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意味がわかると怖い話。コミュの謎のサンタ、陳 3 後 (超長文・ラノベ風、自作)

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前回

謎のサンタ、陳 3・前
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(^^)
どうも、俺です。

クリスマスに合わせ、前後編スタイルを取らせて頂いたことをお詫び申し上げます。

※長文、ラノベ調が嫌いな方は読まないでね…。


★★★★★★★★★★★★★★★


〜前回のあらすじ〜


チンタクロース、と名乗る中年男性の持っていた白い袋の中から取り出された一体の人形。

その人形には、髪の毛も、人形の特徴である顔も描かれていないシンプルな物だった。


陳『この人形、ガールドール言う名前の物ネ。』

俺『ガールドール…。』

陳『そうネ。道路の脇に設置されている安全な公共物』

俺『ガードレールなっ!!』




〜後編〜



12月16日

チンタクロースから購入した人形のことを思い出した俺は、馬鹿馬鹿しいとは思いながらも、人形を一緒の布団の中に入れ眠りについた。


12月18日

人形を布団の中に入れて一緒に寝ること二日目…。

特に変わった感じは人形からは感じない。
もしかして、人形に対する愛情が足りない、のか?


その日の夜、俺は人形を抱き寄せるようにして眠りについた。
寒いから風邪を引かないよう、首まで布団を被せて。


…完璧あっち系じゃねぇか……


12月19日

いつものように目覚まし時計に起こされる朝。
寝ぼけ眼のまま、鳴りやまない目覚まし時計のボタンを押そうと上半身を起こした。


『クシュンッ』


えーと、目覚まし時計は何処かなぁ、と


『クシュンッ』


……ん?
くしゃみ?

俺、じゃないぞ。
じゃあ、一体どこから音がす……


俺は一瞬で凍りついた。

俺の寝ていた脇に、裸のままの小学生位の女の子が体を丸めて寝ていたからだ。

間違いなく犯罪者…。
しかし、誘拐した記憶など無い。
この女の子は一体…


『…あ、おはよう…』

俺『お、おはようございます…君、誰…?』

『ねぇ、寒いから服貸してよ。』

俺『は、はい、今お持ちします……って、まさか……君…』

『君ってのやめて。早く名前付けてよ。』


……マジでか…


俺『……リカ、でいい?』

リカ『うん、いーよ。じゃあ、今日から私はリカね。』


ニッコリと満面の笑みでリカは応えた。


女の子の人形といえば、リカちゃん人形しか浮かばなかった俺は、リカという安直な名前を付けてしまった。
アリエルや、キララよりかはマシだとは思う。


とりあえず、所有している服をリカに貸して混乱する頭を正常に戻す為、会社へ行く支度を始めることにした。


サイズの合わないブカブカの服を着たリカに、家から外に出ないようにと告げ、食べる物は冷蔵庫の中にあるから勝手に見繕って食べるようにと伝えた。


ドアを開けて外に出た所で、心臓の鼓動が脈動を早めだした。


ガールドール……

本物だ…。


その日、白昼夢にかかったような感覚で仕事に身が入らないままいつも通りの時間帯に帰宅した。


リカはリビングでテレビを見ていた。
端から見たら、歳の離れた姉妹に見られるかもしれない。
下手したら誘拐犯に間違われる可能性の方が大きい。

とりあえず、しばらくは室内で我慢してもらうしかない。

夕飯は、簡単な料理を作り、リカと二人(?)でリビングで食べることにした。

テレビを見ながら笑顔で料理を食べている様子は、何処の家庭にでも居そうな小学生の女の子そのものだった。

久々に自分以外の人間と二人で食べる食事はいつもよりも美味しく感じた。


夜も遅くなった為(小学生位の子供は寝る時間)、時間を置き別々に風呂に入った俺達は、再び布団で一緒に寝ることになった。

布団が一つだけだから、仕方ないんだ。
俺に幼女趣味は無い。


電気を消して眠りに入ろうとした時、


リカ『こっちの方が暖かいでしょ?』


と言いながら、体を寄り添わせてきた。
男で大人な俺には寒く無い温度でも、小学生位の女の子にしてみては寒いのだろう。
俺は、リカを腕枕させ、リカが寝息を立てるまで軽く頭を撫で続けていた。



12月20日

目覚まし時計の音で目が醒めた。
鳴り止まない目覚まし時計を止めようと上半身を起こした時


『もう朝…?』


という傍らからの声の方に、ボーっとした頭のまま視線を移した。

………
……っ!?


昨日まで小学生位の大きさだったリカが、今は高校生位の大きさへと成長していた。
昨日まで、着ていてブカブカだった服も今は丁度いいサイズになっている。


俺『あ、お、おはよう…』

リカ『おはよう。早く支度しないと遅刻しちゃうよ。私は二度寝するね…。』


とだけ言うと、再び寝息を立てて眠りについた。


この状況…、完璧、犯罪者だ。
兄妹なんです、と言って通用する程、リカと俺は似ていない。
むしろ、リカの端正な顔立ちは、そこいらの女子高生よりも十分に優っていた。
アイドルに居ても違和感は無い。


……俺の願望のまま…。

チンタクロースの言葉が思い出される。


このリカも、昨日のリカも、俺が望んだ姿だということか……。


俺は手早く着替え、リカの為の簡単な朝食を作り、気分転換に外に出たくなった時の為に合鍵を置いて家を出た。

女子高生と二人きり…。
有り得ない。

…けど、有り得ている現実に戸惑いながらも、俺は会社へと向かった。


いつも通り帰宅すると、美味しい香が鼻孔をくすぐった。
どうやら、リカが夕飯を作って待っていてくれたようだ。
服装も俺の所有している別の服を勝手に探してきて着替えたようで、新鮮味に溢れていた。
いつも見慣れた俺の服も、女性が着ると180度見方が変わるのだということを知った。


リカ『どう!?美味しいっ?』


リカは、リビングのテーブルの上に並べられた料理を口にした俺を、不安げな表情で身を乗り出して尋ねてきた。


俺『美味いよ、とても。』

と、素直な感想を伝える。
実際、本当に美味しく出来ている。
その言葉を聞いた途端、曇っていた空が晴れるかのような笑顔でガッツポーズをするリカ。
俺は思わず吹き出した。


そして夜。
いつものように別々の時間に風呂に入り、就寝時間を迎えた。


リカ『…また、腕枕、してくれてもいいよ…。』

俺『ははは。…どうぞ。』


微笑みながら俺の腕枕に頭を乗せるリカ。
…ツンデレかっ。


そして、今日も俺は頭を撫でながらリカの寝息が聞こえてくるのを待ってから眠りについた。


12月21日

鳴り止まない目覚まし時計の音で目が醒

『早く起きてっ!朝ご飯作ったから、一緒に食べよっ!』


と言いながら体を揺すられた。
ゆっくりと目を開くと、ボヤーっとした視界の先に現れたのは、大学生位の大きさに成長したリカだった…。


リカ『ほら、早く起きてよっ!』


これなら誰がどう見たって、れっきとした同棲中のカップルだ。


そんな具合に、一日一日と愛情を込めた分だけ、俺の願望通りの女性へとリカは成長していった。


12日23日

会社も休みだから、リカと一緒に外出することにした。
この時点で、リカは俺と同じ位の年齢にまで成長していた。

男物の服でいる、というのも気が引ける為、リカの服を買いに行くことにした。

行く先々でリカを見る男性達の視線。

それもそのはず。
リカは俺の願望通り、清楚で容姿端麗な美人へとなっていたからだ。

羨望の眼差しで見られる俺も、気分がいい。


リカ『これが外の世界かぁ、とても賑やかで楽しい所だね。』

俺『これからも、もっと色んな所に連れていってあげるよ。』

リカ『本当?嬉しいなぁ。』


そう言って、リカは俺の左腕に抱き着いてきた。
豊かに実った膨らみが腕に当たる……。

女性客で賑わうブティックで服を選んでいる時でさえ、店内の女性達からの視線は常にリカへと向けられていた。

店員に至っては、モデルさんですか、と声を掛けてくる程だ。

戸惑うリカに、彼女に似合う服を見立ててくれと店員に頼み、俺は彼女達の様子を眺めていた。


清楚なイメージにピッタリの服を着たリカが試着室から出てきた。
予想していた以上に似合っていて、呆然としてしまった。


リカ『どう、かな?似合ってる、かな…?』


恥ずかしそうに聞いてくるリカに、首だけを縦に動かすことしか出来なかった。

会計を済ました俺は、リカとクリスマスムードで染まりきった街を手を繋いで歩いて回った。

目に映る物全てが新鮮なリカは、そのどれもに飛びつき、休む暇も無い位、俺達は歩き回った。


日も傾き、街頭のイルミネーションもその存在感を強調しだしてきた。

夕飯は小洒落たレストランで、ワインと共に洋食を頼んだ。

レストランの中でさえ、カップル達の視線は常に俺達へと向けられていた。
正確には、リカへと、なんだけど。


リカ『ワイン、美味しいね。』


顔をほんのり赤らめながら、リカは心から楽しそうにしていた。

夕食も済ませ、喧騒絶え間無い街頭から少し離れた裏路地を手を繋いで歩いて帰ることにした。
それでも、スピーカーから流れてくるクリスマスソングは常に聞こえてきていた。

リカは顔を肩に寄せ、腕を絡ませてきた。

なんて日だ…。
こんなクリスマス、クリスマスプレゼントにしちゃ最高過ぎだろっ!!

…チンさん、ありがとう…。

陳『どういたしましたネッ!』

俺『うわっ!!』


何処から現れたのか、目の前には以前出会った格好のままのチンさんが居た。


陳『アマグリ、ネッ!』

俺『メリクリ、なっ!!』


相変わらずのボケを繰り出すチンさん。


リカ『誰…?』


俺の背後に隠れるようにしてリカが尋ねる。


俺『あ、あぁ、ちょっとした知り合い。』

陳『お久しぶりネ。』

リカ『…?』

俺『ちょっと!』


俺はチンさんに近付き耳元で、


俺『余計なこと言わないでくれよ。』

陳『くくく、かしこまたアル。して、これからアナタ、どうするネ?』

俺『え…?』

陳『本日は聖なる夜ネ。何もしないで帰る底抜けアルカ?』

俺『腰抜けな。いや…』

陳『まだまだ愛情足りて無いネェ。くくく、意味分かるカ?』


チンさん、いや、チンは口の端を吊り上げながら含み笑いをしていた。


陳『では、ワタシ、二人のジャーマンスープレックスしたら悪いので、ツァイツェン、ネェ。』

俺『しねぇよっ!あぁ、じゃあな…。』


鼻歌を奏でながら去っていくチンを見届けた俺は、リカと二人でゆっくり休憩の出来る店へと入った。


……………



俺『愛してるよ、リカ…。』

リカ『私も、あなたのこと愛してる…。』


俺はリカを強く抱き締め、熱い口づけを交わした。

そして、俺とリカはお互いを求めるように激しく愛し合………




12月24日、深夜

各場所のホテルからは、男性客の悲鳴が相次いだ。



陳『この時期、ガールドールの売れ行きハンパないネェ。来年は倍の200体は用意するとするネ!!』


札束を手にしながら男性は厭らしい笑みを浮かべていた。



陳『メアリークルシミマース、ネェーーーッ!!』



謎の男性の奇声は暗い闇夜の中へと消えていった




後編、完

コメント(8)

成長しすぎて、一気にばあちゃんに?
陳さんシリーズでは初コメントでしたっけ。これまでのシリーズも楽しませていただいていますウッシッシ

小学生→高校生→大学生……成長の度合いにばらつきがあるなぁうまい!
でもまぁ、一気におばあさんになっちゃったんでしょうなぁ。
人形、100体くらい売ったんですね…たらーっ(汗)
ガールドール100体も売れたのか…世の中、寂しい男性が多いみたいですね〜あせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)
>>[001]

(;^^)
激しく愛し合った結果…

愛情が無くなった後、介護だけが待っています…
>>[002]

いつもお読み頂きありがとうございます★


(;^^)
赤ん坊、から成長させるとなると、もはや育児になりますからね。

ヲタの方々が興味を持つ
小学生、高校生、大学生
に成長過程を絞らせて頂きました(笑)
(前後だと収まらない内容になってしまう為)

まぁ、100人が同じ恐怖を同じ時間帯に味わった、というのが、真の正解です、かね←w
>>[003]

(;^^)
寂しい男性の元に訪れた、いっ時の奇跡だった、ということですかね…。

ガールドールがあるなら、ボーイドール、も、あったのでしょうね…。

男性も女性も、独り身にはツラいイベントです…。
(ノ∀T)。+゜
>>[004]
もしかして、ばあちゃんを通り越して、ガイコツ・ミイラ・キョンシーの類いになったかとも思いましたが(笑)。

でも陳が売ったものにしては割とマトモな気もします
>>[007]

(;^^)
さすがに骸骨になるまで愛することは、出来ませんね。
いくら愛の営みに夢中になっていたとしてもw

マトモ、ですか?

(^^)
まぁ、クリスマスだから、というのもあったのかもしれませんねw

(※元ネタ、盗作、等は毎度のことですが、ありません。重要w)

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