を持ち、髪は緑色をしており、服装は、どこかの民族衣装なのか、
変わった服で、まるで植物で編んだ様な模様をした物で、靴はショートブーツに先っぽが少し上向きになっていた。

「それじゃあ、どちらが正しいか、勝負してみないかい」
「勝負だと?」
「そ。君のそのクオーでね」
「貴様、何を考えている」
「何を? 僕はただ君が知りたいだけだよ。そのクオーに興味あるっていったろ。そして、君の実力もどこまであるのか」
「その前に聞く。貴様、名を何と言う」
「僕はジャスパー。ドラゴン使いだよ。真田弦一郎君」
「! 俺の事を知っているのか」
「当然じゃない。君ってテニスが好きなんだけど、ドラゴン使いとしては、まだまだ未熟だね」
これには弦一郎も黙っていない。
「目上の物を呼び捨てにするとは何事か〜!!」
「クオー!!」
「来るよ。ドラクー!桁の違いを見せてやりな」
「グオー!!」

こうして二人の戦いは始まった。

だが、ここでも決定的な差があった。

元々クオーは、真田の精神で制御されている状態で、真田の言葉と行動に合わせて攻撃をする。

一方のドラクーの方は、レベルが数段上だった。

2頭は合宿所の上で激突していた。

だが、弦一郎は空を飛べない為、うまく指示が出来ない。
「くそ―!月明りが。クオーなんとか奴の上を飛べ」
「クー!!」
クオーはなんとか上を取ろうとするが、ドラクーには通用しない。

なぜならドラクーのスピードが速く、あっという間に追われてしまう。
「早き事、風の如し」
その言葉に、クオーもスピードが上がり、ついにドラクーの上を取った。
「動く事、雷帝の如し!」
クオーは全身を炎に光らせ、相手に突っ込む。

だが、相手の方は、一瞬でそれをかわし、クオーの上を取った。
「何!?」
「ここからだよ。ドラクー遊びは終わりだよ。このドラゴンには、もっと研究と教育が必要だ」
「グオ――――!!!!」
「知りがたき事影の如し」
弦一郎は、風林火陰山雷を武器に戦うが、バトル経験者は、向こうの方が上だった。
相手は一瞬にして、クオーの位置を迷うことなくあて、その首にかみつくと、そこに炎の牙を突きたてた。
「ク〜〜!」
「クオー!う!な、何だこの痛みは」
「気づいてなかったのかい。君がダメージを受けると、あのドラゴンにもダメージがいくよ?」
「クオーは負けん。あれは俺の精神の一部だ。うおおー!!」
彼が力を込めると、クオーの方も負けじと戦う。
ドラゴン同士の戦いは、互角と言っていいバトルをしていた。
「へえ〜やるじゃないか? じゃあ、こうしたらどうなる?」
と、ジャスバーは手から、銀色の杖を取り出す。

それは、上に3本の槍の様な物があり、その真中には、七色に光る球がついており、下にも赤い宝石がついていた。
「なんだ?それは」
「これはねえ。こうする物さ!」
と、いきなり槍から雷が発射され、弦一郎を襲う。
「ぐあ!」
「クー!クー!!」
弦一郎が襲われているのを見て、クオーは慌てて弦一郎の元へ向かった。

が、それを許すドラクーではなかった。

ここぞとばかりに相手を攻め、最後は尻尾の一撃で、クオーを地面に落下させた。
「クオー! お前、俺を庇おうとして」
「あ〜あ。自分の勝利より、ご主人の事を気にするなんて、ドラゴン使いは、それなりの能力と、強さも必要だよ。そうそう決着もついたし

、悪いけど、このドラゴンは貰って行くよ」
「クオーは・・・俺の・・・」
「だったら、外せばいい」
と、ジャスパーは、無理やり、弦一郎からクオーを引き離した。
「ぐあ!」
弦一郎はその場で倒れてしまい、クオーは近付いて、彼の顔なめるが、彼は目を覚まさなかった。
「さあ、行くよ」
と、いつのまにやら、クオーの首には、棘付きの首輪が付けられ、更に、鎖でクオーを引っ張ると。ジャスパーはいずこかへと消えてし

まった。

翌朝、彼は発見され、すぐに医務室に運びこまれたのだが、目は開いているものの、光がなかった。
モニターが消えた事を知っていたコーチは、すぐさま鳳、侑士、跡部、慈郎、ブン太、リョーマを呼び出した。
「クオーに何かあったみたいですね。抜き取られてます」
「クオーって、あの大きなドラゴンの事だろ?」
「はい」
「あれは元々、真田さんの精神と一体化しているので、無理に引きはがされて、こうなったんだと思います」
「治すとすれば?」
「クオーが自分から離れるとは考えにくいな。こりゃ誰かにクオーを持って行かれた可能性があるぜ」
「このままだと、彼が危ないって事だよね〜」
「なんとか、クオーがどこに連れて行かれたかさえ分かればいいんですが・・・」
「あ・・・あ・・・」
「あ、真田さん」
弦一郎は意識を失いながらも、クオーの事を案じていると分かった。
「クオーの事、心配なんだね」
「恐らくな。こいつとクオーは、一心同体みたいなとこあったし」
「真田さん。クオーと俺が強くなればって考えてたみたいッスよね」
「とにかく、これでは体に悪い。なんとか、休ませてあげないと」
鳳は、彼の目を閉じ、布団をかけてやった。
「後は、クオーの痕跡をたどれればいいんですが、俺達も、練習ありますし」
「とにかく、それをするのは、練習後って事になるな。ま、その方が、俺達にとってはやりやすい」
「なんなら、僕が探しておいてあげてもいいけど?」
「え?コーチが?」
「その時間帯なら、僕は手が空くし、あの猫ちゃんも、だいぶ大きくなってきてるしね。散歩がてらに探してあげてもいいよ」
「なんか、コーチにそう言われると、気味が悪いぜ。何か企んでるようでな」
「跡部君は相変わらずだね〜」
「フン」
「ちょっと前まで・・・」
「ガン!」
「イテ!」
素早く跡部は、黙らせるかのように、彼の頭に肘鉄を入れた。
「と、とりあえず、クオーの形跡は、こちらでたどってみるよ」
「よろしくお願いします」

こうして、皆は一旦部屋をでて、弦一郎は、臨時で休む事になり、2番コートは、代理でリョーマが担当する事になった。
彼としては、1番コートに行きたい所だが、今日はそうもいかず、結局この日は2番コートですごした。
無論彼だけでなく、データテニスが得意な、柳と乾がいたため、的確指示を出せたので、かなり助かった。
そして、練習後、皆が宿舎へ戻る中、リョーマはクオーが戦っていた場所に行ってみると、やはり考えが同じなのか、皆も来ていた。
「考える事は同じみたいっスね」
「ここでやりあったのは間違いないだろうね、あちこち焦げてたから」
「って事は、おらんようになったんも、この近辺やな」
「リース。分かりますか?」
鳳がリースに呼びかけると、彼女はある一点に光をあてた。
「このむこうです。恐らくクオーは、この向こうにいます」
「よくわかったね〜」
「一部だけ、時空が歪んでいます。そこから連れさられたのでしょう」
「この向こうか。ん? 側に何か落ちとる」
侑士がそれを見てみると、それは、クオーの肉片だった。
「この色、クオーの・・・あいつ、俺らが助けに来る事信じて、後を残して行きおったんやな」
「早く助けに行くC〜」
「それには、真田を連れて行かんとな」
「え?動かして、大丈夫なんですか?」
「代わりの物を何か入れておけば大丈夫や」
「それじゃ、真田君を連れてこようか」
「あ、俺も行きます。彼が心配ですから」

その頃医務室では、クオーの何かを感じた真田が、まだ動く事ができないはずなのに、何かに取りつかれたかのように動き出していた


「クオーが・・・あいつが・・・呼んで・・・うう・・・」
「真田さん。無理しちゃだめですってば」
「ドラゴンの何かを感じたんだろうね〜」
「こんな体じゃ・・・風よ。心乱れし者を鎮めよ!」
彼の呪文で、風が弦一郎に巻き付き、癒やしていく」
「あ・・・あ・・・クオー・・・・」
「倒れそうになる彼の体を支えた鳳に、侑士が近付く」
「やっぱり。何かを感じとったんやろうな〜」
「忍足先輩、何かありますか?」
「ああ。こいつやったらええやろ」
彼はファンタジーのカードからドラゴンを呼び出し、真田の体に付けてやった」
「これで、少しはようなるはずや」

しばらくすると、彼の体がピクリと動いた。
「ん・・・あ・・・」
「真田さん。気が付きましたか」
「効果あったみたいやな」
「クオーが、泣いていた。このままでは、あいつは人手に渡ってしまう」
「え? 人手に渡るって・・・まさか?」
「クオーはセリにかけられている。しかも、全てジャスパーが無理やり倒した物ばかりだ」
「ジャスパー? それが敵の名ですか?」
「ああ。更にドラクーというドラゴン使いだ」
「そいつを倒せば、捕えられとるドラゴンも、全て解放されるっちゅうわけか」
「急がねば!」
「既に入口は分かっています。行きましょう」
「ああ」

外に出た真田は、昨日の事を皆に話した。
「そんな事が・・・」
「俺が・・・未熟だったせいだ・・・」
「自分を責めても始まんねえぜ。次にあいつをたおしゃいい」
「しかし」
「徳川さん言ってたよ。負けると、心のどこかでワクワクするって」
「ワクワク?」
「次に勝った時に、2倍スカッとするって。俺と同じだって言ってましたよ。だから今度は勝って、2倍スカッとしましょうよ」
「越前・・・」
彼はうなづき、弦一郎を励ます。
「そんじゃ、行くぜ!」

跡部を先頭に、皆はその空間へ入り、それを見送ったコーチは、猫を連れて、宿舎に戻った。

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