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意味がわかると怖い話。コミュの謎の行商人、陳 7(自作・長文)

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(^▽^)
どうも、俺です。

雪山登山、してみたいものです。
登山する際には、細心の注意を……。

※毎回言わせて頂いておりますが、純粋な意味怖が読みたい方は見ない方が宜しいです。
m(__)m



★★★★★★★★★★★★★★★



ホワイトアウト……


[積雪のある冬山などで、雪雲がガス状に立ちこめ視界全体が真っ白になり、空間と地面の見分けがつかなくなる現象]




俺『……何も見えねぇ…』



―――5時間前―――


俺は冬休みを利用し、趣味である登山をしに来ている。

今回は、前回踏破した山よりも大きい山を登る。

そこに山があるから登る、と言う言葉は、まさに俺の座右の銘だ。

いつものように登山用の格好に、完全装備。
準備万端。



よっしゃっ、行くぜっ!!




―――現在―――




ホワイトアウトに包まれ、視界は真っ白だ…。


俺『……何も見えねぇ…』


突如発生したホワイトアウトにより、俺は方位が分からなくなってしまった。

マズイ、まずい…

ホワイトアウトが晴れるまで、どの位時間が掛かるのか分からない。
そもそも、ホワイトアウトなんて、初めての体験だ。

雪洞を掘り、ホワイトアウトと寒さから身を守るのも手だが、いつ雪崩が起こるかも分からない。

俺の計算によれば、この山を500m程登った所に登山者用の、簡易式の小屋があったはずだ。


俺は意を決して、止まっていた足を動かした。



よしっ!!

俺の計算は正しかった。


ホワイトアウトの中を真っ直ぐ上へ登り続けていると、右側にぼんやりと小さな木で建てられた小屋が視界に入ってきた。

ひとまず、強くなってきた吹雪とホワイトアウトが晴れるまで、この小屋でやり過ごすことにしよう。


俺は、ピッケルを動かし、小屋の前まで向かい、小屋のドアを開けた。


ふぅー、助かった……


小屋に入り、入口内にて雪を払い落とし、ゴーグルを外した。

……ん?

改めて小屋内を見渡してみると、既に一人の先客が……居た…。


…そんな、まさか……

…ありえないだろ……


小屋の奥の壁にもたれながら、床にあぐらをかき、両腕を交差させガタガタと体を小刻みに震わせている人間が居た。


黒のスーツ、黒のシルクハット、黒のサングラス、黒の鞄、黒の皮手袋を着けたその男の風貌からは

まるで、冬の登山を根本的に馬鹿にしているという印象を強烈に俺に与

男『さむさむさむさむ…』


口をカチカチと震わせながら、その男はガタガタと体を小刻みに揺らしていた。


俺『だ、大丈夫ですか!?』


俺は、−20℃を軽く下回る冬山を、軽装で肩を震わせている男に声を掛

男『さむ、サムライ、何で日本に居ないネ…。』

俺『はい?』

男『サムライ、日本に居なかたネッ!何故ネッ!』


きっと雪山の登山で、よほど辛い体験をしたのだろう。
錯乱状態になっていることが見て取れる。


俺『お、落ち着いて下さい、ここは』

男『雪山の中腹にある簡易式の山小屋ネッ。』

俺『そ、そうです。しかも、外は』

男『雪雲がガス状に立ちこめて視界全体が真っ白になり、空間と地面の見分けがつかなくなる現象を体験して来たネ。これでホワイトアウトでも来たらワタシ、死んでしまうネッ!!』

俺『それがホワイトアウトだよっ!!詳しいなっ!』


意識はしっかりしているようだ。


俺『あの、そんな軽装で寒く無いんですか?』

男『むしろ、そんな厚着で暑く無いカ?考えられないネッ!』

俺『あんたの格好の方が考えられねーよっ!!』


何なんだ、この男は…。
とても正常な人間にはこの寒さは堪えられるものでは無い。

それとも、俺が幻覚を見ているのか…?


俺は、徐々に目の前にいる男性に恐怖を感

男『雪だるま作るには、すこし量多いネ。』

俺『現状に恐怖しろよっ!!何で平然としてられるんだよっ!!』


男性のあまりにも落ち着いた態度に苛立ちを感じた俺は、思わず怒鳴り声を上げてしまった。


男『怖がたら負けネ。そこに雪があるから雪だるま作ル。座右の銘アル。』

俺『麓(ふもと)でやれっ!!』


訳が分からない。

今まで登山をしてきたが、こんな人間は初めてだ。

…まさか…こいつは……
幽れ

男『おねぇさん、ユーレイカ?ユーレイにしては人間ぽいネ。』

俺『お前がなっ!!俺、男だしっ!!』


アホらし。
幽霊なんて居る訳ねーじゃん。


俺『あなた、一体何者なんですか?登山家、では無いですよね?』


俺が問い掛けると、黒ずくめの男は口の端を吊り上げ、笑みを浮かべた。


男『ワタシ、陳ゆうネ。[雪に崩れる]と書いて、陳ネ。』

俺『ナダレだよっ!!』

陳『何か買わないカ?』


意味の分からない自己紹介を告げると、陳と名乗る男性は目を輝かせてきた。


俺『は?』

陳『ワタシ、商人ネッ。ワタシと出会た奇跡に感謝するネッ!!』

俺『いや、感謝はしないが、何を売っているんだ?』


時間を潰すには丁度いいと考えた俺は、鞄を開けた陳に声を掛けた。


陳『くくく……………、…………………』

俺『どうした?』


俺が声を掛けると、鞄を開け、中を見ていた陳の目から一粒の水滴が流れ落ちた。


俺『どうしたんだよ?』

陳『商品………、落として来たネッ!!最悪ネッ!』


何がしたいんだ、コイツは……。


俺『じゃあ、仕方ないな。……あ、ホワイトアウトと吹雪が晴れて来ましたよ。』


窓の外に目を移した俺は、陳に向かい話掛けていた。


陳『それは良かたネッ!では、ワタシも帰るとするネッ!!』


そう言うと、陳は立ち上がり、小屋の奥へと歩いて行き上着を手に取っ

陳『実は、防寒着、持て来てたネ。』

俺『……スーツじゃん…』


陳は、黒のスーツの上から白のスーツを羽織ると、黒の鞄を持ち上げ、俺の前をズケズケと歩いて行った。

小屋のドアノブを握ると、こちらを振り向き


陳『アイヤァ、山は何が起こるか分からないネ。おねぇさん達も気を付けるヨロシ。ワタシは先に行くネッ。』

俺『あぁ、はい、気をつけて。……おにぃさん、な。一人だし。』


陳はドアノブを回すと、扉を開き、白銀の世界へと消えて行った。


………、っ!!


あいつ、ピッケル持ってるのかっ!?


俺は慌ててドアノブを回して外へと出たが、既に辺りを見回しても陳の姿は無かった。

地面には、ちゃんとピッケルの刺さった跡があった。

何だ、ちゃんと用意してたんだ、あいつ。

さて、と。
俺も登山を再開するかな。


外に居た俺は、ドアノブを回すと再び小屋内へと入った。


ん?


今気が付いたが、小屋の奥に枯れ果てた花束と、酒と、タバコが供えられてあった。
酒は、ブドウ味の缶チューハイで、タバコは女性が吸いそうなタールの軽い物だった。


あいつ、なんて所に上着置いてんだよ、罰当たりな。

供えられていた花束に向かい手を合わせると、俺はピッケルを、……ピッケルを……………………………………………………





『くっそオヤジがぁーーーーーっっっつ!!!』





ドドドドドドドド……

コメント(17)


霊が見えていたんですね(((( ゚Д゚)))
で盗みましたねww
そして主人公の声で雪崩が……(((゜Д゜)))
陳さん…(笑)

雪崩に巻き込まれても無事そうですよね(笑)
むしろ、次会った人に雪崩に巻き込まれたことを言いそうですね(*´∀`*)
さすが陳さん(笑)
惚れましたm(_ _)m
>>[001]

(^^)
そうですね。
見えていたようですね、
[3人目]の存在を。
そして、盗んでますね。
あと一個、ですねw

>>[002] 猫耳ホローさん

(^^)
ナニが見えていたのでしょうねw
うっかり、持って行ってしまったのか、盗んだのかは、謎ですねw

>>[003] れぇちゃん@木手子さん

(^^)
正解です。
雪山で大声は禁物です。
くれぐれも雪山で
『ヤッホー!』
と、叫ばないようにして下さい!
絶対ですよ!!
(←フリ)
>>[004]

(^^)
手癖が悪いのか、天然なのかは、謎です。
あと少しの所で……。
さぞや悔やまれますね。

目標を持った行動を取っていきたいものです。

>>[005] UTAUさん

(^^)
盗ったのか、そうでないかは、謎です。
いや、もう盗んだで正解ですねw

ありがとうございます。
m(__)m

>>[006] あずにゃさん

(^^)
その可能性はありますね。
果たして、陳は無事なのか……。
陳シリーズは続くのか…。

全ては謎です。
>>[007]

(^^)
惚れると、痛い目に遭いますよw
程々に、好きになって頂ければ幸いです。
ありがとうございます。
>>[8]

わらww

陳さんが消えたのは、
雪崩に巻き込まれたのでしょうか
(´・ω・`)??
>>[011]

(^^)
謎、です。

俺にも分かりません。
>>[013]

(^^)
ミステリー、ですねw
陳の意味が分かった時、
陳の終わりが訪れます。
(笑)

>>[014] みよん.さん

(;^^)
冬山登山の際に使用する杖、のような物です。
素人の方はあまり持っていませんね。
スキーは、『ストック』と呼ばれる一般的な杖を使用しますが、『ピッケル』は登山用なので、登山愛好家の方は持っています。
急な斜面を登る際に、雪面に刺して使用する物です。
>>[15]

陳さんは不死身なんで、
大丈夫ですよね(・_・、)?
>>[016]

(;^^)
すみません、
俺には分かりません。
いかんせん、謎なので。
m(__)m

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