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テニプリファンタジー小説コミュの(第24章)(後篇)(テニプリファンタジー)「幻獣の暴走」

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その頃、ハチと間違えたフェアリーは、笑いながら慈郎を追いかけまわした。
だが、このフェアリーも、赤い目をしている。
「俺ハチ嫌いだC〜と、近くの部屋に逃げ込んだ。
「ハア、ハア、ハア。フ〜」
「ありゃ?芥川、どうしたの?」
「あ、な、なんだ君たちの部屋だったんだ〜」
「どうかしたのか?慈郎」
「俺、変なハチに追っかけられたんだよ。しかも目が真っ赤になってる変なハチに〜」
「ハチが出るにしちゃ、少し遅すぎねえか?」
「でもでも、ホントにハチみたいだったし〜」
「みたいだった? てことは、ハチじゃねえのか?」
宍戸の質問に、次郎は順を追って説明した。
彼は、跡部達と別れた後、医務室の前で倒れていた人を助け起こし、回復させた。

そして、外に出た途端、ケルベロスに追われ、2手にわかれて逃げたのだが、ケルベロスは丸井のほうについて行ってしまい、自分も後

を追いかけようとした時、
針を持ったフェアリーに襲われ、室内に逃げ込んでしまったのだった。
「そういう事か」
「まあ、確かにそれは、おかしいよね〜今日もなんかいっぱいファンタジーのが暴れてさ〜」
「ああ。こりゃ〜普通じゃないぜ。誰かが幻想と現実を壊したがってるとしか、考えられないな」
「幻想と現実を、壊す?」
「つまりだ、現実世界には、巨大生物は存在しねえ。だから、誰かがこっちとあっちの空間を開けて、幻想生物を操って現実にいる奴ら

を怖がらせようって魂胆だろ」
「宍戸、頭E〜」
「でもだとすると、どこからその糸を操ってるのかたどらないと、このままじゃ、敵を増やすだけだ」
と、大石はベッドから降りた。
「俺にも、協力させてくれ。幻獣が暴れさせられているのなら、助けてあげたいんだ」
「俺も手伝うよ」
「俺も行かねえとな。長太郎は優しい奴だから、身を張ろうとしちまう。そんな長太郎に、何もしてやれねえなんて、激ダサだぜ!」
「みんな〜ありがとう」
「まずは、外にいる、そのフェアリーをなんとかしないとね」
「そ、そうだよね」
っと、慈郎がそ〜っと扉を開けると、フェアリーの姿はなかった。
「いなくなってる?」
「慈郎!上だ!」
「はーい。お待ちしてました〜」
と、フェアリーが襲いかかった瞬間、

バチン!

と、菊丸のラケットが、フェアリーを直撃し、壁に叩きつけられて気を失った。
「ヤッター!」
「すごいじゃないか、英二」
「へへ〜ん。俺の特技は、ハエ叩きなんだもんニャ〜」
「とりあえず、武器さえ奪ってしまえば」
と、宍戸は気絶してるフェアリーから、武器になりそうな物を回収した。
「これで、こいつは何もできねえはずだ。後は・・・やっぱり赤い糸が見える。ここじゃまずいから、外してやらないと。英二、机の引き出

しにハサミが」
「OK」
彼がハサミを持ってくると、大石はその赤い線を思いっきり切った。

すると、フェアリーは一瞬ビクンとなって、そのまま倒れた。
「し、死んだの?」
「いや、ショックで気を失っただけだ。だがこのままはしておけない。なんとかしないと」
「忍足に封印してもうしかねえな〜。確かあいつ、カードみたいなのに、全部封印してたから」
と、そんな話をしている頃、侑士がやってきた。
「なんや、ハチやて騒いでた正体はこいつかいな」
「ああ、君が来てくれてよかった。彼女を、封印してやってくれ。このままじゃ、いつまた操られるかもしれない」
「わかった」
侑士はさっきの方法で、フェアリーをカードに封印した。
「ところで慈郎。お前丸井は?」
「え?あ〜〜〜〜〜忘れた!!丸井君、外の大きな犬に追いかけられてるんだった!!」
「でかい犬ってケルベロスかいな」
「うん。頭が三つあったから、多分そうだと思う」
「たく、そうならそうと早言いな〜あいつは地獄の番人で、めちゃくちゃ強いんやで」
「あわわ。どうしよ〜」
「とにかく、跡部達と合流するんや。あの二人、今出たグリフィンとやりあっとる最中やけど、うまくすれば、同志討ちにできるで」
「どうするの?」
「あのケルベロスを、グリフィンの前まで誘導するんや」
「わかった!」
「お前らは部屋でじっとしとれ。今度の奴は、フェアリー程甘くはないで」
「長太郎は?」
「あいつは跡部と一緒や」
と、次郎と侑士は走り出した。

一方外では、ブン太がケルベロスから逃げていた。
「たく、なんで俺ばっか狙うんだよ。俺おいしくないぞ〜」
と叫ぶと、ケルベロスの動きが止まった。

よくよく見てみると、そこには沖縄組が、物珍しそうに見ており、木手に至ってはカメラまで向けていた。

そして、ケルベロスの視線の先には、ちょうどいい具合に太っている田仁志がいる。
「まさか・・・こら、お前ら!食われちまうぞ〜!!」
と、ブン太が叫ぶがもう遅い。
田仁志めがけて、ケルベロスは突進していった。
「さあ、出番ですよ。田仁志君」
「わったー?」
「そうです。ちょうどいい運動になるでしょう。どうやら向こうもその気みたいですし」
「冗談じゃねえぞ〜!!」
と、田仁志が走れば、ケルベロスのスピードも上がる。そして、口を開けながら迫り、なんとか食われないようにと必死に走る田仁志だ

が、
元から太っている彼にとっては、ここや裏コートの練習よりもきつかった。

その頃、跡部と鳳は、空を舞うグリフィンと対峙していた。空を自由に舞い、ヒットアンドウェイで攻撃され、なかなか攻撃に転じれない。
「くそ!あれを使うか。フォレスト!」
「風よ!わが声にこたえよ。操られし者を風の檻に封ぜよ」
鳳の呪文とフォレストの連携で、どうにかグリフィンの動きが止まった。
風に捕えられては、流石のグリフィンも太刀打ちできない。」
「後は、忍足先輩に連絡するしかないですね」
「ああ。俺達じゃ、カードに封印出来ねえからな」
「とにかく、あの赤いのを切っておくか」
と、跡部は自分のラケットを剣に変えて、赤い糸を断ち切った。
「クワ〜〜〜〜!!!」
と、グリフィンは声を上げ、そのまま気絶してしまった。

そして、グリフィンを風の檻とフォレストから解放し、その頭をなでてやる。
「でも、一体、誰がこんな事を」
「さあな。だが、黒幕がほかにいる事は間違いないだろうな」
「え?じゃあ、いままでの幻獣達も全部?」
「そいつが操っていやがったんだ」
「なんて事を・・・」
「ん? どうやら、新たな奴のご登場だぜ」
「え? うわ!あれって確か」
「ああ。ケルベロスだ! ん?走っているのは、沖縄の」
「田仁志さんだ!」
「いやだ〜食われるのはいやだ〜!!」
と、田仁志は叫びながら、どんどん距離を縮めてくる。
「田仁志さん!横へ」
鳳の声で、田仁志は横へ飛びのいた。すると、わずかではあるが隙ができた。
跡部はそれを逃さず、すぐさまその場を氷に変えた。あっという間に地面が氷におおわれ、ケルベロスはその場で脚を滑らせ、転倒す

る。
「よし、今だ!」
「はい!」
鳳は素早く飛び、赤い糸を切った。

すると、ケルベロスはいきなり立ち上がり、すさまじい勢いで吠えた。
「どうして!? 糸は切ったのに」
「こいつは元が凶暴だ。糸が切れても、指して変わりはしねえって事か。フォレスト」
跡部はフォレストを足元に集中させて、ケルベロスを倒した。

するとそこへ、
「丸井く〜ん跡部〜鳳〜」
と、スレイプニルに乗ってやって来た。
「ずいぶん遅いご到着だな」
「こっちもいろいろあったんや。しっかしホンマに早いわこいつ。あの合宿所からここまでかなり離れとるはずやのに、そこからここまで2

分もかからんかったんやから。
ごくろうさん」
と、スレイプニルをカードに戻した。
「忍足先輩。あの2匹をお願いします。グリフィンは気絶してるだけですが、ケルベロスが」
「そうみたいやな。いまだに起き上がって暴れだしそうやから、こっちから先にやった方がええな」
ファンタジーのカードを向けると、ケルベロスは光の粒子となって、カードの中に吸い込まれていった。
「よっしゃこれでひとまずは大丈夫や。問題は、こっちやな。どないや?丸井」
「だいぶ弱っちまってる。それに、こいつ、誰かにやられたような跡がある。まずは、こいつの傷を」
と、ブン太は自分の力を使い、グリフィンの傷を回復させてやった。
途中、グリフィンは目を開け、こちらを見た。
「大丈夫だ。すぐにまた、飛べるようにしてやるからな」
じっとみていたグリフィンは、安心したのか、そのまま横になった。
「よし、後は体力を回復させれば、大丈夫だ」
「その前に、カードに封印しとこか」
「大丈夫だよ。封印つっても、カードの中に入るだけだから」
その言葉を聞いて安心したのか、グリフィンはそこにすわると、カードの光を浴び、封印されていった。
「よっしゃ。これで全部か?」
「いや、まだ親玉が残ってる」
跡部がそう言った途端。
地面と言うよりも、空間その物が揺れている感じがした。
合宿所も一時パニック状態になり、係員が誘導していた。

そして、跡部の読み通り、空間の一部が割れ、ついに最後の獣が姿を現した。
「グガアアアアアア!!!」
「な、なにばあ!あれ」
「空間ごと震わせるなんて」
それは、ただのドラゴンに見えるが、かなり巨大で、足だけでも合宿所がすっぽり入ってしまうほどのでかさだ。

しかも、巨大な手を持ち、翼を4枚も持っており、首は短いが、巨大な角を持ち、口は細長く、鋭い牙が並んでいた。
「ちょ、ちょっと!これって、まじでやばいC〜」
「なんちゅうでかさや」
「これは、普通ではありえませんよ」
「少し黙ってろ。あいつ、どうも変だ」
跡部は冷静に、インサイトを使おうとした。

その時、いきなり猛烈な勢いで、跡部に炎をぶち当てようとした。
「危ない!」
と、間に炎が割って入り、跡部は危機を脱した。
「俺、そんなに影薄くないっスよ」
「え、越前君。どうしてここに?」
「合宿所内で騒ぎって聞いたんだけど、俺の持ってるのって、火でしょ? だから、先輩達の方が適任と思って、俺待ってたんスけど」
「フン! てめえの力なしでも、全部封印してやったぜ」
「俺に助けられて、いう事そんだけ? まあいいけど。で、こいつはどうするんスか?」
「こんなん封印出来るわけあらへんやろ。どないせいちゅうねん!」
「まずは、あいつの動きを止めねえとな!アブソリュート」
彼が魔法を飛ばすが、ここからでは届かなかった。
「となれば、奴の弱点を見つけるしかねえ!」
「援護するわ!」
「俺もです!」
「んじゃ俺も・・・」
「コシマエー! ワイの事忘れんといてや。ワイ。今めっちゃゾックゾクしてんやさかい、ワイも混ぜてや〜!」
「て言ってるけど、どうする?」
リョーマが半ばあきれ顔になると、侑士も観念したのか、ファンタジーのカードから、フェニックスの力を、金太郎に移した。
そして、みんなが飛び立とうしたその時、
「ならば、俺も混ぜてもらおう」
「真田さん。どうして?」
「クオーが教えてくれた。今までの俺は、クオーの力を信じていた。そして、今それを証明する時が来たのだ」
「今こそまとえ、ドラグーンよ!!」
彼の声と共に、真田が光輝き、オレンジ色の鎧をまとい、まるで、中世の甲冑のような姿に変わる。そして、背中には4枚の翼も生えて

いた。

しかも彼の手には、テニスラケットではなく、オレンジ色の剣が握られていた。
「行くぞ!跡部はインサイトで、弱点を探せ!!」
「てめえに言われるまでもねえ」
「行きます!」
「いっくでー!!」
「ってこら、説明聞かんと飛ぶな! ちゅうかなんでもう使えてんねん」
みんなが近づくと、その大きさに、圧倒される。だが、みんなは不思議と怖くなかった。
「なんや?全然怖いって感じがせえへんで?」
「しかも、なんかこのドラゴン、生物って感じがしませんよ。なんていうか、器械みたいな」
だが、その力はだてではなかった。突然動き出してそれは、皆に攻撃を仕掛けてくる。
しかもどういうわけか、このドラゴンには、明らかな改造の跡がいくつも見られた。
様々な改造を加えられたこのドラゴンを、詳しく見ていると、内部の何者かが、それを見ていた。
「器械だとわかった事はほめてやろう。だが、わしのドラゴンはこわいぞ〜」
と、キーをタイプする。

すると、いきなり腕が動き、慌ててみんなは避けると、そこから無数のミサイルが発射された。

それは、すでにロックオンされているらしく、みんなを追い詰める。だが、みんなはわざとドラゴンのそばにより、そこでよけた。
いくらミサイルといえでも、
急激な動きはできない。ましてやできたとしても、彼らはテニスで、それを克服しているのだ。
「やはりこんな物か。たるんどる!」
真田はそう言って、思いっきり腕を切り飛ばした。すると今度は背中が開き、砲台が一斉に撃ってきた。
これには、皆も一旦はひくしかないと考えた。だが、この砲台は、180度までしか展開できないため、真横に逃げれば、さして問題はな

いはずだった。

が、すでにこれらは予測されていたらしく、今度は腕からも砲台が出てきて、発砲してきた。
「さ〜って、どうするかのう?ワシの大事な幻想生物を取り上げよって。あげくがこのワシに攻撃しようとするとは・・・ん?なんじゃあの男

、皆が戦っているというのに。怖くて動けんか〜?ならば、お前から仕留めてやろう」
と、腹部の巨大ミサイル発射口が開くと、跡部めがけてそれが発射されようとした、発射口その物が、真田に破壊され、
ミサイルは下に落ちていく。
「しまった!あれを止めないと!」
と、みんながそっちに向かった瞬間。ミサイルは凍りつき、ばらばらと崩れていった。
「跡部?」
みんなが跡部の方を見ると、彼はあの技を発動させていた。氷の鎧を纏い、ついに皆と合流した彼は、ある1点に、攻撃を集中させた


「てめえん中、スケスケだぜ!!」
博士は、反応することすらできなかった。

あっという間に、メインコンピューターの一部を破壊されたのだ。
「な、なんじゃあの男、まさか、わしのメインの一部を・・・キ〜〜〜〜〜こうなったら、お前らの大事な物、全て奪い尽くすまでじゃ〜!」
と、砲口の先を合宿所に向け脚を思いっきり振り下ろそうとすると、その根元から、真田に切られ、砲撃準備していた銃器は全て、他の

仲間達に壊されてしまった。
「な、なんじゃ、こやつら、なぜワシの邪魔ばかり! おのれ〜!!こうなったらずたずたに切り裂いてくれるわ〜」
と、各所にかくしてあった刃が、襲いかかってきた。
「どうじゃ! これなら、お前らの技など怖くないわ。テニスなどで、何ができるというんじゃ?ウハハハハハ・・・ハッ!?」
博士がモニターを見ると、侵入者の表示が出ていた。
「な、何!?ま、まさか、仲間は・・・」
「そう。囮だったんだよ。もっとも。あんなに刃に動きまわられちゃ、流石に入るのに苦労したぜ」
と、そこに立って、いるのは跡部だった。
「流石に器械までのインサイトには、骨が折れたがな」
「フン。そういうおぬしも、鎧がボロボロではないか?たかが人間ごときに、わしらの機械技術を持ってすれば、こんな世界など一ひね

りじゃわい!」
「つまり、最初に送り込んだ幻獣達は、偵察兼時間稼ぎだったってわけか」
「幻獣なんぞ、わしらに比べれ・・・ば!?」
と、いきなり博士が顔を抑える」
「その為に、何の罪もなき幻獣達を、赤い糸で操っていたのか」
「きき、貴様までなぜここに!?」
「俺様が、ここにただ来たとでも思ったのか?」
「ま、まさか」
そのまさかだった。跡部はここに侵入した際、いくつかの配線やケーブルを破壊しておいたのだ。
「おんのれ!おのれ!貴様ら人間ごときが、ワシの最高傑作を」
「なんや。どうりでぜんぜんゾクゾクせえへんな〜おもたらただのおもちゃかいな。ワイがっかりやで」
と、金太郎もあきれ顔だ。
「こら〜!!!こわっぱの分際で、おもちゃとはなんじゃおもちゃとは!!」
「おもちゃやんか。ほんまもんのドラゴンが出てきたおもたのに」
「ま、俺は別に、どっちでもよかったんだけど。どうせ、こんな事だろうと思ったから」
「何を言うか!!わし・・・わ!!」
と、またテニスボールが直撃する。
「だ、誰じゃ!!」
「あなたは・・・・あなたには・・・わからなかったですか? 操られた時の彼らの痛みも苦しみも。彼等はそこから逃げようと必死でもがい

ていたのを!!」
「ぐぐぐぐ」
「観念しいや」
「この人は、この世界の人間ではありません。それに、彼は」
「リース!!あったで。ワイのエレメントや〜」
と、それが光り輝き、ついにルシアは、本来の姿へと戻る事が出来た。
その姿は、体長は大人より少し大きめのサイズで、その姿は、いつものルシアより、逞しく見え、羽もいつもの羽から翼になっていた。
「あ〜!そ、それは、わしが長年かけて苦労して盗みだしたエレメントだったんじゃぞ〜!!」
「なにゆうてんねん。元はワイのや! ほな、ワイが戻ったのを記念して〜」
「って、性格は全然変わってませんね」
「ああ。いつものルシアやな」
「フッ」
「ルシアかっこE〜」
「ついでにそのおっさんの頭、カットしてやれ〜」
「ば、バカモノが。これはわしの大事な・・・か、カツラなんじゃ〜!!」
「「「「え?」」」」
全員の目が点になる。
「だ、だから、と、盗らないでくれ。わ、わるかった。い、今おろしてやるから。だからほんの少し時間をくれ。い、今下ろすから」
「いや、下ろすのは俺達だけでいい。下手にこいつに触ると、爆発しかねねえからな」
「大体、お前がワシの最高傑作を・・・」
「ピーピーピー爆発まで、あと1分」
「ば、爆発って」
「この爆弾はどこに?早くしないと、この世界までが、壊れてしまいます。今は軽いから、みんな無事ですけど、下手したら、俺達まで

帰れなくなりますよ!」
「め、メインコンピューターの中じゃ。じゃ、じゃがあれは、この部屋からは操作できん」
「場所は?」
「さ、最下層の一番奥じゃ。じゃが、最下層は入り組んでて、どこに行けば、いいのか、まるで、迷路のようになってて・・・」
「なんでそんなアホな細工しよったんや!!」
「じ、自分の身を、最優先に・・・っておい」
博士の言葉が終わる前に、皆は部屋を飛び出し、最下層へ向かう。
だが、そこへ向かうまでもがすでに迷路になっていた。
「これじゃきりがねえぜ」
「リース。お願いします」
二人の心が一つになり、この建物図全体の場所と、メインコンピューターの位置を特定した。
「わかりました。こっちです!」
鳳の案内で、その場所まで、みんなが急いで向かうと、すでにタイマーが30秒を切っていた。
そして、残されたコード線は赤と青の二つ。
「後は俺がやる。真田。その下を切って先に行け」
「だが・・・」
「早くしろ。時間がねえ!」
「わかった。だが、頼まれるなら、一つだけ言っておく。必ず生きて帰れ!」
「ハン!誰に言ってんだ。誰に」
「そうだな。みんな行くぞ」
すでに時空の穴は閉じかけていて、鳳は、跡部は戻るといったが、不安で仕方なかった。

でも、もう自分には、そこまで戻れるだけの魔力は残っていない。
「跡部を信じろ」
「え?」
「どうして?」
「お前の心は、跡部にあるからだ」
「・・・・穴が閉じる前に跡部さんは」
「必ず戻ると言った。そいつを信じるんだ」
「はい・・・う・・・体が・・・」
「魔力の使いすぎだ」
「なんとかせんと・・・」
侑士が困っていると、突然、カードが輝き、ペガサスが姿を現した。
彼は必死に翼を広げ、みんなを支えようとしている。

だが、越前や金太郎ならともかく。大柄な鳳、弦一郎、侑士、次郎、ブン太といれば、流石のペガサスもきつい。
それを見た鳳は、最後の力とばかりに風に命じた。
「か、風よ。わが最後の力を使い、我らを地面に下ろせ」
すると、風が皆を支える感じで集まり、支えた。
「鳳、お前・・・」
「あかん。使いすぎて、気い失のうてもとる。とりあえず、下に降りるまで、もつかどうかや」
「・・・跡部」
侑士も、跡部が戻ってくるかどうか心配していた。

そして、空間が完全に閉じようとしたその時、一つの影が落ちてくるのが見えた。
「跡部! ルシア頼むわ」
「任せとき!」
と、ルシアは大きくなり、跡部の元へ急ぐ。パワーを取り戻したルシアは力強く羽ばたき、無事跡部をキャッチした。
だが、跡部は元の姿に戻ってしまっており、かなり弱っていた。

空間が完全に閉じると、何事もなかったかのようになった。
「どうやら、爆発を阻止したみたいやな」
下に到着すると、鳳と跡部はすぐさま医務室に運ばれた。

こうして、邪に染まりし博士の野望は消え、平穏な日々が戻ってきた。

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