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テニプリファンタジー小説コミュの(第23章)(前篇)(テニプリファンタジー)「小春災難!イケメン男子にご用心」

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テニプリファンタジー

「小春災難!、イケメン男子にご用心」

生まれ変わりの術を使い果たし、眠っていた鳳は、ようやく目を開けた。

最初は意識レベルもかなり悪く、今夜もつかどうかと言われる程の酷い状態だったが、今朝になって、ブン太の
術が効いたのか、ようやく意識を取り戻した。
「あ、あれ? 俺、は・・・」
「術の使い過ぎだ」
跡部の言葉で、そちらを見ると、みんな心配そうな顔で、自分を見てくれていた。
「み、みん・・・な・・・」
「今はしゃべらんでええ。死なんかっただけでも、めっけもんやったんやで
彼女を助けたい気持ちは分かるけど、無茶しすぎや」
「彼女・・・」
鳳はあの事を思い出し、飛び起きた。
「そうだ。彼女は・・・」
「今メンタルコーチに預けてる。体がよくなったら、会いに行ってやれ」
「でも、俺、あの人の部屋、知りませんよ」
と、彼が言うと、メンタルコーチが入ってきた。
「どうやら、気がついたようだね」
「ご心配、おかけしました」
「例の彼女なら、ここだよ」
と、メンタルコーチは手の中のそれを見ると、まだ生まれたばかりの猫の赤ちゃんの様に、動き回る。
「ちょっとくすぐったいよ」
「良かった。成功、したんですね」
「なにやら大変だったようだねそっちも」
「色々有りましたから」
「その様子なら、もう起きても大丈夫みたいだね」
「丸井さんの力が、効いたようです」
「どうなるかと思ったけど、コーチの適切な準備で助かったぜい」
「まあ、君達が帰って来ると、何かしらの事件に巻き込まれて、無事で済んだためしがないからね」
「イヤミかいな」
鳳はベッドから降りて、立って見ると、ふらつかずに済んだ。
「ふらつかない。これなら、なんとかいけそうです」
「そりゃよかった。なら、遅れた分、取り戻さないとだね」
「はい」
「んで、この猫、どうするんだ?」
「ミーミー」
と、猫はメンタルコーチの手から降りようとしていた。
試しに降ろしてみると猫はまっすぐ鳳の足もとに寄り添う
「おやおや。どうやら、君を慕ってるみたいだね」
「まあ、家にも猫いますから、大体の知識はあります」
「ただ、練習が多いし、猫一匹だけってのもな〜」

と、皆が考えた末、結局メンタルコーチが預かる事になり、練習後は鳳が面倒を見る事になった。


だが、彼らの知らない所で、次の事件が起ころうとしていた。

一氏にジュースを買いに行かせている間、金色小春は秘密のノートを見ていた。

その中には、これまで集めた、イケメン男子達の写真が有った。

もちろん、全部盗撮なのだが。
「うう〜ん。どの子も可愛くて目映りしちゃう。でも、でもでも、神尾君も素敵だけと、バンダナ君も素敵よね〜
ちょっとワイルドな所が、またいいわ〜。う〜んこの子もまあまあね〜でも、私のお気に入りは、やっぱり、
か・み・お・君!そうだわ〜今度のあの子、ポトフが好きなのよね〜どんな味なのかしら?」
と、そんな事で、はまりこんでいる小春の頭に、誰かの声が聞こえた。
「そんなに好きなのかい?」
「もっちろんよ〜・・・え?」
「だったら、私などいかがかな?」
「え?え?え〜?」
「ん?どうした?」
と、ダビデこと天根ヒカルが顔を出し、
「どうせろくでもない事だろ?」
と、バネさんこと黒羽春風がベッドの上で呆れてる。
「違うのよ、頭にね、変な声がするの。それも・・・」
「それも?」
「すっごいイケメンの声が〜!」
2人は危うくベッドから落ちるところだった。
「言っとくけど、俺って事はまずないから」
「うも〜バネさんてば冷たいのね〜」
「つをつめたいバネさん。ップ」
「むりやりギャグってんじゃねえよダビデ!」
ダビデに見事なバネさんのキックが入った。
「一体何だったのかしら。もしもし?誰なのあなた」
と、小春はまるで、電話をしているように小指を口に親指を耳に当ててみると。
「君の名前は?」
「えっと金色小春です。金色に小さな春と書いて、金色小春です」
「じゃあ、小春ちゃんって呼んでもいいかな?」
これには小春の心を見事に射抜いた。
「いや〜ん!!小春ちゃんだって、小春ちゃんだって・・・もうどうにでもして〜」
と、もんどりうって喜びまくる小春に、ダビデとバネさんは呆れ顔だが、どうもおかしい。
一体誰と話しているのかが、気になったのだ。
バネさんは、思い切って聞いてみた。
「な、なあ金色、お前今、誰と話してるんだ?」
「んも〜決まってるじゃない。頭の中からの声とよ〜それがねそれがね
「小春ちゃんと呼んでいいかい」って言ってるの〜。
「小春ちゃんの、小さな春」
「そこでなに突っ込んでんだよ、ダビデ!」
「ね、ねえ?頭の中じゃ、あなたの顔が見れないわ〜。今、どこにいるの?私、あなたに直接お会いしたいの〜」
「そうだね。こうして話すのも楽しいけれど、私も、小春ちゃんの顔が見たいな」
「私もよ〜あなたの顔が見たいわ〜ねえねえ、お名前なんて言うの?」
「私はシェレーヌ。鏡の間で、君を待ってる」
「鏡の間?それって、どこにあるの?」
「君がいる場所だよ。今、道をあけてあげる」
すると、部屋の中央に魔法陣が形成され、鏡になった。
「な、なんだこりゃ?
「鏡よ鏡、鏡さん。世界で・・・」
「ザケタ事言ってんじゃねえ」
と、またしてもバネさんの強烈キックが決まる。
だが、その鏡からは何も見えないはずだった。
金色小春を除いては。
彼がその鏡を見ると、そこには、いかにもイケメンで、長い紫の髪を持ち、服は、
王族に相応しい装飾品で彩られ、彼を迎えるように一礼した。

こうなっては、落ちない女はいないだろう。
ましてや、小春が大の男好きとなれば、なおさらだ。
「いや〜んシェレーヌ様〜っと、小春は魔法陣に飛び込んでしまった。
「お、おい金色!」
と、バネさんも追いかけようとしたが、魔法陣はすぐに消え、彼はただ床の上に尻もちをついただけだった。
「ププ」
「笑うんじゃねえ! ってそんな事より、どうなってんだ一体。あいつ、どこへ消えちまったんだ〜! そうだ。一氏にこの事を」
と、バネさんが躍起になっていると、ちょうどそこへ、彼が人数分のジュースを持って帰って来た」
「どないしたんや?」
「大変や!金色が!」
「小春? あれ?そういうたらおれへんけど、なんかゆうてたか?」
「だから、魔法陣見たいな物が、突然現れて、あいつがそこに飛び込んじまったんだよ」
「ま、魔法陣に飛び込んだ?けど、なんもあらへんで?」
「一気に消えちまったんだよ。俺も後を追おうとしたんだけど、その時にはもう消えてて」
「魔法の鏡」
「魔法の鏡? おい天根、なんか知っとるんか?」
「魔法の鏡に、呪文を唱えた」
「って、開いたん自分かいな!」
「いや、そうじゃない。あいつが勝手に言っただけだ。でも、何も見えなくて、でも、完全に金色には見えてた」
「小春に見えてってどういう事やねん」
「知りてえのは、むしろこっちだ」

その頃、小春は、鏡の間でシェレーヌと対面していた。見事な顔立ちに、彼はいてもだっても居られないという
状況だった。
「あなたが、シェレーヌ様?」
「様はいらないよ。小春ちゃん。シェレーヌでいいよ」
「じゃあシェレーヌ。あの、ここどこやの?」
「アハハ。私とした事が、この世界の事を、教えるのを忘れていたね。ついて来なさい」
「はい」
彼がついて行くと、そこには、見渡す限りの大自然が広がり、それに調和した街が有った。
「あの、あなたって、ホントはこの国の」
「そう。主だ」
「あ、あの私、なんか場違いなところに来ちゃったかしら」
「そんな事ないよ。君は十分可愛いじゃないか」
「え?で、でも私・・・って・・・え〜何これ〜」
彼がビビったのも無理はない。
いつの間にやら、ピンクにフリルの着いたドレスの姿に変わっていたのだ。
「う、うそ。なんで、どうして?」
「これが私の力だ。私は、この国が好きだ。でも、この城にいるのは、私1人。小春ちゃん。
私に力を貸してくれないか」
「何をすればいいの?」
「君の愛の力を」
と、シェレーヌは小春に口づけを交す。

すると、小春は目を閉じ、ぐったりとなった。
「フフフ。良い子だ。もうすぐ、私は変わる」
「その時のシェレーヌの目が、一瞬赤く光った事に、誰も気づいていなかった。

翌朝、合宿所の朝が来た。結局小春は見つからず、諦めかけたその時だった。
「一氏〜!」
と、バネさんが駆け寄ってくる。
「どないしたんや」
「こ、金色が見つかった。今医務室なんだが、どうも変なんだ」
「変って・・・小春に何か、あったんか!!」
「詳しい事はわからねえけど、ピンクのフリル付きドレスを着て、倒れてたらしい」
「ぴ、ピンクのフリフリドレス? あいつそんなん持ってへんで〜」
「だから余計におかしいんだ。とにかく来てくれ」
バネさんとともに、医務室へ向かった2人は、小春の容体とともに、その服にも着目した。
たしかにピンクのフリフリドレスがそこにあった。しかも、奇妙な事に、いつもの合宿所の服がないのだ。
「こいつ、いつの間にこないな服を?」
「それに、おかしいのはそれだけじゃねえ。昨日、俺たちが見た時は、間違いなく、いつものこの服だった。
けど、次に見つかった時は、これ一枚だったんだ」
「どういう現象やねん。それ。あ、それで、小春の容体は?」
「医師の話じゃ、まだ目をさましていないから、なんともいえねえけど、かなり弱ってるのは確からしい」
「弱っとるやと」
「ああ。それで、今は点滴で、栄養補給してる所らしいんだが、どこまで持つか」
「そんな〜こは・・・」
「今はむりだ、彼を信じて回復を待つんだ。さあ、俺達は、俺達の練習に
行こうぜ」
「あ、ああ」
バネさんに励まされ、一氏は、早朝トレーニングに向かった。

一方、この情報は、跡部達の耳にも既に入っていた。
「しっかし今度の相手が男やとはな〜」
「ああ。恐らく、金色の、「イケメン男に弱い」って所に付け込むとは、敵は相当な奴だな」
「確かに金色、ヒマさえあれば、男の写真撮りまくってたC〜」
「こりゃやっぱ、あの手でいくしかないな」
「でも、金色さんに掛けられた術が何か分からない以上、対策の使用がありませんよ」
「それは、夜に話し合おう。今は、互いの訓練に集中するんだ」
「了解!」
跡部の指示で、全員は、それぞれの訓練に集中する。

そして、金色の方にも変化が表れ始めた。
まず、男性特有のものが、全て、女性のそれに変わっていたのだ。そして、髪も、黒のロングストレートヘアーに
変わっていったのだ。

この現象を、隠れて観察していたルシアも、驚きを隠せない。
「こ、こいつ、女になってもうた・・・」

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