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テニプリファンタジー小説コミュの(第23章)(後篇)(テニプリファンタジー)「小春災難!イケメン男子にご用心」

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夜、お風呂上がりに小春の様子を見に行った一氏は、思わず腰が抜けそうになった。
「こ、小春が・・・お、女に・・・そ、そんなアホな・・・・」
彼はずるずると座り込む。
これを見たルシアは、すぐさまこの事を、鳳達に伝えた。
「こ、金色さんが女性に? 本当なのかい?それ」
「間違いない。完全に女体化してもとる」
「けど、金色が女になったんやとしたら、ここにおられへんようになるで」
「それで、どんな人なの?かわいい?」
「芥川。そんな問題じゃねえだろい」
「確かにな。こりゃ、直に確かめるしかねえだろう」
「俺、見てきましょうか? 不二先輩にカメラ借りて」
「あ、カメラなら、俺持ってるよ」
「と、慈郎がカメラを出し、リョーマに渡した」
「ども」

リョーマが医務室に行くと、一氏が座り込んでいた。
「あ、一氏さん」
「・・・越前・・・えちぜ〜ん」
「うわ、ちょ、ちょっと」
「小春が・・・小春が〜〜〜」
「分かってますって。俺達がなんとかしますから」
「なんとかできるんか?」
「だから、これから、どうなっているかを撮りに行くんですよ。てゆうか、ずっとここにいたんですか?」
「小春が心配で。さっきから、スタッフが走りまわってて・・・なんや容体が急変したらしくて・・・小春〜」
「・・・そんなに、悪いんスか?」
完全涙声になってしまった一氏が、放っておけず、越前は一緒に中に入った。
すると、小春の体は完全に別人になっており、酸素マスクをつけられ、かなり衰弱していた。
「しぇ・・・れー・・・ぬ・・・どこ・・・どこに・・・」
「シェレーヌ? 知ってますか?」
「いや」

とりあえず、2人は用事を済ませ、すぐに医務室から出ると、リョーマは跡部に連絡を入れ、一氏をそちらに
連れて行く事を同意してもらい、とりあえず、現場となった、部屋に行ってみた。
「邪魔するぜ」
「あれ?跡部じゃねえか。どうかしたのか?」
「どのあたりだ?金色小春が消えたのは」
「えっと、ちょうどこのあたりに魔法陣見たいなのが出来て、それに、金色が飛び込んだんだ」
「え? 吸い込まれたんじゃなくて、自分から?」
「スイっと吸い込まれた。ップ」
「シリアス話にギャグかますな!ダビデ!」
バネさんの一撃で、沈黙したダビデをよそに、話を続ける。
「まあ、ダビデはほっといて。で、その前に何かなかったか?」
ブン太の質問に、バネさんは、思い出した事、全てを話した。

こうなった以上は、その鏡の間へ行くしかないが、ダビデは気絶してるからいいようなものの、問題は、バネさん
をどうするかだ。

さすがにここまで話した以上は、蚊帳の外というわけにもいかず、困り果てたうえ、仕方なく、この事は秘密に
してもらう事にして、バネさんには、ここで待機してもらうほかなかった。
「リース。術式、分かりますか?」
鳳が術式の調査を彼女に以来すると、術式はすぐに判明した。
「まだ、術式の力が残っています。今なら、私でも開けられます。待っていてください。
すると、彼のしていたクロスから光りが出て、魔法陣を形成した。
「あ、こいつこいつ。こんな感じだった!」
魔法陣の鏡を見て、バネさんが声を上げる。
「やっぱこの中か。急いで行かないと、あのままだと、金色さんが」
「よし、行くぞ」
跡部を中心に、鳳、リョーマ、侑士、慈郎、ブン太と、それぞれ鏡の中に入ると、陣が消えた。

鏡の外にでると、そこは、大きな広間になっており、鏡がいくつもある。
まさに鏡の部屋だった。
「なんだ?この妙な部屋は」
「鏡がならんでいますけど」
「なんや、ナルシストな奴でもおるんかいな」
「でも、どれもただの鏡だよ?」
「こりゃ〜なんかあるな」
「何かって?」
「鏡を通して、何か見てたって事だよ」
「ガラスならわかりますけど、鏡でどうやってみるんスか?」
「いや、考えられなくもない。鏡は、古いヨーロッパの伝説でもある。鏡の向こうには、もう1つ存在すると」
「じゃあ、それに金色さんが映って、さらったって事ですか?」
「詳しい事はわからねえ。とにかく、ここの主を探すぞ」
「跡部が扉に手を掛けると、扉には鍵が掛っておらず、あっさりと開いた。
「不用心ですね。鍵を掛けないなんて」
「他人からみれば、ただの広間だからな」
鳳が外に出ると、そこには見渡す限りの大自然が広がっていた。
「わ〜きれい」
「すっげ〜見て見て跡部、動物がいっぱいいるよ〜」
「こりゃま見事やな〜って感心しとる場合とちゃうわ。はよ金色を探さんと」
「あ、ああ。そうでした」
「というか、このだだっ広い城では探しにくい、二手に分かれて探そう。丸井は慈郎と、忍足は鳳と。
越前は俺と来い。ただし、見つけても手出しはするな。一度連絡を入れろ。いいな?」
「了解」
「てか、なんでアンタが仕切ってんの? いつもの事だけど」
「いちいち突っ込むな。行くぞ」
「ウィッス」

そして、二手に分かれて探す事にしたのだが、この城はかなり奥行きが深く、見つけるのは至難の業だった。
「それにしても、やけに年代物の城みたいやな」
「もしかして、隠し通路に潜んでいるとか」
「ああ。可能性は、十分ある。鳳。お前のそのクロスで分からんか?」
「人の夢を見つける事は可能ですけど」
「これやったら、一氏連れてきた方が良かったな〜」
「俺、今からでも、一氏さん、連れてきます。彼なら、ダブルスパートナーでしたから、
見つけられるかもしれません。
「ま、やってみる価値はあるな。聞いとるか?跡部」
「ああ、一氏のその件、確かに効果が有るかもしれねえな。鳳、今からでも、一氏を引っ張って来い」
「はい!」

鳳は、忍足と別れ、鏡の間に戻ると、すぐさま陣を形成し、そこから現実世界へ戻った。
「うわ、びっくりした」
消えた個所を見つめていたバネさんが、慌てて飛び退く。

ところが、肝心の一氏が部屋にいない。
「あれ?一氏さんは?」
「まだ彼が心配らしくて、医務室に」
「・・・そうですか。でも、彼の、一氏さんの協力があれば、金色さんを助けられるかもしれないんです」
「どういう事だ?」
「この陣の向こうにはもう1つ、世界が有りました。そこで金色さんを探したいのですが、
とても広くて、探し様がないんです。でも、ダブルスパートナーの彼がいれば、探せるかもしれないんです」
すると、ちょうど本人がそこへ戻ってきて、思いっきりドアを開ける。
「本当か!?それ」
「うわ!?」
「びっくりした〜!!」
「今、小春を助けられるて!」
「あ、はい。その為には一氏さんの協力も必要なんです」
「でも、俺、なんの力ももってへん」
「それは、忍足先輩がなんとかしてくれます。一緒に来てください」
「・・・分かった。小春を助ける為なら、俺に、協力させてくれ!」
「一氏さん。行きますよ!」
再び陣を形成し、2人は飛び込んだ。

鏡の間から外にでると、一氏は周りの環境を見て驚いた。
「すごいでここ。どっかの王国ちゃうか?」
「そうみたいですね。とにかく、金色さんを探しましょう」
「それに、今あいつ、めっちゃやばい状態みたいやからな」
「やばい状態って、どういう事や!」
「まだ分からん。せやけど、ここにおるちゅう事は、かなり危険中ことや」
「それで、小春は?あいつは今、どこにいてるんや?」
「それが分からんから、お前を呼んだんや」
「え?」
「ダブルスパートナーで、シンクロを体得していたあなたなら、彼を見つけられると思ったんです」
「ちょっと、やってみてくれへんか?」
「分かった。やってみるわ。小春、どこや小春・・・」
ユウジの思いが、小春の位置を、正確に特定した。
「おった。この階の、一番奥の部屋や。せやけど、格好が・・・」
「格好って、あのドレスか?」
「いや違う。あれは・・・婚礼衣装や!」
「「婚礼衣装?」」
「もしかして、そのシェレーヌは、小春さんと、結婚する気なんじゃ」
「恐らくな。おい跡部、聞こえるか?」
「ああ。こっちは、今、4階にいる。婚姻の時は近いな。急ピッチで進められてるぜ」
「ほなこのままやったら、小春は・・・」
「あの野郎の者になるって事だ」
「そんな・・・こは・・・ムグ!」
「アホ。今飛び出してったら騒ぎになるやろ」
「一氏さん。とりあえず、祭壇へ上がるのを待ちましょう」
「プハ! なんでそんな時までまたなあかんねん!」
「祭壇が外に有るという事は、婚姻は外で行われます。外なら、俺達は自由にできますが、ここでは、変に術を発動できません」
「くそ〜。目の前におるのに手が出されへんなんて・・・小春〜・・・」
その時、そんなユウジの声が聞こえたのか、小春がピクリと反応する。が、また元通りになってしまった。
でも、小春の心の中で、何かが光り始めていた。

一方、城の中で迷子になり、最下層まで来てしまった、ブン太と慈郎は、とんでもない物を見つけてしまった。

それは、この城の裏の部分だった。いくつもある、女性ばかりの銅像だが、すべて服装が違うが、何かを感じたブン太が、1つに触れて見ると、
「助けて」
と、声が聞こえたのだ。
「やっぱり。ここにいる銅像達は全て、あいつが今まで結婚した女だったのか。それで、手口は分かるか?」
「あの人と、口づけを交すと、やがて何もできなくなって、私はいつの間にかこの姿で、ここにこうしているの」
「そりゃつらいよな。分かった。なんとかそっから出してやるぜい!」
「ほんと?」
「実は今。俺らの仲間も。元は男だったんだが、無理やり女にされて、結婚されそうになっている者がいるんだ」
「なんて事を」
お前のおかげで、ようやくこの城の謎も解けそうだぜ。おい芥川・・・て、なにやってるんだ?」
「ねえ。ここに飾ってある剣、何か書いてるよ」
「どれ?・・・って、全然読めねえじゃん。でも、何かの役には、立ちそうだなと、2人はその剣を引っ張ってみるが、全然抜けない。
「ぬ、抜けないC〜」
「くっそ、ただのかざりじゃないと・・・」
「手で抜くのではない。心で抜くのだ」
「「え?」」
「丸井君」
「ああ。今の声は、この剣から聞こえた。もしかして、この剣の言うとおりにすれば」
と、2人は互いに、心から剣に抜けてほしいと願いながら抜くと、剣は輝きを放ち、完全に抜けた。
「やった〜!」
「フイ〜」
「でも、この剣、結構重いC〜。でも、何に使うんだろう?」
「使い方はさておき、とにかく、跡部達と合流しようぜ」
「うん!」
2人は最下層から、上への階段を駆け上がって行った。

そして、それから数時間が経過し、夜を迎えた。時計塔の鐘が、不気味に鳴り響き、ついに婚礼の儀が始まった。
何重もの黒い衣装をまとった男達が、ぞろぞろと歩いていく。そして、その先には、観音開きの扉があり、そこに立っていたのは、純白の婚礼衣装を着た、小春だった。
「いよいよ時は来た。お前は私の者となる。さあ、共に参ろうぞ」
と、シェレーヌの言葉通り、彼は歩いていく。そして、2人が並ぶと、男達は魔法陣の書かれた杖を掲げ、道を作る。

そして、2人はただ黙って歩く、その先には作られていた祭壇が有った。

祭壇を上がると、そこには1つの椅子が有った。

そこへ、彼女が座ろうとした、まさにその時、突然、テニスボールが数個、彼女前を駆け抜け、動きが止まると、それを待っていたかのように、フェニックスが飛来し、
小春の腕を掴んで連れて行く。
「来たか!」
黒い衣装をまとった者達は、それぞれ戦闘態勢を取り、弓矢が放たれる。
「しっかり摑まっときや!来るで!」
一斉に来た弓矢をフェニックスは右へ左へ回転しながら、避けていく。
「大砲を放て!」
と、彼が言った次の瞬間、今度は彼めがけて、テニスボールが飛んできた。

が、彼はそれを受け止めた。
「ナイトのお出ましかな?」
と言うと、その場に、全員が降り立つ。
「アンタの謎、色々調べさせてもらったぜい。アンタは嫁を選ぶたび、この城の地下にそれを葬っていたな」
「それは違う。彼女達は、この世界を支えるべき立場にあるのだよ」
「多くの命を犠牲にしてですか? そんなの守り人でもなんでもない! あなたの自己満足だ」
「キングにしちゃ、かなりの悪だな。キングなら、あんたの力だけで、この国を支えられねえってか。だから、あちこちから、良い女を集めては、それを嫁として迎えいれ、
用が済んだら銅像にして、地下に葬るか」
「ずいぶん好き勝手やってんじゃん。ねえ、俺とやらない?テニス」
「テニス? フっ私も、テニスは得意な方なのだよ?」
「いいよ。得意な奴やるのって、俺好きだから」
「まちいや越前。今回やるのは、俺や!」
「一氏さん。だってあんた、シングルスの経験ないじゃん」
「なくても、やらなアカン時があるんや!!」
「面白い。実に愉快な少年達だ。ならば、今宵は、婚礼の儀だ。私が勝ったら、姫を返してもらおう」
「ただし、俺達が勝てば、金色さんは、こっちに返してもらうよ」
「良かろう。では早速始めよう。誰から行く?」
「俺からや。俺、どうしても小春を助けたいんや」
「大したナイトだ。では、そちらから、サーブをやろう」
「ほな、行くで!」
「いいサーブだ。だが、、まだあまい!」
「彼の放ったサーブはやすやすと返される。
それでも、彼は諦めなかった。
「小春は絶対、俺が助けたる。それには、お前を、倒さなあかんのや!!」
彼は何度打ち返されても、あきらめずに球を打ち返し続けた。
ただ、小春を救いたいというその一心で、試合をなんとかしようと必死だった。

そして、試合は続き、お互いが立っているのがやっとの状態まで来ていた。

そんな様子を、フェニックスの背中から見ていた小春に変化が起こった。
胸の光がだんだん強くなっていく。
「なに?、なんなの? この懐かしい感じは・・・誰かが戦ってる・・・誰?誰なの?」

彼の頭に、何か懐かしい感じが流れてくる。それは、消されたはずの記憶だった。
「ユウ・・・君?」

そして、ついに決着がついた。小春を救いたいという思いで打ち出したボールは、見事ポイントになった。
「よっしゃ〜!」
「やった〜!やったやった〜!」
「約束通り、金色小春は返してもらうぜ」
「お、おのれ〜まだ私には仲間が居る、いでよ。地下に眠りし巫女たちよ!」
「彼の言霊によって、銅像が出てくるが、どこかおかしい。
みんなはシェレーヌの方を向いている。
「違う敵はあっちだ」
「もうそいつらは、ただの人形じゃねえぜい!あんたはこいつで、封印されな!」
と、ブン太が剣を彼に突き刺した。
すると、彼が 今度は銅像になっていく。
「そ・・・そん、な・・・私は・・・私は・・・せ・・・かい・・・を」
それが、彼の最後の言葉だった。
銅像にされていた女達は皆元に戻り、喜びの声を上げる。

だが、のんびりしては居られなかった。

彼が封印されたせいで、この城自体が壊れ始めたのだ」
「城が崩れる早くここから離れろ!」
「リース。陣をお願いします。彼女達を安全な場所へ」
「分かりました」
リースが陣を形成すると、その上に、女達が乗る。
すると、女達は、皆それぞれの世界へ帰って行った。
「さあ、後は俺達だけです」
「せやな」
と、忍足は指笛を噴いて、フェニックスを呼び寄せ、小春をユウジに渡した。
だが、とうの小春は、光の粒子となって、消えてしまった。
「小春、小春〜!」
「大丈夫ですよ。体はあちら側の世界です。きっともう戻ってますよ。さ、俺達も帰りましょう」

こうして、跡部達は、いつものフォーム修正様の鏡から帰ってきた。
「小春、大丈夫やろうか?」
「見に行ってみましょう」
「ユウジと鳳が、医務室に駆け込むと、小春は、男に戻っており、さっきまで弱っていたはずの、心拍数も回復していた。
「小春?」
彼の声が聞こえたのか、小春の指がピクリと動いき、目を開いたのだ。
「ユウ・・・君・・・」
「その無事な姿に、ユウジの目から涙がこぼれおちた。
「良かった、良かった〜」
「体は、大丈夫ですか?」
「私・・・あれ?男の姿にもどっとる。なんで?どうして?」
「術を掛けられとったんや。元に戻っってホンマに良かったで」
「ごめんなさいね。まだ、うまく動けないの」
「あれだけの生気を吸い取られたら、そうもなりますよ。もう少し、ゆっくり眠ってってください。
「鳳君・・・」
「俺達、また来ますから。それじゃ、お大事に」
「小春。俺もまた来るさかい。早よう元気になるんやで」
「うん。そのユウ君。私の為に・・・ありがとう・・・」
「! 覚えとったんか?」
「うん。あの鳥の上から、誰かが試合しているのが見えたの。そしたら、胸が熱くなって、それで、頭の中に、ユウ君の姿が見えたの。本当は、応援したかったんだけど」
「その気持ちだけで、十分や。ほな、俺も練習行かなアカンさかい、小春はちゃんと休んで、早よう元気になるんやで」
「うん!」
そして、ユウジも出ていくと、小春はベッドで眠りについた。
「ユウ君・・・」
こうして、事件は解決され小春とユウジの絆が、深まったのだった。

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