名言集コミュの本当に「君は君のままでいい」のか？

最近「君は君のままでいい」という言葉をよく聞きます。

たしかに、君は君のままでいい。

君は誰とも違う個性であり君の人生なのだから

自分のやりたいこと、好きなことをして生きることができれば何の問題もありません。

ただし、この言葉を自分に都合良く解釈してはいけません。

「何も努力しないでいまの自分でいい」

「嫌なことならやらなくてもいい」

そんな誤った自己肯定に安住しているのならば、君は君のままでいてはいけません。

君は未見の我という言葉を知っていますか。

人間にはまだ見ぬ自分が眠っている、たくさんの可能性が秘められているという意味です。

人生とはその自分を探す旅のようなものです

たとえば、脳にしても、日常的に使っているのはわずか５％にすぎないといわれます。

ということは、残りの９５％はほとんど使われず、死んでいく。

死ぬ瞬間まで、自分の可能性を広げて生きることが、満ち足りた人生を築くのです。

社会に出れば、理不尽なことや腹の立つことが山ほどあります。

生活のためには、やりたくない仕事もこなさなければいけませんし、何もせずに

「君のままでいい」などと肯定してもらえる環境は絶対にありません。

すると、こう考えるのです。

お金のために仕事などやりたくない

自分らしくいられる場で生きたい

そもそも社会になど出たくない。

それは結局お母さんの子宮に戻りたいという願望と同じです。

その気持ちはわからなくもありませんが

いま現在の自分という殻に閉じこもっていたら未見の我、自分の新しい可能性には出会えません。

せっかく君には多くの可能性が眠っているのに、とてももったいないことです。

もし、何をしていいかがわからないならば

自分の「好きなこと」 「得意なこと」 「人のためになること」

という３つが重なることは何かを考えてみてください。

３つ同時に考えるのが難しければまずは自分の好きなことから考えてみると良いでしょう。

好きなことをずっとやっていれば、それはいずれ得意なことになっていきます。

さらに、得意なことを突きつめていけば

人に教えたり、人からお金をいただけるくらいのレベルまで上達するでしょう。

たとえば、絵が好きで、得意になって子どもたちを集めて絵画教室を開き

収入が得られるようになることです。好きなことが自分の職業になったわけです。

では、そもそも好きなことが見つからなかったらどうすればいいのでしょうか。

たとえば、望んだ就職先に入れずさほど興味のない仕事ばかりやらされていたら

好きなことなど見つけるのは無理かもしれません。

だったら、とりあえず目の前のことを一所懸命にやってみることです。

私も日産時代は自動車のセールスマンというあまりやりたくない仕事をしていたことがあります。

しかし、何十冊とトップセールスマンの本を読んで、あれこれ試してみました。

どうやったら、ドアを開けてもらえるか？

どうやったら値引きをせずに買ってもらえるか。

日々セールストークや商談の仕方を工夫して

仮説→実行→検証のサイクルを繰り返していました。

その過程で小さな発見や喜びもありました。

好きなことも分からないならば、とにかく目の前に置かれた課題を一所懸命やることです

スポーツを考えてみれば明らかです。

最初スポーツをやり始めた時はうまくいかないのでおもしろいというところまで、

なかなかすぐにはいかないですよね。

でも打てないポールが打てるようになったり

遠くまでボールを蹴ることができるようになったりするとだんだんおもしろくなっていきます。

練習をサボっていたら、うまくいかないし、当然おもしろくもありません。

しかし、練習してどんどん上達すれば必ずそのスポーツが好きになります。

もっとうまくなりたい試合に勝ちたいという欲も生まれてきます。

ただし、一定のレベルまで上達するのにある程度の期間が必要です。

半年かもしれないし、２年かもしれない。

その期間に耐えられず多くの人が我慢できずに挫折してしまいます

もう少し我慢してそこを乗り越えればおもしろさを見つけられるのに、途中でやめてしまうのです。

仕事を続ける上では無用なプライドも邪魔になります。

「自分はもっとできる」「あいつより自分の方が上なのに」そんな思いをいつも抱いていると

ささいなことで仕事が嫌になり、投げ出してしまうきっかけになります。

まずは自分は何もできないのだという謙虚さを持つべきです。

まずは目の前の仕事で実績を上げることです。

会社は学歴や職歴といったわかりやすい物差しで、君を評価します。

一方、君が現在と同じ給料でより責任のある仕事を任されたとしましよう。

当然「なぜ給料が一緒なのか」という憤りを覚えます。

それよりも仕事の報酬は仕事と思って喜んでさらに高度な仕事に打ち込めばよいのです。

会社や上司はまずは責任のある仕事をやらせてみて

期待する結果を出せればきちんと給料を上げてくれるものです。

この逆の順番はありません。

だから、いまの仕事がつまらない不当な扱いを受けているといった、

マイナスの面にばかり目を向けてはいけません。

つまらない仕事でも自分の考え方１つでおもしろくできます。

いつかその努力が実を結び、君が未見の我に出会える日はきっとやって来ます。