ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

なつみ館(仮)コミュのそんな『設定』は俺がぶっ壊してやる!【第二話】

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【第二話】

  場面は演劇部の倉庫。

  ガラクタが積まれた山の頂上に宮本が座っている。

  山のふもとに水沢が立っていて、宮本を見上げている。

  山田は傍らに立っている。

  山田に照明があたる。

山田「少しだけ話をしよう。俺と神崎はあの日、菊川と名乗る人物と出会った。菊川の仕事は、世界の設定を変えて、世界に変化をもたらすこと。曰く、血液の流れを良くして、体調を整えるのと同じく、世界の設定を動かして、世界のバランスを整えるのだとか。
そんな菊川の逆の方向性として、宮本は世界を変化させまいとする存在なのだと自称している。宮本は何故かうちの学校の演劇部の倉庫に住み着き、何故か付き合わされている俺と二人で、生徒たちの相談を聞いて解決するといった正義の味方ごっこみたいなことをやっているのであった」

  舞台の全体に灯りが灯る。

宮本「いらっしゃい、かわいこちゃん」
山田「とりあえず会った女子にはみんなに言うのな、それ」
宮本「そもそも僕は、男の悩みごとは聞かない主義なんだよ」
山田「ひどいな」
宮本「それで、君の名前を教えてくれるかな、かわいこちゃん」
水沢「水沢です。水沢あかね」
宮本「水沢ちゃん、ね。それで、単刀直入に聞くけれど、君の悩みゴトはいったいなんなんだい?」
水沢「相談があって来ました」
宮本「相談ね。はいはいなんでも言ってごらん」
水沢「ある人を、殺したいんです」

  /

  音楽とともに、短いオープニング映像。

  第二話、はじまり。

  /

宮本「殺したい、ねえ。なにやら物騒なこと言っているけど、そんな法律を犯すような真似はいくら僕でも、加担できないなあ。すまないが他を当たってくれないかい?」
水沢「なんでも相談に乗って、助言して、解決してくれるって聞いたんですけど」
宮本「なんでもは言いすぎだよ。僕は自分ができる範囲のことしかできない。僕は神様でもなければ全知全能でもない。それでも、話を聞くことくらいはできる。さあ、吐いて楽になりな」
山田「犯人の自供かよ」
宮本「犯人、ね。言い得て妙、なのかもしれないな、今回の場合は」
山田「?」
水沢「・・・私、好きな人がいるんです。最近その人に恋人ができたみたいなんです。私、それがショックで・・・」
宮本「なるほどねえ。つまり、──『横恋慕』、か」
山田「そんないつもみたいに『病』みたいに」
宮本「恋の病も病のうち、ってね。現象に定義をつけて名前をつけて原因を捉えてこそ、対策と解決の策が打てるってものさ」
山田「そんなもんかね」
宮本「それで、その相手が憎くて殺したいと、そういうわけか」
水沢「・・・はい」
宮本「うーん、難しい問題だなあ。水沢ちゃんはさ、どうしてその彼のことを許せないって思うのかい?」
山田「ん? 彼? 彼女、じゃなくて?」
宮本「ん? ああ、そうだね、そうだそうだ、間違えた。で、どうなんだい? どうして相手を許せないって思うんだい?」
水沢「この感情って、間違っているんでしょうか。好きな人を取られて、こんな風に心がぐちゃぐちゃになるのは、それは、私がおかしいんでしょうか」
山田「取られてって、別にお前のものじゃないだろ」

  水沢、山田を睨みつける。

  たじろく山田。

宮本「そうだねえ、間違ってはいない。ただ、別の考え方をしてみようよ。好きな人に幸せになって欲しい、だから自分は諦めて身を引く、そういう風には思えないかい?」
水沢「・・・・・・」
山田「そうだよ。好きなんだったら、その人の気持ちを優先して考えることが大事なんじゃないのか?」
水沢「・・・あなたは、簡単に諦めることができますか? 本当に心から大好きな人がいて、その人に好きな人ができたからって、すっぱりと、気持ちを切り替えることができますか?」
山田「それは、まあ、すぐには無理かもしれないけど」
水沢「私には無理です。どれだけ時間が経とうが、どれだけ諦めようが、それでも、私はあの人のことが好きです」
山田「・・・・・・」
宮本「いやあ、いいねえ、まっすぐで。ま、一歩間違えればストーカーの類だけれど。今の時代、難しいよね。昔は一途って美化されていた行動も、いまじゃあ立派な犯罪行為と捉われかねない」
山田「茶化すなよ、オッサン。でもやっぱりそれって、お互いの気持ちが大事なんじゃないのか? 向こうが望んでいないことをしちゃいけないっていうか、ひとりよがりなのは、間違ってると思う」
宮本「山田くん、君さあ、本気で人を好きになったことがないんじゃないの?」
山田「な・・・なんだよ、それ」
宮本「べっつにー。なんでもないよ。まあ、往々にして恋愛ってのはどこまでもひとりよがりなもさ。だって恋愛ってのは、対象がいるから二人いないと成立しないように見えて、実は一人きりでも成立してしまうものだからね」
山田「それって、ただの片想いだよな」
宮本「片想いも恋のうちさ。まあ、付き合っていても、結婚していても、気持ちが交差しているように見えて、両想いのように見えて、その実、本当は永遠に片想い同士なのかも知れないけれどね。人間の気持ちっていうのは、コミュニケーションによって伝えあってはいるけれど、やっぱり一方通行のキャッチボールの連続だからね」
山田「はあ。オッサンはなんか饒舌に語りまくってるけど、恋愛経験なんてあるのかよ」
宮本「そりゃあ若い頃にはあるよ。山田くんは、その身を焦がすような、そんな恋愛をしたことがないのかい?」
山田「そ、そういうの、よくわからねえよ。俺だって、最近、人生で初めて彼女ができたんだから」
宮本「そうかいそうかい。そいつは重畳だ。人生はこれからだからね。ときに山田くん、水沢ちゃん、『鳴く虫よりも──』的な話しを知っているかい?」
山田「は? もっと情報をくれ」
宮本「鈴虫やらの声を出して鳴く虫よりも、蛍のように灯りをともしている方が風流があっていい、という話だ。転じて、おおっぴらに「好き」だと言って告白するよりも、その言葉を、心を隠し持ってその身を焦がしている方が素敵だ、という話、かな、たぶん」
山田「おい、えらく曖昧だな」
宮本「僕もね、何か、古典・古文みたいなので昔読んだような気がするのだけれど、あんまり覚えてなくてね。君たちは、授業で習ったりしなかったかい?」
山田「いや、知らないな」
宮本「そうか。それじゃあ僕も後でネットで調べてみるかな」
山田「大活躍のスマートフォン!」
宮本「まあ、蛍の話だからというわけじゃないけど、僕には好きな言葉があってね、「もくる」って言葉だ」
山田「もくる?」
宮本「ああ。告白することを「告る」(こくる)って言うだろ? それに対し、告白しないことを黙秘することから、黙る(だまる)と書いて「黙る」(もくる)と言うんだ」
山田「へえ」
宮本「まあ、ネットで誰かが言っていただけで、実際にはそんな言葉はないのだけれど」
山田「ないのかよ」
宮本「僕はね、「告る」(こくる)のも、気持ちを伝えるっていうのも大事なことだと思うよ。だけどね、「黙る」(もくる)っていうのも恋愛活動の一つなんだって思うんだ。気持ちを伝えるというのも恋愛活動だし、伝えずに胸にしまって、勝手に想ってるのだって、やっぱり恋愛なんだ。だから、気持ちを伝えなきゃいけないみたいな考え方の人もいるけど、伝えないことは弱さとか逃げとかじゃなくて、それはそれで恋愛として美しいと思うんだ」
山田「あれ、オッサンが綺麗なこと言ってる。あれ、偽物?」
宮本「ひどいなあ。しかしまあ、実際、ただ黙ってるだけなんだけどね」
山田「そう言ってしまったら身も蓋もないな」
宮本「そういうわけだ。というわけで水沢ちゃん、君も今日のところは諦めて帰ってくれないかな? 僕は人殺しの手伝いなんかしないし、何も行動を起こさないということも、恋愛として僕は美しいと思っている。僕が言った今日の言葉をゆっくりと噛み締め、噛み砕き、飲み込み、うがいして眠って、明日落ち着いた頃にまたおいで。そうしたら、もう一度相談に乗って議論をしよう。いや、女の子はあんまり議論は好きじゃなかったか。お話をしよう。僕が君の悩みを、いくらでも聞いてあげるからさ」
山田「優しいなオッサン。女子にだけ」
宮本「いやいや、そういう山田くんの方が、やっさしー、んだぜ。惚れてしまいそうだ。僕が女なら、君に抱かれたいくらいさ」
山田「あんたが男でほんっとによかったよ」
宮本「僕は、男同士でも全然問題ないんだけど?」
山田「問題ありありだ! もう俺、このオッサンに近づきたくない!」
宮本「──というわけだ、水沢ちゃん。今日のところはお帰り。あんまり話もできなかったけど、また明日」
水沢「はい。ありがとうございました。失礼します」
宮本「山田くん、水沢ちゃんを途中まで送ってあげなよ。最近は日が落ちるのも早いからさ」
山田「あ、ああ。わかった」

  /

  倉庫を、学校を後にして帰路につく山田と水沢。

  場面は帰り途。人気のない道。

山田「しっかし宮本のオッサンも適当だよなー。あれじゃあ相談所にもなんにもなってないっての」
水沢「・・・・・・」
山田「・・・・・・。あ、しっかし、開口一番、殺したいなんて言葉がでてきたときは、俺も驚いたよ」
水沢「・・・・・・」
山田「・・・・・・」

山田(きまずいっ!)

山田「そういえば、水沢の好きな人って、どんな人?」
水沢「とても強い人です。私は、その強さに魅かれました。私が辛いときに、救ってくれました。私にとって、神様みたいな人です」
山田「そっか。大事な人なんだな」
水沢「大事です。大切な人です。誰よりも、何よりも」
山田「そっか」
水沢「山田さんって優しいんですね」
山田「いや、そういうわけじゃあないんだけど」
水沢「だって、私の話を聞いてくれてるじゃないですか」
山田「いや、そりゃまあ、一応相談に乗ったわけだし」
水沢「それだって、宮本さんが一人でやればいいことであって、山田さんは関係ないじゃないですか」
山田「まあ、関係ないっちゃないんだけど、ほっとけないっちゃ、ほっとけないというか」
水沢「本当、山田さんって優しいんですね。好きになってしまいそう」
山田「はいっ!?」
水沢「冗談ですよ。虫唾が走る」
山田「ひどい言われようなんですけどっ!?」
水沢「ほんと、優しいなあ。お人よしだと言ってもいい」
山田「なんなんだよ、さっきから」
水沢「滑稽と言い換えてもいいですね。だって、被害者が加害者の相談に乗っているんだから」
山田「え?」
水沢「私が殺したいのはね、山田さん、あなたなんですよ」

  /

水沢「いや、正確には加害者があなたで、被害者が私なんですけど。だから私は、あなたを殺したいと思っている」
山田「み、水沢さん、何を言ってるのか、わかんないんだけど」
水沢「だから、さっきから言ってるじゃないですか。殺したいって。間違えないでくださいね。死んで欲しいんじゃない。私は、あなたを、殺したい」

  水沢、鞄の中からナイフと取り出す。

山田「待て待て、危ないから! そんなもの振り回したら危ないから!」
水沢「どうして逃げるんですか。それじゃああなたを殺すことができないじゃあないですか」
山田「なんで俺がお前に殺されなきゃいけないんだよ」
水沢「どうしてそんなこともわからないんですか? 言ったでしょう、あなたは加害者だって」
山田「わけわかんないって! 俺と水沢は初対面のはずだろ? 俺、お前に何かしたのか?」
水沢「私には何もしてない」
山田「だったら」
水沢「山田さん、あなたが何かを誰かにしたかって言ったら、神崎先輩しかいないじゃないですか」
山田「え、こう、ざき?」


 / 水沢と神崎の過去



  舞台上を人間が歩き回っている。

  水沢は舞台上の真ん中に立っている。

  それぞれが口ぐちに何かを言っている。

  それは学校での、何気ない会話。

  でも、水沢にはそれが耳触りで、気持ちが悪くて、仕様が無かった。

  学校での生活の音も聞こえる。

  机や椅子を引きずる音、シャープペンシルでノートに文字を書く音、放課後の吹奏楽部の練習の音、他にも、他にも、・・・

  声がだんだんと大きくなっていく。

  人間の、集団の、社会の、しがらみの、そんな中にいるストレス。

  それが水沢を侵食していく。

  耐えられなくなり、水沢はその場に崩れる。



  女王(神崎)が現れる。


  音や声がぴたりと止む。

  水沢はゆっくりと顔を上げる。

  そこには、悠然と立っている、影響力の塊のような少女がいた。


   照明が切り替わる。

   立ち上がる水沢。

水沢「中学に入ったばかりの私は、少しひねくれた性格をしていた。
   というか、自分が優秀な人間なのだと、そんな根拠のない自信があった。
   勉強や運動が他人よりも上手くできたこともあって、自分が特別な存在だと思い込んでいた。
   でも、ある日、その自信は、いや、自分自身は、打ち砕かれた。
   自分よりも何十倍もの存在感を持った、格が上の人間の存在を知ってしまったのだから」


   女王(神崎)が手を広げ、大きく体ごと回す。

   すると、それに合わせて人間達が動き、操られる。

   そのまま舞台上から消えていくその他大勢。

   舞台には、水沢と女王(神崎)の二人だけ。

水沢「人がたくさんいる中にいると、ひどく落ち着かなかった。
自分の居場所はここではないような、そんな感覚があった。
世界から自分がずれてしまっているような、そんな感覚」

   女王(神崎)が手を差し伸べる。

水沢「運命だと思った。
   今まで、ざわついていた世界が、不安でしようがなかった私の心が、一気に静けさを得たんだから。
   先輩の傍にいると、心が安らいだ。
   いつも先輩姿を目で追っていた。
   気がつくと私は、神崎先輩のことを好きになっていた」
   

  /

 ──こいつ、俺と同じだ。山田はそう思った。

 /

  水沢、ナイフを振り回す。
  それを紙一重で避ける山田。

山田「ちょっと、待てって、なんなんだよ!」
水沢「あんたなんか、いなくなればいいのよ!」

  ナイフを振り回す。殺す気で。

  山田が躓き、その場に倒れる。

  水沢、一心不乱にナイフを突き立てる。

水沢「消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、キエロ──!」

  わかってる。本当に消えてなくなって欲しいのは、自分自身だ──

  ナイフを刺しているものから白い綿や羽が飛び散る。

  まるで、枕かクッションかをめった刺しにしていたかのよう。

 /

宮本「変わり身の術! なんてね」

宮本「全く、本当にモテるねえ、山田くんは」
山田「もてないよ。俺が人生でもてたことなんて一度だってない。神崎が俺のことを好きになってくれたってだけで天地がひっくり返るような大事件なんだから。そもそも、モテるのは神崎の専売特許だろ」
宮本「元、ね」
山田「まあ、確かに元なんだけど」

宮本「しかし水沢ちゃんの行動は確かに、常軌を逸脱してしまっているよね」

  宮本、水沢の手を握り、力を入れる。
  水沢に痛みが走り、手からナイフが落ちる。
  すかさず宮本が水沢を開放し、ナイフを拾い上げる。
  水沢、その場に崩れ落ちる。

宮本「神崎ちゃんのモテモテオーラの設定を書き換えた影響だね、これは。きっと、その大きな変化に耐えることができなかったってことなんだろう。まあ、それをケアするのが僕の仕事でもあるんだけれど。面倒臭いよね、ほんと。だから僕は変化が嫌いなんだよ。あー、ついでに菊川のことも大っ嫌い」
山田「どさくさにまぎれて本音が出てるぞ」

  水沢、放心状態で「消えろ」と何度もつぶやいている。

水沢(大好きな先輩が変わってしまった。
   あの頃の先輩は、本当に輝いていて、あの人はいつだって人の中心にいたけれど、あの人はいつだって孤高で、孤独だった。
   孤独であることが、王者であることの絶対条件だ。
   彼女はいつだって男と一緒にいたけれど、男たちは彼女を輝かせるための記号に過ぎなかった。
 だっていうのに、大好きなあの人は、ただのありふれた普通の女に成り下がってしまった。)

山田「なるほどね。神崎の全盛期の信望者か」

山田(そして、犠牲者でもある。)


  孤独であることが、王であることの、唯一の絶対条件だったのだ。

宮本「なるほどなるほど、神崎ちゃんが変わってしまったことを、普通の女の子に成れ果ててしまったことを、山田くんのせいだと思ったわけか。まあ、付き合い始めたのも同じ時期だし、そう思ってしまうのも確かにわからなくはない。犯人は菊川のやつなんだけどね」

  神崎が現れる。

神崎「あかね」
水沢「神崎、先輩」

山田「な、なんで神崎がここに?」
宮本「僕が呼んだんだよ。こんなことに成りそうだったからね」
山田「お前、知ってたのかよ」
宮本「何を、だい?」
山田「いろいろだよ!」
宮本「だから言っただろ? 今回の犯人、加害者は水沢ちゃんで、対象は彼・・・山田くんだって」
山田「言ってねえよ!」

水沢「神崎先輩、あの、あの」
神崎「あかね、良く聞いて」
水沢「は、はい」
神崎「山田に何かしたら、あたし、一生あんたを許さないから」
水沢「・・・・・・」
神崎「絶対許さない」

  水沢、声を上げて泣く。

宮本「鳴く虫よりも、泣き虫だった、かな」

水沢「ごめんなさい、神崎先輩、ずっと、ずっと、好きでした。私、先輩のおかげで救われて、諦められなくて、先輩が変わってしまって、私どうしていいかわからなくなって」

  神崎、水沢を抱きしめる。

神崎「ありがとう。あたしもあかねのこと大好きだよ。あたしは変わってしまったかもしれないけど、でも、あたしはあたしだから。そのままのあたしを好きになって欲しいな」

  水沢、泣きながら頷く。

宮本「水沢ちゃんは蛍のように「黙る」(もくる)ことはできなかったか。まあ、伝えないと、気持ちは伝わらないからね」

山田(正直、まっすぐに面と向かって「好き」だと言えることが、俺にはうらやましかった。
  そんな純粋な気持ちを誰かに発することができるだなんて、きっと俺には無理だ。
  俺は、宮本の言葉を思い出していた。
  「君ってさあ、本当に人を好きになったこと、ないんじゃないの?」
  水沢が泣きやむまで、神崎は水沢を抱きしめて、頭をずっと撫で続けていた。)


第二話、完。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

なつみ館(仮) 更新情報

なつみ館(仮)のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。