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テニプリファンタジー小説コミュの(第20章)(後篇)(テニプリファンタジー)「災難!好きな食べ物にご用心

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「そちらにサーブをあげるわ」
「そんじゃ行くぜ!」
ブン太がサーブを打つと、スイーツが打ち返す。

しかも、かなりのパワーだ。
「ぐ! あ」
ラケットをはじかれたブン太は唖然とする。
このふたり、名前はかわいいが、かなりの強敵だ。
「次は決めるぜ!」
続けて打つと、今度は縮地法顔負けのスピードで、キャスティが移動し、打って来た。

それも、慈郎が見抜けない程のスピードで。
「え?」
「やるじゃん」
「ウフフ。私達の実力は、こんな物ではなくてよ」

この試合を見ていた跡部は、2人の動きを冷静に観察した。
「パワーのスイーツに、スピードのキャスティか」
「かなり、苦戦しそうなやな」
「でも、芥川先輩には、丁度いいんじゃないっすか? あの人、こういう試合に、ワクワクしちゃうんでしょ?」
「たしかに、芥川先輩、相手が強いほど、喜びますからね」

そして、試合が始まってからしばらくすると、戦況は段々変化し始めた。

相手が強いと分かった慈郎は、リミッターを外し、丸井も華麗にボレーを決める。
「何なのこの二人?」
「私達の力を、楽しんでる?」
「まだよキャスティ。私達にはあれがあるわ」
「そうね。ここまで来たら、あれを使う以外、私達に勝機はないわ」

すると、2人は、シンクロを繰り出した。
「こいつらもできんのかよ」
「マジ!?マジマジすっげー!」
「調子にのんな芥川、こうなったら、こっちもまじで行こうぜ」
「うん!」

そして、勝敗は決まった。

勝ったのは、慈郎とブン太だった。

最後の追い上げで、滋郎がマジックボレーを決め、更にブン太が新技を出した事で、
2人のスタミナを削ったのだった。
「やった〜! 俺達勝ったC〜」
「よくがんばったな。芥川」
「うん。丸井君の新技、カッコ良かったC〜あれ、なんていうんだっけ?」
「あ、悪い、まだ名前決めてねえ」
「じゃ、俺が決めて良い?」
「いや、それはちょっと。てか、まだ正式の場で使ってねえから、そん時の為に取って置きたいんだよ」
「じゃーさ〜その時に、名前教えてね〜」
「へいへい」

そして、世界が変わっていく。今までゴーヤやたこ焼き、モンブランにされていた者達が、元に戻り始めた。

そして、2人は、一つの煙のようになると、一か所にあつまり、1枚のカードになった。
慈郎とブン太がそれをみると、そこには、スイーツと書かれていた。
「これ、どっちが持っとく?」
「そうだな。じゃあ、俺がもっとく。俺、ケーキが主食だし」
「そうだったね」
「アハハ」

「2人とも、笑ってますけど、良いんスか?」
「かまわねえよ。あの二人を、2人で倒したんだ」
「あの2人らしいっスね」
「さて、問題は、こっからだ」
「こっから? それって・・・」
「こしまえ〜」
と、いきなり金太郎が。リョーマに抱きついて来た。
「うわ、な、なんだよ!?」
「ワイ、やっと元に戻れてんで〜」
「ちょっと、苦しいってば」

とそんなやり取りをしていると、
「ゴゴゴゴゴ!」
と、ものすごい横揺れを感じた。
「な、なんだ!?」
「やっぱりそうか。この世界は、崩壊する」
「え? なんで!?」
「この世界は、あの2人で構成されていた世界だ。それがなくなって、菓子だった物が、みんな元に戻りだした
からだ」

周りをみると、たしかにチョコだった物が、ただの布になり、足場だったクッキーが砂になっていく。
「とりあえず、この世界から出ましょう。俺は、木手さんを連れてきます」
「ほな、俺は亜久津を連れてくわ」
鳳と侑士が分かれると、跡部、リョーマ、金太郎、滋郎、ブン太は、この世界から脱出した。

そして、鳳は木手を抱え、侑士は亜久津を引っ張りながら、この世界から脱出した。

次の日の夕食時、選手達はそれぞれ好きな物を選ぶが、亜久津はモンブランをやめ、木手はいつも通りだったが、金太郎はたこ焼きを取ろうとしなかった。
「ん? 金ちゃんどないしたんや? いっつもたこ焼き取りようのに」
と、相席していた白石が聞くと、金太郎は、昨日の事を話した。
「たこ焼きにされた〜? 金ちゃん。それ気にしてんのか?」
「白石〜、やっぱ信じてくれへんの?」
「いやそういうわけとちゃうけど、たこ焼き好きがたこ焼きになるって、ギャグになるな〜って」
「ギャグやのうてホンマになったんや! ワイ、食われそうになってんで!」

一方別の席でも、亜久津がモンブランを取らなかったのを見た河村は、亜久津にその理由を聞いたのだが、答えてくれず、千石が聞くと、
「どうせ信じねえだろうが。モンブランにされたなんてよ」
「も、モンブランにされた〜? マジで?」
「ケッ!」
「あらら〜亜久津がずっと機嫌悪かったのは、このせいみたいだね」
「まあ、モンブランの気持ちになれたと思えば・・・」
「誰がモンブランの気持だ〜!」
と、亜久津は河村を締め上げる。
「わ、悪かったよ亜久津。ゴメンって」
すると、亜久津はようやく河村を放した。
「フウ」

この合宿に、来て正解だと思いますね。
「どうしたさ永四郎? 急に」
「俺は昨日、ゴーヤにされました。平古場君」
「ん?」
「ゴーヤでいじめてすいませんでした。このとおりです」
と、永四郎はいきなり平古場に、頭を下げた。
「え、永四郎?」
謝られた平古場は、逆に困った。

たしかに嫌いなゴーヤで今まで散々いじめられてきたが、その事で、彼が謝ってくるとは地球がひっくり返っても有りえないと思っていたからだ。
「え、永四郎」
「なんですか? 平古場君」
と、凛は、彼の額を合わせた。
「熱ないさ〜?」
「やはり、信じていませんね・・・ゴーヤ食わすよ!」
「って、また元に戻ってるしー忙しいやーさー」
「ま、それでこその永四郎さ〜」

と、まあなにはともあれ、この事件は無事に解決したものの、3人の心に、大きな爪後が残ってしまった。

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