ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

テニプリファンタジー小説コミュの(第25章)(後篇)(テニプリファンタジー)「勝者への執念仲間への思い」

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
夜、とりあえず、ブン太は、解毒の能力を上げる為、屋内練習場で、一人、感染型か、そうでないかの解析を急いでいた。
知性と解毒の精霊を授かったブン太は、なんとかして、この能力をフルに活用し、少しでも役立てればと必死だった。

だが、そんな彼の裏では、予想だにしない事が起こっていた。

日吉の部屋では、なんと、彼の体から茨のような物が出て、切原や財前に、何かを植え付けて行き、その茨は壁をスーっとすり抜けて

、あちこちに移動しながら、種を植え付けて行った。

だが、ここで、一応結界を張っておくように指示していた鳳、跡部、慈郎、侑士の部屋は無事だった。

そして、茨は生気を吸い取り、全て日吉に流していく。だが、同時にそれは、日吉の命をも奪う事になるとも知らずに。
「ハア、ハア、ハア・・・う・・・・うあ・・・・な、なんなんだ・・・・目が・・・目が見えない・・・ああ・・・・む、胸が・・・苦しい・・・やめろ・・・誰だ・・・・だ・・・・ああ・・・・うあ・・・ああ・・・・」
日吉は起き上がろうとしたが、茨でがんじがらめにされて、動く事ができない。
「う、うごけ・・・ない・・・・うあ・・・・」
「ウフフ」
「だ・・・誰・・・だ・・・・」
「私はアルファ。あなたに薬を提供した者よ」
「お、お前が・・・・な…なに…を・・・した」
「あなたに、力を与えているの・・・ちょっと苦しいけど、すぐ楽になるわ。そして、あなたの下剋上を果たすの」
「げ・・・こく・・・じょう・・・・あ・・・・何だ・・・今度は・・・あ・・・あ〜・・・なんだ?・・・暖かい・・・力が、入ってくる」
「うふ。そうよ。そして、私に魂をちょ〜だい。ウフ」

そして、翌朝になると、全ての宿舎が、茨で覆われ、選手全員が、生気を吸い取られて、再起不能状態に陥っていた。
無論、高校生達も。
「これは!」
「とにかく、全員を直ちに応急処置です! これでは、合宿になりません!」
「おそらく、彼らは無事だろうから、手伝ってもらうしかなさそうだね。彼らがやったとも思えないし」
「彼らと言いますと?」
「ここは機密保持というい事で。君はすぐに、彼らに点滴を。おそらく生気を吸われている。手遅れになる前に」
「分かりました!」
「一体何があったんでしょうか?」
「なにやらただならぬ気配を感じますが」

そして、やはり、跡部、鳳、慈郎、ブン太、侑士、リョーマ、弦一郎の部屋の人間だけは無事だった。
メンタルコーチがノックすると、出たのは菊丸だった。
「あれ?メンタルコーチ。どうかしたの?」
「廊下を見て御覧」
「廊下?ってな、何この茨みたいなの!?」
「どうやら、ここは無事だったようだね。他の部屋も見て回ったんだけど、殆どの選手が再起不能というか、かなり危ない状態でね」
「何かあったの?」
「詳しくはこれから調べる。君は部屋に残っていたまえ。詳しい状況が分かったら、後で説明するから」
「ちょっと、朝の練習は?」
「今日は中止だよ。何しろ、合宿所内にいる、半数が再起不能で、それどころじゃないんだ」
これを聞いて、鳳が起きて来た。
「やっぱり、何かあったんですね」
「その口ぶりからすると」
「ええ。昨日、日吉が屋内練習所で倒れたんです。その時、俺が医務室にいましたから、その場で応急処置したんですが」
「という事は、今回の狙いは」
「恐らく・・・とにかく、みんなを起こします。俺たちの仲間は、無事だと思うので」
「頼むよ。我々だけでは、手に余る事態だ」
「分かっています! 俺も、この事態を見過ごすわけにはいきません」
と、鳳がそう言った時、慈郎や跡部がやってきた。
「おーい!」
「忍足先輩。やっぱりそっちもでしたか」
「ああ。なんやわからんけど、この宿舎、この草に覆われてしもてるわ」
「敵の狙いは日吉です。おそらく力を与える代わりにと何かしたんでしょう。しかも、みんなが寝静まった隙に」
「こりゃ今回の奴、かなり酷いやつだぜい」
「フン! とくれば、日吉の部屋に行くぞ」
「はい! 菊丸さん達は、ここにいてください。この中なら、結界を張っているので、なにも入れませんから」
「う、うん。でも、無理はしないでね」
「はい!」

そして、日吉の部屋に行くのだが、ここも茨で囲まれ、通るのは困難だった。
「くそ、誰だ。こんな風にしやがって。これじゃ、燃やしたら、全部に燃え移りかねねえし」
と、跡部が悪態付きながら、茨をどけていく。

そして、なんとかドアノブが見えたので、侑士と共に、ノブを下に押して、思いっきり引っ張るが、扉はびくともしなかった。
「くそ。だめか! おい、日吉、いるんだろ!! 出てきやがれ、下剋上する相手は俺だろ!」
跡部が中に向って叫ぶと、茨が何かの形になり、ある文字になった。

そこには、
「おくないれんしゅうじょでまつ」
となった。
「器用ですね〜」
「って、鳳関心しとる場合か。行くで!」
「はい!」

屋内練習所へ行くと、そこでは、すでに、ブン太と日吉が戦っていた。

だが、日吉はあらゆる選手のデータを体中に取り込み、縮地法まで駆使して攻撃してくる。

その為、いつもの綱渡りが、すぐさま落とされてしまい、かなりのポイントをとられていた。

だが、彼はなんとか、踏ん張ってがんばっていた。

「丸井く〜ん!」
「丸井さん! 日吉! どうして丸井さんを!」
「ここにいたから。ただその理由だけだ。お前に用はない」
と、茨を出そうとするが、すぐに枯れてしまった。
「お前、不思議な力を持っているな。どこで手に入れた?」
「今のお前に言っても無駄だろい? それより、お前にこいつを送った、アルファって奴に会いたい。どこにいる」
「彼女は、お前には合わない。彼女は、俺の下剋上を手伝うと約束した。そして、この薬をくれた。気に入らない手段だったが、俺に下剋上をする力をくれた」
「その相手って、もしかして、跡部さんじゃなくて、俺なんじゃないの?」
「越前リョーマ。そうだ!お前だ! 俺は、お前が憎い。俺は下剋上で、お前を潰す!!」
と、なぜか彼は、徳川が使っていた、あのサーブを打ってきた」
「へえ〜こんな技まで使えるだ。面白そうじゃん。ねえ、せっかくだからさ。俺とやろうよ」
「その生意気な口、今すぐ叩けなくしてやる!!下剋上等!!」
と、いきなり日吉は演武テニスを打って来た。だが、リョーマはそれを返し、さらに日吉を熱くさせる。

そして、ついには、他の選手の技まで使いだした。ハブからビックバン、縮地法と、全部沖縄の選手が使っていた技から、鬼が
使っていたブラックジャックナイフまで繰り出してきたのだ。

だが、地獄の特訓を終えたリョーマはぜんぜん怖くなかった。

むしろ、わくわくしてくる。
こんなに楽しいテニスは初めてだと思うくらいに。

だが、逆に日吉は、むきになる。
「何がおかしい?なぜ笑える!?」
「笑えるんじゃないよ。うれしいんだ。こんなに楽しいテニス、初めてだからさ。だから、あんたも、楽しいテニスしようよ。その為に、ここに来たんでしょ?」
「たのしい・・・てに・・・う・・・・ぐ・・・・」
突然日吉はラケットを落とし、頭を押さえて苦しみだした。
「う、うあ・・・・あ・・・あ・・・・うぐ・・・・ああ・・・・・お・・・・おれは・・・・」
「日吉。思い出すんだ。お前のテニスは、みんなから生気を吸い取ってまでやるテニスじゃないはずだろ。次のテニス部を一緒に
引っ張って行かなきゃならないんだ。一人で練習したって、意味ないんだよ。
一緒に、テニス部を引っ張る支えになるから」
「おお・・・とり・・・・う・・・・ぐ・・・・ち・・・・ちが・・・・う…・俺…・の・・・・目的は・・・・・え、えち・・・ぜ・・・ん・・・・うう!・・・・うが・・・うぐ
ゴホ!」
彼はその場に、大量の血を吐いた。
「日吉!」
「日吉。日吉!お願いだ。元に戻ってくれ!」
鳳やみんなの声が、逆に日吉を苦しめる。
だが、確実に日吉の魂は、元に戻りつつあった。

しかし、それを何かが邪魔をする。
「どうやら、私の出番みたいね。日吉」
と、その声と共に、日吉の姿が変わる。
髪はピンクのソバージュのロング。服装は、今時の女の子が飛びつきそうなピンクのロリータの、しょーとブーツに。
そして、目は緑色をして、唇には緑色の口紅が塗られていた。
「んな!?」
「日吉が、女の子になっちゃった!?」
「どうやら一連の事件の真犯人のようだな」
「ウフ。真犯人だなんて、人聞きの悪い事言わないでくれない? 私は、ただ彼のお手伝いをしただけよ。
と、リョーマを指さして言う。
「あなたを倒したいという、彼の願いを」
「でも、日吉さん。そんな事一言もいってなかったッスよ」
「元々、なれあうんを嫌うからな。日吉は」
「てて、ていうか日吉はどうしちゃったのさ?」
「日吉君?ウフフ。私が食べちゃった!やっぱり若い子はそれなりの感情をもつものね。この合宿中の人たちの生気をもらったわ」
「貴様の仕業か。みんなを元に戻せ!!」
と弦一郎が怒鳴ると、クオーも吠える
「クオー!!」
あら?あなた立海の副部長さんじゃない?なんで無事なわけ?」
「クオーが救ってくれたのだ。自分の身を使って、シールドを張ってな」
「あら、便利な竜ちゃん持ってるじゃない? いただいちゃおうかしら?」
と、アルファが言った途端、クオーは猛烈な勢いで炎を吐きだし、アルファを燃やす。
「ぎゃあ〜〜〜〜!」
「待ってくれクオー。あれは日吉なんだ。なんとかして、あのアルファを日吉から追い出さないと」
「鳳、アルファを引きつけておいてくれい。もうすぐ薬が出来る」
「え?」
鳳が、ブン太の方を見ると、彼は、何やら、種やすりつぶした葉や実を、混ぜ合わせ、何かを作っていた。

実を言うと、昨夜から、彼はずっと薬の成分を調べ、解毒剤を調合していたのだ。

しかし、この世界で手に入る物は限られているが、そこは知性やたくさん教わった技で召喚し、薬の原材料を集めて、今まで薬を作り
続けていたのだ。

そして、最後の成分を入れ、よくかき混ぜる。

それから3分程した頃、アルファと鳳の試合は、なんとか鳳がマッチポイントまで持ち込んだものの、色々な技を出されて苦戦を
強いられたが、なんとか薬が出来るまでと、彼も必死に頑張り、ついに薬が完成した。
「出来たぜい! 後はこいつを、あいつの中に流し込む事が出来れば」
「流し込めばいいんだな」
「あ、ああ。飲ませる事が出来れば、元に戻るはずだ」
「俺に考えがある。フォレスト!」
アルファの動きが封じられると、今度は鳳が、スパイダーを出した。。
「こ、こんの・・・あ、あんた達、一体なにする気!? いくら薬を呑んだところで、日吉は返って来ないわよ!」
「やってみなきゃ分からねえだろい!」
と、彼はアルファの口に、薬を突っ込んだ。
すると、アルファの体が輝き、元の日吉の姿に戻っていき、彼のそばには、ポイズンと書かれたカードが落ちていた。
完全に元に戻ると、アルファの力は消え、茨が全部消え去った。
「終わったんでしょうか?」
「ああ。一応わな。ただ、俺の薬は、試作段階だ。これを続けて飲ませて、様子見だな。
「そうですね・・・・日吉、日吉!」
鳳が声をかけると、彼はぐったりしたまま返事がない。
彼は、待っていられないとばかりに軌道を確保し、人工呼吸と、心臓マッサージを続け、彼を起こそうとした。
「頼む日吉・・・・目を開けてくれ!・・・」
「祈るような思いで続けた結果。ようやく日吉にも変化が見られた。
彼の指が、わずかに動いたのだ。
「日吉?」
慈郎や侑士、跡部が覗き込むと、わずかに瞼が動き、ゆっくりと目を開けた。
「う・・・・お・・・おれ・・・は・・・・」
「日吉!」
「わ〜い日吉!助かったC〜良かった良かった〜」
と、調子に乗った慈郎が抱きつく。
「むぎゅ! せ、先輩。そういう趣味あったんですか? というか、苦しいんですけど?」
「え? あ、ああ。ごめん」
「とにかく、医務室に運ぼう。ここじゃ、治療ができん」
「はい!」
鳳が日吉を背負い、ブン太は回復魔法をかけていった。

診断結果は、相当ひどかったらしく、助かったのがラッキーだったという物だった。
「後は、俺の作った薬を投与して、しばらくすれば、動けるようになるってさ」
「・・・・丸井さん。そんな能力隠してたんですか?」
「別に隠した訳じゃねえけどよ。っと、みんなのとこ行って、回復してるかどうか見て来るぜ」
「ありがとう丸井君」
「お安いごよう。じゃな」
と、ブン太は出て行き、皆も他者達の様子を見に行った。
「その間日吉は穏やかな眠りに落ちた。
部屋を出て行く時、鳳が術をかけておいたのだ。

日吉がいい夢を見られるように。
「おやすみ。日吉」

こうして、災いは去り、日吉は、仲間の大事さに、気付き始めた。

みんなが1つになって、自分を助けようとしてくれた事に、感謝した。
「まさか。俺が助けられるなんて・・・考えも、しなかった・・・仲間・・・か」

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

テニプリファンタジー小説 更新情報

テニプリファンタジー小説のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング