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意味がわかると怖い話。コミュの肝試しの夜に (自作、長文)

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どうも、俺です。
夏は怖い話で涼しくなりましょう。


★★★★★★★★★★★



『明日休みだし、このまま肝試しでもしない?』


社会人になってから久々に再会した友人達2人で夕飯を食べた後、一人が提案した。


俺『肝試し、って、大の大人がすることかよ。』

友人A『なに、もしかして怖いの?大の大人なのに?』

友人B『この流れは肝試し確定コースだな。』

俺『はいはい、オッケ。いいよ、行こうじゃねぇか。』

友人A『そうこなくっちゃ。場所はもう決めてあるから安心しろ。』

俺『肝試しする場所に安心もクソも無いけどな。』



店を後にした俺達は、Aの車へと乗り込んだ。


友人A『俺達の母校、閉校したじゃん、去年。夜の学校とか、肝試しに最適な場所だろ。』

友人B『鉄板だな。怖い話の展開ベスト5にノミネートされる場所だな。』

俺『ってか、閉まってんだろ。どうやって入んだよ。』

友人A『まぁ、校舎に入れなかったら、校庭でかくれんぼでもすりゃいいじゃん。』

友人B『そっちの方が怖いけどなw』



などと言いながら、Aは車を母校へと向けて走らせた。


30分後、母校だった中学の正門前に到着した俺達は、車から降り門をよじ登り、深夜の学校内へと侵入した。


友人A『やっぱ夜の学校は昼間とは全然違うな。虫の鳴き声しか聞こえねぇや。』

友人B『そりゃそうだろ。深夜だし。』

俺『こんなに狭かったっけ?もっと広かったイメージがあるんだけど。』

友人B『そりゃそうだろ。大人になったんだから。視界の範囲も変わるだろ。』


そんなことを喋りながら、俺達は3年間世話になった下駄箱のある校舎の入口の前までやってきた。


友人A『開いてるかなー、と。』

友人B『怖い話の定番だと、閉校になってるのに何故か入口が開いて』

友人A『おいっ、開いてるぞっ!中に入れるぜっ!』

友人B『‥‥‥鉄板、だな。』

俺『マジかよ‥‥。』



廃校になった校舎に入り心霊体験を経験する、っていうのは創作の中の話だと思っていた俺には、いざ当事者となった今、あながち創作の話じゃないのかも、と思った。


ガラガラガラ‥‥


無機質な引き戸式の入口を音を立てながらAが開ける。
深夜の静まり返った校舎内に音が響き渡る。

ゆっくりと校舎内に入る俺達。


友人B『あの頃と変わらない匂いがする。』

俺『懐かしいな。』

友人A『子供達の数が減ってなけりゃ、今でも学校としてやってけるのにな。勿体ねぇな、まったく。』


俺達は、一応、履いていた靴を脱ぎ、靴下で校舎内を散策することにした。

照明の一切無い暗い廊下。
窓から差し込む星の明るさだけが、唯一の照明の役割を担っていた。

外のむわっとした空気と違い、校舎内は若干ヒンヤリと感じた。
そのまま校舎内を散策し、階段を登り、3階へ。


友人A『見ろよ、机と椅子まだ残ってるぜ。』

友人B『取り壊し、いつやるんだろうな。取り壊しが決まってから撤去するんじゃない?』

俺『‥‥なんか、やっぱ、‥‥‥夜の学校、って感じするな。』

友人A、B『夜の学校だからっ!!』


廊下に男3人の笑い声が響く。
むしろ、これくらい明るい雰囲気じゃないと、恐怖に押し潰されそうな、そんな雰囲気を俺達は感じていた。


友人B『‥‥ん‥‥?』

友人A『どうした?』

友人B『いや‥‥気のせいだと思うけど‥‥足音が聞こえたような気が‥‥。』

俺『俺らの足音だろ。』

友人B『いや、なんか、こう、聞き覚えのある‥‥‥そう、上履きでキュッキュッて歩く音‥‥かな‥‥。』

友人A『演出がウマいなぁ、それでこそ肝試し、ってもんだ。』

友人B『ちっ、バレたか。』

俺『な、なんだよ、嘘かよ、く、くっだらねぇっ!』

友人A、B『鉄板だな。』

友人B『一人は居る、強がる奴、な。』


再び響き渡る3人の笑い声。

しばらく歩いていると、Aが教室の前で足を止めた。


友人A『とりあえず、この教室入ってみようぜ。B、先入れよ。』

友人B『いやいやいや、ここはコイツが先に入る展開だろ。』

俺『いや、Aが入ろうって言い出したんだから、A先に入れよ。』

友人A『いやいやいや、ここはBに。』

友人B『まさか、まさか、ここはコイツに。』

俺『ないないない、A行けよ。』

友人B『じゃあ、俺先に入るよ。』

友人A『いやいやいや、言い出した俺が先に入るよ!』

俺『いやいやいや、それなら俺が先に入るって!』

友人A、B『どうぞどうぞどうぞ。』

俺『鉄板だな。』


3人の笑い声が校舎内に響く。


ガラガラ‥‥‥


懐かしの教室の引き戸を開け、中へと入る。


友人A『うわー、なつい。』

友人B『そうそう、これだよ、これ。この机と椅子。』

俺『ちっさ! こんなに小さかったっけ?』

友人B『回想シーン、ふわっ、ふわっ、ふわっ。』

俺『悪かったよ。』


中学3年時の当時座ってた座席に座りながら、俺達は昔の思出話で盛り上っていた。


しばらくすると


友人A『あれ?‥‥なぁ、教卓の上‥‥‥、ノート置いてね?』

友人B『演出はもういいって。』

俺『ほんとだ、ノートがある。さっき、教卓にノートあったっけ?』

友人B『いやいやいや、ノートがあること自体おかしくね?‥‥去年閉校になってるんだぜ?』

友人A『‥‥気にならね?あのノート。』

俺『まぁ、気にならないと言えば嘘になるけど‥‥。』

友人B『‥‥鉄板‥‥じゃねぇよ、この展開‥‥‥。やめとけよ。』

友人A『なんでっ? 肝試しっぽいじゃん、この流れ。じゃあ、俺は見るよっ!』

友人B、俺『やめとけよ。』

友人A『いやいやいや、そこはさっきの流れだろっ!』


さすがに、先程とは違い、それまで教卓の上に無かった

【あるはずの無いノート】


をリアルに目の当たりにして、ふざける神経は俺とBは持ち合わせていなかった。


友人A『なんだよ、つまんねぇな。分かったよ。じゃあ、そろそろ帰るか。』

俺『そうだな。』

友人B『帰ろ帰ろ。もう眠ぃや。』


深夜もあり、既に眠気が沸いていた為、俺達は引き上げることにした。


教室を出ようとした時


友人A『っと、みせかけてーーーー』


Bと共に振り向いた俺が見たのは、教卓の上にあったノートを手に取り広げていたAの姿だった。


友人B『ちょっ、おま』

俺『マジでか!』

友人A『えーと、なになに‥‥‥‥。なんだ、ただの日記だよ。』


それを聞いて安心したのか、俺とBはAの元まで戻り、ノートの中身を読むことにした。


ノートは、他愛の無い、ありふれた中学生の女子が書くような内容の日記だった。

何故、女子、と分かったのかと問われれば、ノートに女性の名前が記載されていたからだ。


【○月○日

今日、いつものメンバーと遊んだ。好きな男子の話で盛り上がった。まさか、○○が○○のことを好きだったとはwwwwwwww 】





【○月○日

いつものメンバーと遊園地に行ってきた。オバケ屋敷、めっちゃ怖かったよーwwww 】



といった、中学生らしい可愛らしい内容の日記が、丸みを帯びた字体で書き綴られていた。


友人A『なんか、まったく面識も無いけど、女子の日記を読むのって、罪悪感あるな。』

友人B『学校に侵入してることについては罪悪感ねぇんだw』

俺『まったくだ。ノート置いて帰ろうぜ。』


俺がAにそう言うと


友人A『あぁ、分かっ‥‥‥あれ?』

友人B『なん?』

友人A『いや、なんか、最後のページだけ、なんか、張り付いててさ。』

友人B『湿気でくっついてるだけだろ?』

友人A『いや、でも、なんか、気になる、ってゆうか、‥‥お、めくれた。』


ペリペリペリ‥‥‥


張り付いていたページが音を立てて引き離されていく。


友人A『なんとか読めそうだな。』

友人B『いい趣味してるぜ。当時それやってたら、完全に翌日からシカト対象だな。』

俺『女子の敵、な。』


なんてことをBと言っていると


友人A『お、偶然にも今日と同じ日付けだぜ。えーと、なになに‥‥‥』

友人B『ノート置き忘れた子、可哀想に。こんな奴に読まれて。』

俺『まぁ、バレることは無いだろ。閉校になってるし。』



友人A『‥‥なんだよ、これ‥‥‥訳分からねぇよ‥‥‥』


それまで黙って日記を読んでいたAが、そんなことを呟いた。


俺『どうした?』

友人B『なに?お前の妹の日記でした、ってオチを期待w』

友人A『‥‥いや、なんか、この内容だけ、変な感じがする、ってゆうか‥‥』


そんなことを言われては、内容を知りたくなるというのが人間というもの。


友人B、俺『どれどれ?』



Aから渡された日記を俺とBは二人で読むことに。



【○月○日

今日はいつものメンバーと夕飯を食べに行った。 夕飯を食べた後○○が、肝試ししよう、ってw
気が進まなかったけど、夏だし、肝試しとか鉄板だし。
そんなノリで私たちは夜の学校へ。
夏休みに入ってるのに校舎の入口開いてるし。
夜の学校、昼と違ってスゴく怖い。ユーレーとか出ませんようにー。
って、ビクビクしながらも、笑い声を上げたりして怖さをごまかしてたw
で、私達は夜の教室に。

特に怖いこともなく、ホッとしてたら、先生の机の上にノート置いてあるしー。
誰の忘れ物?
ノートの名前の子、学校に居ないし。
ってか、事故で死んでるし。
なんで、その子のノートがあるの、ってカンジ。
一通り日記読んだけど、怖くなって、もう帰ろう、って言って皆で帰ることにした。

帰るとき、トラックが私達の乗ってた車にぶつかってきた。
一瞬、訳分かんなかったけど、逆にその状況がおかしくて、私はずーーーっと笑ってた

ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは





読み終えた俺とBは、急に背筋が寒くなった。

それまで普通だった内容の日記が、最後のページだけ狂気じみていたからだ。


さすがに、AもBも怖くなってきて、無言でノートを教卓に置くと、そのまま教室を後にした。


特に幽霊とか、そういう類いには遭遇しなかった訳だが、なんか、気持ちが悪かった。

下駄箱前に脱いでいた靴を履き閉まっていた入口を開けて、俺達は校舎から出ることに。

再び入口をガラガラガラ、と閉めると、外に停めていた車へと戻る俺達。

行きの時の威勢の良さは何処へやら。

俺達はただ


友人A『肝試し、って、やるもんじゃねぇな。』

友人B『やってから言うんじゃねぇよ。』

俺『ま、まぁ、でも、楽しかったけどな。肝試しなんて、こんなもんだろ?ははは。』

友人B『一人は居る、強がる奴、な。』

友人A『帰って寝よ。今何時よ?』

俺『2時半ちょい。』


正門を再びよじ登り、夜の校舎に別れを告げて、俺達はAの車へと乗り込んだ。


車を走らせていると、それまで順調だったオーディオの調子が悪くなり、ラジオしか聴けなくなった。


友人A『こんな時間にやってるのは、アニメ声優のラジオくらいだな。』

友人B『まぁ、賑やかな感じなら、何でもいいよ。』

俺『だな。』


旬の声優によるラジオを聞きながら車を走らせていると、対向車線から眩しい程のハイビームを照射しながら大型車が迫ってきていた。

ラジオからは、俺達の悲鳴とは似つかわしい程の甲高い女声の笑い声が流れていた



はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは









友人C『‥‥‥なんだ、これ‥‥‥』


コメント(9)

肝試しの夜に…狂った主人公の【日記】をCが読んでいる?
日記は2組分の日記なんじゃないかな
最初の女子グループの日記とそれを読んだ男子グループの事を誰かが書いてそれを友人が読んでる
問題なのは誰が最後の日記を書いたのか、友人Cは何処で日記を手に入れたのか
【あるはずの無いノート】を読むと、事故にあうって死んでしまう。その後、その様子を書いた日記が現れ、それを見た人がまた事故にあう…という無限ループですね。(おそらく毎年同じ日)

日記にある「事故で死んだ子」→その子の日記を女の子たちが読む→事故にあう(おそらく死んでいる)→その女の子の日記を俺たちが読む→事故にあう(おそらく死んでしまった)→友人Cが俺たちの日記を読む→友人Cも同様におそらく事故で死ぬ…

相変わらず、文章が素敵に怖くて、楽しませていただきました!
>>[1]

(^^)
はじめまして。
コメントありがとうございます。

残念ながら、主人公(語り手)による狂った日記を読んでいる、ということではありません。

ですが、コメントを頂けて嬉しく思います\(^^)/
>>[2]

(^^;
鋭い推察ありがとうございます。

ですが、ちょっと正解から離れてしまっています。

誰が最後(最期)の日記を書いたのか‥‥。
いわゆる、霊的事象です。

友人Cは、作中に登場する

『友人A、友人B、俺』

の友人ではありません。

同じ夜の校舎に肝試しに友人達と一緒に行った、


【奈々ライバーP月読さんの友人達の内の一人】


と、解釈して下さい。


つ ま り ‥‥‥‥
>>[3]

(^^)
正解です。

正確には、この日記を読んでしまった友人Cと、一緒に夜の校舎に肝試しに来ている 【読み手】の方、に、この後似たような不孝が訪れる、という内容になります。


少し訳が分からないかもしれませんが、今回のお話の中では、読み手の方も作中の登場人物として読んで頂いている設定になっています。

肝試しするのに一人で行く人はあまりいません。
行くとすれば、3人〜4人。

最後の登場人物である、友人Cは、【おくとぱす】さんが一緒に肝試しに来ている友人、として読んでみて頂けると、より怖さが増したり増さなかったり←


長くなりましたが、おくとぱすさんの回答が、そのまま正解になります。
まぁ、面白半分で夜の学校には行かない方がいいよー、ってゆうのが言いたかっただけなんです(笑)


過去に夜の校舎に忍び込んで肝試しやってたのが教師にバレて、こっぴどく叱られた奴が言うので間違いありません。

危うく推薦取り消しになる、という意味怖が過去にありました。
過去に夜の校舎で肝試しした事があるウチとしては、その時ノートを見つけなくて良かったと思うわ(あったら怖いけど)
肝試しとか心霊スポット巡りとかは面白半分で行くと超怖い目にあうで(霊感ある人はわかる話)
>>[6]

解説ありがとうございます。
なるほど。読み手も登場人物でしたか。良いですねー。

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