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テニプリファンタジー小説コミュの(第25章)(前篇)(テニプリファンタジー)「勝者への執念仲間への思い」

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テニプリファンタジー

「勝者への執念仲間への思い」

その日、2番コートで、練習が行われ、皆強くなっていく。

無論それは、次期氷帝の部長を託された、日吉若も同様だった。
だが、そんな彼だが、不満はあった。それは、越前リョーマに追いつけない事だった。

何しろ彼は、関東大会の一回戦で、彼に敗れていたからだった。

そんな彼は、今日も球を10球同時に打ち、他の技もアップさせていった。

こんな姿を間近で見せられると、ムッとする。

これでは、いくら強くなっても、彼に近づけない。

そんな焦りが彼にはあった。
「下剋上等! 絶対にあいつを倒してやる。この合宿中に!」

と、そんな彼の耳にクスクスと笑う女性の声が聞こえた。
「!」
彼がそこを見ると、無論そこには誰もいない。
「気のせいか? ん?」
彼がその木の下を見ると、何か落ちていた。
「なんだこれは?」
それは、小さな小瓶と、メッセージカードだった。

そこには、
「これをあなたに差し上げます。
これは、あなたに力を与える薬です。これを飲めば、強くなれます。アルファ」
と、書かれていた。

「強くなる・・・日吉は、いったんは捨てようと思ったのだが、持って帰る事にした。

一日のトレーニングが終わるころ、宍戸は眠っている鳳の所へやってきた。

彼は数日前の事件から目が覚めず、ずっと眠っているのだ。
「・・・長太郎・・・・」
「心配やな。魔力を使いすぎてしもたんや。みんなを守ろうとして」
「なあ、忍足。俺にも、何か、出来る事はねえか。このままじゃ、長太郎は、事実上リタイアになっちまう」
「あーそれなら心配いらないよ」
「?」
二人が振り向くとメンタルコーチがいた。
「彼はもうすぐ目を覚ますよ。心拍数、呼吸数共に正常だ。だいぶ良くなっているみたいだからね」
「・・・・・」
「心配かい?」
「当たり前だろ。長太郎には、大事な役目があるんだ。それに、俺の・・・」
「大事なパートナーだったようだね。君が倒れた時も、彼は真っ先に君の身を案じていたよ」
「俺が倒れた時?」
「君は覚えていないのかもしれないけど。君が倒れた時、真っ先に君の事を考えていた。彼は優しい人間だ」
「・・・長太郎、根がまじめで優しい奴だからな。なんでも自分で抱え込んじまうとこがあったから・・・なんとかこいつと日吉で、次の
氷帝を引っ張ってってもらわねえといけねえんだ」
「そりゃ大きな役割だね。ただ、彼はどうも、自分に自信がないところがあるからね」
「わかってる。それを、俺が伝えてやらねえとな。それにしても、跡部もまだ起きないのか?」
「ああ、あの事件以降、眠り続けたままだ」
「だいぶ、無茶したみたいやからな。魔力が尽きて、へとへとになっとたんやろ。それに、あの爆発を止めよ思たら、だいぶ神経
つこてまうで。ところで、跡部の容体は?」
「こっちも、さほど問題はない。ただ、生命力が低下している。しばらくは休ませた方がいいだろう」
「せやな。けど、それをあいつが受け入れるかどうかや」
「仲間を思いやる。彼らしい事だ。でも、当面3番コートは、シャッフルマッチはないから、安心していいよ」
「せやけど、跡部はプライドが高いやっちゃからな〜無理せなんだらええけど」

と、そんな話をしていると、鳳の指がピクリと動いた。
「あ」
宍戸が鳳の顔を覗き込むと、ゆっくりと目が開いた。
「長太郎、長太郎」
「・・・・し、し、ど・・・さん・・・・あ、お、れ・・・・」
「力を使いすぎたんだよ。大丈夫か?」
「・・・はい・・・あ、跡部さんは?・・・・」
「大丈夫。無事だ。ただ、しばらくは動けないらしい。お前たち、だいぶ無茶をしたようだな」
「すいません・・・俺の・・・力が足りずに・・・」
その言葉にメンタルコーチが
「あの事件のせいで、あちこちのコートがぼろぼろになって、大変だったみたいだよ。ま、すぐに修復されたけどね」
「そうですか・・・」
「ま、そんな話は置いておいて、明日からは出られそうかい?」
「もちろんです。遅れた分を取り戻さないと!」
と、鳳が立ち上がろうとしたが、少しだけふらついた。
「あ、っと」
そんな彼を、宍戸が支え、ベッドに戻した。
「今日は寝ていろ。なんか栄養の付くもの、持ってきてやるからよ。おとなしくしとくんだぞ」
「すいません。宍戸さん。迷惑かけちゃって」
「その力、お前にしか使えないんだから、大事にしろよ」
と、宍戸はそれだけ行って出て行った。
流石に魔力を使い果たしすぎて、彼はベッドに入り、眠りについた。
「はあ〜・・・・」
「おやすみ」
布団を整えてやり、侑士も出て行った。

その頃跡部も目を覚まし、起き上がろうとしていたが、体が思うように動かなかった。
「くそ・・・体が・・・動かねえ…早く、練習に・・・」
と、起き上がろうとして、ふらついた体を、誰かが支えた。
「?」
「無理せんとき。今鳳君も起きたみたいやけど、まだうまく動けんみたいや」
「! 白石」
「俺だけとちゃうで」
と、白石の後ろにいは、3番コートの仲間達が来ていた。
「お前等、どうして?」
跡部の質問に切原が答えた。
「そんなの、心配だからに決まってるじゃないですか」
「みんな、君の身が心配で、見に来てくれたんや。ほんまは、俺だけのつもりやったんやけどな」
「すまんね〜心配になったたい見に来てしまったばい」
「早く元気になってくれよ。コートで待ってるからな」
「ほな、俺らは食堂に行くさかい、歩かれへんようなら、なんか持ってこよか?」
本来なら、それは有難い事ではあるが、そんなのはみっともないと感じた彼は、
「あ〜ん。何言ってんだ。もうぴんぴん・・・だぜ・・・・」
と立ち上がろうとするが、やはり立ち上がるのがやっとだった。
「ほら、立つのさえやっとじゃないッスか」
すると、いきなり石田銀が彼を背負った。
「うわ。こ、こら石田。いきなり何しやがる!」
「動けん物を動かすには、ちょうどいい」
「たまには、人の気遣いも、受け入れた方がええで。跡部」
「・・・・」
「ほな行こうか」
と、跡部は銀に背負われながら、食堂へ向かう。

そんな銀の優しさに触れてか、跡部はなぜかうとうととし始めた
完全に銀に身を任せ、食堂につくころには、すやすやと眠ってしまった。
「アカン。完全に寝てもてるわ」
「よっぽど気持ちよかったんやろうな」
「まさか銀さんの背中で、寝てまうとはおもっとらんかったばい」
「人に自分の身を任せた事がなかったんだろう」
「な〜んかこの人、寝顔だけ見てるとかわいいんスけどね〜」
そこを慈郎がすかさず携帯で撮る。
「へへ。跡部の寝顔、撮っちゃったC〜」
「このまま部屋に帰すンもな〜」
と、みんなが困っていると、侑士と謙也が見に来た。
「なんや、寝てる跡部連れて来たんかいな」
「そういうたら、この間の動物騒ぎの時からやろ。こないなったの」
「まあ、色々あったからな〜」
「そういうたら、侑士もなんか関わっとったらしいやないか」
「お前には教えたらん」
「なんでやねん!」
「教えたかて、信用せえへんやろ」
「するがな。第一、あんな八本足の馬、見た事ないで」
「あれはギリシャ神話に登場する馬で、かつては軍馬として、活躍しとった、超早い馬や。お前のスピード勝負でも絶対負けん」
「くっそ〜くやしいわ〜あの馬俺が走っとる横をスイっと追い抜いて行きよったんやで」
「そらそうやろな」
「あ、そいうたら侑士、あの馬どこ行ったんや。俺、決めたんや。あいつを抜けるように早ようなったるってな!」
これには侑士も、コケルしかなかった。まさか本気で、そんな事を言い出すとは思っていなかったのだ。
侑士は謙也の肩を掴んで言った。
「謙也。悪い事は言わん。普通の馬ぐらいにしとけ」
「な、なんや?改まって」
「あのな〜ギリシャ神話にまでなった馬やで。そんな馬に、人間がかなうわけないやろ」
謙也はあの時の悔しさを覚えていた。確かにあいつは8本の足を持ち、自分の前をすごいスピードで抜き去った。
浪速のスピードスターを自負する自分を抜いた馬。それに勝ちたいという欲求不満な謙也に、白石が、
「なんや、まだあの馬の事気にしてたんか?」
と言ってきた。
「すごかってんで、俺の目の前を風の様に抜きさりおってな〜」
謙也は、当時の事を話した。
「そんなにすごい馬やったんか?」
「ああ。俺のスピードをあっさりと越えてな〜侑士」
「ま、そりゃギリシャ神話になるぐらいやからな。オーディンの軍馬として活躍した馬や」
「そんなすごい馬やったんか?」
「なんせ名前の由来は、滑らかに動くちゅう意味があるらしいわ。まあ、そのほかにも色々と伝説を持つ馬とされてきたんや」
「「へえ〜」」
「俺も練習したら、あいつみたいに動けるようになれるんかな〜?」
「ま、スレイプニルには及ばんけど、それなりにのスピードは持てるようになるやろな」
「おっしゃ〜なんか練習したくなってきたで〜!!」
「その意気や!けん・・・ムグ」
「2人とも声でかいで」
と、いきなり銀に口をふさがれ、やっと我に返った。
だが、跡部はピクリとも動かなかった。
「跡部。生命力が落ちとる。かなりの技、使こたみたいやな」
と、彼の様子を見た侑士は、ブン太の姿を探すと、やはりケーキを食べて上機嫌だった。
「やっぱケーキ最高!ムシャムシャ」
「丸井先輩。さっきからケーキしか食べてないじゃないっスか」
「ほっとけ。ケーキが俺の主食なの!」
そこへ侑士がやって来た。
「丸井、後で跡部を回復させたってくれ」
「ん?起きたのか?」
「一応な」
「まだ動けないみたいッスけど、大丈夫なんすか?医務室に連れてかなくても」
「心配するな。というか、あいつが自分から、行くようなたまじゃねえだろい」
「ま、あの跡部さんッスからね」
「そう言えば、鳳は?」
「あいつは医務室に担ぎこまれたわ。今、宍戸が一緒におる。だいぶ回復してるみたいやけどな」
「んじゃ、後で見舞いに行ってやっか」

そんな会話をしている彼らではあるが、この時すでに、事件が始まっている事に誰も気づいていなかった。


この時日吉は夕食を早めに切り上げ、一人屋内練習場で練習に明け暮れていた。

今回は誰の手も借りない。

以前、菊丸と試合をして、彼を死なせる寸前にまで追いやってしまった事を悔いてか、一人で練習を続けている。

そんな様子を見ている者がいた。明らかに、練習中に感じたあの時と同じの。
「もう、誰も頼らない。俺は、俺を下剋上する!」

すると、突然合宿所全体の電気が消えた。
「なんだ?」
モニタールームでも、全てのシステムが停止してしまったのだ。
「なんだ?また何かの予兆か?」

医務室でも、全ての機材が一斉似ストップし、鳳は飛び起きた。
「まさか、また」
「様子を見てくる。お前はそこにいろ」
「はい。宍戸さん、気を付けてください。なぜか、いやな予感がするんです」
「ああ。俺もなんかびんびんに感じてるぜ」
「あ、待ってください。ルシア」
鳳が呼ぶと、その声に答え、ルシアが姿を見せた。ルシアの種類は、夜行性でも活動可能な為、動けるのだ。
ルシアは、懐中電灯をとると、それを宍戸に渡した。
「あん? なんだ?この小せえの。お前か?懐中電灯取ってくれたの」
彼の質問に、ルシアはコクリと頷いた。

外に出ると、真っ暗で、どこに何があるのか分からない。
「これじゃ、どこに何があるのかわからねえな。なんとか、電気室か、ブレーカーをあげねえと。えっとブレーカーは・・・くっそここに来た

時、もっと周りをよく見とくんだったぜ」
と、困っていると、何かの音が聞こえる。
「なんだ?この音。テニスの音?なんでこんな暗闇で」
と、進もうとした時、何かに引っ張られるような感じがした
「なんだ?」
足元を照らすと、ルシアがズボンのすそを銜えている。まるで、この先には行くなと警告しているようだ。
「どうした?」
彼から離れたルシアは、先導するように尻尾を立てる。
「お、おい」
あわてて追うと、無事にブレーカーのある場所に着き、電気を上げたまでは良かったのだが、先ほどのルシアの警戒が気になり、
一度その場所に戻ってみると、ルシアはまた警戒しだす。
「ここに、何かあるのか?」
と、彼が入ると、そこには、日吉が倒れていた。
「! 若! おい若、若!」
宍戸が彼の顔を見てみると、目の下に、紫色のクマができ、体がブルブルと震えている。だが、テニスラケットから、手を放そうとは
しなかった」
「おい、大丈夫か? しっかりしろ!」
「あ・・・・が・・・・お・・・れ・・・は・・・・・」
「おい、どうした?」
「わからねえが、日吉があぶねえんだ」
「見せてみろい」
ブン太が日吉の前にしゃがむと、彼の様子を見て、すぐさま見当はついた。

だが、これは、宍戸に知られると、さすがにまずい。

それを察知したルシアは、日吉のズボンを引っ張り、この場から離そうとする。
「お、おいおいなんだよ急に」
「こいつは俺が見とくから、そいつを頼む。
「あ〜ん。どういう事だよってこら! 顔にくっつくな! わかったから離れろっての」
仕方なく、宍戸がその場を離れると、ブン太はすぐさま解毒の技を使い、日吉を癒した。
「これでよしっと。でもこんな毒・・・ん? 小瓶。もしかして、こいつ、毒を呑んで・・・なんだこれ?メッセージカード?
「これをあなたに差し上げます。
これは、あなたに力を与える薬です。これを飲めば、強くなれます。アルファ」
「アルファ。こいつが日吉をこんなに。命を削ってまで力なんて欲したら、意味ねえだろい。とりあえず、跡部に知らせた方がいいな」

そして、日吉は一時的に回復し、とりあえず、部屋まで送った後、鳳の様子を見に行くと言い、医務室に行った。
幸い医者はおらず、宍戸もルシアが引き離してくれたおかげで、今はいない。
跡部もブン太に回復させてもらい、無事に元気を取り戻し、動けるようになった。
「すまなかったな。丸井」
「良いって良いって。元気になったんだから」
「ていうか、さっきの停電、なんだったんでしょうか?」
「何かが合宿所内に入り込んだ可能性があるな」
「そう言えば、日吉の小瓶の傍に、これが。」
「ん?アルファ?知ってるか?」
跡部の問いに、リースが姿を現した。
「リース。実体化して、大丈夫なの?」
「はい。おかげで、動けるようになりました」
「よかった。すいません。あんな無茶な事して、君にまで、迷惑かけちゃって」
「ペガサスが勝手に飛び出してきよったんや。あん時は、本来なら、あいつをしまって、フェニックスを出すとこやけど、みんなもう、
魔力が限界点越えとったからな〜。しゃ〜ないわ。にしても、あそこで風出すて、やりすぎやろ」
「すいません。みなさんの事を優先したら、なんとか風に頼む魔力が残ってたので」
「それで寝込んどったら、意味ないやろに」
「・・・・・」
「それで、このメッセージカードを見つけたのは?」
「ルシアから、日吉が倒れとるから、屋内練習所に来てくれ。ワイはその間、このにいちゃん引き離す」
って言われただけで、行ってみたら、日吉が倒れてて。
「なるほど。今度の狙いは日吉か」
「おそらくな。ただ、今回は前とちごて、犠牲者がでんかっただけましや」
「薬は・・・全部飲んでやがる。恐らくこれ1つで、パワーが上がる様にしてやがったようだな」
「一応の解毒は施した。ただ、あれは一時しのぎにすぎねえ。完全に解毒してやるには、解毒剤がいる」
「作れるのか?」
「俺も、知性と解毒の力を授かった。時間はかかるかもしれねえけど、俺も日吉を助けたい。それに、感染型だった場合は、下手をする

と、宿舎上に全部に広がっちまう。」
「そんな!・・・まさか・・・感染型のを・・・」
「詳しくは調べてみねえとわからねえ。考えすぎならいいんだが」

だが、このブン太の予感は的中してしまった。

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